福田康夫の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(福田康夫君) 山崎議員にお答えを申し上げます。
 冒頭、御支援のお言葉をいただき、大変ありがとうございました。
 御質問に順次お答えを申し上げます。
 まず、さきの参議院選挙における自民党の敗北をどう総括するかというお尋ねがございました。
 さきの参議院選挙の結果は、何よりも国民の政治や行政に対する不信が示されたものであると考えております。年金記録問題への対応などにおいて、国民の目線から外れている、国民の立場を軽視しているといった印象を国民に与えたことがこうした厳しい選挙結果につながったものと考えております。私に課せられた使命は、この失われた政治や行政に対する信頼を取り戻すことでございます。国民の目線に立って、国民生活の向上につながる政策を一つ一つ着実に進めてまいりたいと思います。
 今後の内閣提出法律案の立案、二院制のあるべき姿と国会運営についてお尋ねがございました。
 衆議院と参議院とで与野党が逆転している今日のような状況でこそ、国民に信頼される政治という原点に立ち戻り、政策の立案、実施に当たっては国民への説明と対話を十分に積み重ねていくことが必要であると考えております。また、野党の皆様に対しましても誠意を持って話し合いながら、真に国民のための政策を実現していくように努力をしてまいる所存でございます。
 御指摘のとおり、今日の国会の状況は、与野党が適度な緊張感を保ちながら建設的な議論を行うことによって、正に二院制が有効に機能する道を探る好機にあると言えると思います。
 インド洋における海上自衛隊の補給活動継続についてのお尋ねがございました。
 インド洋における補給活動は海上阻止活動の不可欠の基盤となっており、国連安保理決議一七七六号に示されているように、国際的にも高く評価され、活動の継続が期待されております。我が国は、この活動を通じて、我が国を含む国際社会の平和と安全を確保するための国際社会の取組の一翼を担うとともに、インド洋における海上交通の安全の確保にも貢献しております。
 テロとの戦いにおける我が国の国際的な責務を今後とも果たしていくため、この活動を引き続き実施していく必要があり、政府としては活動継続の必要性を御理解いただけるよう全力を尽くしてまいります。補給活動を継続するための必要な法的処置の在り方について現在検討中であり、速やかに骨子を取りまとめて野党を含め国民の皆様にお示しし、協議を始めたいと考えております。
 外交の基本方針についてのお尋ねがございました。
 国際社会の平和と安定は、我が国の平和と繁栄にとって不可欠です。私は、激動する国際情勢の中で、今後の世界の行く末を見据え、我が国が国際社会の中でその国力にふさわしい責任を自覚し、国際的に信頼される国家を目指し、世界平和に貢献する外交を展開します。
 アジア諸国との関係をより良くしていくことは当然でありますが、そのためには日米関係が強固である必要がございます。同時に、アジアにおいて日本の地位を確固たるものとし、地域の平和と安定を実現することは、日米両国にとっても利益になります。このような好循環をもたらすよう、日米同盟の強化と、中国を始めとするアジアの国々との外交を積極的に進めてまいります。
 自由と繁栄の弧の構想に対する認識についてのお尋ねがございました。
 私は、日米同盟と国際協調を外交の基本として、日米の信頼関係の一層の強化と積極的アジア外交を進めます。その際、自由と繁栄の弧の構想を念頭に置いた自由、民主主義、基本的人権、法の支配、市場経済といった基本的価値及び制度が重要である、この認識には変わりはございません。中国とは共通の戦略的利益に立脚した互恵関係を打ち立て、ともにアジアと世界の平和と安定に貢献してまいります。
 次に、拉致問題についてお尋ねがございました。
 我が国は、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現し、不幸な過去を清算して国交正常化を図るべく、最大限の努力を行います。拉致問題の進展が見られない現状において、エネルギー供給に参加しないとの方針に変更はありません。
 今次六者会合の結果については、北朝鮮の非核化に向けた年内の行動が明確になったことや、日朝国交正常化の早期実現のために具体的な行動を実施していくことが明記されたことなど、評価し得ると考えております。今後、合意に基づいて具体的な行動が実施されることを期待いたしております。
 年金制度の安定化についてお尋ねがございました。
 年金制度については、平成十六年の制度改正において、長期的な給付と負担の均衡を確保し、制度を持続可能とするための抜本的な改革を行ったところでございます。その後の経済状況の改善等により、年金財政はこの三年間で制度改正時の見込みより十二兆円程度も好転をしております。
 今後、所要の安定した財源を確保した上で、基礎年金国庫負担の二分の一への引上げの実現に取り組んでいくとともに、平成二十一年までに財政検証を行うことによりまして、国民への説明責任を果たし、国民生活の安心の確保に最善を尽くしてまいります。
 年金記録問題についてのお尋ねがございました。
 年金記録に対する国民の不安を解消していくためには、国民の皆様一人一人の年金記録が点検され、正しく年金が支払われることが重要であると考えております。年金はすべての国民にかかわる問題であり、政府を挙げて、年金記録問題解決に向けた取組について国民の皆様への説明を丁寧に行いながら、年金制度に関する信頼を回復してまいります。
 次に、医師確保の対策についてお尋ねがございました。
 全国各地の医師不足を訴える声を真摯に受け止め、地域にお住まいの方が必要な医療を受けられるよう医師を確保していくことは喫緊の課題です。本年五月末には、政府・与党が一体となって緊急医師確保対策を取りまとめ、緊急に講ずべき処置から中長期的な対策まで、各般の対策を盛り込んだところでございます。これを受け、地域の医療が改善されたと実感できるように様々な対策を具体化してまいります。
 財政の構造改革、健全化へ向けた決意についてお尋ねがございました。
 次の世代に負担を先送りしないためには、二〇一一年度には国と地方の基礎的財政収支の黒字化を確実に達成するなど、歳出歳入一体改革を更に進めていく必要がございます。そのため、来年度予算編成において成長力の強化、地域活性化、生活の安全、安心等に資する施策にも重点化を図り、めり張りの利いた予算編成とする一方、今後とも行政経費の絞り込み等により歳出改革に取り組んでまいります。また、歳出改革、行政改革を実施した上で、それでも対応し切れない社会保障や少子化などに伴う負担増に対しましては、安定的な財源を確保しなければなりません。
 今後、早急に国民的な合意を目指して本格的な議論を進め、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく取り組んでまいります。
 次に、公務員制度改革の必要性とその方針についてのお尋ねがございました。
 公務員制度については、公務員の採用から退職にわたる課題について有識者から成る懇談会において総合的、整合的な検討をただいま進めているところであります。検討結果を踏まえ、行政の信頼を取り戻すことが重要であり、公務員一人一人が高いモラルを維持し、能力を高め、誇りを持って職務に専念できる総合的な制度となるように公務員制度改革を進めてまいります。
 地方の社会資本整備についてお尋ねがございました。
 社会資本整備については、厳しい財政事情の中、真に必要な分野に重点化していく必要がございます。とりわけ、地域活性化のため、各々の地方の状況に応じ、産業の活性化や人々の暮らしを支えるために何が必要かを考え、決してばらまきでなく、競争力強化等のために必要な社会資本整備を推進することが重要と考えております。
 公共事業における地方負担の在り方についてお尋ねがございました。
 国民生活は都会だけで成り立つわけではありません。地方と都会がともに支え合う共生の考え方の下に、地方が自ら考え実行できる体制の整備に向け、財政面からも地方が自立できるよう、地方税財政の改革に取り組みます。その一環として、公共事業における地方負担の在り方についても検討をしてまいります。
 次に、地方交付税についてのお尋ねがございました。
 地域間に大きな税源偏在がある中で、地方交付税は地域間の財政力格差を調整するとともに、全国どのような地域であっても一定水準の行政を確保する機能を有しております。このような機能は今後とも重要であると認識しており、地方交付税を含め、地方団体の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保に努めてまいります。
 次に、農業農村についてのお尋ねがございました。
 我が国の農業農村は、国民に食料を供給するのみならず、地域の文化の継承、農村景観の保全など多面的な機能を有しております。こうした役割を踏まえつつ、意欲ある担い手の支援により、農業経営の体質強化を図ってまいります。また、農村現場の声を真摯に受け止めながら、集落でまとまった特色ある営農を行うことへの支援を始め、小規模な生産者等に対してもきめ細やかな支援を行うこと等により、農業農村の有する潜在力を引き出してまいります。
 水産業の現状認識と将来についてのお尋ねがございました。
 水産業は、資源状況の悪化、漁業生産構造の脆弱化など厳しい状況にある一方、世界的に水産物への需要が高まるなどの情勢変化に直面しております。このため、資源回復の推進、漁業の収益性改善や新たな経営安定対策の導入による足腰の強い経営体育成等の施策を展開し、力強い水産業の確立を図ります。
 林業問題についてお尋ねがございました。
 水をはぐくみ、国土を守る緑の社会資本としての森林を支えるためには林業の発展が重要であります。林業をめぐる情勢は、長期的な価格低迷、担い手の高齢化等厳しい状況にある一方、国産材利用の回復等明るい兆しも見られます。政府としては、担い手の確保や林業生産の低コスト化等を図りつつ、国産材の利用拡大を軸とした林業、木材産業の再生を図ってまいります。
 次に、京都議定書目標達成計画の現状認識と今後の対応についてお尋ねがございました。
 従来の大量生産、大量消費をよしとする社会から決別し、地球に優しい持続可能社会へとかじを切り替えていくために、地球温暖化問題は最優先で取り組むべき課題と認識しております。
 二〇〇五年度の我が国の温室効果ガスの排出量は、基準年度と比較して七・八%増加しており、既存の目標達成計画による対策のみでは京都議定書の六%削減目標の達成は極めて厳しい見通しです。来年度開催される北海道洞爺湖サミットなどの場を通じ、我が国が国際的にリーダーシップを発揮するためにも、京都議定書に掲げる六%削減目標を確実に達成することが必要であります。
 そのため、今後、特に排出量の伸びが著しい業務部門や家庭部門を始めとしたあらゆる分野において既存対策の着実な推進と追加対策の具体化を進め、年度内に政府として目標達成計画の改定に全力を尽くしてまいります。
 以上でございます。(拍手)

発言情報

speech_id: 116815254X00420071004_006

発言者: 福田康夫

speaker_id: 5556

日付: 2007-10-04

院: 参議院

会議名: 本会議