エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴの発言 (政府開発援助等に関する特別委員会)
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○参考人(エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ君)(通訳) 溝手顕正政府開発援助等に関する特別委員会委員長また委員の皆々様方、本日皆様方の前でお話しできることをとても光栄に思っております。非常にフランクにお話しさせていただけるものと思っております。我々が見るところの日本のODAプログラムの現状について、特にアフリカ向けの日本のODAについて見解を述べさせていただきます。
私のプレゼンは、まず概要というページから始まっております。(資料映写)これが本日の私の講演の目次のようなものです。最初にまず、なぜODAを提供するのか、その存在意義について考えてみたいと思います。それから、日本のODAの重点分野、三番目は実情ということで日本のODAの動向について考えまして、最後にアフリカにODAを増やしていただければということで述べてみたいと思っております。
それではまず、ODAの土台について考えてみたいと思います。
国際的に多分二つの主要な点が合意されていると思います。一つは利他的な行為ということです。つまり、他人のためにいいことをしましょうという精神からODAが提供されております。この観点から申しましても日本は世界の大国の一つであられまして、だからこそ日本のような大国に対して世界から期待感が集まってくるわけです。そして、日本に国際的な責任を果たしてほしいと期待が募るということであり、あげるからにはその対価としてお返しも期待するということだと思うんです、成果的に。
それから、第二番目のODAの理由なんですけれども、国はそれぞれ目標ではありますけれどもGNIの〇・七%をODAに掛けましょうということが言われております。もちろん実際にこの〇・七%を達成した国は限りがあるんですけれども。また、ほかにも国際的な申合せができております。例えばグレンイーグルズG8サミットでも合意されたものがあります。そして、五百億ドルアフリカに対して追加的に二〇〇五年から二〇一〇年にODAを出しましょうと申合せができております。つまり、毎年、五年間一年ずつ百億ドルずつ追加するという計算になるんですけれども。
今年、日本の高村外相が、ODAが日本では下がってきたけれども今後これをまた復活させるんだ、増額していくんだというふうにおっしゃっておられます。つまり、今はODA下がっているけれども、この傾向を逆転させるとおっしゃってくださっております。
もちろんこれは日本の自己利害にもかなうことです。日本は立派な国家であり、お国であられるということであるので、日本は当然アフリカの問題が解決されれば裨益するはずです。なぜなら、日本の国益にもアフリカの状態は直結しているからです。人々がいら立ちを感じて剥奪されているということになるとテロを呼びかねないということでありますし、これを封じ込めることができなければ、例えば感染症なども各国に広がってしまうということになるわけです。それから、ODAは善意の源にもなるということでありますし、ODAをもらっているから日本に親近感を持つということにもなるわけで、経済的にも政治的にもそれなりの恩典があるわけです。
それからさらに、もしアフリカの成長を底上げすることができれば、その結果アフリカ自体が新しいマーケットになれるわけです。もちろん日本というのは天然資源なりエネルギー源なり食料なり各国から輸入なさっておられるわけですから、やはり世界全体が安定するということは日本の国益にもかなうことになるのです。
また、アフリカ自体が強大な経済圏になることができれば、そしていいマーケットを提供することができるようになれば、日本の製品も更に売れるということになるわけです。
ODAとよく言われますけれども、もちろんアフリカに対して政府開発援助を提供することによってアフリカの経済が発展するようにするということが目標となっております。インフラですとか人的資源の開発ですとかFDI、海外直接投資を推進するという目的を持っているわけです。それからまた、目的の一つとして人間の安全保障を向上させるということ、安全な飲み水を提供する、ヘルスケアですとか医療サービスを改善する、学校を建てる、良い教育制度を構築する、防災計画を作る等々も入っているわけです。実際に幾つものプログラムがアフリカで現在走っておりまして、現地の人たちは非常に有り難く思っているところです。
それでは次に、もっとざっくばらんにお話しできればというふうに思っております。
地域別に日本のODAのトレンドを見るとどうなるかということなんですけれども、このチャートを御覧いただければと思います。スクリーン上に映っていると思うんですけれども、まず薄いブルーの線なんですけれども、あと白と。アジア、それで中東と、白がアフリカです、濃淡で分けているんですけれども。
例えば一九七〇年、アフリカはトータルの日本のODAの二・二%しか受け取っていなかったんです。でも、一一・四%に一九八〇年代は増え、九〇年代になりますと一一・四%と横ばいで、二〇〇〇年ぐらいになって一〇・一%まで伸び、二〇〇二年を契機に八・七%までまた下がってしまったんです。二〇〇三年が八・八%と微増だったんですけれども、そして四年になって一〇・九%とまた盛り返してまいりまして、二〇〇五年はまたちょっと微減してしまったんです、一〇・八%まで。
さて、二〇〇六年なんですけれども、ここで御覧いただくようにパーセンテージで取りますと三四・二%と、かなり増大しているわけなんですけれども、ただ気を付けていただきたいのは、これはパーセンテージの話でございます。確かにパーセンテージで見れば増えているけれども、いわゆるこのODAの絶対額ということになると実は減っているわけなんです。二〇〇〇年から二〇〇六年の間に三四%ということであります。ですから、三八%、実はODAの水準自体は二〇〇〇年以来減っているということなんです、パーセンテージでは三四%を占めているけれども。
そして、大体日本は平均いたしますと、一九七〇年から二〇〇五年の間に日本の出したODAのアフリカの取り分というのは平均一〇%であったということであります。二〇〇六年になって初めてこのようにパーセンテージは上がったんですけれども、先ほど申し上げたように、パーセンテージで見たもの、つまりスタートレベルが非常に低いところから見るとこれだけ上がったということであるわけなんです。だから、三八%、ODAのレベルは実は減っているわけなんです、二〇〇〇年以来。
TICADのお話が出ました。これは十五年前から始まったものです。一九九二年から。そして、本当にTICADがどのぐらいインパクトを持っているのかということを改めて見てみますとどうなるでしょうか。
私が評価するところによりますと、実はTICADはせっかく開かれているけれども、それほど大きなインパクトは出ていなかったという結果になっているんです。
例えば、国民のアフリカ大陸に対しての問題意識ということになると若干上がってきたと思います。マスコミの取材も増えた、PRも増えたということだと思うんです。しかし、実際のODAの流れで関連して考えてみると、余り効果はなかったなということだったと思うんです。これ、外務省の記録を今お示ししているんです。ブルーブックということで、私の手元に配付されているものなんですけれども、そこも御覧いただければと思います。
では次に、日本のODA予算のトレンドを考えてみたいと思います。是非このグラフ、御覧くださいませ。
ここにございますように、例えばこちらのラインを御覧くださいませ。こっちです。六二とかいう数字があると思いますけれども、二〇〇〇年から二〇〇六年の間、六二ですとか九〇ですとか。これが、その三八%ODAの水準が減りましたねということを示しているんです。
国防費はどのぐらいでしょうか、日本の場合、防衛予算。ODAに比べますと、もちろん国防費も微減していますし、公共事業支出は同時期一九%、約、下がってはおります。でも、ODAは三八%減っているわけでありますので、ほかの部門に比べてこれだけ減っているということです。二〇〇七年以来、日本が発表なさっておられます方針として、今後またODAは毎年二%から七%ずつODA減らしていくんだとおっしゃっておられるので、とても心配しているんです。
一人当たりのODAということになりますと、額で見てみますとどうなるでしょうか。ほかのDAC諸国と考えてみますと、いわゆる他の先進国と比べて日本がどこに位置しているかということなんですけれども、ヨーロッパ、アメリカ、その他先進国と比べての話です。
このグラフ、御覧くださいませ。ここです、日本は。二十二か国ここにあって、十七位と日本はなっていますけど、ランクとしては十七位です、二十二の国の中で、日本は。例えば日本は十七位だけれども、フィンランドは十五位ですかね、ちっちゃな国だけれども頑張っている。十六位にスペインが付いているということです。ほかにもカナダとか、あとカリブ海諸国、北欧諸国ですとか、非常に頑張っています。
先進国の中のGNIに占めるODAの割合ですけれども、この場合は日本は十八位になっています、二十二か国のうち。目標としては〇・七%以上ということになっていますけれども、GNIで、でも日本はまだ〇・二五しか行っていないと。アイルランドとかまたスペインにも大きく後れを日本は取っておられるわけですし、だからこそ是非当委員会の委員の方々に御注目いただければと思うんです。先ほども申し上げたように、たくさん出す先からは返ってくるものも大きいということなんです。議論の持っていき方としては、日本は六兆ぐらいの経済であるので、是非このODAのレベルを上げても何らおかしくはないのではないかと申し上げたいと思います。
次は、GNIのパーセンテージでODAを見た場合の日本のトレンドです。このグラフを御覧ください。
今までの推移が書いてあります。九七年以来、TICADのプロセスが始まって三年たったときです。二〇〇六年まで書いてありますけれども、まあ大体横ばい、大きな変化はないということがお分かりだと思います。もちろんできればODAが大きなインパクトを出してほしかったと思うんですけれども、実際はそうはいかなかったということです、ふたを開けてみたら。これは数値から見ても明らかです。九〇年代は〇・二ぐらい、二〇〇六年〇・二五ということで、本当微増したぐらいであります。〇・二二が〇・二五になったぐらいということで、なかなか〇・七まで行かないということです。
さて、この後進国向けの無償資金、どのぐらい日本が出しているかということです、日本のバイの二国間支援の中で。国連のシステムの中で計算されているんですけれども、もちろん後進国はそれだけ支援を多く受けるべきということになっているわけです。実際そうかもしれませんけれども、二〇〇五年の数字を御覧になってください。二〇〇六年も書いてありますけれども、だんだんとこれ収れんしてきている、重なり合ってきているわけです、二つの線が。つまり、このLDC向けのODAとほかの全体の国に対して出されているODA、無償援助というのはもうほとんど同じになってきたということです、二〇〇五年から二〇〇六年にかけて。つまり、差は付いていないということなんです。
私に言わせれば、やっぱり後進国ほどより多額の支援を受けてしかるべしと思っているんですけれども、実際はそうはなっていないと。後進国、LDCもその他の途上国も同じだと。差異が付いていないということになっているわけです、二〇〇五年から二〇〇六年を見てみますと。実際は、昔はもっとLDC向けの援助の方が高かったんです。
そろそろ結語に入りたいと思いますけれども、どうしてアフリカはODAを増やすべき先なのかということであります。ODA憲章二〇〇三年版においても、日本はアジアを重点地域として挙げられていますけれども、状況は急変していると思います。というのは、例えば天然資源をめぐって競争が激烈化してきています。アフリカはたくさん例えば鉱物資源を持っている、石油、ガスもありますし。石油、ガスの供給の一〇%以上をアフリカが占めているわけです。例えばアメリカに対して二〇%ぐらいはアフリカ産のエネルギー源であるということです。
それから、アフリカの経済もだんだんとこの十年間成長するようになってきた。EU、中国との貿易も増えているわけです。だから、是非日本もアフリカのマーケットを重要視してほしいということです。
アフリカは、世界の人口の一四%を占めている、全部で九億人ぐらいの人が住んでいるわけです。更にこの人口は伸びるんです、今後。ですから、これを是非御考慮いただきたく、アフリカは今後日本にとって大きなマーケットになり得るでしょう。現在のところ、まだグローバルなGDPに対してのアフリカの寄与度は低いですけれども、でも更に経済を伸ばすことができれば、もっと一人前の世界経済に仲間入りできるということです。
委員長、御列席の皆様、以上です。
御清聴ありがとうございました。