ジャン・クリスチャン・オバムの発言 (政府開発援助等に関する特別委員会)

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○参考人(ジャン・クリスチャン・オバム君)(通訳) 皆様、こんにちは。
 溝手委員長、各委員の皆様、初めに、そして今団長の方からもお話がありましたが、私も在京アフリカ外交団を代表いたしまして、今回御招請をいただいたことを感謝申し上げたいと思います。
 参議院における政府開発援助等に関する特別委員会の場で日本のODAについて、そして日本とアフリカの今後の関係の見通しという重要なテーマについてお話をさせていただくことを光栄に思います。
 今日の会合は、我々にとって非常に重要な意味を持っております。TICADⅣの直前の時期に当たる、そして今は日本の各界からも新たなダイナミックな動きが現れつつある、そして実際的な道筋を付けて日本とアフリカの間の新たなパートナーシップ関係を構築しようという機運が出てきております。アフリカも世界経済そして貧困削減の軌道にしっかりと乗せよう、ODAを始めとする様々な協力メカニズムを活用しようという機運が出てきております。(資料映写)
 私のスピーチの中では四つの主要な問題、これは今スクリーンに表れておりますが、を強調させていただきます。
 まず、ガボンと日本の間の関係、そしてさらに日本とアフリカの間の関係、とりわけ日本のODA、円借款に焦点を当てて、それに関連する活動についてもお話を申し上げます。それから、TICADⅣそしてG8サミットにどのような期待を持っているか、そして最後に少し、アフリカにおける経済成長をどのように今後浮揚できるか、その見通しについてお話を申し上げます。
 まず、ガボンと日本の間の関係についてお話を申し上げます。
 ガボンと日本は、御承知のように一九六〇年代の半ばに外交関係を樹立いたしました。今年は、ですから外交関係を日本とガボンの間で樹立させ四十周年という節目に当たります。さらに、今後も様々な面で関係を強化していきたいと思っております。といいますのも、平和、人権、環境また天然資源の持続可能な利用という意味で両国は共通のビジョンを持っているからです。このような共通の基盤というのが国際的な会議、国際場裏において投票をする際にお互いに支持し合うという形で現れております。
 経済面についてですが、ガボンと日本の間の貿易関係ですけれども、ガボンからの日本への輸出は、原油、マンガンあるいは木材、そして主にマグロですが、海産物を輸出しております。片や、日本からガボンへの輸出は、主に自動車、エレクトロニクスそして重機械であります。
 両国は関係を強化することが可能であると考えております。そして、より確固たる関係、特に経済面においては確固たる関係を更に構築することができると信じております。ガボンでは、様々な企業がガボンにおける投資機会を活用されております。例えば、三菱石油開発ですとか、これはガボンにおける石油事業に従事されております。また、エラメット、日本エラメットという会社があります。この会社は、日本にマンガンを輸出しております。ガボンのマンガンの四割から五割は日本への輸出向けとなっております。そして、すべての企業があらゆる部門、ガボンでいろいろな機会がありますので、是非進出し、投資をしていただきたいと思っております。
 さて、技術協力についてですが、この分野もまさにお手本と言えるような状況が見られます。例えばJICAですとかあるいは海外漁業協力財団などと協力をさせていただいております。このような関係を更に教育とか保健衛生にも拡大したいと思っています。といいますのも、どのような経済の成長の根本にあるのはやはり教育だと考えるからです。ガボンにおけるJICAのボランティアプログラムを基に様々な活動を進めていきたいと思っております。新しい協定が日本との間で結ばれました。これは青年海外協力隊に加えて、シニアボランティアについても活用させていただくということです。そして、ガボンにおける様々な形での技術移転を促進してもらえればと期待しております。
 さて、政治の分野でありますが、日本・AU友好議員連盟を強化するということが我々の目的の一つですが、大変うれしいことにこの友好議員連盟がガボンと日本の間でもできました。この議員連盟の会長を務めていただいておりますのは、元法務大臣の杉浦先生であります。
 さて、ガボンへのODAでありますが、ガボンは日本からのODAの受入れ国としてはまだ小規模にとどまっております。といいますのも、ガボンは豊かな国と実はみなされてしまっているからです。石油の産出国、産油国であるということで。これは我々異論があります。といいますのも、ODAというのは一人当たりGDPということがベースになっております。ガボンは小さな国で、人口は百五十万人であります。ガボンにおける石油部門はより対外的な活動をする分野と見られております。資本また人材、これはすべて外部から来ていると。ガボンは自らの石油会社を持っておりません。ですから、石油は本当の意味でガボンの経済成長に寄与していないのです。
 ですから、ガボンについて是非とも考えていただきたいのは、それの代わりにHDI、人間開発指数を見ていただきたいということです。人間開発指数でいうならば、世界ランクの中でガボンは百二十四位であります。ですから、とても豊かな国とは言えないはずです。ガボンは、ですからODAから大いに恩恵を受けられるはずであります。二〇〇六年でありますけれども、無償援助では百九十二万ドルしか受けておりません。
 先ほどタンザニアの大使の方からはODAについて全般的な数字を御紹介いただきましたが、是非この特別委員会で二つのことを考えていただきたいということです。ODAの円借款とそれから無償資金協力ということです。
 百九十二万ドルの無償資金協力を得ております。そして、片や同じ年に以前の円借款の二百二十万ドル分を返還しているということです。ですから、ネットでいうならばマイナスの数字にガボンにとってはなってしまっているということです。これは是非とも御注意いただきたいところであります。
 さて、パートナーシップということでありますが、日本からいただいている援助の水準、これはタンザニアの大使もおっしゃっているようにこの五年大きく減少してきております。アフリカへのODAは、一見しますと増えているように見えるわけですが、ただ、次のことを考慮しなければなりません。二〇〇六年増えたというのは、債務救済策によるものです。新規の借款や協力が行われたわけではない、債務救済策だということです。ですから、ODA借款で見ますと、一億六千五百万ドルの実行がありました。そして、六億二千二百万ドルもの日本に対する返済がありました。ということは、これもやはりマイナスの状況になっているということです。アフリカ側にとってはマイナス、日本にとっては正味でお金が返ってきているということです。円借款の恩恵を受けているのはほんの一部ということであります。是非ODA全体について二倍にするということなんですが、先ほどタンザニア大使からもお話がありましたように、ほかの様々な国に大きく日本は劣ってきているということです。
 二〇〇七年の数字を挙げましょう。OECDの中では十八位に日本はとどまっています。ですから、多くの国に後れを取っているということです。トップがイギリス、アメリカ、中国であります。ですから、何ができるのか。まず、倍増していただく、アフリカに対するODAを更に促進していただくということです。
 現状どうなっているのか。二〇〇五年ですが、日本はいわゆるEPSA・フォー・アフリカというプログラムを打ち出していただいております。これはアフリカの民間部門に対する支援のためのプログラムであります。確かにこのような制度は大変良い制度だと思うんですが、効果的に利用されていないというのが問題です。十億ドルがEPSA・フォー・アフリカということでアフリカ開銀に与えられておりますが、融資実行率が低過ぎるということで余り使われていない。アフリカで物事が決まるのではなく日本で物事が決まる、そして保証がないということでなかなか実行されないということが問題であります。ですから、アフリカは日本にとっての戦略パートナーであるということをもう一度検討していただきたいと思います。
 先ほどタンザニア大使の方からもお話がありましたように、多くの資源があるわけですが、アフリカは日本にとってももっと良い戦略パートナーになれるはずです。豊富な人材そして豊富な天然資源そしてアフリカにしか見付からないような動植物といった生物多様性もふんだんにあります。これは、エコツーリズムにとっても良い期待が持てるということです。また、非常に豊かな人材がある。これ、まだまだ利用されていない。また、二〇五〇年には市場としても十五億人の市場が出現すると言われております。大きな市場になります。更に経済成長も可能になるでしょう。
 ですからこそ、そのためのインフラ整備が必要です。まず我々はインフラ整備ということに重点を置かなければなりません。アフリカは、やはりこういった期待を実現したいと考えているからです。そのためには、国際社会からの支援が是非とも必要です。アフリカも自ら努力をしております。
 また、第四回のTICADは、ですからこそ良いチャンスになると考えております。アフリカと日本との間のパートナーシップの強化に結び付けばと期待しております。ですからこそ、在京アフリカ外交団としては、更に関係の強化に動きたい、そして日本がアフリカにとっても良いパートナーになっていただけるようにということです。
 TICAD行動計画は、より具体的なものになるべきでしょう。そして、そのための様々な措置がとれるはずです。なぜこういうことを申すかといいますと、アフリカに対しては、TICADのプロセスだけではなくなってきているからです。中国もアフリカフォーラムを持っている、インドもアフリカ向けの様々な援助制度を持ってきています。ですから、TICADについて日本が戦略を変えなければ、リスクとして重要性が弱まってしまう、そして効果という意味でもほかと比べて薄れてしまうという危険性があるからです。
 思うに、アフリカは、繰り返しになりますが、日本にとっても良き戦略パートナーとなれると考えております。これは、アフリカにとっても恩恵をもたらしますが、日本にとっても恩恵をもたらすと確信しております。例えば、日本がアフリカに無償資金協力あるいは円借款を供与される場合には、日本にもある程度の見返りがあるからです。
 例えば、円借款に的を絞ってお話を申し上げましょう。円借款は是非とも増やしていただきたい。特にアフリカ向けに増やしていただきたいと思っております。基礎的なインフラ整備、これは大変重要であります。また、社会サービスを、もちろん民間もありますので民間を通じて提供できるように、そして人材育成あるいは制度構築ということで是非支援をいただきたい。例えばシニアボランティアプログラムにとっても重要なプログラムです。アフリカ向けに是非強化をお願いしたいと思っています。
 さて、優れた特別委員会の委員の皆様、在京アフリカ外交団は三つの提案を申し上げたいと思います。
 まず第一に、ほかの国々と違いを図る、そしてTICADⅣにおいてこれまでとは違った状況を打ち出すということで、是非EPSA・フォー・アフリカのファシリティーを倍増していただきたい。向こう五年間で二十億ドルにしていただきたいということです。そして、意思決定についても日本からアフリカに動かしてほしい、すなわちアフリカ開銀の方に任せてほしいということです。
 次に、真の意味での円ソフトローンという形での金融メカニズムをつくっていただきたい、これはインフラ整備向けということです。そして、このようなクレジットラインは、アフリカ開銀に対し百億ドルということで付けていただきたい。また、アフリカ開銀だけではなく、アフリカの各地域開発銀行、アフリカの各国の開発銀行にも与えていただきたい。
 それから第三に、日本貿易保険を通じてしっかりとした保険制度を設けていただきたいということです。これはEPSA並びに円のソフトローンファシリティーの双方についてであります。インフラを整備しそして社会サービスの提供を拡大するということは、アフリカにおいても経済成長を更に実現しそしてミレニアム開発目標を実現する上での糧となるでしょう。
 これが、私どもから是非TICADⅣの主催者、そして今後のG8サミットに向けて発出したいメッセージであります。
 御清聴感謝します。

発言情報

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発言者: ジャン・クリスチャン・オバム

speaker_id: 23907

日付: 2008-05-14

院: 参議院

会議名: 政府開発援助等に関する特別委員会