自見庄三郎の発言 (内閣委員会)

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○自見庄三郎君 いろいろなことを大臣御答弁されたわけですけれども、田が持っている水を保持する能力、私も石井大臣の下で国土庁の政務次官一年三か月させていただきまして、日本が明治以来造ったダムにたまっている全貯水量よりも田畑にたまる水の量の方が多いんですね。ですから、あれがもう御存じのように、急峻な日本は温帯ということで雨が多いですから、あれはもう田んぼがなければ、だあっと川が雨が降ったら全部一気に流れて大洪水になるんですよ。ですから、雨が降ったとき、よく新幹線でも乗られて見たら、全部田んぼに水がたまっているでしょう。あれも段々畑にもたまっていますから、あの保水能力だけで、まさにあれがもう物すごく日本の御存じのように洪水を防止しておりますし、そういった農業といいますか水田が持つ多面的機能。
 そして、やっぱり緑の森林を見れば、だれでもあれは人間、今ごろは医学的にも証明されていますけれども、ほっと安心するんですね。森林浴なんといって、非常に森林から、ホルモンが出ますから、ある種の。ですから、森林浴というのは、皆さん方だって何かいらいらしたときに森林なんか見たらほっとするでしょう。
 そういう機能もございますし、やっぱり人間というのは、当たり前ですけど、生物の一つなんですね。地球という惑星におる生物のワン・オブ・ゼムなんですよ。ですから、当然、動物系というのがございますし、それをいたずらに、率直に言って六十五億の人間が今その系を乱していると私はもう心配しておりまして、三つほど例を挙げれば、人間というのは、前頭葉の連合野というところでいろいろ物を考えたり科学したりするんですよ。特にここに爬虫類脳というのがありまして、ここに本能がありまして、動物はみんなここが人間と、この辺にある菱脳だとか間脳だとかそういったところが、延髄だというような部分、共通でございまして、ここには本能、食欲、性欲、集団欲というのがございますが、ここで、連合野で物を考えたり、あるいはいろんな欲望を逆に抑えたりする。それで、実は人間というのは、言葉をつくり、文化をつくってやってきたんですけどね。
 どうも、私は、極端な話、ここ二、三百年、前頭葉の合理主義というか理性万能主義が、あるいは、私も科学者の末席でございましたが、科学万能が、何というか地球を、まさに西洋科学というのは、ある意味で、私はそこの総本山のような大学の先生もしていましたけど、世界中の何というか、自然を征服すると、これが西洋人というのは自然を征服しようと。だから、逆にその極みが原子爆弾なんですね。あれ原子力エネルギーで、すごいエネルギーですけれども、これを核弾頭に使用したらもう人類なんて崩壊しちゃうんですよ。
 二つ目が、私は地球環境問題だと思いますよ。この百年間あるいは二百年間、特に百年間どんどん産業革命を起こしたわけですね。工業化しよう、中央集権化して、どんどん工業化して、それが発展だ、繁栄だと、こう思って、確かにそれは一面非常に生活を豊かにしたし、抗生物質の発明によってたくさんの人間を、命を救えるといういい面もありましたけど、同時に、どんどん石炭と石油燃やして、まさに炭酸ガスの濃度が上がって地球の温度が上がる、地球温暖化、異常気象だと。まさか百年前の人間は、こんな産業が発達したら地球が病気になるなんてだれも思わなかったと思いますよ。だけど、今は大体もう地球温暖化という、これは大ごとなことだと、このまま行けば五・八度地球の温度が上がって、八十八センチ海水が、もう北極、南極の氷は解けますし、それで異常気象になれば東京でも今度はマラリアなんか発生しますから、そういうことになって、非常に今もうその予兆がいろいろ世界の気候予報で表れていますし、まさに私、地球温暖化の問題。
 それからもう一つ、この前大田大臣にも申し上げましたけど、サブプライムローン、これも御存じのように、コンピューターのお化けなんですよ、あれ、金融工学の。あれはもうつくった人以外はほとんど分からないんですよ。物すごいあれ、ポートフォリオといいまして、もう御存じのように、どうしたら一番もうけるかというすさまじい微分、確率の計算の塊のようなものなんです。
 私もアメリカにいましたけど、MITという大学がボストンにありましたが、あそこの一番優秀な人がかつてはNASAに行ったんですよ。NASAに行って月ロケットを造っていた。それがもうクリントンの時代に、たしかNASAはしばらく財政支出が要るってやめましたね。その優秀な人たちがみんなウォール街に行って何しているのかって聞いたら、自見さん、彼らみんな金融工学の商品つくるよって言うんですよ。もうそれは僕は金融界のいろんな人にも日米聞きましたけど、自見さん、我々はさっぱり分からぬと言う。
 変な話だけど、富士銀行ってありまして、あそこのトップの方が言いましたよ。デリバティブという商品、アメリカが開発したやつ、一番富士銀行で優秀なやつを二年やったというんです、勉強しに、どういう構造になっているかと。結局さっぱり分からないってことだったんです。それくらい金融工学商品の言うなればあれもう極致のようなものが今のサブプライムローンですよ。
 しかし、ごく単純に考えたら、アメリカの中古の住宅がずっと上がり続けるということはないんですよ、ごく一番単純に考えたら。それを、すごい金融商品つくって、全部分散化して証券化して、それをうちの商品にはそれは三・七%入っていますよ、うちの商品には二・七%入っていますよ。そしてその金融工学の商品も、多分あれ、頭取といえども何も分かっていませんよ。だから、そういう商品を売ればもうかると。しかし、いずれあれ、無限に上がることはないんですから、大臣。だから、どんとやっぱりいつか来ますよ。
 まさに私は、今のサブプライムローンでアメリカの企業、大手の金融企業、何兆円って損していますけど、あれも私は一種の近代合理主義の、核兵器、それから地球温暖化、今はサブプライムローン、人間が科学というのを発見して、もうそれをコントロールできなくなって、結局全体の秩序が、地球そのものが病気になると。あるいはもう世界の経済がむちゃくちゃになって、今はそのお金が御存じのように、世界の金余りですから、穀物市場だ、原油市場などに行って、どんどん原油が上がって、もう日本人の生活だって大変脅かしつつある。それは関係ないようだけど、そのアメリカのというか、あるいは国際金融資本がつくったそのサブプライムローン、もうその影響はだあっと世界の実体経済に影響があるわけですからね。
 やっぱり私は、そういうことを考えたときに、人間ってその原点は何かという話で、やっぱりこれはもう不可能だと言う人もいるんですよ、人間がつくり上げたそのすさまじいマーケットなんというのは。今、日本銀行の総裁になった方がいますね、日銀の総裁、今度新たに。たまたま彼は私の高等学校の四年下で、若いころからと言ったら悪いですけれども、白川総裁といろいろお付き合いがあったんですけど、いつか、白川総裁がまだ若いころですね、こう言ったことがあるんですよ。自見さん、まあちょっと名前出したんで、小泉さんはマーケットメカニズム、マーケットメカニズムと言うけど、彼もマーケットメカニズムの最前線でアメリカの国際金融のところにもいたんですよ、そのマーケットメカニズムの怖さを知らぬと言うんですね。こう言いましたよ。国際金融市場、マーケットというのは、あれは自見さん、サバンナで草食動物がおるでしょう、ぎゃっとライオンが襲いかかるでしょう。で、がっと引きちぎって倒して、ぎゃっと食ってしまう、あんなものがマーケットメカニズムだと言うんですよ。それはもう到底日本人には、少し理念的には合わぬかもしれぬけど、それが自見さん、マーケットメカニズムというものの本質ですと言っているんです。
 だから、マーケットメカニズムってそんな恐ろしいという、もうそれはすさまじい。やっぱりそれはそうでしょう、彼らは遊牧民族ですし、ある意味で肉食動物だからね。あるいは農耕民族だからおとなしい、そんなことは言いませんけれども。すさまじいということですよ、マーケットメカニズムの最前線。
 ディーラーに聞いてごらんなさい。二十分先しか世界がないと言うからね。二十分で反応、判断していかないとディーリングというのはうまくいかないんですよ。だから二十分以上先はもう世界じゃないと言うんですよ。大体、あれ、十年ぐらいしたら廃人みたいになりますよ。やっていけないですよ、もうもたない、神経の方がね。二十分先が分からない、二十分までが宇宙なんです、世界なんです。それくらいもう売ったり買ったり、売ったり買ったりしているけどね。
 そんなこと等、白川総裁が若いころ言ったことを今紹介しましたけど、そんなのがすさまじくそのサブプライムローンであるわけですよね。
 そんなことを考えると、やはり私はきちっと、こんなことはもう無理だと言うかもしれないけど、やはりG8とかG7の国で、原子力兵器、核兵器は少しは軍縮で何とかうまく、米ソの冷戦構造が終わったから、もう全部人類が死ぬということはなくなったのかもしれないけど、やはり今さっき言ったように、地球温暖化、京都議定書、今度は次にCOP15が開かれるんですか。それから今サブプライムローン、やっぱり人間が全体として英知というものが、本当に英知、知恵というものが私は試されている時代だと思っていますよ、二十一世紀は。それでうまくいかないと、それは地球も病気になっちゃって、地球が病気になったらこの中で人間は生きていけませんしね。まさにサブプライムローンは一例ですけれども、そんなことが起こり過ぎる。
 でも、まさにそれ全部がもう人類を、全部の生存を脅かすぐらいに巨大なものなんですから、そこはやっぱり私は人間というのは謙虚に振り返って、その点、私は日本の文化って大したものだと思いますよ。自然を征服しますか、やっぱり自然と大体昔から共存でしょう。人間も自然の一種だと。何でも日本人というのは、これはお茶の湯だとか何とかかんとか言っても、自然を征服してやれとか考えた人、余り日本人にいませんよ。やっぱりそれは東洋人、特に日本人は自然と共生してきたんですよ、自然を征服するんじゃなくて。
 その辺を、それは何かというと、全部がやっぱり調和をする、ハーモナイズする、お互いのいいところを認めてお互いに共存するということを、私は、千二百年も前、あるいは今の時代でも日本人というのは、聖徳太子は和をもって貴しとすと言われましたけれども、やっぱりそこが日本人の世界に向けて発信する文化だと思っていますよ。
 また、極端な話、G8の国の中で日本以外の国は全部ギリシャ・ローマ文化の末裔でしょう。全部キリスト教徒の国でしょう。G8のほかの国は、ロシアを入れて、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、全部ね。ただ一つ、ギリシャ・ローマ文化の末裔でなくて、そしてキリスト教徒の国でもない。今さっき、非常に宗教的に日本人は寛容で、ある意味で強靱な胃袋を持っているという話をしましたけれども、やはり日本こそが私はこういう混迷の時代に発信すべきだと、こう大臣、思うんですよ。日本こそが発信。
 例えば、今若い人に望みがないと言う。ちょっと待ってくださいよ。いいですか。世界で一番、今さっき言ったように、短期間で発展した国は日本ですよ、もうごくごく世界で一番、工業的に。
 私の生まれた北九州なんか、それはもう一時は石炭、これは公害、パブリックニューサンス、水質汚濁、大気汚染の塊だったんですよ、あそこ。水俣病が九州にもございますし、それからイタイイタイ病だとか四日市ぜんそくだとか、日本がある意味で公害のショーウインドーだったんですよ、一九六〇年代。それを、御存じのように、やっぱり日本人って大したものでしょう、大体克服したでしょう。
 やっぱり、きちっと技術、住民の意識、行政、政治、それから技術、産業界の協力、それで全部きちっと地球環境といいますか、日本は公害を防止した、ある意味でただ一つの国なんですよ。日本ほど公害を、みんな百年二百年掛けて工業化してきましたからね。日本だけ戦後、もう六十年間でばあっとこうしてきたから、一番その副作用が厳しく出てきたんですよ。
 しかし、それを一番逆に克服する技術を持っているのも日本なんです。それはもう車を見ても、低公害車なんて今日本が一番独壇場ですから、今だあっとシェアを伸ばしていますね。ですから、逆に日本人が一番その経験を持っていますよ。日本人が一番その技術を持っているんですよ。そうしたら、六十五億の人間の中で一億二千七百万人の日本人、どうですか、大臣、みんな日本人だったら地球のお医者さんになれますよ。青少年に夢がないと言うけれども、おまえら、待ってくれよ、みんな地球のお医者さんになってこの地球を救おうじゃないかと。六十五億の人間を一億二千五百万人の日本人だから救えるんですよ、そういう経験をしたから。経験をして、それから知識と経験と技術を持っていますから。
 そんなことでも言えば、私もしばらく科学技術創造立国・情報通信調査会というのの自民党の事務総長を七、八年しましたけれども、青年がもうみんな理科離れ、夢がないと言うんですね。それで、何かいい大学に行かないといいところに就職できないよとか教育ママが言う人が多いのかもしれないけれども、それならそれを超えて、人間として、やっぱり地球のお医者さんになれるんだと、日本人なら。そうしたら私は青少年の理科離れも、いや、それなら、おれも大きくなったら地球のお医者さんになろうと、それくらいのきちっと今夢を、やっぱり政治ですから、夢と希望を与えるということも非常に政治にとっては大事ですしね。それはまさに、今さっき言ったように、日本の文化から発して、日本の置かれた戦後の歴史の中で、アジア人の中でただ一つ、自然との調和だと、そういった文化を持っている国として思い切って発信していいと思うんですよ。
 少し何か大ぶろしきのような話になりましたけれども、やっぱり今本当に国民に夢と希望がないんですよ、現実可能な、あるいは実際国民に役に立つ。やっぱりそういったことをどんどんどんどん、今度は福田さんが洞爺湖サミットをされるという話ですけれども、それくらいびしっとやっていって世界に発信するチャンスじゃないかと私は思いますがね。
 大臣、こんなことはちょっと質問に書いておりませんけれども、どう思われます。

発言情報

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発言者: 自見庄三郎

speaker_id: 4656

日付: 2008-05-13

院: 参議院

会議名: 内閣委員会