自見庄三郎の発言 (内閣委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○自見庄三郎君 もう一点、今地域おこし、村おこしといいますと、やはり古きを知りて新しきを知る、温故知新という言葉がありますよね。私は、地域のそれぞれの文化、例えば伝統工芸、ああいうものはどんどんどんどん実は廃れていくんですね。
 私も、たまたま輪島塗には非常に、私の家には大正時代から注文来ていましたので輪島塗には非常に興味あるんですが、あれ六十九工程あるんですよ、あの輪島塗の塗り物作るのに。ところが、もう今どんどんどんどん職人が減りまして、職人の給料も低いんですね。そうしますと、もう継承する人がいないんですよ。だから、御存じのように、あれプラスチックで作ったおわんと、女性の議員の方は御存じだけれども、全然機能は変わらぬから、輪島塗の良さとかほとんど認めてくれないんですね。そうすると、もう売れないんですよ。だから、売れないし、当然六十九工程も伝統的にありますと高い、漆も高い。
 そうすると、どんどんどんどんそういう価値というのが、日本からそういうことを愛好する人もいなくなるし、作る人もいなくなるし、そうするともう地域のいわゆる特性としての、ずっとそれは、今輪島塗の話をさせていただきましたが、伝統工芸といいますか、伝統的なものはたくさんありますよ、それぞれの地域に。そういうものも、やっぱりこれは商業ベースだけに任せておけば、もうそれはやっていけませんよ。それは確かに、同じプラスチックで買えば二、三百円で買えるのに、何で一万円も出して塗り物を。しかし、それはもう一つ一つの、職人が、技をたくみが掛けて、江戸時代、その前からずっと作ってきたやっぱり魂が入っているわけです。そういう価値観がもう何かどんどんどんどんこの社会から失われていく。
 そうすると、みんな安直になって、私に言わせれば後期高齢者医療、年金から天引きしようなんて考えになるんですよ、本当の話。あれ、私もよくあの世界、二十二年やりましたけど、年金から天引きするというのは、はっきり言えば厚生省の夢だったんですよ。もう私、よく知っていますよ。あれは介護保険のときに初めて年金から天引きしたんですよ。だけど、自由主義社会においては、いったんあげたものから了解を取って取るのが基本なんですね。確かに、それまでの政治家は、やっぱり安直に年金から取ることを絶対禁止してきたんですよ、我々の先輩は。それが、はっきり私はもうよく表も裏も事情を知っていますけど、初めて介護保険から年金天引きしたんですよ。
 だから、今、何か後期高齢者医療を年金から天引きで、国民の激しい怒りが噴出したでしょう。あれは、ちょっとそこは、民主主義というのは、手順、手続、やっぱり相手に対する、要するに、何といいますか、信頼なんですね。お互いの信頼関係の上に立つのが自由主義社会ですから。やっぱりそれは、一遍あげて了解取っていただいて、そしてまた年金から天引きさせていただく、あるいは口座から天引きさせる、それはいいですよ。
 その操作をきちっとやっていないから国民の怒りが非常に大きいというところも、私、特に非常に今、こういった新古典主義的な政策しましたから貧富の差が激しくなってきたということもありますし、国民所得もこのごろ全然伸びていないということもございますけど、そこは安直でなくて、やっぱり手順、手続、みんな人間ですから、みんな人格と尊厳を持った人間ですから、それを何かちょんともう天引き取れば簡単でいいよという、簡単という社会と違うと思うんですね、私は。それが、今言いましたように、輪島塗のおわんに価値を見付けるか、同じものであっても、やっぱりそこが文化を持った民族か、あるいはそうでない人間の私は違いだと思うんですよ。どんどんどんどん安直に流れる、何でも天引きすればいいと、楽だからということに、私はやっぱりそこに、今度の大きな制度の問題も、私自身が二十二年間ああいう医療政策実際やってきましたから、私は大変残念に思うんですが、あのことがやっぱりそういったことに続いているんじゃないかと、こう思うんですよ。
 ですから、もうそのことについては回答は要りませんけど、大臣ですから、是非そういったことも考えていただいて、その地域の、何といいますか、すぐお金に換わらないからといっても非常に価値があるんだということを、やっぱりお金以上の価値があるものがあるんだと、そういうことをきちっと教育の面でも文化の面でも伝統の面でも教えていくことこそ、私は本当に、まさに憲法に言うように、崇高な理想を持ってやるという、日本人、日本として今から立国していくと焦土の中でやっぱり憲法上うたったんですから、そういったことが私は大変必要じゃないかと思っています。
 最後に、時間が来ましたんで、大臣、大変定住自立圏構想というのに御興味をお持ちだということでございますが、これは国務大臣としてお伺いしますが、それの今の状況といいますか、今さっき話していることと非常に関連があるんだと、こう思うわけでございますけど、定住自立圏構想の現在の検討状況及び今後の方向性について、最後に御答弁いただければ有り難いなと思っております。

発言情報

speech_id: 116914889X01220080513_011

発言者: 自見庄三郎

speaker_id: 4656

日付: 2008-05-13

院: 参議院

会議名: 内閣委員会