大塚耕平の発言 (本会議)

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○大塚耕平君 民主党の大塚耕平です。民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して、総理大臣、関係大臣に質問をさせていただきます。
 初めに、所得税法等改正案に関連してお伺いします。
 道路特定財源を投入している我が国道路政策は、策定の手順に問題があります。整備計画が起案され、費用以上の便益があると裏付ける費用便益分析が行われ、それを完遂するのに必要な財源を確保する手順となっております。これでは、計画完遂まで財源を投入し続けることになり、この手順を変える必要があります。
 社会保障や産業政策など他の政策分野との比較考量の結果、道路に投入できる財源を決め、その財源の範囲内で公正な費用便益分析に基づいた計画を策定するという手順に変更するおつもりはありませんか。
 また、他の政策と比較考量するということは、財源は一般財源でなければならないと思いますが、いかがでしょうか。総理にお伺いをいたします。
 それでは、現在の手順に従って、整備計画、費用便益分析、財源確保のための道路関連税制について順次お伺いをいたします。
 過去十三次にわたる整備計画はすべて期間五年でしたが、今年度からの中期計画は十年です。その理由をお伺いします。
 中期計画の前提となる交通量調査は一九九九年のデータを用いています。昨年公表された需要推計があるにもかかわらず、なぜ最新データを用いないのでしょうか。また、最新データを用いると中期計画より予測交通量が大幅に減少することを御存じだったのでしょうか。
 中期計画の位置付けについても伺います。現時点では閣議決定されていない中期計画が、国会で議決を要する予算を十年先まで拘束することは、法論理的に問題ではないでしょうか。また、今後、中期計画自身が閣議決定されることになれば、単年度主義を掲げる憲法八十六条、財政法第十一条、第十二条に違反していないでしょうか。
 次に、費用便益分析について伺います。
 費用便益分析の前提には様々な問題があります。耐用年数や計算原価の根拠、物価変動率を加味していないことなど疑問は多岐にわたりますが、一点だけお伺いしておきます。
 費用便益算定時の社会的割引率を四%と設定していますが、三月三十一日の財政金融委員会で国交省は、五十九兆円は割引率を勘案しない現在価値と答弁しました。費用便益分析では割引率を勘案し、総支出五十九兆円に対しては割引率を勘案しないのはなぜでしょうか。仮に五十九兆円について割引率を勘案すると、十年後には計算上八十七兆円に膨らむことになります。国交大臣に事実関係を確認するとともに、総理の所見をお伺いいたします。
 道路建設に建設国債等の借入金が投入されることを考えますと、財務省の国債管理政策上の想定金利と整合的でなければなりません。財務省は、今後十年間の金利をどの程度と想定していますか。財務大臣にお伺いいたします。
 国交省が、プロジェクトライフの期間設定が困難としているのも驚きです。要するに、費用便益分析は行うが、建設期間、社会資本寿命等を定めることが困難なので全く当てにならないと言っているのと同然であります。どういう意味でしょうか。国交大臣にお伺いをいたします。
 私は、すべてを費用便益分析で裏付けることを主張しているのではありません。むしろ、過疎地の道路や生活道路等、費用便益的には割に合わないものもあります。そういう道路は、費用便益分析とは別に政策判断で造るべきと考えますが、それは地方自治体の判断にゆだねるべきでしょう。申し上げたいのは、恣意的な費用便益分析で不要不急の高規格道路の建設を正当化するのはやめるべきだということです。総理の所見をお伺いいたします。
 次に、財源についてお伺いいたします。
 私たちは、所得税法等改正案の内容を道路と道路以外の二つに分け、道路以外については全面的に政府案に歩み寄りました。
 総理に伺います。残り半分の道路に関して、全面的に私たちに歩み寄っていただけないでしょうか。法案を二つに分け、半分は野党が政府に歩み寄り、残り半分は政府が野党に歩み寄っていただく、現下の国会情勢における建設的な対応と考えますが、いかがでしょうか。
 二〇〇九年度からの一般財源化に言及された総理の御英断には敬意を表します。しかし、そもそも一般財源化は、小泉政権最後のいわゆる骨太二〇〇六に、道路特定財源について、一般財源化を図ることを前提に早急に検討を進め、納税者の理解を得つつ年内に具体案を取りまとめると明記されていました。本来、二〇〇六年中に結論が出ているべきものを二〇〇九年度から行うと言っても、大きく踏み込んだことにはならないのではないでしょうか。
 安倍政権下の骨太二〇〇七では、特別会計の実質的歳出の縮減を掲げたものの、道路特定財源については言及がありませんでした。なぜでしょうか。また、特別会計の実質的歳出の定義及び平成十九年度から二十年度にかけての実質的歳出並びにその中に含まれる道路特別会計分の動きを確認させていただきます。
 その上で、総理は今後、骨太二〇〇八を策定し、その中に一般財源化を明記するおつもりがあるのか、お伺いします。
 累次の骨太の内容はともかくとして、そうした基本方針を総理主導で策定することは、官僚政治からの脱却の一つの手段であることは認めます。自民党の伊吹幹事長は総理の御提案を一つの参考とおっしゃいましたが、三月二十七日の御提案の今後の取扱いについてお伺いをいたします。
 仮に与野党合意が四月中に調わない場合、所得税法等改正案を衆議院で再可決するおつもりがあるかどうかもお伺いいたします。
 暫定税率廃止の合意が成立した場合、それに伴う税収減少分を補完することが必要だという前提に立てば、財源を捻出しなければなりません。
 そこで、お伺いします。財源はどこにもないのでしょうか。例えば、昨年度までの第十三次中期計画歳出枠三十八兆円の支出実績は三十三兆六千億円であります。余剰分四兆四千億円はどのようにお使いになるんでしょうか。
 また、国交省は、独法を含めた五十六法人に年間千八百九十億円を支出し、千二百八十八人分の天下りポストを確保していると聞きます。財務諸表を見ると、多額の積立金、剰余金が存在します。国交省所管の独法、公益法人等が全体で幾つあり、一般会計と特別会計から年間幾ら支出され、これら法人等が保有している内部留保総額について、定義及び具体的な金額をお伺いいたします。国交省所管の特別会計自身の内部留保総額も併せてお伺いいたします。
 総務大臣にもお尋ねいたします。地方自治体所管の公営企業、公益法人等のうち、道路建設にかかわるものは幾つあり、それらに対して地方自治体の予算が幾ら支出され、また内部留保総額はお幾らでしょうか。
 小泉政権は、特殊法人等の独法化、民営化を行いました。しかし、現実には、独法化、民営化によって国会への報告義務や責任者の出席義務をなくし、独法に財源を投入している特別会計や独法等の実態が以前よりも不透明になっていると思いますが、総理の所見をお伺いいたします。
 今や歴史的名言にもなった塩川元財務大臣の、母屋でおかゆ、離れですき焼きの例えになぞらえれば、離れの向こうに独法、公益法人、政府出資の民間会社という別荘を造り、母屋から実態が分からない資産を隠し持っております。それを埋蔵金と呼ぶかどうかは別にして、我々議会の制御が及ばず、放置すると無駄遣いされる可能性がある財源です。各省は予算配分上の根拠があると主張していますが、財政状況が厳しく、また、ずさんな使い道の実態が次々と明るみに出ている以上、一度回収するのが当然の対応と考えますが、いかがでしょうか。
 国民に対しては、財政状況が厳しいといって、政府の判断で年金給付金を切り下げることのできるマクロ経済スライド制度を導入し、今月からは後期高齢者医療保険制度を新設して保険料を更に取り立てながら、別荘に隠されている財源は放置するという対応は、現下の日本国総理としてバランスを失していないでしょうか。
 全省庁の特別会計、独法等関係団体の財務状況を精査し、その実情を国会に報告し、不要不急の内部留保を一括して政府の管理下に置くおつもりはないか、総理にお伺いをいたします。
 次に、民営化会社について伺います。
 小泉元総理は、道路公団民営化によって不要不急の道路建設の抑止を企図したものと理解しています。ところが、民営化された高速道路事業が中期計画に組み込まれ、中期計画の財源に民営化会社の通行料収入も充てることが想定されているのはなぜでしょうか。現在の姿は小泉改革のねらいと大きく矛盾していると考えますが、総理の所見をお伺いいたします。
 さらに、民営化会社と債務返済機構の関係にも重大な問題があります。すなわち、日本高速道路保有・債務返済機構法第十五条と道路整備特別措置法第五十一条によって、高速道路会社が計画、建設した道路と、それに要した債務は、丸ごと債務返済機構に移管できる仕組みになっています。それを財務技術上可能としているのは、高速道路事業等会計規則第七条に登場する仕掛かり道路資産です。民営化会社は、債務返済機構に道路と借金を移管するまで、自らの財務諸表の資産方には仕掛かり道路資産、負債方には借入金等を計上しています。
 民営化会社が不採算路線を幾ら造っても、それはやがて、道路と借金を丸ごと返済機構に移管し、借金は、返済機構に投入される道路特定財源、つまり国民の血税で返済される仕組みです。これでは何の改革にもなっていないのではないでしょうか。
 そこで、総理にお伺いいたします。仕掛かり道路資産とは何でしょうか。仕掛かり道路資産については、小泉改革の折に国会で説明されたのでしょうか。仕掛かり道路資産の現在高、今日までに返済機構に移管した額及びこれまでに返済機構に投入された道路特定財源は幾らでしょうか。また、この仕組みを見直すおつもりはあるのでしょうか。
 国の予算と地方予算の関係についても質問いたします。
 国の予算や税制が成立する前に、それを前提にした地方予算が既に成立している現状には問題があると思います。来年度は、国の予算編成、審議のタイミングを早めるか、あるいは財政法上の国と地方の会計年度をずらすといった改革の必要性について、総理のお考えを伺います。
 次に、公債発行特例法に関連してお伺いいたします。
 新規国債発行額が減少傾向にあることは評価したいと思いますが、日本経済の基本的問題は改善の気配が見られません。公債発行に毎年依存して財政出動を行い、異常とも言える超低金利政策を続けても、成長率も株価も低迷しています。その原因について総理の御認識をお伺いいたします。
 また、原因の一つには、財政出動が経済効果の薄い道路建設に集中し、産業投資が手薄になり、不要不急の高規格道路を造ることでストロー現象が発生し、地方や地域の経済をむしろ疲弊させているという御認識はありませんか。総理にお伺いいたします。
 私たちと政府の立場の違いは、無駄遣いの程度についての認識と道路を特別扱いする必要性の有無についてであります。
 私たちは、社会保障や教育なども含め、公正かつ適切な優先順位付けを行い、議会の制御の及ばない不公正、不適切な隠し財源は有効活用すべきだという立場です。
 経済大国と思い込み、その成功体験に根差したこれまでのシステムに固執しているうちに、世界は急激なスピードで変化し、日本はまた鎖国するのかとやゆされる始末です。言わば、これまでの仕組みをまさしく抜本的に見直し、第二の開国と言える大転換が必要な時期に来ています。
 私たちは、この所得税法等改正案と上程されている道路整備財源特例法改正案によって、向こう十年間、五十九兆円の財源を道路建設だけに固定することは、時代に合わなくなったシステムを温存し、無駄遣いと流用を助長し、日本をますます衰退させてしまうと懸念をしております。
 どちらの主張が的を得ているかは、明治維新の開国の折、時の明治天皇がおっしゃったように、広く会議を興し、万機公論に決すべしという対応が必要な局面にあります。
 国破れて山河ありならぬ国破れて道路ありという事態にならないように、参議院で議論を尽くし、万機公論に決すべしと総理に申し上げます。
 小泉元総理は、改革なくして成長なしという歯切れの良いキャッチフレーズを、一時期多くの国民を魅了しました。天才的です。しかし、言葉足らずだったと言えましょう。正しくは、無駄遣い一掃、歳出改革なくして成長なし、政府の改革なくして日本の成長なし、そして、道路特定財源による道路建設の見直しこそが歳出改革の本丸であることを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣福田康夫君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 大塚耕平

speaker_id: 4047

日付: 2008-04-04

院: 参議院

会議名: 本会議