福田康夫の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(福田康夫君) 大塚耕平議員にお答えをいたします。
道路政策の策定手順についてのお尋ねがまずございました。
道路政策については、財源ありきでなく、客観的かつ厳格な評価により必要な道路を見極め、その整備を計画的に進めていくべきと認識しております。毎年度の道路予算については、財政状況や他の政策の必要性等も踏まえた上、決定されるものであり、先般の新たな提案では、道路特定財源制度は今年の税制抜本改正時に廃止し、二十一年度から一般財源化するとの考え方をお示ししたものでございます。
中期計画の計画期間についてのお尋ねがございました。
中期計画の素案の作成に当たり、二十一世紀を見据えた日本の国土建設という中長期的な視点等の観点から、計画期間を十年といたしました。先般お示しした新たな提案では、これまでの国会審議における野党の意見を受け止め、計画期間を五年として新たに策定することとしたところでございます。
中期計画のデータ、予測交通量についてのお尋ねがございました。
中期計画の作成に併せて参考に実施した高規格幹線道路の未供用区間における点検では、その時点で活用可能な平成十一年の道路交通センサスを基に行った交通需要推計を用いたものであります。一方、平成十七年のセンサスでは交通量が減少傾向にあることは承知しており、将来の交通需要の変動に備えるため、費用対便益計算の基準を一・二に引き上げて検証を行ったところであります。
いずれにせよ、新たな人口推計を踏まえて、今年の秋までに作業が完了する交通需要推計など最新のデータ等を用い、評価手法も第三者の意見を聞いて見直した上で、改めて点検を行ってまいります。
中期計画の事業量と単年度主義との関係についてお尋ねがございました。
道路の中期計画は中長期的な目標と必要な事業量を内容とするものでありますが、個別の事業箇所を特定しないことから、毎年度の予算を縛ることにはなりません。毎年度の道路予算は、財政状況や道路整備状況等を踏まえ、国会の議決を経て決定されるものであり、中期計画を閣議決定することで憲法に定める単年度主義に反するものではありません。
五十九兆円と割引率の関係についてお尋ねがございました。
個別事業の費用便益分析においては、評価期間が四十年以上と長期にわたり、発生時期が異なる費用と便益を比較する必要があることから、基準年の現在価値に置き換えて分析を行っていますが、今回の中期計画素案においては、計画期間が五から十年程度の他の計画と同様に割引率を用いておりません。
道路事業の費用便益分析についてお尋ねがございました。
高規格幹線道路を始めとする道路事業の評価に当たって、客観性を向上させていくことは重要な課題と認識しております。費用便益分析を含む道路事業の評価手法については今国会でも様々な御意見をいただいており、今年の秋の最新データに基づく交通需要推計に併せて経済学や工学等の専門家である第三者の知見を取り入れて事業評価手法の見直しを行い、改めて高規格幹線道路の点検を行ってまいります。
次に、道路特定財源について歩み寄るべきとのお尋ねがありました。
道路特定財源につきましては、野党との協議を前進させることが必要との強い思いから、国会審議の中での野党の御意見等を踏まえ、その改革について新たな提案をお示ししたところであり、今後は、参議院及び与野党間で真摯な議論が行われ、一刻も早く結論が出されるよう、強く期待いたしております。
二十一年度から一般財源化との提案についてお尋ねがございました。
骨太二〇〇六で、一般財源化を図ることを前提に、納税者の理解を得つつ、年内に具体案を取りまとめるとされたことを踏まえ、二〇〇六年十二月に具体案が閣議決定されました。これを具体化する関連法案が今国会に提出され、衆議院の可決後、参議院に送付されております。今般の提案は、これまでの国会審議で野党の皆さんからいただいた意見を受け止めて、大きく踏み込んで、野党の皆さんにも受け入れられる案をお示ししたものでございます。
骨太方針二〇〇七に道路特定財源についての言及がなかった理由についてお尋ねがありました。
道路特定財源については、骨太方針二〇〇六に掲げた平成十八年中に具体案を取りまとめるとの方針に沿って、平成十八年十二月八日に道路特定財源の見直しに関する具体案を閣議決定し、措置すべき内容とスケジュールを具体的に示したため、骨太方針二〇〇七で改めて言及することは行わなかったと承知しております。
特別会計の歳出についてお尋ねがございました。
平成二十年度予算における特別会計の歳出総額から会計間の重複計上分等を控除し、さらに国債償還費等や社会保障給付といった特別会計改革とは別途議論すべきものを除外した事務事業にかかわる歳出は十一・二兆円となります。
特別会計については、無駄遣いの排除の観点等から改革に取り組んでおり、平成二十年度は十九年度の十一・六兆円から約〇・三兆円マイナスの削減をいたしました。このうち社会資本整備事業特別会計道路整備勘定、旧道路整備特別会計の歳出は、平成十九年度の約三兆四千五百億円が平成二十年度の約三兆四千四百億円と、約百億円の削減となっております。
骨太二〇〇八に一般財源化を明記するつもりがあるのかについてお尋ねがございました。
骨太二〇〇八については、今後、経済財政諮問会議において議論が行われていくものでありますが、道路特定財源の一般財源化についても盛り込むことを検討してまいります。
道路関係法案、税制の取扱いの提案についてお尋ねがございました。
御指摘の提案は、野党との協議を前進させることが必要との強い思いから、国民、野党の御意見も踏まえてお示ししたものであり、今後の具体的な取扱いについては与野党間の協議の状況等を踏まえて検討していくこととなります。協議の過程で建設的な提案があり、与野党が合意に至ることができることを期待いたしております。
所得税法等改正案の再可決についてお尋ねがありました。
法案の再可決は国会における議案の取扱いの話であり、また、与野党間の協議の決裂を前提とした仮定の話を申し上げることは適当でないと考えます。全国の地方公共団体も、参議院がその意思を一刻も早く示されることを望んでおられるところでございます。政府としても、一日も早い法案の成立に向けて全力を尽くします。
暫定税率廃止を伴う財源についてのお尋ねがございました。
暫定税率の廃止によって、国、地方を合わせて消費税の約一%に相当する約二・六兆円の財源が失われ、これをすべて補完する財源を捻出することは困難であります。なお、平成十五年度から五年間の事業量として閣議決定した三十八兆円は計画額であり、実績との差額は余っているわけではありません。
次に、国交省所管の独立行政法人及び公益法人特別会計についてのお尋ねがございました。
平成十八年十月一日時点で国土交通省所管の独立行政法人は十九法人、公益法人は千百五十三法人です。これら法人への支出額については、国全体で所管独立行政法人に対しては一般会計で三千六十六億円、特別会計で千七百三億円となっております。所管公益法人については、直ちにそのすべてを明らかにすることはできませんが、国土交通省からの支出額は千八百六十九億円となっております。
内部留保額に関しては、所管独立行政法人の平成十八年度財務諸表の貸借対照表中の利益剰余金及び繰越欠損金の合計額は一兆五千七百六十一億円となっております。所管公益法人については、平成十七年度においてマイナス二千五百五十六億円となっております。また、国交省所管の特別会計については、御指摘のような内部留保に相当するものはないものと考えております。
特殊法人等の独法化、民営化についてお尋ねがございました。
特殊法人については、従来から業務運営の在り方等について不透明である等との問題点が指摘されていたことから独立行政法人化や民営化を行いました。独立行政法人については、第三者による事後評価、財務諸表や事業報告書を始めとする業務、財務、運営に関する広範な情報の開示などにより業務の透明性を確保することとしています。また、民営化された法人については、民間会社として企業的な運営の仕組みを通じ、情報開示がなされております。したがって、特殊法人等改革により、独立行政法人や独立行政法人に資金手当てを行っている特別会計に関する実態が不透明になったとは考えておりませんが、引き続き適切に情報開示を行っていくことが重要であると考えております。
特別会計等の内部留保についてお尋ねがございました。
特別会計や独立行政法人等の資産は財務諸表等で明らかにされており、実態の分からない資産を隠し持っているとの指摘は当たらないと考えております。特別会計の積立金等は、その約八割が年金等の将来給付に充てるためであるなど、それぞれ必要な目的に沿って積み立てられております。一方で、厳しい財政状況にかんがみ、国債残高の圧縮に充てる等、財政健全化に貢献しております。
独立行政法人については、六千億円を超える土地、建物の処分、国庫返納を行うとともに、不要資産の国庫返納に関するルールを策定します。また、公益法人についても、過大な内部留保の適正化の視点も含め、今般、特に行政と密接な関係にあるものに着目し、集中点検の実施を指示しました。
今後とも、財政健全化に向け、徹底した無駄の排除など、できる限りの努力をしてまいります。
中期計画の財源及び民営化の趣旨との関係についてお尋ねがございました。
有料道路は、一般道路と連結してネットワークを形成していることから中期計画の事業量に含まれていますが、すべて何が何でも整備するということではありません。道路公団等の民営化の考え方は、高速道路建設の債務を確実に返済する一方、厳格かつ客観的な事業評価によって必要と判断される道路を整備することとしたもので、現在の考え方と何ら矛盾いたしません。
高速道路会社と債務返済機構との関係についてお尋ねがございました。
高速道路会社が行う高速道路の建設、管理に要する費用は、基本的には国費に依存せず料金収入で賄う仕組みとしており、民営化後四十五年以内に償還することを法定化しております。なお、首都高速道路会社等の他の三社については、建設資金コストを下げる等の理由によりまして必要最低限の機構への出資を行っております。
仕掛かり道路資産についてお尋ねがございました。
仕掛かり道路資産とは、いまだ供用前の高速道路で機構への引渡しがなされていないものであり、仕掛かり道路資産も当然に将来償還すべき債務として扱っている民営化の枠組みは、全体として国会の議決を経たところであります。
また、平成十八年度決算における高速道路会社六社の仕掛かり道路資産の合計は約一兆五千四百億円、平成十八年度末までに会社から機構へ承継された資産の額は約二千七百六十億円、機構に対し国からの出資金として拠出された道路特定財源の額は約千二百二十億円であります。
なお、現在まで民営化の枠組みに基づく高速道路の整備や債務の返済は順調に推移しており、見直しは考えておりません。
国と地方の予算編成の時期等についてお尋ねがございました。
政府としては例年、各年度の予算案を前年十二月末までに閣議決定し、一月召集の常会で御審議いただいておりますが、予算案は当該年度の経済、社会の状況を的確に反映した適切な内容でなければならず、現行より日程を早めることは困難と考えております。
また、国と地方の会計年度を不統一にすることについては、国、地方を通じた経済、財政の一体的な把握を困難とするとともに、地方で行う事業に対する補助金等が当該年度の国の予算で一部しか手当てされず、事業計画が立てづらくなるなどの不都合が想定し得ることから、難しいと考えております。
次に、株価など我が国経済の現状と道路建設の地方経済への影響についてお尋ねがございました。
我が国の景気は、息の長い回復を続けてきましたが、このところ回復は足踏み状態にあり、サブプライム住宅ローン問題を背景とするアメリカ経済の減速や株式、為替市場の変動、原油価格の動向等から、景気の下振れリスクが高まっていることに留意する必要があります。
また、高規格幹線道路の整備は、時間短縮効果などにより交通圏域を拡大させる効果があります。その結果、ストロー現象が発生するとの指摘がある反面、それぞれの地域においては人流や物流を活発にし、地域経済の活性化を支える効果があると認識されております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣額賀福志郎君登壇、拍手〕