椎名一保の発言 (本会議)
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○椎名一保君 私は、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十年度における公債の発行の特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案に関しまして、総理並びに関係大臣に質問いたします。
最初に、これらの法案の審議が衆議院送付から一月以上たって開始される今、これまでの参議院における状況について、第一党である民主党の対応がいかに理不尽なものであったか、経緯を含めて申し上げた上で、質問に入りたいと思います。
皆様御承知のとおり、歳入法案については、一月三十日の両院議長のあっせんによる与野党各党の合意により、徹底した審議を行った上で年度内に一定の結論を得るものとされたところであります。これを受け、我々与党は、法案の年度内成立を目指すため、定例日以外の審議や夜なべ審議も辞さないとの決意で取り組んでまいりました。
しかるに、法案は二月二十九日に参議院に送付された後、我々与党からの一か月にわたる再三の審議要請にもかかわらず、民主党は一度も審議に応じることなく、その結果、年度末までに本院として意思が示せない異常な事態に陥りました。
民主党は、予算審議がある程度進まない限り各委員会での審議には応じないとの方針でした。このため、与党は、三月三日の参議院予算委員会の理事懇から予算委員会の早期開催に向けた要請を行うとともに、野党に出席呼びかけを行いました。しかし、予算委員会の基本的質疑が開始されたのは三月十三日でありました。
また、三月十八日の参議院での各委員会における所信聴取に際しても、財政金融委員会については、民主党の反対により三月十八日には行えず、一週間後の三月二十五日となりました。
さらに、三月二十六日、財政金融委員長に対し、私を含め与党委員から、参議院規則に基づく委員会開会要求書を政府案審議のために提出いたしましたが、この要求は残念ながら受け入れられませんでした。
他方、民主党提出の税制改正等の三法案については、三月二十六日、財政金融委員会に付託されましたが、いまだ審議が行われておらず、議長にも審議入りをお願いしましたが、実現しておりません。
民主党は、閣法と同時に議員立法を審議すべきとしながら、その閣法の審議に入らないのであり、こうした対応は、民主党が自ら提案した法案を審議拒否するという常軌を逸した行動をしていると断ぜざるを得ません。
そもそも、この民主党の議員立法は、衆議院で可決された政府提出の税制改正法等を三つに分割し、実態は政府案の修正にほかなりません。政府案をたなざらしにし、自分たちの議員立法のみを先に審議、採決しようというのが民主党の意図に思われますが、いざ審議をする段階において、その審議に応じないという不可解極まりない理不尽な行動を取られました。
総理は、今回の問題の国会における審議状況、そして民主党の対応姿勢などに関してどのような感想をお持ちでしょうか、お伺いいたします。
福田総理は、三月二十七日に、国民生活を第一に考え、民主党の意向を踏まえて最終的な提案をされました。道路特定財源を今年度の税制の抜本改正で廃止し、来年度から一般財源化するという画期的な内容でありました。しかし、民主党は、今年度からの道路特定財源の一般財源化という主張を譲らず、歩み寄れなかったのは極めて遺憾であり、責任ある立場にあることを自覚していないと言わざるを得ません。
民主党は、今年度からの一般財源化を本当に実現できると考えていたのでしょうか。地方を含めた予算対応の問題や国民生活の混乱を招くのみならず、時間的にも実現不可能でありました。民主党は、参議院で第一党としての判断をすべきであり、政局を念頭に置き、衆議院を解散に追い込むことだけを目的とした、あるまじき行動を取ってしまったと言わざるを得ません。
さて、民主党の道路問題に関する考えには、以下述べるように多くの問題があり、一刻も早く閣法を成立させねばなりません。
例えば、暫定税率分がなくなれば、国は一・七兆円、地方は〇・九兆円の財源が失われますが、さらに国は地方へ補助金、交付金として一・二兆円を拠出しており、約四千億しか残りません。現在の国道の除雪や維持管理費が約四千億円ですから、それ以外の例えば新規事業や継続事業のみならず、過去に契約した工事の支払も全面的に止まってしまいます。地方でも、暫定税率分がなくなれば、道路の整備拡充を図ろうとすると、どうしても福祉や教育など重要な住民サービスの縮減を余儀なくされることになります。
政府としては、こうした国や地方の財政悪化からくる影響を軽減するため、新年度入りとともにできる限りの手当てをされると聞いています。実際に起こったこの異常事態に際し、今後、国民生活や経済取引の混乱を最小限に食い止めるべく努力をするのも政府・与党の大きな責任であると考えます。混乱回避のため、具体的にどのような財政的な措置を講じる予定であるのか、財務大臣と総務大臣にお伺いします。
民主党案では二・六兆円の代替財源が明確に示されておりません。株式譲渡益課税の強化などには言及されていますが、結局、国民に増税を強いる面があり、最終的には赤字国債増発によって財政事情が更に悪化することになり、財政規律の緩みにつながるいいかげんな内容であります。財務大臣は、二・六兆円もの財源が不足した場合、どのような財源手当ての方法があるとお考えでしょうか、御認識を伺います。
そして、国際的な日本の評価についても影響が出るのではないかと懸念されます。総理が指摘されているように、環境問題を議論するサミットを控えた日本にあって、二十五円ものガソリン価格の引下げは我が国が環境立国にふさわしいのか、先進諸国の間で疑問が投げかけられることになりかねません。
さらには、民主党は、今回のガソリン税の引下げにより景気刺激の効果があると言っています。確かに、ガソリン値下げの減税的な効果により個人消費につながる可能性はあるでしょうが、一方では二・六兆円の公共事業が削減され、また現実に予算の執行ができなくなり、混乱が生じております。
政府としては、今回のガソリン値下げのプラス、マイナスの影響をどのように定量的に判断されているのでしょうか。また、何より政治の混乱が経済にどう影響するのか、経済財政担当大臣の御認識を伺います。
政府提出の税制改正法案等は、国民の安全、安心を確保し、地域を活性化させ、成長力を強化する施策が含まれている重要法案であります。
三月三十一日、いわゆるつなぎ法案の成立により、道路特定財源以外の日切れ税制措置については四月以降二か月間は従来と同様の措置を講ずることとなりましたが、ガソリン関係の税制改正法案等については本院で年度末までに議決することができませんでした。
このため、国民の皆様や地方自治体の関係者に多大な御迷惑をお掛けすることになったことについては大変遺憾であります。また、参議院として意思を示せなかったことについて自戒するとともに、あっせんされた議長を始め、それに同意した我々参議院全体が国民の皆様におわびを申し上げなければならないと思います。
最後になりますが、政府提出の税制改正法案等の歳入関連法案の一日も早い成立が是非とも必要だと考えますので、改めて総理の決意をお聞かせ願います。
そして、政府においては、国民への説明をしっかり行っていただいた上で、国民生活の混乱を最小限のものとする政策努力を要請して、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔内閣総理大臣福田康夫君登壇、拍手〕