弘友和夫の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○弘友和夫君 私は、公明党、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました四案件につきまして、総理、総務大臣及び関係大臣に対して質問をいたします。
ガソリン税など道路特定財源の暫定税率維持を含む税制関連法案は、衆参両院議長のあっせんがあったにもかかわらず、二月二十九日の衆院通過から一か月もの間、参議院で一度も審議されないまま新年度を迎え、ガソリン税の暫定税率の期限が切れました。
税制改正法案など歳入法案の成立の遅れは、国民生活や地方財政に多大な影響を与え、このため、これまで国会は慣例として、歳入法案を年度末の三月三十一日までに成立させてまいりました。国会がねじれ下にあるとはいえ、今回、立法府の良識として続いてきた慣例が破られたことは極めて異常な事態と言わざるを得ません。
しかも、参議院で税制改正法案の審議入りすらしなかったことは、参議院第一党の民主党がどう言い訳をしても厳然たる事実であります。参議院第一党として責任ある対応をしたとはとても言えません。民主党は、責任放棄の行動を猛省し、参議院で速やかに税制改正法案の審議を行い、一刻も早く院としての結論を出すべきだと考えます。
道路特定財源以外の租税特別措置につきましては、一応、与党の提案を野党側が受け入れ、適用期限を五月末まで延長するつなぎ法が三十一日に成立をいたしました。土地売買の登録免許税の軽減や東京オフショア市場の預金利子非課税などの期限切れによる国民生活や経済への影響は辛うじて回避できました。
しかし、焦点のガソリン税の暫定税率に関して、民主党は即時廃止に固執し、福田首相が道路特定財源の二〇〇九年度からの一般財源化を新提案したにもかかわらず歩み寄ろうとせず、その頑迷ぶりは、今の民主党にとって道路財源問題は選挙のための手段になっていると見るしかないと報道されているように、国民生活より党利党略を最優先する姿勢が厳しく批判されています。
もし、民主党が自ら吹聴しているように国民生活を第一と考えているのなら、道路特定財源の一般財源化を柱とする総理の新提案に歩み寄るべきであります。現実を無視した暫定税率の即時廃止に固執すべきではありません。民主党内からすら、暫定税率の廃止がなければ駄目だと突っぱねるのはおかしい、一般財源化こそ改革の本質だとの声が上がっているではありませんか。
まずは、今日までに至る一連の民主党の姿勢について総理の忌憚のない御所見を伺うとともに、総理御自身の提案について、その真意と今後の道路特定財源問題に対する方針を改めてお聞かせいただきたいと存じます。
地方自治体からは、年度末に地方財源の根本にかかわる問題について政局とすること自体が異常である、あるいは、委員会審議すらしないのは国会として職場放棄であるなどといった厳しい批判がなされています。地方自治体は、道路財源不足に加え、交付税法等改正案の年度内不成立のため当初見込額が減少することへの対応など、予算面での様々な対策に苦慮しております。
現実には、四月一日より国税、地方税の暫定税率が期限切れとなり、既に国民生活に混乱が生じております。当面の問題として、今回の期限切れにより税収に穴が空くことについて、いまだ民主党からは納得のいく説明がありませんが、現実対応として、このままだと国税一・七兆、地方税九千億円、合わせて二・六兆円の税収の穴が空きます。特に、地方財政は現状でも厳しく、軽油引取税、自動車取得税に譲与税を加えた減収額は四月分の影響だけでも六百億円以上ということになれば、予算執行ができないのではないかと懸念するところであります。
既に税収の見通しが立たなくなったと道路予算の執行を止める自治体が出始めて、地域の経済や雇用にも多大な影響が出ることが予想されます。また、中小ガソリンスタンド倒産の危機が叫ばれ、庶民のガソリンの買いだめによって安全面が危惧されるため、これに対し消防庁からは緊急対策として国民に呼びかけを行っているところであります。
そこで、このような状況を受けて、平成二十年度予算に関し、各方面における影響と対策について、財務大臣及び総務大臣、それぞれどのように考えておられるのか、また、総務大臣には地方自治体の資金繰りについて併せてお伺いいたします。
さらに、道路特定財源の暫定税率の期限切れは、徴税現場、さらにはガソリン、軽油の元売各社、ガソリンスタンドにおいて混乱を来しております。徴税現場では、徴税システムの手直しや人員増強などが求められ、ガソリン、軽油の製造販売業界では、系列や地域においてばらつきのある販売価格への暫定税率の期限切れの反映方法などが決まらないなど、混迷しております。赤字覚悟での値下げ競争が広がれば、収益や採算が急速に悪化し、全国四万五千のガソリンスタンドで三百億円規模の損失が生ずるおそれがあると言われております。徴税現場やガソリンスタンドへの対策について、関係大臣よりお答えをいただきたいと存じます。
次に、地域間の財政力格差と税制抜本改革についてであります。
現下の地方財政を取り巻く最大の課題は、巨額債務を抱える地方自治体間における財政力格差であります。総理は、今国会の施政方針演説において、地方の元気は日本の活力の源であるとされ、地方と都市の共生の考え方の下、法人事業税を見直し、地域間の税源の偏在をより小さくする暫定措置を講じ、特に財政の厳しい市町村に重点的に配分し、今後、税体系の抜本的改革に結び付けていきたいと述べられております。
現在の厳しい経済状況の中で、地域間財政力格差の劇的な改善は大きく期待し難い状況にあります。そこで、今後とも地域間における財政力格差に関する調整措置は必要であると考えますが、政府として、平成二十年度に措置される地方再生対策費あるいは地方法人特別税等について、税制の抜本的改革の中でどのように生かしていくおつもりなのか、財務大臣及び総務大臣の御所見をお聞かせいただきたい。
最後に、今後の地方分権改革について伺いたいと存じます。
政府としては、新しい国と地方の関係の構築に向けて、地方自治体に一層の権限移譲を行う地方分権改革の議論を加速し、平成二十一年度中に新地方分権改革一括法を国会に提出し、分権改革後の姿と在り方を国民に示していくとともに、中長期的課題としては道州制への移行を積極的に推進するとされております。
道路整備を中心とする公共事業の見直しや道路財源の再検討も、このような国と地方のありよう、地方分権改革の姿と密接にかかわる問題であります。
総理が、明確な地方分権改革のビジョンの下で、国から地方への大胆な権限、財源の移譲を進められることによって、地方に元気が戻り、それが起爆剤となって日本全体の経済も活性化されることを期待しつつ、地方分権改革に向けた総理の決意を最後にお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣福田康夫君登壇、拍手〕