辻泰弘の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○辻泰弘君 私は、ただいま議題となりました道路整備費財源特例法改正案に対し、会派を代表して、総理並びに関係各大臣に御質問申し上げます。
福田内閣発足から六か月半が経過いたしました。昨年九月、総理が署名をされた連立政権合意においては、改革を急ぐ余り、取り残された人たちや地域、弱者に対するセーフティーネットが十分でなかったことを率直に反省し、負担増、格差の緩和など国民生活に重きを置いた方向の政策を断行すると約束されておりました。しかし、実際はどうだったでしょうか。
小泉内閣以来の競争、効率、自己責任の冷たい論理に貫かれた政策運営は、福田政権の下でも全く変更されず、むしろずさんな年金行政による不信と不安の拡大、高齢者、年金生活者に冷たい医療保険制度の強行、医師不足に対する無策、無年金者や日雇派遣の放置などにより、国民生活は苦境に陥るばかりであります。医療難民、ネットカフェ難民など、難民と形容される社会状況も多くなっております。
総理は、就任以来今日まで、当初公約されたセーフティーネットの整備のために何をしてこられたのでしょうか。負担増や格差の緩和のためにいかなる政策を講じられたのでしょうか。お伺いをいたします。
同時に、四月からの後期高齢者医療制度について、年金からの強制的な天引き、開始直後の名称変更、事務的な準備不足などを国民に対しどう説明されるのでしょうか。抜本的な制度の見直しが必要ではありませんか。医師不足への対応と併せて、総理の御見解を求めます。
以下、法案に関連してお伺いいたします。
今次法案は、わずかばかりの一般財源化の装いを凝らしつつも、揮発油税等の今後十年間にわたる特定財源継続を求めることがその本質にほかなりません。これに対して、私どもは、かねてより道路特定財源の一般財源化を強く主張してきたところであります。
その意味で、総理が三月二十七日、平成二十一年度からの一般財源化を表明されたことは、一歩前進として評価するにやぶさかではありません。その後、総理は、一般財源化はみんなが心のどこかで思っていたが言えなかった、それが今回爆発したとおっしゃっております。
総理にお伺いいたします。一般財源化はみんなが心のどこかで思っていたのに、何ゆえ自民党の中では今まで言えなかったのでしょうか、それが今回爆発したのはなぜでしょうか、御所見を求めます。
去る四月十一日、政府・与党は、二十一年度からの一般財源化について合意され、決定の文書もお示しになりました。しかし、多くの疑問点があり、にわかに信用できないのが正直なところであります。
まず、何よりも、二十一年度からの一般財源化は今次法案と両立するものではありません。明らかな矛盾であります。総理、法案の再提出あるいは抜本修正が不可欠だと考えますが、いかがでしょうか。
また、今回の合意は本当に正式決定なのでしょうか。与党内では、みんな我慢している、これ以上突っ込むと逆噴射しますよとすごんだ方もおられたようです。政府・与党合意と言う限り、完全な合意の下に御提案いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
重ねて、政府・与党合意の内容について総理に六点お伺いいたします。
一、歳入法案等の成立を前提としてとは、それらの法案が成立しなければ一般財源化は白紙に戻すということなのでしょうか。二、与野党合意の成立いかんにかかわらずの一般財源化でしょうか。三、特定財源制度は今年の税制抜本改革時に廃止とは、税制の抜本改革がなければ特定財源制度は継続するという意味でしょうか。四、道路の中期計画で言う真に必要な道路と与党合意で言う必要と判断される道路とはどのような違いがあるのでしょうか。五、新たな五年間の道路整備計画を策定するのであれば、それまで今次法案は審議をストップすべきではないでしょうか。六、総理の言われる一般財源化とは何でしょうか。道路の関係だけでしょうか。医療、福祉、教育などにも使う完全な一般財源化なのでしょうか。
以上六点、それぞれについて総理の明快な御答弁を求めます。
次に、用語の定義についてお伺いいたします。
揮発油税の暫定税率は、昭和四十九年から今日まで、暫定と言いながら実に三十四年間続いてまいりました。そして、今次税法改正案では暫定税率の十年延長が規定されております。暫定税率という表現は、政府・与党合意や閣議決定の文書に記されております。
一方、平成十一年から行われた所得税の定率減税については、閣議決定において恒久的な減税と位置付けられながらも、政府は平成十八年に八年の命で終了させてしまったのであります。
同じ政府の租税政策の中にありながら、暫定は十年、恒久は八年とは、極めて常識に反することではありませんか。国語が乱れております。政府としての暫定、恒久の定義を総理からお示しください。
次に、道路計画の期間についてお伺いいたします。
日本の道路整備計画は、昭和二十九年以降、第一次から第十四次までの計画並びにその後の平成十九年度までの社会資本整備重点計画に至るまで、すべて五年間の計画でありました。しかるに、今回の政府の提案は、これまでにない十年を対象期間とするものであります。
政府は、十年とした理由を、道路の姿が見えてくるのに十年などと答えておりますが、極めてあいまいです。今回の道路計画は何ゆえこれまでにない十年間としたのでしょうか。また、総理は何ゆえいとも簡単に五年に短縮されるのでしょうか。根拠をお示しください。
次に、道路の中期計画五十九兆円についてお伺いいたします。
政府が閣議決定している「日本経済の進路と戦略」は、社会資本整備重点計画等の公共事業関係計画と「進路と戦略」との整合性を求めております。そして、「進路と戦略」あるいは骨太の方針においては、今後の公共事業関係費の伸びをマイナス三%とし、近年の予算のシーリングもマイナス三%で推移しております。
現在の地方単独事業を除く道路投資額五・六兆円を今後三%マイナスで続けるならば、十年間の総額は四十九兆円にとどまります。また、現行の事業量維持でも五十九兆円には届きません。五十九兆円とする計画はそもそも他の政府方針と相入れないものと総理は思われませんか。
あわせて、今後十年間の道路投資をどう伸ばしていくつもりで五十九兆円とされたのか。毎年度の伸び率、予定額、その裏付けとなる財源調達の見込みについて、国土交通大臣の御答弁を求めます。
次に、地方財政に関してお伺いいたします。
昭和六十二年の売上税法案が廃案となった際、国会では、自治省は売上税導入を前提とした地方財政計画を作成し、相当数の自治体がそれに基づいて予算を組んだが、法案の廃案により自治体財政は混乱した、その責任は自治省にあるのではないかとの質問が多くなされたのであります。それに対しては当時の自治省財政局長が、売上税のような非常に厳しい議論の対象となることが考えられるものについては十分考えながら地方団体に留意していく必要があると答弁しております。
今回の暫定税率問題は、国会でまさに非常に厳しい議論の対象となることが当然に予想されたはずであります。売上税廃案時の教訓を生かし、総務省は、暫定税率が延長された場合、延長されなかった場合の各々についての地方財政計画を示し、地方に伝えるべきだったと考えますが、総理の御所見を求めます。
次に、国土交通大臣にお伺いいたします。
さきの政府・与党合意では、特定財源の廃止、二十一年度からの一般財源化、新たな五年の道路計画策定などが決定されております。大臣はこの決定をどのように受け止めておられますか。あくまでも税制抜本改革を前提としての話だとお考えでしょうか。また、一般財源化の意義、一般財源化後の道路財源確保の方針をお示しください。
同時に、五時までは一般会計、五時からは特別会計とカメレオン職員とやゆされるような超過勤務代やタクシー券の特会からの支出、カラオケセットの購入など、道路特定財源の不適切な使用は目に余るものがあります。国土交通省に速やかな対策と結果を求めます。
さらに、所管の公益法人や独立行政法人への発注の九割が随意契約である実態、入札談合による二〇%近い不当利得の発生など、費用の過大見積り、税の無駄遣いが横行しております。天下りの是正、競争入札の促進、癒着の構造の排除など、抜本的な対応を求めます。
最後に、環境大臣にお伺いいたします。
環境省はかねてより温室効果ガス抑制のための環境税の導入を主張してきましたが、今般の政府・与党の一般財源化の方針を踏まえ、今後どのように取り組む方針でしょうか。あわせて、CO2排出総量の中で運輸部門などの各産業部門が占める割合をお示しいただきたいと存じます。
昨今、空気を読めない孤独の首相の判断が迷走劇に拍車を掛けたなどのマスコミの分析が説得力を持って心に響く今日このごろでございます。一人で勝手に空回りしておきながら、他人に翻弄されたなどと言われても、甚だ筋違い。そんな愚痴をこぼす総理を持った国民の方が困ってしまうんですよ。
四月に入ってからの世論調査では、福田内閣の支持率は二〇%台に下落し、政権が危険水域に達したと言われております。もはや、庶民の心なき、生活、暮らしに思いなき、政策ビジョンなき福田政権に国民生活を、日本の将来を託すわけにはまいりません。