羽田雄一郎の発言 (平成二十年度一般会計予算外二件両院協議会)

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○羽田雄一郎君 参議院側が平成二十年度一般会計予算外二件を賛成少数で否決した議決の趣旨を申し上げます。
 否決の第一の理由は、道路特定財源を維持し、暫定税率についても大幅に延長しようとしていることであります。
 道路特定財源制度ができて約半世紀が過ぎ、今や、年金、医療、教育、環境など、重視すべき施策の分野は幅広く、道路だけを特定財源で優先的に整備する意義は失われております。しかも、近年、シーリングのもと、道路予算が減少する一方、暫定税率が維持されてきたため、道路財源が余り始め、政府は、その余剰分を道路整備とは直接関係のない本四公団の債務処理などに回してきたのが実態です。
 特定財源維持の前提とされる五十九兆円に上る中期計画についても、明らかに大幅な過大見積もりで、そもそも政府の歳出改革における公共事業費の削減方針とも整合性がとれておりません。今後も、政府が歳出抑制の方針を続けるのであれば、計画は必然的に五十兆円を下回り、加えて現実味のない大型プロジェクトの廃止、随意契約や談合の徹底的な排除などにより、さらなる規模圧縮が可能であります。
 道路特定財源の暫定措置を一刻も早く廃止するとともに、これまでの道路財源は、すべて一般財源化した上で、国民が本当に求める支出に充てることができるよう、抜本的な制度の見直しを行うべきであります。
 否決の第二の理由は、政管健保の国庫負担を健保組合からの拠出で肩がわりさせている点であります。
 政府は、基本方針二〇〇六で定められた社会保障関係費二千二百億円の抑制策として、政管健保の国庫負担を健保組合の拠出で賄う措置を講ずることにしておりますが、国民の間から聞こえてくるのは、なぜ政管健保の国庫負担を健保組合が出さなければならないのか、その理由が全くわからないという声ばかりです。
 舛添厚生労働大臣でさえ、極めて筋が悪い対応で、社会保障予算の抑制はもはや限界との発言をした旨が報じられております。これは、政府の歳出改革が既に実質的に破綻していることを示すものにほかならず、こうした措置は直ちに撤回すべきであります。
 否決の第三の理由は、景気の停滞感が強まっているにもかかわらず、中小企業対策が不十分であるなど、景気への配慮を欠いている点であります。
 今回の景気回復は輸出関連の大企業が中心であって、低迷する内需に依存する多くの中小企業には景気の恩恵が及んでいません。しかも、改正建築基準法施行の影響により、建築着工が大幅におくれ、中小建設業者の中には、資金繰りの悪化などから倒産に追い込まれる企業さえ見られます。さらに、昨年後半以降、米国経済の減速に加え、原油価格高騰の影響が顕在化し、中小企業を中心に、企業収益を大きく圧迫し始めております。
 このように、中小企業はもとより、企業の経営環境が日増しに厳しさを増しているにもかかわらず、政府の対応は、小出しの政策が目立ち、全く力不足であります。
 否決の第四の理由は、税収見積もりに慎重さを欠いている点であります。
 本予算における税収見込み額は五十三兆五千億円余と、景気悪化が懸念されているにもかかわらず、十九年度の補正後税収より一兆円もの増加を見込んでおり、過大見積もりの可能性が濃厚であります。
 近年、政府の税収見積もりは過大見積もりの連続で、十八年度の一兆四千億円もの過大見積もりに続き、十九年度も当初税収が補正予算で九千億円の減額修正を余儀なくされております。しかも、現在は景気の先行き後退感が一段と強くなってきており、こうした状況下でも慎重さを欠いた税収見積もりを繰り返す政府のやり方は、到底認められません。
 否決の理由は多岐にわたりますが、両院協議会としましては、参議院側が指摘した平成二十年度予算に反対する諸事項を除去することによって平成二十年度予算三案が成立できるよう、御協力、御賛同いただきたくお願い申し上げる次第であります。
 以上でございます。

発言情報

speech_id: 116925168X00120080328_004

発言者: 羽田雄一郎

speaker_id: 27533

日付: 2008-03-28

院: 両院

会議名: 平成二十年度一般会計予算外二件両院協議会