鳩山由紀夫の発言 (本会議)

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○鳩山由紀夫君 国民の皆さん、民主党の鳩山由紀夫です。
 民主党・無所属クラブを代表して、小沢一郎代表に続きまして、麻生総理の所信に対して質疑をいたします。(拍手)
 小沢一郎民主党代表は、民主党政権において、自民党政権がついにできなかった「国民の生活が第一。」の政治とその具体的な政策を、必要な財源と実施のプログラムを含めて国民の皆様方に明快に提案をいたしました。
 それに比べて、麻生総理の所信とこの場における答弁は、国のビジョンも政策も具体性を欠き、まるで小沢総理の所信に対する代表質問のようであり、細田幹事長のあの興奮ぶりを見ても、もう与野党が逆転したかと思われた方も多かったのではないでしょうか。
 あなたが総理の責任の重さを語るなら、民主党を批判される前に、つけ足しのような形ばかりのおわびではなく、自民党総裁として、政治空白を招いたことに対する国民への謝罪、そして、なぜ二年間の間に三人目の総理になったかと、総括と反省を真剣に語るべきでありました。
 なぜ、その総理の座をいとも簡単に投げ出してしまったのか。それは、リーダーに必須の、この国をこう変えたいというビジョンもなく、政策もなく、そのためには死を賭しても闘うという覚悟もお二人ともお持ち合わせなかったということでございます。失敗に対する反省と総括抜きでは、たとえ総理のいすを継承されても、また同じ過ちが繰り返されるだけではありませんか。
 あなたの所信は、到底、責任と実行力ある政治を行う姿勢には見られません。真摯さも謙虚さも見られません。
 はっきり申し上げます。あなたの姿勢は、第九十二代内閣総理大臣としての品格に欠けています。
 麻生総理、あなたは、所信でいとも簡単に中山国土交通大臣の辞任に触れただけで、あなたの任命責任についてはまるで述べませんでした。中山議員について、任命したときには適任だったと語ったと伺いましたが、その言葉は任命責任を回避する発言であります。
 もともと中山議員は偏向した発言を繰り返していたではありませんか。それとも、歴史観と国家観を共有する同志と思って任命されたんでしょうか。あなたも、かつては、日本は一国家一民族であると発言されておりました。その言葉はひょっとしたら本音じゃありませんか。アイヌ民族が先住民族であるということが認められた記念すべき年に、何という発言をする大臣を任命してしまったのでしょうか。
 成田空港問題や大分の教育委員会汚職の事実すら正確に把握していなかった人を閣僚に任命し、五日で辞職させなければならなかったということは、単なる失言問題ではなく、重大な不祥事であります。任命責任についてしっかりと国民におわびし、あなた自身を含めて、二度と同じことを繰り返さないと誓うべきであります。いかがでしょうか。
 民主党は、国会が喫緊の課題を処理した後に、直ちに解散・総選挙の実施を要求いたします。信を問え、それが国民の声であります。
 選挙を前に麻生内閣が最低限国民に示すべきことは、民主党に対する批判ではなく、福田内閣の何を引き継ぎ、何を新しく提案するかをはっきりと提示することではありませんか。
 ところが、後期高齢者医療制度にしても見直しを一年かけて検討する、年金財源も検討を急ぐなど、重要政策のほとんど全部が結論の先送りです。全部あいまいにしたまま選挙を戦おうとしているんですか。余りに国民に対して失礼で誠意のない態度ではありませんか。
 また、民主党が補正予算に賛成するか否かを代表質問の中で答えよと言われました。これも、総理としての資質が疑われる、国会に対しては失礼な話です。全体像がさっぱりわからない予算の賛否は、予算委員会の質疑を通して決めるのが当然じゃありませんか。
 民主党は、補正予算の審議を引き延ばすことなど毛頭考えておりません。六日から予算委員会の審議をしようじゃありませんか。
 民主党はこんな補正予算では決して景気回復にはならないとは考えますが、それでも、補正の審議を行ってから国民の皆さんが待望している解散・総選挙に臨むべきであります。総理の御所見を伺います。
 麻生総理、あなたは民主党に対して多くの質問をされました。しかし、野党には答弁権が与えられていません。もしルールに反して答弁を求めるのであれば、質問時間の制限を外してください。あるいは、野党にも所信表明の時間を与えてください。あなたの態度は、ただ選挙に勝たんがために国会を利用する、総理たる資格を欠くものであります。(拍手)
 あなた方が自民党総裁選挙でお祭り騒ぎをやり、政治空白をつくり出している間、リーマン・ブラザーズの破綻に始まる金融不安が広がり、汚染米が学校給食に使われていた事件、社会保険庁による組織的な消された年金事件など、次々と新たな重大事件が起きました。北朝鮮には拉致事件の再調査の延期を通告される始末です。
 しかし、自民党は総裁選に明け暮れ、福田総理は居留守状態で、何の対応もできなかったではありませんか。その張本人のあなたに民主党を批判できるのでしょうか。本来、憲政の常道に従い、直ちに政権を野党に明け渡し、民主党政権で国民に信を問うべきであります。
 我が国には政権交代とそのための二大政党制が必要なんです。民主党と自民党は理念も政策も違います。政策を競い合い、その優劣で国民の審判を仰ぐのが議会制民主主義ではありませんか。
 もちろん、野党といえども、政権が国民を豊かに導いているときには大いに協力をすべきです。しかし、国民生活が破壊され、国の尊厳が失われているときに、自民党政権を倒すことは民主党の使命ともいうべきものであります。
 にもかかわらず、あなたは民主党に協力を求め、民主党が自民党に協力しないことを批判いたしますが、それは、あなたが安倍元総理、福田前総理と同じ間違いを犯すことを宣言していることになるんです。
 ある国際的なエコノミストは、よしあしや好き嫌いは別として、この政治的なデッドロックから早期に抜け出すためには民主党が次回の総選挙で勝つしかない、単独にせよ連立にせよ民主党が与党となる必要がある、さもなければ、現実問題として停滞が長引くだけだと喝破しております。
 あなたの批判に対する反論は、この評論で十分であります。
 あなたの幾つかの質問でありますが、まず民主党の政策をよく勉強してから質問してください。あなたの所信で示された政策は、そのほとんどが福田内閣の政策でありますが、民主党は、そのすべてに具体的な政策を提案いたしています。
 自分に賛成しない者は敵であり、悪であるとして攻撃する路線、それを人はファッショと呼ぶんです。あなたは、民主党をなぜかナチスになぞらえました。あなたに、民主党がなぜナチスなのか、この場で御説明をいただきたいと存じますが、あなたの質問は、政策が異なる政党に対して極めて傲慢不遜であります。
 これがあなたの質問に対する民主党の回答であります。
 総理、あなたが強調する安心実現のための緊急総合対策について、安心するのは自民党の政治家と官僚であり、まさに古色蒼然という声が聞かれます。すなわち、これで経済と国民生活の立て直しの展望が示されたとは全く言えず、むしろ、既得権益の枠の中で中途半端なばらまきという評価がほとんどであります。
 民主党は、既に、ガソリン税などの暫定税率廃止と地方財源の確保、高速道路無料化、中小企業減税と金融円滑化、住宅ローン減税、後期高齢者医療制度の廃止などを盛り込んだ緊急経済・生活対策の実施を提案していました。
 ところが、自公連立政権は、ことしの夏まで、イザナギ景気を超える戦後最大の景気拡大、今後も米国景気の復調に伴って輸出が伸びるなどと喧伝し、サブプライムローンの問題の深刻さを軽視し、解散が取りざたされるころになってようやく経済対策に乗り出すお粗末さでありました。
 百年に一度の金融危機と言われる事態はますます深刻化しているんです。今、緊急に行わなければならないことは、第一に、潤沢な流動性の供給を行うこと、第二に、金融機関による貸し渋り、貸しはがしの監視、そして第三に、真に経済効果のある施策を迅速かつ十分に行うことであります。
 さらに言えば、カジノ資本主義から健全な新しい資本主義の再構築のため、我が国の政治経済の仕組みを抜本的に変える必要があります。
 民主党は、既に、若者や働く貧困層のための職業紹介、職業訓練、住宅支援など就業支援、中小企業を支援しつつ最低賃金の全国平均で千円への引き上げ、二カ月以下の派遣労働の禁止、すべての非正規労働者の社会保険加入など正規、非正規の同一条件での均等待遇の実現、公立高校授業料の無償化、私立高校などの学費負担軽減、生活費も支援できる奨学金制度の創設、月額二万六千円の子ども手当や出産助成金の支給などの経済的支援と保育サービスの充実など、個別具体的な政策を打ち出しています。
 なぜ、あなたはまだ具体的な政策を一切お示しにならないのでしょうか。それは、これまでの自民党政治への反省も総括もないからではありませんか。
 これから検討しているいとまはありません。民主党に政権を直ちに任せてください。あなたの後は民主党が責任を持ちます。(拍手)
 具体的に、それではお伺いします。
 まず、定額減税を実施すると言いながら、額も財源も示されておりません。つい最近は、自民党幹事長が、追加策として、定額減税のほかに定率減税や法人税減税に言及しています。あなたはほかにも配当金非課税など政策減税の実施に言及していますが、何をやり、その財源は何か、はっきりお示しください。
 また、財政再建は努力目標に変えられたようですが、これは、当面、赤字国債の大量発行も念頭に置かれてのことでしょうか。二〇一一年度におけるプライマリーバランスの達成という看板はおろしたのですか、お答えください。
 また、今まで政府・与党は、埋蔵金などはないと言っておられましたが、あなたの認識では埋蔵金はあるのかないのか、使うのか使わないのか、お示しください。
 総理は、日本経済を全治三年と言われました。日本経済を重病にしたのは自民党、そしてあなたも主要な責任者の一人ではないですか。あなたが全治三年と言うなら、そのようになった原因、総括を示してください。
 また、あなたは、病にかかった日本経済と国民生活に、消費税税率を三年後には上げると言っておられるのか、上げないというのか、ここでお示しください。
 あなたは、結局、ばらまきのツケが赤字国債と消費税増税ではないかという疑問に何にもお答えになっていません。この際、麻生内閣の財政方針を明確に示してください。
 五千万件の消えた年金のほとんどは、いまだに宙に浮いたままです。これに加えて、先月初め、民主党の追及によって、社会保険庁の意図的な改ざんによる消された年金の実態が明らかになってまいりました。
 舛添厚生労働大臣は、改ざんの疑いがある事例が六万九千件と答えています。しかし、これすら氷山の一角であり、納付期間の改ざんやオンライン化以前のものは含まれていないとのことであります。
 また、舛添大臣は、組織的関与があったと推量すると答えております。元職員は、毎月行われる社会保険庁の収納対策会議で標準報酬月額を改ざんして徴収率を上げるよう指示があったことや、こうした手法は社会保険庁の本庁の職員も承知していると証言しています。
 これは、困り果てた事業者を役人が唆して、まじめに働く人たちから年金を奪い取る組織的な犯罪ではありませんか。
 あなたは、ひたすら手間と暇を惜しまず確かめ続けますと言います。しかし、これは、冬になれば年金の全部が灯油代で消えてしまう、ことしの夏はおまえに会えたが、来年はもう会えないかもしれないと寂しげに語ったお年寄りへの答えにはなっていません。
 さらに、記録が回復せずに本来の年金額を受給できないまま、あるいは記録が改ざんされたことすら知らないうちにお亡くなりになる方も多いのではありませんか。
 民主党政権では、国家プロジェクトとして、全記録の確認と訂正を徹底的に集中して速やかに行い、訂正から年金受給額の回復までの期間を短縮し、すべての加入者に年金通帳を交付して、いつでも自分の年金記録が報酬月額も含めてすべて確認できるようにすることを提案しています。
 総理、あなたは具体的に国民に何を約束するんですか。消えた年金はお年寄りが亡くなられる前に回復するんですか。消された年金はその全容を調査するんですか。
 さらに、総理就任会見で、あなたは、基礎年金の国庫負担率を約束どおり来年四月から二分の一に引き上げると言っておられますが、その財源は何によって確保するのか、明快にお示しください。
 次に、これもあなたの政府の腐敗の象徴である汚染米についてお伺いします。
 この事件は、事故米を処理したい農水省と安価な事故米でもうけたいという業者が結託して起こした事件であります。
 そもそも、食用でない事故米を工業用として売り渡すこと自体が、食の安心、安全を預かる農林水産省としてあるまじき行為であり、国民から見れば犯罪行為であります。総理、あなたはこれをどう説明するんですか。
 三笠フーズに九十六回も調査に入りながら何も発見しなかったということは、農水省と業者が癒着していた何よりも明らかな証拠です。実際には、そのうちの四回、しょうちゅう用に使う予定と報告されていたじゃありませんか。食用に使うことを農水省は知っていたのではないですか。汚染米をなぜ水際でとめなかったんですか。汚染米をなぜ焼却処分にしなかったんですか。汚染米をなぜ着色するなど区別しなかったんですか。
 事件発覚直後、農水省の役人は責任を否定し、農水大臣はじたばた騒ぐんじゃないと言い放ちました。そして、おやめになりました。今度は、政府が農水省に改革チームをつくると言っています。でも、国民のだれもが知っています。泥棒が泥棒を取り締まることも、告発できるはずもないじゃありませんか。
 偽装、改ざん、不正転売など食の安全が脅かされている中で、民主党は、抜本的な制度の改正が必要と早くから主張して、原料原産地表示の義務づけの拡大、食品取引の流れを追跡するトレーサビリティーシステムの導入と徹底、食品行政の一元化等を柱とした食の安全・安心対策関連法案をとっくに衆議院に提出しています。
 しかし、与党はその重要性を全然理解せず、たなざらしにしているではありませんか。もし民主党の提案を受け入れているならば、このような事件は起こらなかったじゃありませんか。食品行政に対してこんなていたらくの政府だからこそ、既存のものを寄せ集めただけの消費者庁を設置すると言われても、果たして機能するのかと疑わざるを得ないのであります。
 民主党は、消費者の立場から省庁を強力に監視し、消費者の心を十分に反映できる独立した機関として消費者権利院を提案しています。
 もう一つ、あなたは中国製冷凍ギョーザ事件の解決に取り組まれるのでしょうか。今度は、メラミン入り乳製品の問題が燎原の火のごとく広がりつつあります。
 政府は抜本的な対策を講じるどころか、中国政府に遠慮して、中国内で回収したギョーザで中毒被害が出たという重大情報を国民から隠ぺいしたではありませんか。
 あなたは、ことしの二月、熊本市での講演で、中国製ギョーザ事件にかかわって、中国に感謝しなくてはいけない、物すごく付加価値がついたなどと発言されました。被害を受けた方々のためにも、発言をこの場で撤回することを求めます。
 薬害C型肝炎訴訟がようやくにして解決に近づいていますが、患者の粘り強い取り組みがなければ、肝炎被害はさらに多くの国民に広がっていたでありましょう。
 消された年金、汚染米、そしてこの薬害肝炎、いずれも政府が加害者であり、それを告発し、正しい方向に転換させようと努力してきたのは国民の皆様です。公僕たる官僚が国民の税金や利権にあぐらをかき、それに乗っかり、怠惰な政権の美酒に酔ってきたのが自民党ではありませんか。
 自民党は、だれがトップになっても変わらない官僚内閣、官僚政権であり、政権交代が必要だと民主党が主張するゆえんは、まさにここにあるのであります。(拍手)
 介護の次は医療保険、少ない年金から天引きされて、もう生活できない、新聞も牛乳もやめた、年寄りは病院に来るなというのか、九十日たったら病院から出ていけというのか、こういった国民からの強い批判があったにもかかわらず、政府は、後期高齢者医療制度をことし四月から実施いたしました、強行しました。
 あなたは、ほほ笑みを忘れた日本人にほほ笑みをよみがえらせると所信でおっしゃいました。しかし、国民から笑顔を奪ったのは、まさにこのような弱者切り捨て、競争至上主義の自民党政治ではありませんか。
 十月十五日、間もなく、子供の扶養家族になっており半年間保険料の徴収が凍結されていた人などを含め、新たに六百二十五万人の高齢者を対象に保険料が天引きされます。
 あなたの所信では、「一年を目途に必要な見直しを検討します。」とされました。国民への説明不足というのが、あなたの基本認識のようであります。
 自民党総裁選の終盤になって、あなたは、抜本的に見直す必要がある、七十五歳という年齢制限はつけないとテレビなどを通じて国民に明言をされました。しかし、自民党総裁になった途端に、全くやる気がうせたようであります。抜本的見直しが、単なる改善に変わりました。聞けば、千三百万人の七十五歳以上のお年寄りのうち、今でも会社勤めをされておられる約三十五万人の方々のみ、以前入っておられた保険に戻すだけのようであります。これでは、苦しいお暮らしをされておられる方々には全く無縁の話ではありませんか。
 結局のところ、あなたには、お年寄りや障害をお持ちの方々の日々の暮らしがおわかりにならないのであります。一年をかけて見直しを検討している暇などないのです。
 民主党は、制度を直ちに廃止し、それに伴う自治体への財政支援を行い、国民健康保険と被用者保険など制度間の不公平を是正し、順次統合して医療制度を一元化することを提案しています。
 制度の欠陥を説明不足でごまかし、一年間の検討で時間稼ぎをするなどというのは、余りにもこそくではありませんか。
 自民党は、六十五歳以上の障害者も後期高齢者医療制度に組み入れました。自立支援の美名のもとに、所得保障のないままに障害者の方々に定率負担を押しつけ、結果として、障害者の自立が妨げられてしまったどころか、日々のお暮らしにさえ困っておられる方々が大勢おられます。
 民主党は、さきの通常国会に、障害者の方の一割負担を凍結して、応益負担を応能負担に戻し、サービス事業者への財政支援を行う法案を参議院に提出いたしましたが、与党の御賛同をいただけませんでした。
 自公合意で抜本的見直しが確認されたといいますが、何を具体的にやるのでしょうか。具体的に、障害をお持ちの方々にお示しをください。
 総理の所信で、食料自給率を五〇%に引き上げるという表明がありました。あなたは、「攻めの農業へ、農政を転換する」と言われましたが、これは数年前から自民党が言ってきた色あせたスローガンであり、いまだに何も成果を上げていません。例えば沿岸漁業、例えば酪農農家にどのような政策を推し進めるのか、具体的に示してください。
 民主党は、自給率を高め、安全な食料を供給するために、生産、流通、販売の一体的な農業の再構築を提案しています。
 そのためにも、まずは経営の安定です。私たちは、農業、畜産、酪農の戸別所得補償制度を創設いたします。そしてさらに、漁業の所得補償制度、森林・林業の直接支払い制度も検討を進めています。せめて民主党に対抗するくらいの政策はお示しいただけないでしょうか。
 設備投資どころか融資が細って毎日の資金繰りすら厳しい、利益どころかやればやるほど赤字だ、地域の建設業が立ち行かない。地域を支える中小零細の地場産業や商店経営者からの切実な声です。
 民主党は、中小企業減税と金融の円滑化、地元企業への発注比率向上、中小企業いじめ防止法の制定を実現いたします。さらに、中小零細企業に対する貸し渋り、貸しはがしを食いとめ、円滑な経営に資するため、かつて実施いたしました特別信用保証制度を復活させます。
 総理は、所信で、中小零細企業の底上げを図ると言われますが、四千億円余りの補正予算で九兆円の事業規模を引き出すという上げ底政策のにおいがする補正予算案で十分であると考えているエコノミストは皆無に近いと思います。率直に言って、もう少し実のある政策を示す熱意はありませんか。補正予算の審議の前から、第二次補正の声が政府からも聞こえてきます。どうやら政府も、この補正予算ではとてもとても不十分だと思っているのではありませんか。
 さらに、地域経済、分権の問題です。自民党政府は、これまで、中央官僚の言いなりに、肝心の権限は譲らず財源は取り上げる、名ばかりの三位一体改革で地方の力をそぎ、自治体間の格差を広げてきました。
 民主党は、地域のことは地域で決め、地域の特性、特徴を生かして主体的に創意工夫で取り組める真の地域主権の形を実現することこそ、地方の活性化の起爆剤だと考えています。そのために、財源も権限も人材も大きく地方に移譲するんです。地方の出先機関も廃止や縮減をし、国から地方への個別補助金も廃止をし、地方が基本的に自由に使える一括交付金といたします。
 そして、第一次産業や中小企業の立て直し、高速道路の原則無料化、国民生活を確保して地域社会を活性化するための郵政事業の抜本的見直しなど、地域経済と社会の再建に取り組みます。
 細田幹事長が、あたかも我々が郵政を公社化に戻すかのような発言をされましたが、そのようなことは一切考えておりません。
 総理、あなたは地方税源の減収対策を野党に尋ねましたが、私たちに言わせれば、ひもつき補助金と直轄事業負担金こそ問題です。これをあなたはどうしようとされているのか、お示しください。
 さて、喫緊の外交問題に限って触れさせていただきます。
 福田総理が政権を投げ出したことで、八月の日朝実務者協議で曲がりなりにも北朝鮮が約束した、拉致問題に対する再調査を延期する格好の口実を与えてしまいました。また、北朝鮮がこれまでの六者協議の合意を踏みにじり、核施設の無能力化の中断を発表したにもかかわらず、政府としての対応は全く聞こえてきません。前内閣が私の手で解決しますと言い切った拉致問題を解決するために、あなたは一体どのような具体的な取り組みをされるのでしょうか。
 民主党は、米国から言われるままにイラクやインド洋に自衛隊を派遣したことは、憲政史上に汚点を残したと考えています。イラクからの撤退をようやく政府は決断いたしましたが、どうもテロ新法の延長しか念頭にないようでありますが、七年を経た今、むしろアフガニスタンの治安情勢は悪化しており、隣国のパキスタンでもテロが頻発しています。
 今改めて、我が国がテロとどう闘っていくのか、アフガニスタンの平和と安定、復興のために何をなすべきか、給油にとらわれず、もっとアフガニスタンに期待される支援のあり方を冷静かつ主体的に見直すべきであります。(拍手)
 あなたの外交は、結局、古い日本の保守派外交を、言葉をかえてなぞろうとしているだけではないですか、お答えください。
 最後に、自民党と総理が執心している、自民党と民主党の政策実現のための財源問題をもう一度整理いたします。
 民主党は、年金・医療・介護、子育てと教育、雇用、農林漁業・中小企業、生活コストの五分野でセーフティーネットをつくり、愛のある政治をよみがえらせます。その実現のために、財政構造の転換、国民主導の政治、真の地方分権を三本柱とする統治機構の抜本改革を行い、地域経済を再生させ、日本を地球に貢献する国として生まれ変わらせます。
 そのための財源は、無駄遣いの根絶、不要不急な事業の中止、延期などを徹底すれば、平成二十四年度までに、一般会計、特別会計の合計約二百十二兆円の約一割に相当する二十兆五千億円を国民の支持を基盤とする民主党政権の意思により確保できると考えています。
 それに対して、麻生政権においては、総理自身が今年度中の実施を断言した定額減税の財源、来年度の実施が法律で定められている基礎年金国庫負担引き上げの財源、二〇一一年度におけるプライマリーバランスの実現のための財政対策を含めて、いまだに財源対策は何ら示されていません。赤字国債の発行、消費税の増税、埋蔵金の取り崩しなどいろいろと取りざたされていますが、何もはっきりと示されていません。
 後期高齢者医療制度創設で節減されたはずの五千七百億円の予算、基礎年金の二分の一国庫負担の財源にするとされた定率減税の廃止による二・五兆円の増税分もどこかに消えてしまったではありませんか。
 すなわち、野党と政府・与党で財源対策は全く逆転しており、民主党のガラス張りの無駄の排除、予算総組み替え論に対して、麻生自公政権の財源対策は全くのブラックボックスではありませんか。
 民主党は、国の直轄事業の節減、国家公務員人件費の二割削減、天下り禁止と入札改革による随意契約と談合の廃止による政府調達予算の節減、ひもつき補助金の一括交付金への振りかえ、特別会計の余剰金の活用、政府資産の計画的売却、租税特別措置の抜本整理などにより、政権初年度、二年目、三年目、そして四年目までに順次、政策の実施にあわせて予算の総組み替えを行ってまいります。
 私たち民主党は、国民からお預かりした税金は一円たりとも無駄にいたしません。自民党は、当たり前のようにばらばらばらばら無駄遣いをしてきたじゃありませんか。例えば、地元が不要と言った事業費二千六百五十億円にも上る川辺川ダム国営事業は中止をするんですか。八ツ場ダムはどうですか。
 十二兆六千億円にもなる天下り団体への資金交付をどれだけ削減するんですか。当然、野球道具、マッサージチェア、居酒屋タクシーなどへの支出はやめても、まだまだ隠れた役人の既得権はたくさん残っているんです。これらのすべての無駄遣いをあなたの官僚内閣でとめることができるわけないじゃありませんか。
 自民党、公明党議員に申し上げます。民主党に対する批判はどうぞ御自由でありますが、党に帰って自分たちの政策の財源をまず確かめてください。選挙区に帰って有権者に説明できる財源は何か、赤字国債か消費税増税か。なぜ民主党には税金の無駄遣いをとめることができて、自分たちの政権ではできないのか。これこそ国民が最も知りたいところではありませんか。
 選挙区であなた方の主張が通るのか、家計をやりくりしている御家庭の主婦、経費を節減している零細企業や商店の皆さんに何と説明するのか、総選挙で試すべきであります。
 さて、総理は、所信で、合意形成のルールと言われました。私は、なぜ民主党が自民党と談合しなければならないのか、一切わかりません。
 議会のルールは確立しており、そしてそれを換骨奪胎させてきたのは、まさに自民党じゃありませんか。自民党、公明党は、衆参で絶対多数を握っていたときは強行採決の繰り返しじゃなかったですか。むしろ、直近の民意である参議院の意思を無視して、自分たちの主張を丸のみしろというあなた方の姿勢こそ、合意形成を妨げてきたんじゃありませんか。
 総選挙で民主党が勝利すれば、衆参のねじれは解消いたします。そして、私は、必ずそのねじれが解消すると確信しています。
 民主党に政権は任せられないと自公政権は言います。しかし、自公にこれ以上政権を任せていて、国民にとっても、日本にとっても、何もいいことはありません。あなたは、日本人の変化を乗り切って大きく脱皮する力を信じると言われました。私も、日本人が自民党政治から大きく脱皮する力を持つことを信じています。
 今までやれなかったことはこれからもできないんです。すなわち、自公政権の延長線上にあすはないんです。総理の言う強い日本も、明るい日本もないんです。
 民主党政権には、「国民の生活が第一。」という政権の大目標があり、そのことを革命的改革によって、国民生活と日本の経済社会を変えることができます。官僚政権にかわって国民政権を樹立させようじゃありませんか、皆さん。
 来るべき総選挙において、民主党は国民の御期待にこたえるために全力を挙げることをお誓いし、私の代表質問を終わります。
 国民の皆さん、御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 117005254X00320081001_019

発言者: 鳩山由紀夫

speaker_id: 11584

日付: 2008-10-01

院: 衆議院

会議名: 本会議