麻生太郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(麻生太郎君) 鳩山議員の質問にお答えをさせていただきます。
まず、中山前大臣の任命責任と私の発言について御指摘がありました。
中山前大臣の一連の発言は、閣僚としてまことに不適切であります。関係者の方々、国民の皆様に深くおわびを申し上げる次第です。
任命責任は私にあります。今後、仕事で成果を出すことにより、国民に対して責任を果たしてまいりたいと存じます。
私の過去に対する不用意な発言で関係者の皆様に不快な思いをさせたことにつきましても、おわびを申し上げさせていただきます。今後、総理大臣として、言葉の重みをわきまえつつ発言してまいりたいと存じます。
次に、補正の審議を行ってから解散・総選挙に臨むべきとの主張がありました。
補正予算の審議を引き延ばすことなく行っていただけることは、感謝申し上げます。
しかし、前国会において、議長立ち会いのもと、与野党で結論を出すと合意したはずの税制関連法案が、二カ月も意思決定されませんでした。結果として、国民生活、地方自治体などに大きな混乱が生じました。
衆参両院において、現下の厳しい経済情勢から国民生活を守るために提出しました補正予算及び関連法案につきましては、その趣旨を御理解いただき、早急に結論を出すことをお約束いただければと存じます。
解散のお話がありましたが、解散は私が決めさせていただきます。
民主党をナチスに例えたとの御指摘がありました。
私は、議会が国民の負託にこたえられず、その機能を果たさなくなったときにナチスが政権をとった事実を指摘したのでありまして、民主党をナチスに例えたことなどありません。
安心実現のための緊急総合対策についてのお尋ねがありました。
政府・与党が取りまとめました安心実現のための緊急総合対策は、例えば、中小零細企業の資金繰り対策や学校耐震化などの国民生活に直結する具体的な施策を盛り込んでおります。また、本対策を裏づける補正予算を速やかに成立させることが必要であろうと存じます。
なお、ばらまきとの御指摘がありますが、本対策は、真に必要な対策に財源を集中するなど、旧来型の経済対策とは一線を画するものだと考えております。
政策減税の実施とその財源についてのお尋ねがありました。
税制の課題は、定額減税に加え、省エネ設備等の投資促進や海外子会社利益の国内還流のための環境整備など、多岐にわたっております。今後、財源を明確にしつつ、年末に向けて検討を進めてまいりたいと存じます。
赤字国債の発行及び基礎的財政収支の達成についてのお尋ねがありました。
我が国の経済や社会保障に悪い影響を与えないため、二〇一一年度までに国、地方の基礎的財政収支を黒字にするという目標を達成すべく、努力をしてまいります。
平成二十年度補正予算につきましても、既存の歳出を見直す中で、最大限の財源捻出の努力を行うことなどにより、赤字国債を発行しないとしたところであります。
埋蔵金の有無などについてお尋ねがありました。
埋蔵金が何を指すのかは明らかではなく、その有無についてお答えをいたしかねます。仮に、特別会計の積立金などを指すのであれば、特別会計の財務諸表などはすべて公表されておりまして、埋蔵金という表現は適切ではないと存じます。
なお、特別会計の積立金は、これまでも財政健全化のために活用してきているところであり、今後とも、同様の方針で可能な限り活用していく所存であります。
日本経済が全治三年となった原因についてのお尋ねがありました。
我が国経済は、バブル経済崩壊後の長い低迷から脱却し、持続的な景気回復を続けてまいりましたが、現在は、景気後退の上、米国発の金融不安が起こるなど、厳しい局面に立たされているものと認識をいたしております。
こうした著しい変化を受けて、当面は景気対策、中期的には財政再建、そして中長期的には改革による経済成長という三段階で臨みます。
私は、日本経済を全治三年と申し上げましたが、三年で日本は脱皮できる、せねばならぬと信じております。
消費税についてのお話がありました。
消費税の引き上げは避けて通れないだろうと考えております。ただし、現在の経済状況においては困難であると考えており、経済動向などを注視して判断をしなければならないと考えております。
麻生内閣の財政方針についてお尋ねがありました。
我が国は、巨額の借金を抱えており、経済や社会保障に悪い影響を与えないため、財政再建は当然の課題です。麻生内閣として、日本経済の持続的で安定した繁栄を図ることを基本線として踏み外さず、財政再建に取り組んでまいります。
標準報酬月額の改ざんについてのお尋ねがありました。
不適正な訂正が行われた事実につきましては、事実関係を徹底して調査し、社会保険庁の職員の不正が明らかになった場合には、厳正なる処分を行います。
いわゆる消えた年金、消された年金に関する政府の取り組みについてのお尋ねがありました。
高齢者のことを考えれば、一日も早く年金記録を正し、年金が正しく支払われるようにすることが重要だと考えております。
そのため、持ち主がわからない未統合の五千万件の記録につきましては、今月中にすべての受給者、加入者に対しねんきん特別便の送付を終えるなど、統合作業を進めます。
年金記録に漏れや誤りがある場合につきましては、年金受給者を優先して八・五億件の紙台帳の記録とコンピューター記録との突き合わせを進めるとともに、いわゆる標準報酬の改ざん問題について、疑いのある記録六・九万件のうち年金の受給者約二万人に対して記録の確認作業を開始させます。来年中には、すべての受給者について、標準報酬などに関するお知らせを開始します。
ひたすら手間と暇を惜しまず、全力を尽くしてまいります。
基礎年金国庫負担の財源についてのお尋ねがありました。
基礎年金国庫負担割合の二分の一への引き上げを含め、年金などの社会保障の財源をどう安定させるかにつきましては、その道筋を明確にすべく、年末までに結論を得たいと考えております。
汚染米についてお尋ねがありました。
工業用として販売した事故米が食用に転用されていることを見逃し、適切な対策を講じてこなかった行政の責任はまことに重大です。
私は、行政の長として、事態の全容解明と情報提供、行政の責任の明確化、再発防止に全力を期します。
原因究明と対策について、内閣府に設置されました有識者会議で徹底的に検証、検討を行ってまいります。
中国製冷凍ギョーザについてのお尋ねがありました。
本件につきましては、中国での捜査が進展し、一日も早く真相究明がなされることが何よりも重要であります。
中国側も本件を重視し、捜査を加速していると承知をしております。政府として、消費者の安全確保の観点から、引き続き中国政府に早期解決を求めてまいります。
中国製ギョーザに関する私の発言について御指摘がありました。
関係者の方々に不快な思いをさせましたことをおわび申し上げます。
長寿医療制度についてお尋ねがありました。
長寿医療制度につきましては、この制度をなくせば問題が解決できるものではありません。廃止するのではなく、高齢者に納得していただけるように改めることが必要と考えております。
その際、高齢者を初め多くの方々の御意見をしっかり受けとめる必要があり、一年を目途に幅広い検討を進めてまいります。
障害者自立支援法の見直しについてのお尋ねもありました。
障害者自立支援法につきましては、現在、利用者負担の軽減や事業者の経営基盤の強化などの緊急措置を講じております。
今後は、障害児に対する福祉サービスのあり方など、制度全般にわたる見直しや、二十一年四月の報酬改定について検討を進めてまいります。
沿岸漁業及び酪農農家への政策についてのお尋ねがありました。
沿岸漁業につきましては、燃油高騰対策や水産資源の回復、管理を進めながら、競争力ある経営体を育成するなど、構造改革を推進してまいります。
また、酪農につきましては、水田を活用した国産飼料の生産、利用を進めるとともに、輸入品が多くを占めますチーズ等国産需要の拡大を進めるなどにより、食料自給率の向上に邁進してまいります。
農林漁業改革に関連したお尋ねがありました。
食料自給率の向上は喫緊の課題であり、米、麦、大豆などにつきまして、経営所得安定対策により、意欲と能力にすぐれた担い手を育成させていただきます。
また、畜産、酪農や林業、漁業につきましても、燃油高騰対策などを的確に進めながら、経営安定対策などにより、力強い農林水産業構造の確立を目指します。
なお、民主党が御提案の所得補償制度は、規模の大小を問わず、すべての農家を対象とするものであり、日本の農業構造改革を妨げるものであると考えております。
中小零細企業支援についてのお尋ねがありました。
年末を間近に迎え、多くの中小零細企業の経営者が資金繰りに不安を感じておられます。この不安に対して、しっかりとした財政措置のもとに、十分な金融対策を講じます。
さらに、弱い立場にある下請事業者には、各都道府県における相談体制の拡充など、きめ細かい下請対策を講じてまいります。
こうした政策を通じて、中小零細企業の安心を実現してまいりたく存じます。
二次補正についてのお尋ねがありました。
先月取りまとめた緊急総合対策を着実に実施していくことが当面最も重要であり、そのため、まずは補正予算を早急に成立させることが必要であると考えております。
なお、対策の決定後も国際金融情勢は大きく変動をいたしております。こうした状況において、本対策はどのような効果を持つのかを見きわめた上で、必要に応じ、さらなる対応を弾力的に行っていく必要があると考えております。
地域主権の実現と補助金等についてのお尋ねがありました。
地域の活力を呼び覚ますためには、知事や市町村長の権限と責任で地域の経営を行えるようにすることが必要であり、地方分権を進めてまいります。また、国の出先機関の多くには二重行政の無駄がありますので、その地方移譲を進めてまいります。
補助金を見直すとともに、地方税などの財源を充実することが重要な課題であります。現在、国と地方の役割分担などの見直しを行うとともに、補助金、交付税、税源配分の見直しの一体的な検討を進めてまいります。
あわせて、直轄事業負担金につきましては、直轄事業を全国的な見地から必要とされる基礎的または広域的な事業に限定するとの考え方に立って見直しを進めてまいりたいと存じます。
なお、一括交付金の御提案は、地方への国庫補助負担金が社会保障などの義務的な性格のもので多くを占められている中にあって、その具体的な内容、配分方法など、また規模も示されておりませんので、その実現ができるかどうか、はかりかねます。
拉致問題についてお尋ねがありました。
拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を図るとの対北朝鮮外交の基本方針は不変です。
拉致問題につきましては、すべての被害者の一刻も早い帰国の実現に向け、全力を尽くします。北朝鮮に対し、八月の日朝間の合意に従い、早期に全面的な調査のやり直しを開始するよう、強く求めてまいります。
テロとの闘い及びアフガニスタン支援についてお尋ねがありました。
テロとの闘いは正念場にあります。補給支援活動は、その中核であるアフガニスタンの安定と復興のための国際的取り組みを支えるものです。我が国は、国際社会の責任ある一員として、治安・テロ対策と人道復興支援を車の両輪として引き続き真剣に取り組む考えであります。
なお、イラク及びインド洋における自衛隊の活動は、憲法上何ら問題なく、国際社会からの評価も高く、我が国として誇りとすべきものであると考えております。
外交の基本方針についてお尋ねがありました。
我が国は、従来より、日米同盟を基軸としつつ、近隣諸国との協調、国連を中心とする国際協調を外交の重要な柱としておりますのは御存じのとおりです。このような基本方針は、我が国が置かれた地政学的な条件及び歴史的経緯などを踏まえたものであり、私の内閣においても変更はありません。
税金の無駄遣いに関して幾つかのお尋ねがありました。
行政の無駄をなくすことは当然で、公共事業についても必要性を厳格に検証します。
川辺川ダムにつきましては、熊本県知事の判断も重く受けとめ、地元市町村の意向も聞いた上で、今後の方針を判断してまいりたいと存じます。
八ツ場ダムにつきましては、治水、利水の両面から必要な事業であり、着実に事業を推進してまいります。
国からの支出削減についてのお尋ねがありました。
御指摘の十二兆六千億円が、衆議院調査局の予備的調査によるものであれば、これらは、中小企業向け融資を担う旧国民生活金融公庫などに対する財政融資資金貸し付け四・五兆など、国民生活や社会経済にとって必要な政策遂行のため支出されたものだと存じております。
今後とも、国からの支出につきましては、真に必要な経費は適切に措置しつつ、徹底して無駄を排除してまいります。
最後に、合意形成のルールについて質問がありました。
私は、与野党が主張を明確にしつつも、国民生活にとって重要な政策につきましては、双方が協議をして、早急に結論を出す仕組みが必要だと訴えているのであります。結論を先送りする国会は、国民の負託にこたえぬものだと思っております。(拍手)
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