奥田安弘の発言 (法務委員会)
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○参考人(奥田安弘君) ドイツの立法の背景について今直ちに述べよと言われましても、ちょっと私の方も調べる時間をいただければと思うわけでありまして、正確なことをお答えするためにはやはり調査が必要でございますんで、一般的なドイツの、今のドイツの立法と日本の立法ですね、これは国籍法や民法、非常に似ていますが、違うということだけ説明したいと思います。
まず、国籍法の方は日本と同じ血統主義です。ただ、認知による国籍取得について、あちらは国籍取得届を要件にしていない、認知届だけです。その認知届が現実的にどういうふうに審査されて受理されているのかということも、これまた調査を要することですので正確なことは今お答えできませんが、やはり日本で行われるであろう国籍取得届の審査と比べるとかなり緩やかなんじゃないかということは推測できます。ですから、ドイツで仮装認知が仮に増えたからこういう改正をしたんだとしても、日本も同じようになるかどうかというと、それは分からないわけであります。
次に民法の方ですが、認知無効確認の提訴権者を制限する規定というものがドイツにはありますが、日本にはそういうものがない。先ほど遠山先生がそれは日本法で可能かどうかというのは一つの問題だとおっしゃいましたが、日本の場合は、ただそういう訴訟をしなくても刑事裁判の方で有罪が確定すればそれは戸籍の訂正を自動的にいたしますんで、結局、国が訴訟を起こすというようなことまでしなくても済むじゃないかということであります。その違いをやはり認識しておく必要があるんだろうと思います。
次にDNA鑑定の方ですが、私、今日ここに来る前に衆議院の方の議事録を拝見いたしまして、そこでイギリスの例を取り上げられた方がいらっしゃったようなんですが、イギリスでは実は認知制度というのはございません。英米法一般の話なんですが、英米法系の国では認知というようなことで包括的な親子関係を成立させるというものがそもそもないんです。国籍取得や扶養請求や相続や、そういうそれぞれのことが問題になったときにその前提として親子関係を確定すると。ですから、その時々の証明の問題になるわけですね。
ところが、日本の場合は認知制度というものがありますんで、そして認知があれば法律上の親子関係は成立すると。つまり、生物学的な親子関係ではなくて法律的な親子関係、これを国籍法は基本にしているわけですから、余り生物学的な親子関係にこだわるというのはどうかなと。
DNA鑑定自体の技術的な問題は遠山先生お答えになったとおりですので、私の方からは特に補足することはございません。
以上でございます。