奥田安弘の発言 (法務委員会)

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○参考人(奥田安弘君) 丸山先生の御質問に対して私の答えが少しずれていたりしますと、そのときは御指摘いただきたいと思いますが、まず戸籍が万能かどうかという、これ質問の中に入っていませんでしたが、戸籍はあくまで公証力がある、公に証明するという力があるだけでありまして、それは実際に例えば後で裁判で覆るというようなことはあるわけです。ですから、万能という言い方は少し違うかなと思っております。
 その上で、世界の中での我が国の戸籍制度ということですが、家族登録制度というふうに言い換えますと、それはどのような国、どこの国でもあるわけです。出生、婚姻、離婚、死亡、そういうものを全部一つにまとめてあるという意味では、日本の戸籍制度というのはかなり優れていると思っております。例えばアメリカなどでしたら、出生届、婚姻届、死亡届というものが全部ばらばらでありまして、それを一つにまとめるものがない、ですから丸山先生が向こうでは戸籍を見なかったと、こういうようなことだろうと思います。
 家族登録というのは、しかしどこにも、どこの国でもあるわけでして、それは登録されたことによって、じゃ子供が国籍を取るのかというと、それは逆でありますね。日本人である、国籍法によって日本人であるということが確定されて初めて戸籍ができると。戸籍あって国籍じゃなくて、国籍があるから戸籍だという、この順番を考えますと、そういうことでいいますとほかの国と何ら違いはない、共通しているものだと思います。
 次に二重国籍の問題ですが、私が最初の説明で少し申し上げましたように、今回届出によって日本国籍を取得した場合、外国国籍を失う危険というのが非常に多くあります。ですから、私は裁判ではそれは望ましくないんじゃないかということを主張しましたが、しかし最高裁判決が出て、届出は残しておくべきだと、こう判断されたわけですから、私がそれに従って考えますと、そういう自分の意思による国籍取得によって元の国籍を失う、これは実は自動的でございまして、例えば日本人がアメリカに帰化して、それをしかし日本の戸籍とかに届け出なければ日本国籍をあたかも失ってないかのように見えますが、実は国籍法では既にもう失ったことになっているわけです。私は、そういう意味で、むしろ仮装認知より仮装二重国籍の方が問題かなと思っています。
 今回、私が言いたかったのは、届出によって日本国籍を取得しましたということを元の国籍国に通知するということ、これが非常に重要だろうと思います。本当はもう元の国籍を失っているのに、あたかも失っていないかのようにパスポートもそのまま持っているというようなことは望ましくないだろうということでありまして、この辺が丸山先生の御質問とかみ合っているかどうかというのはちょっと私分かりませんが、私の方が言いたかったのはそういうことであります。
 二重国籍一般の問題については、今コメントを差し控えさせていただきたいと思います。
 三番目の非嫡出子差別の問題ですが、子供にとってどうしようもないことということがすべて違憲だということにはもちろんなりません。社会的身分による差別は確かに憲法十四条で禁止されていますが、しかし、そこには合理性が問題となるわけです。婚内子と婚外子が全く同じかといいますと、それは同じではありません。それは嫡出子、非嫡出子という用語、言葉を廃止した国においても、やはり差別はないけど区別は残っているわけです。母が産んだ子供はその母の夫の子であるという推定、これはそういう嫡出、非嫡出という用語を廃止した国でも残っておりまして、その辺の区別はやはり残っているわけであります。
 したがって、今回の違憲判決の射程距離、射程範囲ということですが、これはあくまで国籍についてこれは不合理であったという判断をしたわけでありまして、相続分差別の方はまた合理性は別個に判断すべきことだということであります。つまり、問題によってやはり分けて考えていかなければならないということが申し上げたかったわけであります。
 以上です。

発言情報

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発言者: 奥田安弘

speaker_id: 19185

日付: 2008-11-27

院: 参議院

会議名: 法務委員会