奥田安弘の発言 (法務委員会)

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○参考人(奥田安弘君) まず、最高裁判決の意義でございますが、確かに、国籍というのは要するに自国民の範囲を決めるということですから、それぞれの国が自国の主権作用としてその範囲を決めると。その国にとって一番基本の問題ですからその国が自主的に決めるということは当然のことでございますが、これはただ、直ちにじゃ立法の専権事項になるかということにはならないんだろうと思うんです。憲法で違憲審査が認められている以上、裁判所は憲法違反だという判断はできるわけでありますから、したがって、今回、立法権の裁量を、立法権を侵害したというようなことにはならないだろうと思います。
 その上で、じゃなぜ違憲審査に当たっていわゆる厳格審査のようなことをしたのかという点でございますが、国籍は、アメリカなんかではこれは権利を取得するための権利というような言葉を使っておりますが、国籍を請求する権利、裁判で国籍を請求する権利というものは、確かにそういうものはなかなか実定法上は言えないだろうと思います。国籍はやはり国民としての法的地位でございまして、国籍請求権というものがあるかといったら、そういうわけではないでしょう。ただしかし、その国籍を取得することによって得られる権利というものが非常に重要でございます。参政権とか公務就任権とか言われますが、私はやはり日本に住む権利、居住権、これが一番重要だろうと思います。
 現に、今回の第一次訴訟の子供は、日本人父から認知を受けているにもかかわらず退去強制命令を受けていたわけですね。それは日本国籍はないんだから当然じゃないかと思われるかもしれませんけれども、そういう法律上の親子関係が成立しているにもかかわらず日本に住む権利がない。これは国籍そのものの問題ではないけれども、国籍が前提となって居住権が与えられるわけですから、だからその前提となる国籍もこれは人権として保護しようじゃないかと。法律用語で言いますと背景的権利と言っておりますが、そういう意味で重要な人権問題だからこそ厳格審査をしたのであろうということでございます。
 つまり、単なる利益とかそういう問題ではないだろう、かといって実定法上の権利というものでもないだろう、その中間的なものといいますか、実定法上の権利の前提となる国籍ということで厳格審査が必要になったわけでありまして、これがじゃどんな場合でも厳格審査でいくかということにはならないかと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 奥田安弘

speaker_id: 19185

日付: 2008-11-27

院: 参議院

会議名: 法務委員会