輿石東の発言 (本会議)

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○輿石東君 民主党・新緑風会・国民新・日本の輿石東です。会派を代表し、麻生総理の所信表明演説に対し、質問いたします。
 今、自民党本部の入口には、麻生がやり抜く、まずは景気対策と書かれた麻生総理のすばらしいポスターが目に付きます。
 始動した麻生内閣を国民の皆さんは今どう見ておられるのでしょう。麻生総理は、一体何をどうやり抜くのか。自民党をぶっ壊す、聖域なき構造改革のスローガンの下に、国民に痛みと格差だけを残して退場してしまった小泉元総理の何を受け継ぎ、何を切り捨てようとしているのかさえも見えてきません。
 見えてくるのは、お祭り騒ぎと言われた総裁選での総理御自身の発言。大雨で苦しむ市民の皆さんを前に、大雨が降ったのが名古屋ではなくて岡崎や安城だったからよかったとの発言です。
 これに続き、中山前国土交通大臣は、成田空港拡張工事への反対はごね得、戦後教育が悪いからと決め付け、さらに、日本は随分内向きな単一民族と述べ、また、日教組をぶっ壊すとの記者会見まで飛び出すに至っては、さすがに身内の閣僚や自民党幹部からも、事実を認識しないとんでもない発言だと批判をされ、大臣就任五日目で早くも辞任する事態を招いているのであります。
 このような内閣、自公政権の下で、もはや、自民党や日教組をぶっ壊すどころか、国民の生活がぶっ壊れてしまいます。このような事実認識も見識もない人を大臣にした任命責任についての見解をまずお聞きしなければなりません。
 その他、不適切な献金など、いろいろと問題を抱えている閣僚もいるようなので、説明責任を果たしていただきたいと思います。もしそれができないなら、戦後の一時期、総理の祖父である吉田茂元総理が行ったように、あなたが全大臣を兼務されてはいかがですか。
 これまで国民の生活を壊し続けてきた自民党政権への何の反省もなく、選挙向けパフォーマンスに終始するあなたの言動は国民の理解を超えております。戦後の混乱期に政治に強いリーダーシップが求められ、吉田元総理が活躍し、いち早く日本の復興を築かれたことは私も評価いたします。
 しかしながら、今日求められているのは、半世紀以上にわたる自民党政治により疲弊した国民生活を立て直すことなのであります。これはその原因をつくった自民党にできるわけがありません。日本をあなたが言う全治三年に陥れたのは、あなた方自民党の政治ではありませんか。政官癒着を打破し日本の元気を取り戻すため大胆にメスを入れることができるのは、私たち民主党以外にありません。
 マスコミが調査した組閣直後の内閣支持率は軒並み五〇%を割り、安倍、福田内閣よりかなり低い御祝儀相場となりました。国民の皆さんは、安倍、福田と二代続いた政権ほうり出し内閣でいずれも自民党幹事長をやっていたあなたが総理になっても、先は見えていると判断したに違いありません。
 いま一つ気になるのは、あなたの発言のぶれであります。幹事長時代に提言していた証券優遇税制や設備投資減税はまたやろうと考えているのでしょうか。平成二十三年度プライマリーバランスの黒字化実現はどうなるのでしょう。さらに、後期高齢者制度の見直しは抜本的にやるのか、それとも必要なというお茶を濁した程度の見直しなのか。基礎年金の全額税方式の導入はどうなされるのか。
 麻生がやり抜く、私には政策を実行する力がありますと言われても、肝心の政策がぶれていては、何をやり抜くのか国民にはさっぱり分かりません。これまでも、国民は自民党政権の覚悟や掛け声だけの政治に煮え湯を飲まされ続けてまいりました。どのような政策を行うのか、明確に具体的に説明していただきたい。
 あなたのやることはただ一つ、あなたが景気対策の第一弾と位置付けている補正予算を審議した上で、さっさと衆議院を解散し民意を問うことであります。私たちは、いたずらに審議を引き延ばしたり妨害をしようなどとは考えておりません。協議が調えばその期間内に結論も出しましょう。それでも民主党が信用できないのであれば、さっさと解散したらどうでしょう。解散権は総理一人にあり、だれにも遠慮する必要はありません。国民のために補正予算は不可欠であるとの信念があるなら、その成立後に解散するのがあなたの役目ではないでしょうか。見解を伺います。
 以下、それぞれの問題について具体的に伺います。
 格差の拡大や増税など、国民生活の犠牲の上に何とか持ちこたえてきた我が国の景気もここに来て暗転し、内閣府の発表で今年の第二・四半期の国内総生産の伸び率はマイナス二・四%と大きく落ち込みました。これに加え、急に表面化したのがアメリカ発の世界的な金融危機であります。
 先月十五日、サブプライムローン問題で大きな痛手を受けたアメリカ第四位の証券会社リーマン・ブラザーズが六十四兆円もの負債を抱えて破綻をしました。我が国のいわゆる失われた十年における山一証券の破綻をほうふつとさせるもので、今世界の人々が、新たな世界恐慌の入口ではないかとかたずをのんで推移を見守っております。
 しかし、そのとき、日本の経済財政に責任を持たねばならない与党自民党は何をやっていたのか。総裁選に名を借りた総選挙目当ての珍道中。さすがに、政府側の責任者の一人、与謝野経済財政担当大臣は遊説を中断し役所に戻りましたが、麻生総理、あなたは現職の自民党幹事長でありながら、なお全国回りをやめず、愛想を振りまいていました。あなたのどこに政治家としての責任感があるのでしょう。
 かつての日本の経験から考えれば、このような金融危機は企業への貸し渋りなどを引き起こし、やがて実体経済の落ち込み、つまり不況へとつながるおそれが強いと言わざるを得ません。実際、この問題への切り札と見られていた金融安定化法案はアメリカの下院で否決されてしまいました。
 遅ればせながらの感もありますが、今回の金融危機及び今後予想される不況への具体策を伺いたい。
 現在の日本は不景気にもかかわらず、物価は十六年ぶりという高い上昇率を見せており、国民生活を守るために何らかの経済対策が必要なことに異論はありません。しかし、問題はその内容であります。
 政府・与党の総合経済対策は、ガソリンや食料品高騰に悩む生活者向けの政策がほとんどない中途半端なものでした。しかも、アメリカ発の金融危機後に生まれた新しい状況への対策は何も入っておりません。
 さらに、おかしいのは、今年度中に実施することだけを決定し、審議を来年の通常国会に先送りした定額減税であります。今回の補正予算には盛り込まれず、減税額や財源について何も明らかになっておりません。是非、これらの点について、今国会で予算委員会を開いて正々堂々と審議を行おうではありませんか。
 現在、八百兆円を超える我が国の累積債務は先進国中最悪、財政が破綻状態にあることは今更言うまでもありません。
 小泉改革以来、政府・与党は財政再建を掲げ、その最も重要な目標が平成二十三年度の基礎的財政収支、プライマリーバランスの黒字化でした。しかし、今年七月、政府は目標のプライマリーバランスは三兆九千億円の赤字にとどまると予測し、事実上公約の実現は不可能であることを明らかにしました。
 これに加えて、麻生総理は総裁選で、景気対策のための減税の実施など、五人の候補者の中で最も積極的な財政出動を提唱し、総裁に選出されました。実際、新内閣発足後は、日本経済は全治三年などと根拠のない見立てをし、財政再建を先送りする姿勢を見せ、所信表明では、プライマリーバランスの黒字化については努力しますという表現に後退しております。
 しかし、政権党としての公約が極めて重いものであることは言うまでもありません。麻生総理は国民との約束を守り続けるつもりがあるのか、明確にお答えいただきたい。
 平成十六年の年金法改正では、安定した年金財源を確保するため、来年度から基礎年金の国庫負担率を三分の一から二分の一に引き上げることになっておりますが、その財源確保のための税制論議について、政府・与党は延ばしに延ばして今日まで来ております。
 政府や与党の中からは、一時、国庫負担率の引上げを来年度当初からではなく年度途中にずらして始めることによって必要な財源を圧縮した上で、消費税の引上げのような恒久的な措置ではなく、年金積立金の取崩しといった臨時的措置で手当てをするというこそくな話も聞こえてきましたが、麻生総理は年度当初から実施すると明言しました。しかし、その一方で、そのための財源約二兆三千億円について、今から財務大臣に考えていただかなければならないと述べるにとどまりました。何と無責任な態度でしょうか。
 国庫負担率の引上げを来年度初めから実施することを改めて確約するとともに、その財源をここで明確に示していただきたいと思います。
 ところで、私たちは、以前から年金の一元化及び最低保障部分を全額税で賄う方式を提案しております。
 麻生総理もかつては全額税方式を主張していたのに、総理に就任してからはこの主張を取り下げてしまったのは非常に残念であります。なぜ考えを変えたのか、明確な説明をしていただきたいと思います。
 さきの国会で最大の焦点だった揮発油税などの道路特定財源をめぐって、五月十三日、福田前総理は、私たちの主張にも沿う形で、やっと道路以外にも使えるように来年度から一般財源化すると約束し、閣議決定までしたのであります。
 しかしその後、一般財源化に向けて自民党内で具体的な議論が進んでいる様子は見受けられません。それどころか、来年度の概算要求で国土交通省は、道路整備費について、今年度の当初予算より一四%も多い二兆四千億円余りを要求しております。揮発油税などは道路以外には回さないという執念がうかがえます。
 総裁が政権を投げ出したからといって、自民党が国民との約束を投げ捨てることは許されません。一般財源化の約束を継承し、必ず実現することをここで改めて明確にしていただきたい。また、一般財源化された場合に、実際に揮発油税などのどのくらいの割合が道路以外のどのような部分に回されることになるのか、見通しも示していただきたいと思います。
 また、福田内閣が、いったんは期限切れとなった暫定税率を復活させ、ガソリンを値上げし国民生活に大きな打撃を与えたことは今もって断じて容認できません。
 麻生総理、あなたは所信表明演説で、揮発油税の暫定税率の延長をめぐって、私たち参議院民主党が政局を第一義とし、国民の生活を第二義、第三義とする姿勢に終始した、参議院においては税制法案をたなざらしにしたとまで批判しておりますが、とんでもない言いがかりであります。
 この法案は、国民の生活を文字どおり破壊するガソリン再値上げ法案で、私たちが国民生活を守るために全力で成立を阻止しようとするのは当然のことであります。
 現在、民主党としては、改めて揮発油税などの暫定税率の廃止を公約に掲げ、政権を獲得したら必ずガソリン値下げを実施することをお約束してまいります。また、残りの道路特定財源はすべて一般財源化した上で、地方には自主財源として交付し、自治体に使い道を決めてもらうことにしているのであります。さらに、物価高の一因となっている物流コストを引き下げるため、高速道路料金の無料化を実現することもお約束したいと思います。
 次に、国民の安全と安心の問題について伺います。
 まず、汚染米の問題であります。
 ウルグアイ・ラウンドのミニマムアクセス米として輸入された米のうち農薬やカビ毒に汚染された米を、大阪の三笠フーズは、国から工業用と購入しておきながら食用として転売し警察から摘発されました。三笠フーズ以外にも愛知県や新潟県の数社が同様の取引をしていたことも判明いたしました。このほかにも同様のケースがあると言われていますが、調査が遅れ、いまだ全貌はやみの中であります。
 汚染米は、しょうちゅうや菓子の原料に使われたばかりか、でん粉に加工されたりモチ米に混入されたりして、様々な施設や学校給食などで消費されたことが明らかになっております。
 農水省は、三笠フーズに五年間で九十六回もの立入検査をしながら不正を見抜けませんでした。その一方で、農水省大阪農政事務所の担当の課長が三笠フーズから飲食店で接待を受けていたことが明らかになりました。農水省と三笠フーズの間に癒着があったと疑わざるを得ません。
 それにもかかわらず、発覚当時、農林水産省の白須事務次官は、責任は一義的には企業にある、農水省に責任があるとは考えていないと発言し、さらに太田農水大臣に至っては、人体に影響がないことは自信を持って申し上げられる、だから余りじたばた騒いでいないと述べました。
 太田大臣は以前から失言が多く、福田内閣の農水大臣に就任してからも、食の安全に関連し、消費者がやかましいから徹底してやっていくと述べるなど、その適性に疑問が出されていました。何の解決もしないまま、あと五日間で内閣総辞職というところでの辞任は、総選挙を意識したパフォーマンス、まさにトカゲのしっぽ切りと言わざるを得ません。
 事件発覚後の農水省の対応にも大きな問題がありました。三笠フーズの転売先三百九十社余りの発表に踏み切ったものの、その内容には間違いもありました。そして、多くの業者が事故米であることを知らずに購入した全くの被害者であったにもかかわらず、風評被害に苦しみ、ついにこの事件を苦に自殺したと見られる業者まで出てしまいました。輸入米とはいえ、米は私たちの大事な主食であり、今回それが扱われていたずさんなやり方に国民は唖然とし、もはや政府・自民党には大事な食の安全は任せられないとまで考えております。このような信頼の失墜に政府はどう対応するのか、伺っておきたいと思います。
 また、一昨日、汚染米の国会対応について驚くべき事実が明らかになりました。
 汚染米問題発覚後の先月十二日、自民党は農林水産省に対し、野党からの資料要求は事前に自民党国対の許可を得るようにという指示を出していたのであります。農林水産省が作成した内部資料には、野党からの資料要求には各省庁限りの判断で資料を提出することは厳に慎み、自民党の筆頭副委員長に相談することと明記されており、国民の食の安全にかかわるこの問題をまさに自民党が隠ぺいしようとしたのであります。国会の審議権や国民の知る権利をも奪うこの行為は事実上の検閲であり、断じて許せません。
 自民党総裁としての麻生総理の見解を伺います。
 こうした食の問題が次々と起こる背景となっているのが、ついに四〇%まで落ちるに至った我が国の食料自給率の低さであります。一定のリスクを覚悟で食料を輸入せざるを得ないのであります。
 農業は、単に食料を生産するだけではなく、環境の維持にも重要です。民主党としては、意欲ある販売農業者に対する戸別所得補償制度を創設することを公約に掲げています。御意見があればお伺いします。
 次に、宙に浮いた年金、消えた年金に次ぐ年金スキャンダル、消された年金の問題であります。
 この問題は、社会保険庁が厚生年金の標準報酬月額を改ざんすることによって保険料の徴収率を上げていたもので、受給者は受け取る年金が知らない間に減額されることになります。
 このことについて、八月十九日の民主党厚生労働部門会議で元社会保険庁職員が証言しましたが、社会保険庁はそのような事実はないと否定してきました。しかし、先月九日の関係閣僚会議で初めて改ざん指導の事実を認めました。
 さらに、先月十九日、舛添厚生大臣は、改ざんの疑いのあるケースが少なくとも六万九千件あることを認めました。驚くべき数字であります。それは恐らく氷山の一角です。まずは実態解明のための具体的な対策を伺っておきたいと思います。
 さらに、この問題について、舛添厚生労働大臣は、社会保険庁が組織ぐるみで行った疑いが強いことも認めました。推定とはいえ、現職の担当大臣の発言は極めて重いものであります。その場合、国は年金が減ってしまった加入者に対してどう責任を取るのか、見解を伺います。
 また、だれのものか分からない、いわゆる宙に浮いた年金の記録五千万件のうち、解決済みは政府が当初解決の期限としていた今年の三月から半年経た今もわずか七百五十万件にすぎません。すべての年金受給者及び加入者に郵送されたねんきん特別便も、本当は訂正の必要性が高いにもかかわらず、訂正の必要なしと回答した人も非常に多く、解明に効果を上げているとは言えません。なぜもっと親切に記録漏れに関する具体的な情報提供を行わないのでしょう。
 さらに、支払った年金保険料がコンピューターに全く入力されていない消えた年金について、社会保険庁のサンプル調査では、推定で五百六十万件もの記録が紙台帳からコンピューターへ正しく入力されていないということが分かりました。麻生内閣としては、どのようにして、いつまでに記録訂正を行うのか、改めて明らかにしていただきたいと思います。
 以上のように、自民党政権の長年のずさんな管理運営がもたらした年金の危機は、解決されるどころか底なしの広がりを見せ、国民の不安は募る一方であります。
 私たちは、この問題をもはや社会保険庁や厚生労働省にとどまらない国家全体にかかわる危機と考えております。私たちが政権に就けば、国家的プロジェクトをつくって一刻も早く被害者への補償を行うとともに、全年金加入者に年金通帳を発行し、二度とこのようなことが起きないようきちんとした年金運営をしていくことをお約束いたします。
 先月九日に発表された二〇〇七年国民生活基礎調査では、夫婦両方又はどちらかが六十五歳以上、又は六十五歳以上の単身世帯の数は、初めて一千万世帯を超え、全世帯の二一%に達しました。また、家族間で介護する家庭のうち、高齢者が高齢者を世話をするいわゆる老老介護の世帯が三四%にも上っています。
 さらに、家族の介護や看護のために離職や転職を余儀なくされた人は、去年十四万人に上り、前の年より四〇%も増えているのであります。
 このように介護保険制度の重要性が増しているにもかかわらず、政府は二度にわたって介護報酬を引き下げ、その結果、この仕事に希望が持てないと、介護労働者の職場離れが続いています。早急に介護保険における国の負担割合を引き上げるとともに、介護労働者の待遇改善のための財政支援が必要だと考えますが、見解を伺います。
 また、政府は、おととしの医療制度改革で、介護保険適用の介護型十三万床の全廃と、医療保険適用の医療型二十五万床を十五万床まで減らすことを決めました。その後、二十二万床に修正したものの、行き場のないお年寄りが各地で急増しております。何とひどいやり方ではありませんか。
 政府は、これまでの方針を改め、将来の需要を見据えて療養病床を確保していくべきだと考えますが、見解を伺います。
 こうした中で、今年四月からスタートした後期高齢者医療制度は、病気にかかるおそれの大きい七十五歳以上のお年寄りだけを分離して新たな健康保険制度をつくるという世界にも例のない不合理な制度であります。これに加えてこの制度は、高齢化が進むほど加入者の保険料負担が増えることや、九十日を超える入院の打切りが懸念されるといった多くの問題点があり、国民の怒りが沸騰したことは記憶に新しいところであります。
 私たちは、直ちに制度を廃止することを要求し、廃止法案を提出しましたが、政府・与党はこれを拒否し、一時しのぎの対策を打ち出しました。しかし、かえって混乱は大きくなりました。しかも、今月十五日からは、これまで被扶養者だったことなどを理由に保険料支払を猶予や延期されてきた三百二十五万人についても新たに年金からの保険料の天引きが始まります。
 こうした中で、舛添厚生労働大臣は、総裁選の最中テレビに出演し、七十五歳で線引きすることや年金から保険料を天引きするといったこの制度の根幹について抜本的に見直すことを提案し、当時、総裁就任が確実視されていた麻生候補の支持を取り付けたと明言をいたしました。
 ところが、麻生政権での再任後は、制度は維持し、改善の検討を行うだけだとトーンダウンしています。麻生総理の所信表明でも、一年をめどに必要な見直しを検討しますとしかおっしゃっていません。余りに責任者の発言がくるくる変わるので、この制度に対する国民の不信は更に深まっております。私たちの提案を受け入れ、一刻も早く廃止すべきだと思いますが、いかがでしょう。
 このところ、子供が犠牲になる事件が相次いでおります。安心して子供を産み育てる社会を実現するために、民主党は、一人当たり月額二万六千円の子ども手当を支給するとともに、公立高校の授業料無償化や私立高校などの学費負担軽減を行うことをお約束します。御意見があれば伺いたい。
 また、中山前国土交通大臣が日教組をぶっ壊せとマスコミの前で叫んでみたり、日教組の教育研究集会の会場をめぐる問題など、憲法で保障されている労働者の団結権や言論、集会、結社の自由がないがしろにされるケースが目立っております。総理の見解を伺います。
 その一方で、税制上優遇されている宗教法人が選挙対策の中心拠点となって、政党以上の選挙を行っていると言われていますが、憲法で言う政教分離についての総理の見解も伺っておきたいと思います。
 次に、外交と防衛の問題についてお聞きします。
 麻生総理は、日米同盟の強化を外交の基本としていますが、これは、九・一一同時多発テロ以降、小泉、安倍、福田内閣が取ってきた米国の要求を終始受け入れるという自民党政権の外交を受け継ぐだけにすぎません。
 もちろん、アメリカとの協調が重要であることは異論ありません。しかし、間もなく行われるアメリカ大統領選挙の結果次第では、イラク政策を始め、アメリカの外交政策に大きな変化が生じるかもしれません。それにもかかわらず、相変わらず日米基軸に偏る世界秩序づくりでは、国際協調の動きから後れを取るおそれがあります。むしろ、自身の利害に傾きがちなアメリカに対し、国際社会の一員として振る舞うよう忠告するのも日本の役割ではないかと思います。
 小泉総理は、アメリカ一辺倒の外交政策を掲げ、中国や韓国などの近隣諸国の反感を買いましたが、麻生総理もこの路線を受け継ぐのでしょうか。見解を伺います。
 テロが許せないということは言うまでもありません。しかし、テロとの闘いには様々な方法があります。軍事力で抑え付けるだけで解決はしません。何よりもテロ発生の温床を根絶するため、アフガニスタンの国家再建、復興支援への国際協力の一翼を担うことが日本の役割であります。
 政府がテロ対策の名目で続けているインド洋での給油活動が、実際にアフガニスタンの治安回復、テロ対策に成果を上げているとはとても考えられません。現場の海上自衛官の労苦にふさわしい効果があるとも思えません。ましてや、シビリアンコントロールの原則を踏みにじり、国会承認規定を外した新テロ特措法の来年一月の延長は認めるわけにはいきません。見解を伺います。
 最後に、改めて確認しておきたいことがあります。
 総理は、所信表明演説の冒頭で国会運営に触れ、議会制民主主義の前提は与野党の論戦と政策をめぐる攻防だと明言され、結びでも国会運営への協力を強く要請されました。
 お約束したいと思います。補正予算の成立こそはまさしく焦眉の急だと位置付けられました。私たちは、その補正予算審議に当たっては審議拒否も引き延ばしもするつもりは毛頭ありません。
 また、議会制民主主義の前提にはもう一つ大事なことがあることを総理は御存じでしょうか。それは、与党が政権を担う能力や資格を失ったとき、直ちに政権を野党に渡し総選挙を行うという原則であります。それが日本国憲法の想定する議会制民主主義の道筋であり、憲政の常道というものではありませんか。したがって、この三日間の代表質問だけの解散もあり得ないと考えますが、総理の明快な見解を伺っておきます。
 総理はまた、子供の未来に夢を、若者に希望を持ってもらわなくては国土の土台が揺らぐと訴えられました。同感であります。子供に夢を、青年に希望を、お年寄りには安心をが私の政治信条だからであります。しかしながら、麻生政権が続く限り、あなたの言うとてつもない日本どころか、とんでもない日本になりかねません。
 人生八十年時代、すべての人に出番と居場所のある生活をつくり出し、がけっ縁の日本再生の道、それは政権交代以外にありません。生活が第一の私たち民主党は、持てる力のすべてを結集し、来るべき衆議院選挙に勝利することをお誓い申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 117015254X00320081002_002

発言者: 輿石東

speaker_id: 22914

日付: 2008-10-02

院: 参議院

会議名: 本会議