麻生太郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(麻生太郎君) 輿石議員の質問にお答えをさせていただきたいと存じます。
まず最初に、私の発言と閣僚の任命責任についての御質問がありました。
私の過去における不用意な発言で関係者の皆様に不快な思いをさせたことについては、おわびをいたします。今後、総理大臣として言葉の重みをわきまえつつ発言してまいりたいと存じます。
また、中山前大臣の一連の発言は、閣僚として誠に不適切であります。関係者の方々、国民の皆様に改めて深くおわびを申し上げる次第です。任命責任は私にあります。今後、仕事で成果を出すことによって、国民に対して責任を果たしてまいりたいと考えております。
また、閣僚の中に政治献金などで不信を持たれるようなことがあれば、各々が国民にしっかりした説明をするべきことは当然であります。
次に、私の発言にぶれがあるとの御指摘がありましたが、私はいささかもぶれていないと思っております。
例えば、基礎的財政収支の二〇一一年度の黒字化目標につきましては、達成すべく努力するという方針は一貫しております。
長寿医療制度につきましては、見直しは必要であり、幅広い議論が必要だというのが私の持論であります。
基礎年金の全額税方式は、私は良い方法と考えております。しかし、年金財源制度につきましては国民に広く納得をいただくことが必要でありまして、私の考えも一つの選択肢として議論を進めていただければと存じます。
このように、私はそれぞれの政策について明確な方針を持ち、また具体案を持っております。しかしながら、国会と国民の御理解をいただく必要があり、そのために開かれた十分な議論が必要であります。
次に、補正予算審議についてのお尋ねがありました。
補正予算の審議を引き延ばすことなく行っていただけるとのお約束のように伺いましたが、感謝を申し上げます。しかし、前国会において、議長立会いの下、与野党で結論を出すと合意したはずの税制関連法案が二か月も意思決定されませんでした。結果として、国民生活、地方自治体の運営などに大きな混乱が生じました。
現下の厳しい経済情勢から、補正予算及び関連法案を国民生活を守るために提出をいたしております。是非、早急に結論を出すためにお約束をいただきたいと存じます。
次に、アメリカの大手証券会社が破綻しているさなか、自民党総裁選挙をしていたのは無責任ではないかとの御指摘がありました。
全く違います。自由民主党は政権与党でありまして、常に日本の政治に責任を持たなければならないのは御指摘のとおりであります。アメリカ発の金融危機の際にも、政府及び自民党の担当者が米当局と緊密に連絡をするなど、一瞬のすきもなく事態を凝視してまいったと思います。
一方、開かれた総裁選挙を行うことは、開かれた国民政党として、民主主義国家の政党として必須のことだと考えております。
今回の金融危機、今後予想される不況への具体策についてお尋ねがありました。
日本としては、引き続き米国を始めとする関係各国と緊密に連携しつつ、国際金融市場の安定化に努めてまいります。国内におきましては、緊急総合対策に盛り込まれました中小零細企業の資金繰り支援策を着実に実施するとともに、必要に応じ更なる対応も弾力的に行っていく必要があるかと考えてもおります。
安心実現のための緊急総合対策についてのお尋ねがありました。
緊急総合対策には、例えば高速道路の料金引下げ、輸入麦の政府売渡価格の引上げ幅の圧縮、学校給食に係る保護者負担の軽減の支援など、国民生活に直結する施策を盛り込んでおりますのは御存じのとおりだと存じます。
補正予算を早急に審議し成立させていただきたいとお願いしているのは私の方であります。受けていただき、早急に成立させていただければ幸いであります。
また、定額減税につきましては、政府・与党で議論をし、年内に結論を得て、国会の御審議をいただくことを考えております。
なお、本対策の決定後も国際金融情勢は大きく変動しました。本対策がどのような効果を持つのかを見極めた上で、必要に応じ更なる対応も弾力的に行っていく必要があり得ると思っております。
基礎的財政収支についてのお尋ねがありました。
我が国が巨額の借金を抱えておりますのは御存じのとおりです。経済や社会保障に悪い影響を与えないため、財政再建は当然の課題であろうと存じます。
麻生内閣として、日本経済の持続的で安定した繁栄を図るとともに、基本線として踏み外さず、二〇一一年度までに国、地方の基礎的財政収支を黒字化する目標を達成すべく努力してまいります。
基礎年金国庫負担割合の引上げについてのお尋ねがありました。
基礎年金国庫負担割合の二分の一への引上げにつきましては、来年四月から実施することが基本と考えております。そのための財源を含め年金などの社会保障の財源をどう安定させるかにつきましては、その道筋を明確にすべく年末までに結論を得たいと存じます。
年金財政にかかわるお尋ねがありました。
公的年金財政は国民生活に直接かかわる問題であることから、中長期的視点に立ち、国民的な議論が行われるべきだと考えております。基礎年金の財政方式についても様々な選択肢について慎重に検討していく必要があろうと存じます。
道路特定財源の一般財源化についてのお尋ねがありました。
道路特定財源につきましては、五月の閣議決定に沿って平成二十一年度からの一般財源化を現実のものとしてまいります。この方針の下、具体的な内容につきましては、道路予算も含め予算編成過程において検討してまいります。
暫定税率、高速道路料金などのお尋ねがありました。
道路特定財源につきましては、現行の税率水準の維持が必要ではないかと考えております。いずれにせよ、本年五月の閣議決定に沿うて税率なども含め検討してまいります。
高速道路は、二兆六千億円の料金収入で四十兆円に上る債務の償還や維持管理を行っております。すべて無料化して収入がなくなるということにつきましては、税金にツケ回しをするだけでありまして現実的な御提案とは思えません。
事故米についてお尋ねがありました。
事故米と知りつつ流通させた企業の責任は当然であります。また、これを見逃した行政の責任も重いものがあります。国民の怒りは極めて深いと認識をしております。私は行政の長として、事態の全容解明と情報提供、行政の責任の明確化、再発防止に万全を期します。
資料要求の取扱いについてお尋ねがありました。
お尋ねの件は、資料要求の実態を把握するため、自民党から各府省に対し情報提供を依頼したものと理解をしております。国会議員による各府省への資料要求につきましては、過重な事務負担につながらないよう、与野党間でルール作りを進めていただくことを期待をいたしております。
民主党の戸別所得補償制度についてのお尋ねがありました。
民主党御提案の所得補償制度につきましては、経営規模を問わずすべての農家を対象とするものであることから、農業構造の改革を妨げることになりはしないかと思います。政府として、意欲と能力のある担い手の育成に資する経営所得安定対策の実施により、農業構造の強化に取り組むことこそが重要だと考えております。
消された年金の問題についてお尋ねがありました。
この問題につきましては、オンライン上の記録から疑いのある記録六万九千件を抽出し調査を行うとともに、年金受給者や現役加入者に対し標準報酬月額等をお知らせするなど、実態の解明と被害者の救済を進めてまいります。また、不適正な訂正が行われた事案については事実関係を徹底して調査し、社会保険庁の職員の不正が明らかになった場合は厳正なる処分を行います。
いわゆる宙に浮いた年金についてのお尋ねがありました。
今月中にすべての受給者、加入者にねんきん特別便の送付を終えることとなります。このうち、未回答の方や訂正なしの方で御本人の記録と結び付く可能性の高い方につきましては、電話や訪問により具体的な情報を提供するなどの対策を講じてまいりたいと存じます。引き続き、手間と暇を惜しまず、全力を尽くしてまいります。
次に、消えた年金の記録訂正についてのお尋ねがありました。
八億五千万件の紙台帳の記録とコンピューター記録との突き合わせにつきましては、来年度中に紙台帳を電子画像化し、すべての方について計画的、効率的に作業を実施してまいります。作業の完了時期については、検索システムによる突き合わせの方法などについて検討する必要があり、現時点でその目途をお答えすることは困難であろうと存じます。
介護従事者の処遇改善に関するお尋ねがありました。
介護従事者の処遇改善を図るため、こうした努力を行う事業主などに対する支援を進めてまいりたいと存じます。あわせて、来年四月には介護保険料の水準なども踏まえながら介護報酬を適切に設定してまいります。なお、介護保険が社会保険制度であることや厳しい国の財政状況などを踏まえると、これ以上国庫負担割合を引き上げることは困難ではないかと存じます。
療養病床の確保についてのお尋ねがありました。
療養病床の介護施設などへの転換は、医療保険と介護保険の役割分担を明確にし、高齢者の状況に応じたケアを適切に提供していく上で必要な取組であると考えております。その際、御指摘のような行き場のない入院患者が生じないよう、円滑な転換に向け万全を尽くしてまいります。
最後に、長寿医療制度の見直しについてのお尋ねがありました。
長寿医療制度については、この制度をなくせば問題が解決できるものではありません。廃止するのではなく、高齢者に納得をしていただけるよう改めることが必要だと考えております。そのため、一年を目途に幅広い議論を進めてまいります。
民主党の子ども手当、公立高校の授業料無償化などについてのお尋ねがありました。
御提案の子ども手当につきましては、約五兆六千億円もの財源が明確ではないものと考えております。公立高校の授業料無償化につきまして、多額の財政、約三千億円の負担の問題などを踏まえ、慎重であるべきと考えております。
他方、家庭の経済状況によって修学の機会が奪われないようにすることが必要であると考えております。このため、すべての都道府県において、経済的理由により修学困難な高校生を対象に、公立高校の授業料の減免や授業料などの減免を行う私立高校への補助を行うとともに、奨学金事業を実施しているところでもあります。
政府として、今後とも、こうした支援を通じて子供たちの修学の機会の確保に努めてまいります。
憲法で保障されている権利についてのお尋ねがありました。
個別の案件に関してコメントすることは差し控えますが、一般論として、憲法で保障されている勤労者の団結する権利、集会、結社及び言論の自由を尊重すべきことは当然であると考えております。
中山大臣の一連の発言は、閣僚として誠に不適切であると考えております。また、私人間の問題でもありますので、コメントを差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、法治国家である以上、司法の決定は尊重すべきものであると考えております。
政教分離についてのお尋ねがありました。
憲法の定める政教分離の原則は、信教の自由の保障を実質的なものにするため、国及びその機関が国権行使の場面において宗教に介入し、又は関与することを排除する趣旨であります。宗教法人の政治的活動を排除する趣旨でないと考えております。
外交の基本方針についてのお尋ねがありました。
我が国は、従来より、日米同盟を基軸としつつ、近隣諸国との協調、国連を中心とする国際協調を外交の重要な柱としてまいっております。このような基本方針は、我が国が置かれた地政学的条件及び歴史的経緯などを踏まえたものであり、私の内閣においても変更はありません。
補給支援特別措置法の延長についてのお尋ねがありました。
補給支援活動は、継続が是非とも必要であります。この活動は、テロとの闘いの中核でもあります。アフガニスタンの安定と復興のための国際的取組を支えるものでもあります。補給支援特措法では、法律で活動を限定し、活動する外国の範囲を提示するため、国会審議そのものを通じて国会による文民統制は的確に確保されているものと考えております。
最後に、補正予算審議と解散についてのお尋ねがありました。
補正予算の審議を行っていただけることは誠に有り難く感謝申し上げ、早急に結論も出していただければと存じます。しかし、予算関連法案のほか、消費者庁設置法案、インド洋での補給支援法案など、国民生活を守るため、あるいは国際社会での責任を果たすため、課題は山積をしておると思っております。私は、衆議院の解散という政局より、景気対策など政策の実現を優先したいと存じます。(拍手)
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