猪口邦子の発言 (外務委員会)

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○猪口委員 各方面でそのことについて非難をするということの重要性を政府として重視しているということはよくわかるのですが、同時に、私が指摘したことは、我が国が非常に重視する新たな多国間の核軍縮条約の開始でありますカットオフ条約開始について、全会一致の合意が必要なところ、北朝鮮はそのさなかにおいても賛成してくれたというような面もまた認識して、そのような、まさに伊藤副大臣がおっしゃった複眼的な観点から、その全体の分析を急いでいただきたいと思っております。
 それで、また私の意見なんですけれども、日中につきましては、これは戦略的互恵関係、ウイン・ウインについて合意しているわけですね。相互に建設的な調整の成果が上がることが私は重要だと思います。例えば、東シナ海における資源開発の合意については、国際約束の締結に向けた交渉、これは開始できる状態であると思いますので、開始すべきであると思います。そのような成果を一つ一つ重ねて自信をつけていく、これが戦略的互恵関係の精神であると思います。
 両国とも、そういう国家的対応能力あるいは問題解決能力について自信を深めていく必要がこの戦略的互恵関係の中で重要だということを指摘しておきます。そして、麻生政権と中国執行部は、実践的精神でこれを行う能力を有していますので、ぜひそのように努力してもらいたいと私は願っております。
 次に、最後の質問群で、カットオフ条約についてでございます。
 このカットオフ条約、これはつまり、核兵器の原料となる物質の生産そのものを禁止する兵器用核分裂性物質生産禁止条約、いわゆるFMCTと呼ばれるものですけれども、この交渉開始が可能になったということで、今お伝えしましたとおり、先週、歴史的なニュースがジュネーブの軍縮会議から届きました。このジュネーブの軍縮会議は常設の多国間軍縮交渉機関でありまして、現在議長を務めるアルジェリア政府代表が、カットオフ条約の交渉マンデートを含む軍縮会議の作業計画案を議長案として十九日に提出しましたところ、わずか十日後の現地時間二十九日に、全会一致で採択することに成功した。これは、一九九六年にCTBT交渉が行われて以来の本格的な核軍縮条約交渉が始まることを意味します。
 この背景にはさまざまな努力がありました。
 まず、アメリカのオバマ大統領が、四月五日、プラハで行った核なき世界演説においても、検証可能なカットオフ条約の交渉の早期開始を求める立場が表明され、米国の核兵器廃絶への外交のかじ取りがこの軍縮外交に前進への機運をもたらしたと言えると思います。
 また、中国など、非同盟諸国や途上国一般に多国間議場で影響力を有する幾つかの国が相当な努力を積み上げてきたと感じます。
 また、日本を初め核軍縮外交に専門的見地から貢献する決意をしている国が、早い時期から条約要素や構造を示唆する作業文書と呼ばれるたたき台を提出し、専門的観点からの議論を深めていくという機運を高めたと考えております。
 お手元に今配付いたしましたのは、二〇〇三年八月当時、私はジュネーブで日本の軍縮大使を務めておりまして、私が軍縮会議の議長に就任するに当たって、まさにカットオフ条約の要素や構造を示唆する作業文書を公式文書として提出したものでありまして、軍縮会議一七一四番公式文書のコピーでございます。末尾には日本語の概要も付しております。これがカットオフ条約についての最初の公式の作業文書であります。
 このほか、二〇〇六年には日本が再度、またカナダ、スイスなどが作業文書を提出し、また、現在の樽井大使は昨年、FMCT調整官を務め、方向性をつくるのに貢献したと考えております。
 このような数多くの努力の結果、この交渉開始が可能となったわけですけれども、実際の開始は数カ月先になるかもしれず、また、生産禁止される物質の範囲や検証方法など、複雑な交渉過程が予想されますが、ここをしっかりと政府として取り扱っていただきたいということを、もう時間もございませんので、お願いしておきます。
 もう一つ軍縮で、通常兵器部分では、クラスター爆弾の禁止の国内担保法について、経産省の事務方に来ていただいていますので、一言最後にお伺いいたします。
 言うまでもなく、クラスター爆弾禁止につきましては、外務大臣には昨年十二月の調印式に参加していただきました。改めて、軍縮へのその積極姿勢に感謝申し上げます。条約の締結に向け、当委員会においてはクラスター弾に関する条約を全会一致で承認し、参議院における審議も間もなく行われることと承知しておりますが、国内担保法の整備、これが重要でありますが、その進捗ぐあいについてお伺いいたします。

発言情報

speech_id: 117103968X01320090605_018

発言者: 猪口邦子

speaker_id: 4512

日付: 2009-06-05

院: 衆議院

会議名: 外務委員会