鳩山由紀夫の発言 (本会議)
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○鳩山由紀夫君 民主党の鳩山由紀夫です。
麻生総理の施政方針演説は、最初にして最後になるであろうと考えます。したがいまして、憲政に恥じない質疑にいたしたいと考えています。(拍手)
質問は、麻生総理の昨年の所信表明に際する例にも倣い、麻生総理に対してだけではなく、連立与党に対する質問でもあります。麻生総理のように答弁を強制することはいたしませんが、国民の皆さんが真剣に耳を澄まされていることをお考えになり、国民に対して、自由民主党の細田幹事長、公明党の太田代表から明快な方針をお示しいただければと存じます。
日曜日に実施をされた山形県知事選挙では、新人の吉村美栄子さんが初当選を果たし、自民党が応援した候補者は敗れました。また、直近の世論調査でも、内閣支持率は下げどまらず、一〇%台であります。
麻生内閣は既に国民の支持を失ったのです。総理就任以来わずか四カ月、もはや、麻生総裁のもとで選挙をやりたいという人は、自民党、公明党の中にも、総理御自身以外はおられないのではないでしょうか。既に愛想を尽かして離党された賢明な方もおられます。
麻生総理が今日も総理でいられるのは、さすがに選挙を行わないままでの四回目の政権のたらい回しにちゅうちょし、同時に、現状では選挙の顔となるべき新たな顔が見当たらないという与党内部の事情に尽きます。
偉大な先達である尾崎行雄先生は、「わが遺言」の中で、「真実の、合理的なそして良心的な政治をつくれ」と言われました。日本の危機を乗り越えるためにも、今こそ、良心的な政治という言葉を国会議員すべて、特に与党の皆さんがいま一度かみしめるべきではありませんか。
国民の皆さんの審判によって参議院で野党が多数を占めて以来、衆議院における三分の二議席を利用した与党による再議決が繰り返されています。
そもそも、なぜ参議院で与党が過半数を割ったかといえば、そこに、自民党も公明党も少しは国民の意見を聞きなさい、国会の良識を取り戻しなさいという国民の声があるからです。
すなわち、国民の声に従って、国会で互いに真摯な姿勢で議論し、成案を得ることが有権者の期待であったと思います。与党は、補正予算と当初予算の並行審議などという暴挙をちらつかせ、両院協議会も形骸化に終始させていますが、本来は国民の声を真摯に受けとめるのが政治の良心であるはずです。
定額給付金に対しては、七割を超える国民が、今の暮らしは厳しいけれども、二兆円はもっと有効に使うべきだと反対をしています。
きょうの糧に苦しみ、住む家もない失業者、生活保護を受けている母子世帯の人々、差別に苦しむ障害をお持ちの方々、いつの間にか自民党、公明党によって後期高齢者と呼ばれるようになってしまったお年寄り、日本の経済を支えてきたにもかかわらず、今は倒産の危機に瀕している中小企業の皆さん、子育てや医療・介護従事者など、二兆円の使い道がこうした皆さんに手を差し伸べることであるなら、国民の皆さんも拍手喝采を送ることであります。
しかし、政府の財政制度等審議会を初め、経済界や学識者も批判している、丸投げされた地方自治体も困っている、そして自民党の多くの皆さんも心の中では反対をしている定額給付金を、なぜここまでごり押ししようとしているのか、私はもとより、国民の皆さんも全く理解できないのではないでしょうか。
自民党、公明党は、なぜ、今国民の声に従えないのでしょうか。なぜ、連立与党の中で妥協できて、国民とは妥協できないのでしょうか。
民主党は、他の野党の皆さんとともに、今後も、この定額給付金には反対をし、撤回を求めていきます。
それは、これが究極の大愚策であり、悪質な選挙買収であり、税金の無駄遣いであるとともに、国民の意思を踏みにじるものであるからです。麻生総理、そして自民党と公明党の代表質問者に御所見を問いたいと思います。
国会のあり方ばかりでなく、法治国家としての根幹を揺るがす、常識を逸脱している自民党と公明党の政治の象徴として、官僚の天下りの問題があります。
法律で天下りバンクをつくり、天下りを承認するために設置しようとしたのが再就職等監視委員会ですが、民主党がその国会同意人事に反対したため、設置できていません。総理が委任した機関ですから、それが構成されない以上、少なくとも法律を変えなければ、天下りは認められないはずです。
しかし、麻生総理は、この法律に反して、総理が直接天下りを承認できるという政令を閣議決定し、しかも、何回も天下りを重ねる天下りのわたり行為さえもこっそりと政令に潜り込ませることを認めました。
法律違反を認めることは法治国家の否定ではありませんか。
さすがに自民党も公明党も国民の批判を受けて、政令の撤回を形だけ求めたようですが、麻生内閣はこれを受け入れず、法律違反の政令はそのままです。元社会保険庁の長官は、五つの法人を渡り歩き三億円近くの収入を得ていたとされています。
天下りのあっせんは全面的に禁止し、公務員も退職したらハローワークに行くべきであります。私は、優秀な人材を活用するというなら、不明朗な肩たたきによる早期勧奨退職制度を廃止し、定年も延長して、国民の奉仕者である公務員の皆さんが国民に後ろめたさを感じない制度にすべきだと思っています。
官僚を腐敗させているのは、官僚ではなく、政治家です。天下りにより、優秀な人材を萎縮させ、陰湿な縄張り意識を醸成させ、国民に対する背信行為を重ねさせています。政治は羞恥心を回復すべきです。
麻生総理、そして自民党、公明党の代表質問者に伺います。
なぜ、法律に違反する政令を認め、厳格な運用などと言って国民をだまそうとするのですか。官僚腐敗は政治に責任があると思いませんか。
公明党は、連立与党として官僚の天下り、わたりを認めながら、総選挙のマニフェストには一体何と書き込むのか、見解を明確にお示しください。
国民の皆さん、民主党は、一貫して、「国民の生活が第一。」を理念として、国民主権、地域主権に基づく国民の新しい生活を築く政策を実行することを公約してきました。
民主党が中心の国民政権が誕生すれば、政治と行政の仕組みが根本から変わります。
第一に、官僚主導の政権から国民主導の政権へと脱皮します。そこでは、政策の基本は政治家がつくり、官僚は、行政の執行に当たり、本当の意味で国民の奉仕者となります。
第二に、この国民政権は、特別会計とも合わせて二百数十兆円になる国の総予算を全面的に見直し、国民生活に必要な分野から優先的、集中的に配分する国民予算をつくります。
第三に、与党と政府が一体となって政権運営に責任を持ち、国民には理解できない政府と与党の使い分けをやめ、政策決定過程を透明化いたします。
第四に、国と地方の役割、事業を改めて仕分けし、ひもつき補助金は一括交付金とし、国から地方に権限と財源を大幅に移譲し、保育や教育、そして学校現場の改革も含めて、住民の声が行政に直ちに反映される地域主権の日本をつくります。
その結果、日本はどう変わるのでしょうか。
第一に、国の無駄遣いがなくなり、財政の健全化も進みます。
第二に、年金、医療、介護、教育、子育て、農林漁業など、社会や地域のセーフティーネットが再生され、今と将来への国民の安心が回復します。
第三に、地域主権の確立で、地域が思う存分に力を発揮し、元気になります。その結果、内需も拡大いたします。
第四に、無節操な市場万能、いわゆるカジノ資本主義経済は、公正なルールのもとで本来の人間のための経済へと是正されます。
第五に、日本の民主政治に新たな扉が開かれ、国民一人一人が主権者として政治に自覚と責任を持って参加するようになります。
第六に、国民主権の回復と地域主権の確立により、一人一人が多様性の中で自立し、我が国の伝統的価値観である和を大切にして助け合う、友愛に基づく共生の社会、自立と尊厳の国家が実現するのです。
例えば、自立と共生の社会は、外交とも無縁ではありません。国内でアイヌ先住民族の歴史と文化を認め、在日外国人の人権を尊重することが、国家の品格をつくり出し、海外の信頼をかち取る道ともなるのです。
麻生総理の言う、新しい秩序とか、安心と活力のある社会は、理念でもビジョンでもなく、単なるスローガン、国民を上から見下した権力者の我田引水でしかありません。(拍手)
具体的な政策の幾つかを喫緊の課題に絞って申し上げ、質問いたします。
麻生総理は、今日の不況と失業の深刻さを人ごとのように述べられましたが、私は、改めて、これは政治災害であると申し上げたい。なぜなら、昨年末から失業した人々が住む家もなく路頭に迷うという事態がさらに深刻になっているからであります。
政府は、三月末までに雇いどめや派遣切りで職を失う人は八万五千人と言っていました。しかし、製造業の派遣・請負企業の業界団体は、四十万人が失職するとの見通しを示し、民間のシンクタンクは、もっともっと深刻な見通しすら示しています。
総理が無責任かつ根拠のない楽観論に立たず、民主党を初め野党の提案を受け入れ、緊急雇用対策四法案を成立させていれば、ここまで深刻にならなかったはずです。
民主党は、無責任な首切りをやめさせ、失業者の救済と再就職を支援することを提案しています。また、失業をさらに増大させることのないよう、現実に即した経過期間を設けながら製造業への派遣の規制を行うべきと考えています。さらに、三十一日以上の雇用期間がある人に雇用保険を適用することも提案しています。
何より大切なことは、継続的な安定雇用の場をつくることです。介護や医療、農林水産業、環境などの分野では、労働力不足や成長の余地がたくさん放置されており、政治の力で産業掘り起こしと雇用の創出を図るべきであります。
我が党の小沢代表は、将来につながる地域密着型の雇用創出と経済対策として、太陽光パネルの徹底普及を中核とした環境のニューディール、学校や病院の耐震化を中核とする安全・安心のニューディール、介護や医療における人手不足の改善などを提案しています。
麻生総理は、三年間で百六十万人の雇用創出などとうたっていますが、本当にそれができるのか、百六十万人雇用の具体的な内容、それぞれの予算額を具体的に示していただきたい。そして、麻生総理、与党である自民党、公明党の政策と予算で失業の拡大が本当にとまると考えておられるのか、また、労働者派遣法の改正に製造業に対する派遣規制を含めなくても雇用は守られると本当に考えておられるのか、国民に責任ある明快な見解を示していただきたい。
次に、抜本的に見直すと言ったきり全く放置されてしまっている後期高齢者医療制度の問題です。
民主党は、この制度を廃止し、医療の一元化を図り、年齢で差別するような、世界に例を見ないお年寄りいじめの制度を根本的に改めるべきと主張しています。
政府は、一年かけて見直すと言いながら、負担軽減や天引き免除など、まことに小手先の懐柔策でごまかしを続けていますが、悲劇はいまだに続いているんです。
医療や介護現場の厳しさも相変わらずです。
民主党は、医師の不足や偏在対策、特に女性医師や看護師が働き続けられる環境整備や支援策、小児救急医療や周産期医療、緊急医療体制の充実、地域総合病院の維持と地域医療の再建、介護現場の報酬や労働条件の改善などを公約し、国民政権では誠実、着実に実施してまいります。
これに対して、今日の医療の崩壊、介護現場の崩壊を招いた政府・与党である自民党、公明党は、この事態を一体どう具体的に改善しようというんですか。後期高齢者医療制度をどのように見直すんですか。政府・与党の明快な回答を国民に出していただきたい。
我が国の社会保障制度の崩壊の象徴が年金問題であります。
民主党は、消えた年金、消された年金問題は、国家プロジェクトとして政府総がかりで各省から職員を動員し、短期間に解決と救済を実現することを提案しています。
せっかく年金記録の訂正が認められても、増額分の支払いまで平均九カ月、約九十万件の処理が滞留していると言われています。生きている間にきちんと受け取れるのか、御高齢の方から不安の声が消えません。
また、民主党は、年金通帳で消えない年金にすると提案しています。年金を一元化し、公平で透明な年金制度の抜本改革案を示していますが、自民党、公明党は、百年安心と言ってしまった手前か、改革の具体案を全く提示していないじゃありませんか。
この際、麻生総理、自民党、公明党に国民の皆さんを代表して問います。
消えた年金、消された年金は、一体いつまでに解決するんですか。もらえるはずの年金をもらえないで亡くなってしまわれたお年寄りに、どのように謝罪するんですか。今後も、百年安心の年金プランと空文句にあぐらをかくんですか。国民にはっきりとお答えください。(拍手)
今、日本のふるさとが崩壊しています。農林漁業の再生は、地域社会の再生とともに、自然環境を保全し、食の安全と安定供給の基礎となります。
民主党は、戸別所得補償制度、直接支払い制度を創設して、安心、安定して農林漁業に取り組めるようにいたします。これは、我が国の食料自給率を著しく向上させるものであり、既に提出した農山漁村再生法案に盛り込まれております。
総理は、施政方針で農政改革に触れましたが、小手先のメニューを並べただけで、食料自給率向上のためとして六百三十億円を申しわけ程度につけ足しただけじゃありませんか。
麻生総理と自民党に伺います。
農林漁業に対する戸別所得補償制度を批判されていますが、それならば、どのような政策で日本の農林漁業を再生させ、食料自給率を高めるのですか。対案を示してください、対案を。
石破農水大臣は、廃止も含めて減反政策を抜本的に見直すと表明しています。それならば、総理は減反政策をとめるのですか。伺います。
中小零細企業は不況に苦しみ、日本の誇る物づくりは倒壊の危機に瀕しています。
民主党は、中小零細企業の法人税軽減税率半減や、貸し渋りや貸しはがしの根絶、公的融資に際する個人保証の廃止を初めとする積極的な中小企業振興策を提案しています。
麻生総理には、現実に倒産している中小零細企業を救い、再建する意思はおありなんでしょうか。総理は、中小企業への融資の額や保証などの額を得意げに読み上げましたが、では、なぜ倒産はふえているんですか。もっと積極的な中小零細企業の振興策を進める必要性を感じないのでしょうか。麻生総理の責任ある答弁を求めます。
今、地方財政は戦後最大の危機を迎えています。麻生総理は、道路特定財源をめぐる騒動の中で、地方交付税を一兆円追加しました。しかし、小泉内閣のえせ三位一体改革の際、総務大臣だったあなたこそ、五兆一千億円もの地方交付税を削減させた張本人ではありませんか。
加えて、政府は、道路特定財源については、暫定税率を維持したまま、国土交通省の地域活力基盤創造交付金へと看板をかけかえて、引き続き道路と関連公共事業に使う仕組みにすりかえようとしています。まさに、一般財源化とは名ばかりのまやかしではありませんか。
民主党は、まず、ひもつき補助金は一括交付金として自治体が自由に使えるようにいたします。
道路財源については、暫定税率を廃止して、財源のすべてを文字どおり一般財源化し、その上で、必要な道路整備は予算配分の中で進めるべきだと提案しています。
もちろん、国の直轄事業負担金は廃止をいたします。高速道路は、一時的な割引ではなく、大都市部を除き原則無料化をいたします。
さらに、郵政民営化の現実の姿も地方の住みにくさを拡大しています。民主党は、郵政事業を国営や公社に戻すのではなく、国民政権を樹立した後に、国民の声、地域の声に真摯に耳を傾けながら、現実を冷静に検証し、抜本的に見直してまいります。
かんぽの宿に象徴される日本郵政株式会社の資産売却問題も、透明性を確保いたします。
民主党が目指すのは、地域主権、住民自治の確立であります。政府・与党は一体何を目指しているんでしょうか。
また、地域活力基盤創造交付金は一般財源であるなら何に使ってもよいはずでありますが、事業内容を制約するのはなぜですか。暫定税率は、どのような理由で、何年延長するんですか。麻生総理の答弁を求めます。
次に、外交政策について伺います。
総理は、昨日の安全保障会議で、ソマリア沖の海賊対策に海上自衛隊を派遣する準備を急ぐよう指示したとのことであります。とりあえず海上警備行動で自衛艦を派遣し、その間に新法制定を検討するとも伝えられています。
私は、海賊問題の根本原因はソマリアの内政問題であると認識しています。国際社会と協力をして海賊対策に日本が貢献することは重要と考えています。
しかし、なぜ最初から海上保安庁では対応できないんですか。武器使用基準、警察権と交戦規定との関係はどうなるんですか。すべて自衛隊に丸投げをし、武器使用基準も非公開というのでは、シビリアンコントロールなどなきに等しく、自衛隊を外交の道具としてもてあそぶことになってしまうなど、多くの疑問が指摘をされています。
麻生総理は、自衛隊の最高指揮官であり、自衛隊員にも国民にも説明責任を果たす義務があります。指摘されている疑問にここで明確にお答えをいただきたい。
先週、米国でオバマ政権が発足をいたしました。米軍再編や基地問題などの二国間関係はもとより、金融経済危機や地球環境問題への対応、テロ撲滅や核・大量破壊兵器廃絶など、世界の平和と繁栄のために対話を深め、従来のような対米追随の路線から脱皮をして、対等なパートナーとして両国関係を強化発展させなければなりません。
北朝鮮の拉致問題も全然進展していないではありませんか。今後、どのように北朝鮮と交渉を進めるんですか。核問題も進展せず、六カ国協議も停滞しています。
アフガニスタン政策やイラク政策、また、今回の中東ガザの件においても、日本の外交の顔は全く見えないではありませんか。
要は、麻生内閣、自民党、公明党の連立政権では自立した外交、積極的な外交はできないことを事実が証明しているのであります。
麻生総理が外交を重視されるとおっしゃるなら、方法は一つあります。我が国において国民に本当に信任された政権をつくることです。なぜ国内で支持されないあなたが海外で信用されていると胸を張れるのか、その根拠をお示しください。(拍手)
さて、政治に対する信頼という重大な問題であります消費税増税について伺います。
私は、今なぜ消費税なのか、それがわかりません。総理は、当初から自分が言っていたとおりに決着したと発言されております。それならば、全治三年と約束した景気回復を前提に、二〇一一年度に消費税を上げるという公約は変わらないのか、それとも、腰砕けで二〇一一年度の消費税増税はあきらめたのか、はっきりしていただきたいということであります。
総理、自民党、公明党、それぞれの明確な見解をお述べいただき、公約をはっきりさせていただきたいのであります。増税派と慎重派の間で文言をごまかすことはできても、国民をごまかすことは許されません。
そして、増税分は何に一体使われるんでしょうか。まさか、歴代の自民・公明政権でつくった借金の穴埋め、そして麻生内閣のばらまきの穴埋めに使われるとは思いませんが、社会保障に使うといっても、年金の何に幾ら使うのか、医療のどこに幾ら使うのか、介護をどうすることにより幾ら必要なのか、明らかにしなければ、国民も納得せず、もとより増税を語る資格すらないと思います。
同時に、一挙に五%上げるのか、段階的に上げるのか、国と地方でどのように配分するのか、お示しをいただかないと、麻生内閣と与党の増税方針に納得をする国民はおりません。
民主党は、無駄遣いや天下り、そして、わたりの根絶とばらまきの排除を徹底しない限り、消費税の増税の議論は国民の理解を得られないどころか、国民経済の足を引っ張るものと考えます。
麻生総理は、ぜひ詳しく増税の根拠とその具体的な内容をお示しください。
最近、選挙制度の見直しや議員定数、歳費削減などの話題が政府・与党内で上がっているようです。
身を切るのは結構なことです。しかし、選挙に負けそうだから選挙制度改革、一院で逆転され思うようにならないから一院制、人気回復のために議員定数削減、歳費削減というのでは、定額給付金と同様、国民のだれもだまされず、政治不信をさらに拡大することになります。
では、民主党として、麻生総理、自民党、公明党に対して、本当にみずからの身を切る方法を提案いたしましょう。
その第一は、まず官僚の天下りを根絶し、官僚に依存する官僚政権という汚名を返上することです。
第二に、ひもつき補助金をなくして族議員の利権を返上し、地域主権を確立することであります。
第三に、議員定数の削減は、もう既に民主党が具体的な提案をしています。公明党が言う中選挙区制の復活などではなく、国民が求める衆参の一票の格差を是正すると同時に、定数削減の具体案を示すことであります。
第四は、百害あって一利ない派閥を解消することです。派閥や長老が良識を抑え込み、天下りと消費税増税を認めることにより、既得権と権力にしがみつこうという自民党政治を続ける限り、国民はもはや自民党を信用することはできません。
そして、第五は、身を切るというなら、国民が求める政治資金の透明化をさらに進めることです。例えば、自民党の政党支部は七千もあり、膨大な献金を受け、また、収支報告もままならない支部もあると聞きます。この際、例えば法定監査の範囲をすべての政党支部にも広げてもいいんじゃないですか。
また、第六に、そんなに自民党が身を切りたいのなら、自民党本部のある土地は国有地であり、それを国民に返上することを提案いたします。自民党は政治資金も潤沢であり、国有地を返上しても、実際には痛くもかゆくもないと存じます。
まず、国民へのごまかしではなく、身を切るなら、真剣に今自分たちができることを実行し、制度改革であるなら、責任のある提案をするべきであります。
民主党のこのような提案のうち、何はできて何はできないのか、麻生総理、自民党、そして公明党の見解を求めます。
私は、総理の施政方針を伺い、先ほども申し上げましたとおり、平板な言葉の羅列を聞いて、改めてがっかりいたしました。私は決して逃げないと言いながら、国民の審判から逃げまくっているのは一体だれなんですか。
総理は、米国のオバマ大統領の就任演説をお聞きになられたでしょうか。オバマ大統領は、今私たちに求められているのは新たな責任の時代だ、それは一人一人のアメリカ人が自分たち自身や国、世界に対する責務があると認識をすることだと、アメリカ国民に対して責務を問いかけました。
民主党の小沢代表も、党大会において、あえて主権者の責務を問いました。
ところが、麻生政権は、相変わらず、ばらまくからありがたく思いなさい、だから選挙で応援しなさいという発想で国民を見おろしているじゃありませんか。
国民の期待にこたえるように政府が機能していないとき、真摯に国民に問いかけ、国民の判断を仰ぐ、その結果、国民の支持を得た新たな政権が生まれ、国民が必要とする政策を力強く実行していく、これこそがまさしく民主主義、国民主導の政治の力ではありませんか。
日本の未来、新しい国民生活をつくるのは、まさに国民自身であります。主権者たる国民が決意をし、力を合わせれば、政治を変え、どのような困難でも乗り越えていけると私は確信をしています。
なかなかこれだけ支持率が下がると解散権を行使できないという私利私欲、党利党略はわかりますが、そのことが国益を損ない、国民の災いのもとになっているんです。麻生総理の一刻も早い決断を促し、私の代表質問を終わります。
国民の皆さん、御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕