麻生太郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(麻生太郎君) 鳩山議員の質問にお答えをいたしたいと存じます。
 まず最初に、国民の意思を真摯に受けとめるべきとの御指摘がありました。
 衆議院の再議決というものは、憲法に定められた手続により行っているものであります。金融機能強化法や補給支援法の延長は、それぞれ、国民の生活を守るため、あるいは国際的な責任を果たすため、政府・与党として責任を持って実施するべきものと考えております。これについて、国民に理解をいただいているものと考えております。
 また、定額給付金につきましては、家計への緊急支援であり、あわせて消費をふやす経済効果もあり、生活対策における重要な施策と考えております。給付を待っているという声も多くあり、早急に実施すべきものと考えております。
 次に、官僚の天下りについてお尋ねがありました。
 国家公務員法の改正により、各府省における再就職のあっせんは全面的に禁止をされました。ただし、法律において、施行後三年以内に限り、再就職等監視委員会の承認を得た場合には、各府省による再就職あっせんが認められております。
 しかしながら、野党が法律が定める仕組みに反対との理由から委員人事に同意されないため、監視委員会が機能し得ない状態となったのであります。そのため、政令では、これが機能するまでの間、内閣総理大臣が調査、承認などの権限を行使する経過措置を設けております。
 これは、法が求める厳格な監視を実施し、再就職等規制の実効性を確保するという、法律の誠実な執行のために必要とされたものだと考えております。野党におかれても、ぜひ同意人事に御協力をいただきたいと存じます。
 なお、官僚は国民に奉仕する政府の経営資源であります。その活用をできぬ者は、およそ政府経営の任にたえないものだと考えております。政治が責任を持って信賞必罰で臨みます。
 雇用対策の効果についてのお尋ねがありました。
 雇用対策は現下の最優先の課題であります。
 平成二十一年度末までに約五十七万人の雇用下支えを見込んでおり、その内容は、国実施分として、昨年十月の生活対策によるものが〇・三兆円で二十万人、十二月の生活防衛対策によるものが〇・五兆円で二十七万人であり、これに加え、地方交付税の雇用創出の特別枠〇・五兆円で十万人以上を期待いたしております。
 平成二十三年度までこうした取り組みを継続することにより、合計で約百六十万人の雇用下支え効果ができると期待をいたしております。
 雇用対策と製造派遣の規制についてお尋ねがありました。
 雇用は生活の糧であり、その安定を確保することは極めて重要な課題と考えております。
 そのため、雇用の維持に努力する企業を支援するため雇用調整助成金を拡充する、派遣労働者、内定を取り消された学生、年長フリーターなどを正規雇用した企業に対し助成を行う、雇用創出のため都道府県に過去最大の四千億円の基金を創設することにより地域求職者などの雇用機会を創出する、地方交付税を一兆円増額することを通じて雇用創出を促進していくなど、これまでにない規模、内容の雇用対策を実施することといたしております。
 また、派遣労働者の保護を図る観点から、労働者派遣法につきましては、日雇い派遣を原則禁止することなどを内容とする法律を提出いたしております。
 他方、製造業派遣につきましては、現在、約四十六万人もの方が働いておられ、これを、規制によってかえって雇用の場が失われるような事態は避けなければならないと考えております。こうした問題を含め、国会の場でよく議論をしていただきたいと考えております。
 医療や介護現場の荒廃、後期高齢者医療制度についてお尋ねがありました。
 医師不足や介護従事者の不足によって必要な医療や介護サービスが受けられないではないかといった、国民が不安を抱くような状況があります。
 こうした状況を改善するため、地域医療につきましては、医師養成数を増員し、勤務医の勤務環境を改善するとともに、救急医療につきましては、管制塔機能の拡充やドクターヘリの配備を進めるなどにより、必要な医療が速やかに受けられるようにいたしたいと存じます。介護サービスにつきましては、四月から介護報酬を引き上げ、介護従事者の処遇を改善いたします。
 長寿医療制度につきましては、政府・与党が一体となって速やかに議論を進め、高齢者の方々にも納得していただけるよう見直しを行ってまいります。
 年金記録問題や年金制度に関するお尋ねがありました。
 年金記録問題により、公的年金制度に対する信頼が失われました。また、高齢者の方々を初め国民の皆様に御迷惑をおかけしておりますことは、改めておわびを申し上げる次第です。
 一日も早く年金記録を回復し、年金を正しくお支払いすることが重要であります。
 そのため、昨年、すべての方にねんきん特別便をお送りし、記録を御確認いただいております。これに加え、本年四月以降、順次、標準報酬の記録をお送りするなど、ひたすら手間と暇を惜しまず、全力を尽くしてまいります。
 なお、年金制度につきましては、平成十六年の改正により、長期的な給付と負担の均衡が確保される仕組みとしたところであります。その柱の一つである基礎年金の二分の一を国庫で負担するための法律案を今国会に提出いたします。
 農林漁業の再生と食料自給率の向上及び米の生産調整についてのお尋ねがありました。
 今後、世界の食料事情が厳しくなっていく中、我が国の食料自給率を向上し、農業を持続的に発展させていくことが重要であります。
 このため、農地政策の改革による農地の所有から利用への転換、経営所得安定対策による将来の農業の担い手の育成、農商工連携による新たなビジネスの展開などを通じ、力強い農林水産業をつくり上げてまいりたいと考えております。
 生産調整を初めとした水田農業政策については、新たな農政改革の議論の中で見直しを行い、麦、大豆に加え、米粉や飼料用の生産拡大による水田フル活用に転換してまいります。
 中小・小規模企業対策についてのお尋ねがありました。
 我が国全体では七割に上ります二千七百八十万人の雇用を創出しているなど、我が国地域の産業を支え、雇用を支え、暮らしを支えておりますのは、四百二十万に及ぶ中小・小規模企業であります。百年に一度と言われる危機の中にあっても、こうした中小・小規模企業を守ることが政府の最も重要な政策の一つであると考えております。
 最近の倒産増につきましては、景気の急速な悪化に伴い、中小・小規模企業の売り上げが減少し、資金繰りが悪化しているためと考えております。こうした状況を踏まえ、政府としては、中小・小規模企業の資金繰り対策に全力を尽くしてきたところであります。
 今後、さらに中小・小規模企業への対策に万全を期すため、保証・貸付枠を三十兆円に拡大し、年度末に向けた資金繰り対策に万全を期すとともに、法人軽減税率の引き下げや事業承継の円滑化など、中小・小規模企業に対する支援を強化してまいりたいと考えております。
 次に、地域主権と住民自治についての御質問がありました。
 活力ある地方をつくり出すためには、地方が地域の経営者としてみずから考えて実行することができるよう、地方自治体に一層の権限と責任の移譲を行うことが必要であります。
 政府・与党としては、真の分権型社会の実現に向け、地方分権改革推進委員会で議論をし、地方の声を聞きながら、地方分権改革を積極的かつ着実に推進してまいります。
 道路特定財源の一般財源化についてのお尋ねがありました。
 道路特定財源の一般財源化とは、揮発油税などの歳入を道路整備に使うという義務づけをやめるということであります。この意味で、二十一年度から道路特定財源はすべて一般財源化することといたしております。
 こうした中で、地域活力基盤創造交付金は、道路以外の関連インフラの整備やソフト事業などにも使える、使い勝手のよいものといたしております。これは、与党において御議論をいただき、地方からの要望も踏まえ、地方の道路整備の必要性や財政の状況に配慮したものであります。
 揮発油税などの暫定税率分を含めた税率のあり方は、今後の税制抜本改革時に検討することとし、それまでの間は、地球温暖化問題への国際的な取り組み、国、地方の厳しい財政状況などを踏まえ、現行の税率水準を維持することといたしたところであります。
 海賊対策についてのお尋ねがありました。
 海賊対策は、第一義的には、海上保安庁の責務であります。ソマリア沖の海賊対策に海上保安庁が当たることは、日本からの距離などを勘案すると、実際には困難だと存じます。そのため、新法の整備までの応急措置として、海上警備行動による自衛隊の派遣の準備を開始いたしました。
 また、海上警備行動が発令された場合の武器使用につきましては、自衛隊法の規定に従って適切に対応することといたしております。
 拉致問題について、北朝鮮との交渉についてのお尋ねがありました。
 政府として、日朝平壌宣言の宣言にのっとり、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化を図るとの方針は不変であります。
 すべての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現に向け、北朝鮮に対し、早期に全面的な調査のやり直しを開始するよう、具体的な行動を強く求めてまいります。
 本内閣が進めております外交に対する認識についてのお尋ねがありました。
 百年に一度と言われております世界的な金融経済危機を初め山積する諸課題に対し、積極的な外交を通じ国益を確保していくことは、政府に与えられた喫緊の課題であります。
 そのため、私は、昨年十一月、ワシントンでの金融サミットで、日本の経験をもとに、危機の克服方法に関する提言を行いました。その多くが首脳宣言に取り入れられ、現在、各国による着実な実施が図られております。
 また、十月のアジア欧州会議、十一月のリマでのAPEC首脳会議を初めとする機会に、G8の各国や中国、韓国、インド、インドネシア、ブラジル、メキシコなどの主要国の首脳と会談し、緊密に協力していくことを確認しております。
 さらに、重要な隣国であります中国と韓国とは、昨年十二月に福岡で日中韓首脳会議を初めて独立した形で開催し、未来志向で包括的な協力を進める大きな一歩を踏み出すとともに、年初には韓国を訪問し、シャトル首脳外交の定着を確認し、また、両国の成熟したパートナーシップ関係の一層の強化を合意したところであります。
 また、本日朝、オバマ米国大統領と電話で会談し、日米同盟を一層強化するとともに、金融・世界経済、テロ、環境・気候変動など、国際社会が直面する諸課題に協力して対処していくことを確認したところであります。
 私は、今後とも、日米同盟を基軸にしながら、アジア太平洋諸国との連携、国連などの場を通じた国際協調を重要な柱として、積極的な外交を進めてまいりたいと考えております。
 消費税についてのお尋ねがありました。
 私は、景気をきちんと立て直すことが消費税を含む税制抜本改革を行うための前提であると申し上げてまいりました。この立場はいささかの変化もございません。
 経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ段階的に消費税を含む税制抜本改革を行うため、二〇一一年度までに必要な法制上の措置を講じます。
 その実施時期は、経済状況をよく見きわめて判断をいたしますが、私としては、二〇一一年度に向けて景気が回復するよう全力を尽くす所存であります。
 消費税を含む税制抜本改革の根拠と内容についてお尋ねがありました。
 消費税を含む税制抜本改革は、社会保障を安心なものとし、子や孫に負担を先送りしないためにお願いするものであります。
 その際、消費税の全税収は、確立・制度化した年金、医療及び介護の社会保障給付と少子化対策の費用に充てることにより、すべて国民に還元します。官の肥大化には決して使うつもりはございません。
 なお、御指摘のような、税率も含めた具体的な実施のあり方につきましては、社会保障給付などに要する費用の状況や将来見通し、財政健全化の状況などを踏まえ、今後検討してまいります。
 次に、みずから身を切るため、六点の御提案がありました。
 官僚の天下りにつきましては、国家公務員法の改正により、各府省による再就職のあっせんは、三年以内の経過措置の後、全面的に禁止いたします。
 ひもつき補助金については、定義が明らかではありませんが、国庫補助負担金はそれぞれの目的に応じたものだと考えております。地方分権の観点からは、補助金を見直すことは重要な課題でありまして、現在、国と地方の役割分担の見直しを行うとともに、補助金、交付税、税源配分の見直しの一体的な検討を進めております。
 一票の格差是正と議員定数の削減及び政治資金の透明化について、議論がなされることは賛成であります。いずれも議会政治の根幹にかかわる問題であり、各党各会派が十分に御議論をいただくべきものであると考えております。
 派閥の解消については、各党において政策を研究するグループがあることは何らおかしいことではないのではないかと考えております。
 自民党本部の土地につきましては、東京オリンピック関連の道路計画により、当時の自民党及び社会党の党本部が移転対象となったため、法令改正がなされ、貸し付けを受けたものであります。適正な水準の賃貸料を支払った上で貸し付けを受けているものと考えております。
 最後に、国民の判断を仰ぐべきではないかとの御指摘がありました。
 これまでにない世界規模の金融危機が生じたことから、国民の生活と雇用を守るため、経済対策と、そのための予算をつくることに全力を注いできたところであります。
 いずれ、しかるべき時期に、野党との争点を明らかにして国民に信を問いたいと考えております。(拍手)
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発言情報

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発言者: 麻生太郎

speaker_id: 17218

日付: 2009-01-29

院: 衆議院

会議名: 本会議