麻生太郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(麻生太郎君) 最初に、鳩山幹事長の方から、答弁漏れがあったのではないかと御指摘がありました。
官僚の天下り問題につきましては、私に対しては、天下りとわたりに関して、法律違反の政令を認め、厳格な運用などと言って国民をだまそうとするのか、二つ、官僚腐敗は政治に責任があるとの御質問があったので、それに対してお答えをしたものであります。答弁漏れとは考えておりません。
年金記録問題をいつまでに解決するのかにつきましては、過去四十年間にわたる問題でもあり、現時点では、いつまでと申し上げることはできません。全力を尽くして一日も早く記録を回復し、正しくお支払いするとお答えをいたしております。
消費税につきましては、段階的に上げるのか、また、国と地方とどのように配分するのかにつきましては、税率を含めた具体的な実施のあり方につきましては今後検討するとお答えをしたとおりであります。
それでは、細田議員の質問にお答えをさせていただきたいと存じます。
まず最初に、現下の経済情勢に対する認識と不況脱出に向けた決意についてお尋ねがありました。
百年に一度と言われる世界的な金融危機により、世界が同時に、かつてない不況に入りつつありますのは御存じのとおりです。そうした中で、我が国の景気は急速に悪化してきております。
現下の世界的不況から日本も逃れることはできません。異常な経済には異例な対応が必要だと申し上げております。
第一次補正予算、第二次補正予算、そして平成二十一年度予算、これら三つを切れ目なく、いわば三段ロケットとして進めてまいります。経済対策の規模は約七十五兆円となります。予算と減税額、通称真水では国内総生産の二%になり、諸外国の中でも最大規模の対策だと思っております。
この対策では、生活者、中小企業、地方の三つに重点を置き、生活や雇用を守ってまいります。平成二十一年度予算及び関連法案の早期の成立を心よりお願い申し上げる次第です。
中小企業の年度末資金繰り対策についてのお尋ねがありました。
現在まで、緊急保証と特別の貸し付けを合わせまして約二十八万件、五兆七千億、先ほどの数字と違っているのは日にちがずれているからです、実績を上げ、資金繰りに大きな効果を発揮いたしております。これにより、約百九十万から二百万の従業員の安心につながったと認識をいたしております。
一方、中小・小規模企業をめぐる経営環境は厳しくなってきており、資金繰り対策はますます重要になっておると思います。このため、第二次補正予算により、保証と貸し付けを合わせまして約三十兆円規模の対策に拡充をいたしております。あわせて、貸し付けの金利引き下げ、大事なところですが、いわゆる既往債務の借りかえの円滑化を図れるようにするなど、年度末に向けて、資金繰り対策にさらに全力を尽くしてまいりたいと考えております。
来年度税制改正についてお尋ねがありました。
今般の税制改正は、国民の暮らしや企業の活動を支えるため、幅広い分野にわたって、国、地方合わせて約一兆円を超える大胆な減税を行います。先ほど御指摘がありましたように、住宅減税のみならず、環境対応車への自動車重量税・取得税の減免、中小企業の法人軽減税率の引き下げ、中小企業の雇用を維持し事業を承継した場合における相続税や贈与税の猶予、農地に係る相続税の納税猶予制度を貸し付けの場合も適用対象とするなどというものを行おうといたしております。これらの施策は、我が国の内需を力強く刺激し、早期の景気回復の実現に資するものであると考えております。
年度当初からこれらの施策を円滑に実施できるよう、税制改正法案の早期審議と年度内成立に向け、議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げる次第です。
地方財源の充実についてお尋ねがありました。
地域を活性化するためには、地方が自由に使える財源を充実し、地方の底力を引き出すことがぜひとも必要であります。
このため、平成二十一年度には、別枠で地方交付税を一兆円増額いたします。これに加え、第二次補正予算における六千億円の地域活性化・生活対策臨時交付金、雇用創出のための過去最大の四千億円の基金、平成二十一年度において九千四百億円の地域活力基盤創造交付金を創設し、雇用、社会基盤整備など、幅広い分野で地方財源を確保し、支援をいたしたいと考えております。
これらについて、地方議会や自治体の長の多くの方々から高い評価をいただいておるところでもあります。また、関係予算の早期成立を求められているのも御存じのとおりであります。
農林水産業の振興についてお尋ねがありました。
農林水産業は、食料の安定供給という国民の安心に欠かせない役割を果たしていると考えております。また、農山漁村に雇用とにぎわいを生み出す産業でもあろうと存じます。
このため、まず、農地政策について、平成の農地改革法案を今国会に提出させていただきます。所有から利用への転換により、農地の貸借を促進し、農地の有効利用を進めたいと存じます。
また、麦、大豆に加え、米粉や飼料用の米生産による水田のフル活用、経営所得安定対策による将来の農業の担い手の育成、農商工連携による新たなビジネスの展開を通じ、力強い農林水産業をつくり上げるとともに、農山漁村における雇用の拡大を図ってまいります。
教育についてのお尋ねがありました。
国づくりの基本は、人づくりであります。内閣の重要課題として、質の高い教育を政府全体で実現いたしたいと存じます。
そのため、政府としては、学力向上のため、四月から、理数教科の授業時間をふやす新学習指導要領の円滑な実施、大学の国際競争力を強化するため、大学の国際化や世界最高水準の研究拠点の整備などに取り組みます。また、国際的に活躍できる人材の育成などについて、日本の将来を見据え、教育再生懇談会において幅広く検討を進めてまいりたいと考えております。
全国の小中学校の耐震化についてのお尋ねがありました。
平成二十年四月一日現在、全国の公立小中学校施設の耐震化率は六二・三%になっております。
政府としては、特に、地震による倒壊の危険性の高い、いわゆるIs、インデックス・オブ・ストラクチャーという例のIsです、耐震構造指標とよく言いますが、通称Isと申しておりますが、Is値〇・三未満の公立小中学校施設約一万棟につきましては、平成二十三年度までの耐震化を目指すことといたしたいと思っております。
今後とも、学校耐震化には最大限努力をさせていただきたいと存じます。
環境を通じた成長力強化戦略についてのお尋ねがありました。
太陽光発電や電気自動車などに代表されるように、我が国の環境技術は、世界最高の水準にあり、高い競争力を有しております。また、環境分野は、今後の成長が期待される市場でもあります。
私は、環境問題とは、成長の制約というよりは、むしろチャンスであり、環境分野に対し、戦略的に果敢に投資を行うべきものと考えております。
こうした観点から、例えば、住宅用太陽光発電の導入補助の創設、省エネ・新エネ設備への投資についての全額即時損金算入制度の創設、電気自動車に対する自動車重量税の免除などを新たに講ずることといたしております。
さらに、今後策定することとなる新たな成長戦略では、低炭素革命を柱の一つとして、新たな市場と雇用を創出する大胆な政策パッケージを示します。
無駄ゼロへの取り組みについてのお尋ねがありました。
国民に新たな負担をお願いする前提として、行政の無駄を排除することは、政府として重大な課題であります。平成二十一年度予算において、行政支出総点検会議における指摘などを踏まえ、公益法人への支出を平成十八年度比で約四割削減するなど、徹底した無駄の削減に取り組んでいるところでもあります。
今後とも、国の支出について、徹底して無駄を排除してまいります。
いわゆるわたりについての質問がありました。
わたりについては、法令において、極めて例外的な場合のみ各省のあっせんが認められているとされております。しかしながら、私としては、国民からの厳しい批判や国会における議論を踏まえ、今後は、あっせんの申請が出てきた場合においても、これを認める考えはありません。
海賊対策の新たな法整備についてのお尋ねがありました。
ソマリア沖の海賊は、日本を含め、国際社会への脅威であり、緊急に対応すべき課題であります。そのため、実行可能な対策を早急に講じてまいります。
さらに、現在、海賊行為を行った者の処罰に関する規定や海上保安庁及び自衛隊が海賊行為に対処するために必要となる措置などを定める新たな法律の整備については検討しており、今国会へ法案提出を目指しております。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
〔国務大臣舛添要一君登壇〕