下地幹郎の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○下地幹郎君 私は、国民新党・大地・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案について、反対の立場から討論を行います。(拍手)
 近年、海賊事案が多発しており、航行する船舶が常に危険にさらされ、海上輸送にも大きな影響を与えています。海賊・テロ特別委員会においても、日本船長協会など、まさに現場の意見を聴取しました。海賊対処の重要性は全国民が共有しているところであり、政府は一丸となって海賊問題に当たる必要があります。
 私ども国民新党も、ソマリア沖での海賊対処を行わなければならないということには賛成であります。当面の暫定的な措置として、海上自衛隊の派遣もやむを得ないと考えております。
 ただし、本法案を成立させることには、以下の理由で反対いたします。
 まず、この海賊対処法案を成立させるに当たって、三つの理由から、海上保安庁と海上自衛隊が共同して海賊に対処すべきことを申し上げます。
 一つ目には、海賊対処は、原則として海上保安庁が行うべきです。
 二つ目には、当委員会の審議でも繰り返し質疑いたしましたが、海上保安庁には、遠洋航海が可能で、装備面からもソマリア沖の海賊に十分対応でき、能力的にも何の問題のない巡視船「しきしま」六千五百トンがあります。政府側も、巡視船「しきしま」ならばソマリア沖での実践的な業務は可能と説明しています。
 三つ目には、当委員会の法制局長官の答弁で、海上警備行動でも、本法案が成立した後も、法律上、海上保安庁と海上自衛隊が共同して対処することは何ら問題ないことが判明しました。
 以上の三つから、現段階で海上保安庁と海上自衛隊は共同で任務が遂行できるはずであるし、そのことを私たちは望んでいます。
 海賊対処が緊急の国際社会の問題として起きており、本法案で、海賊取り締まりは第一義的には海上保安庁の責務である、その旨の規定がされていることを重く受けとめるならば、「しきしま」級の新規の艦船の整備にも着手し、海上における警察活動についての海上保安庁の万全の体制を整備することに政府は真っ先に取り組むべきであり、そうしたことが海上保安官のモチベーションの維持向上にもつながるはずであると思います。
 今のままの状況では、海賊取り締まりと言われるようなものに対して、永久に海上自衛隊が派遣されなければならないということになることは、国民から見ても、海上保安庁を隠れみのにして海上自衛隊を海外に派遣するというような疑問を持たれる可能性があります。
 今回、この地域へ自衛隊を派遣するということならば、本法案を恒久法とせず、自衛隊派遣の趣旨、目的をはっきりさせ、期限つきの特別措置法とする方が国民にはわかりやすいのではないでしょうか。
 第三に、自衛隊の国際貢献については、これまでの実績から国際社会の高い評価を得ているだけに、自衛隊の国際貢献のあり方は国民と正面から議論をすべきであり、このような形でのカモフラージュ的な派遣のあり方は賛成できません。
 本法案は恒久法であり、一度法律が制定された後は、国会へ事後的報告だけはするものの、何ら国民の了解なしに政府だけの判断で海賊対処のために自衛隊を派遣することができてしまいます。それだけに、本法律案は時限立法にすべきであります。
 ねじれ国会の中で、このように衆議院を慌てて通過させても、参議院の審議でも難航することは明らかであります。海洋国家日本にとって、非常に重要かつ危険な任務である海賊対処に、海上保安官と海上自衛官に気持ちよく誇りを持って取り組んでいただくためには、国会でけんか別れをするような形ではなく、国民の支持、国会の大多数の賛成をもって彼らを送り出すようにすべきであります。
 与野党が知恵を出し合い、補い合って、よりよい法律をつくることが我々国会議員に課せられた役割ではないでしょうか。(拍手)

発言情報

speech_id: 117105254X02620090423_025

発言者: 下地幹郎

speaker_id: 12665

日付: 2009-04-23

院: 衆議院

会議名: 本会議