鶴保庸介の発言 (本会議)

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○鶴保庸介君 私は、自由民主党、公明党を代表して、平成二十年度一般会計・特別会計補正予算案の修正議決に反対、同政府関係機関補正予算案に賛成の立場から討論をいたします。
 昨年九月、リーマン・ブラザーズの経営破綻により急速に世界の経済金融情勢が悪化してきました。その根幹であるサブプライムローン問題は、金融商品を持っていた世界各国の金融機関や投資家に深刻な影響を及ぼし、世界規模で金融経済活動の停滞が起こっています。
 このような未曾有の危機に対処するため、世界各国はG20による金融サミットを開催し、政策協調と自助努力によって危機を乗り切り、世界経済を回復軌道に復帰させようと今まさに世界中が死に物狂いで頑張っている最中であります。我が国においても総額七十五兆円もの経済対策が編成されましたが、第二次補正予算の政府原案はその経済対策の柱として財源手当てを行うものであります。
 このような世界的な潮流の中では、大規模な予算措置が迅速に執行されることが求められていることを共通認識として持たねばなりません。対策の一部にこだわって、これから審議される関連法案も含め、いたずらに成立を阻止したり引き延ばしを図るような態度で臨むことは論外であると指摘しておきます。
 具体的に中身を見ますと、まず定額給付金に関してであります。これについては様々な批判があるようでありますが、最も危惧されているのはその経済的効果への疑問であります。しかし、現下の経済状況を見ますと、消費を刺激するようなあらゆる対策を工夫し、早期に実行することこそが重要なのではないでしょうか。
 審議で明らかになったように、世界各国でも同様の消費刺激策が取られているのであり、この二兆円を給付の窓口となる地方自治体と連携しながら有効な景気刺激策とすることにこそ知恵を絞るべきではないでしょうか。この意味で、当委員会で視察に訪れた足立区役所では、消費拡大につながるよう地元商工会などに使い道の提案などをされ、積極的に広報されていたのは印象的でありました。このように、定額給付金は運用次第で景気回復のきっかけになる可能性は十分あると考えます。
 民主・社民両会派の修正議決は、定額給付金を削除するというものでありますが、これでは消費回復への可能性を探る試みさえ否定しかねません。ほかの使い道を模索することはもちろん否定するものではありませんが、単年度限り、二兆円限りという制約を忘れた議論には、責任を持って経済政策運営に当たる我々政権与党としては到底くみするわけにはまいりません。
 また、給付金の規模に関しても議論のあるところでありますが、定額給付金の財源に関して、政府原案では、定額給付金の二兆円を含めた生活対策の財源として、埋蔵金と言われる財政投融資特別会計の金利変動準備金の四・二兆円が充てられております。
 定額給付金のような単発的かつ特例の対策については、国債の増発によって財政事情の悪化を進むのを回避し、金利変動準備金を一時的なものとして取り崩すのはやむを得ない当然の措置であります。そして、これを取り崩しても依然として長期金利が上昇するといったようなマーケットへの悪影響も回避されねばなりません。その意味では、準備金を八・九兆円の規模で残存させる政府案はぎりぎりの選択であったと評価したいと思います。
 雇用状況も悪化しています。第二次補正予算案では、このことに対し、最大限の政策手当てをなさねばなりません。雇用情勢が厳しさを増しており、パートや契約社員など非正規雇用のカット、新卒者の内定取消しなど身を切られるようなニュースを目にします。今後、企業規模や業種を問わず、雇用調整が深刻化するリスクに対して、事前にいち早く手を打たねばなりません。
 その意味で、政府案は、四千億円規模のふるさと雇用再生特別交付金と緊急雇用創出事業の創設、実施に加え、内定取消し対策、年長フリーターなど非正規労働者の雇用強化といった雇用を拡大する対策がしっかりと措置されております。加えて、雇用促進住宅の活用や解雇労働者に対する住宅の供与など、住宅面の手当てがしっかりと組み込まれております。
 そして、中小企業支援として貸出しの増加や信用保証枠の拡大が図られ、また、昨年の臨時国会で成立した金融機能強化法と相まって、金融機関への国の資本参加の枠が十兆円増やされ、合計十二兆円にまで拡大されました。金融機関が自己資本を充実させて、安心して地域の中小企業や自営業の方に融資を拡大でき、資金繰りが悪化させないよう努力する基本的条件が整えられたと評価をいたしたいと思います。信用保証協会の信用保証の拡大や日銀の金融政策とも相まって、これから年度末にかけての企業の資金需要の高まりにしっかりと対応してくれるものと期待をいたしたいと思います。
 全国のドライバーや観光地が注目しているのが高速道路料金の引下げであります。土曜日、日曜日、祝日はどこまで走っても千円のみの負担で済むだけでなく、平日には三割引きともなります。観光地などでは、集客力の向上や物流の増加につながるものと大いに期待されているのであり、補正予算の速やかな成立がないと、この四月からの開始も危ぶまれることを付言しておきたいと思います。
 最後になりますが、かつて吉田茂総理は、戦後の大混乱の渦中、昭和二十一年六月に初めての施政方針演説を行われました。その中で総理は、ただ渾身の力をささげて奉公をいたす覚悟でございます、新たなる意味における国民総力の結集を必要といたすのでありますと述べられました。戦後日本のかじ取りを担う大いなる使命感と粉骨砕身の覚悟を表明され、国民から万雷の拍手をもって迎えられたのであります。
 麻生総理には、この先人の心意気を受け継ぎ、現在の世界的規模での混迷が深まる状況であるからこそ、国民総力を結集いただきたい。一部の論点にこだわって全体としての効果を見失うことのないよう、第二次補正予算案の政府原案、これに続く平成二十一年度本予算案を一刻も早く成立させ、切れ目のない政策対応を行っていただくようお願いし、私の討論を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 鶴保庸介

speaker_id: 4118

日付: 2009-01-26

院: 参議院

会議名: 本会議