森ゆうこの発言 (本会議)

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○森ゆうこ君(続) こうした政策を推し進めて全く恥じようとしなかったのが小泉・竹中路線であり、その政策を踏襲してきた安倍、福田、そして麻生内閣の本質であります。
 私が本予算に反対する最大の理由は、このように構造改革の名の下にずたずたにされた社会保障のセーフティーネットの再構築が全く不十分なことにあります。
 雇用情勢に関しては、昨年十月から今年三月までに十五万人の非正規労働者が職を失う見込みとされております。かかる状況は、これまでの規制緩和一辺倒でセーフティーネットをおろそかにしてきたツケが回ってきたものにほかなりません。本予算においても、雇用保険料を平成二十一年度に限り〇・四%引き下げることとされておりますが、こうした措置は本来とるべきでなく、単なるばらまきとのそしりを免れません。これにより政府は六千四百億円の収入を失うこととなりますが、現在の厳しい雇用情勢を踏まえれば、更なる失業率の悪化に備え、保険料の引下げよりも加入要件の緩和や本来の雇用対策の充実に充てるべきであります。
 また、年金に関しては、平成二十一年度及び二十二年度の基礎年金国庫負担の引上げについて財政投融資特別会計の積立金によって取り繕うこととしております。しかしながら、その後の恒久的な措置については問題を先送りにしており、このような無責任な態度は決して認めることができません。
 そして、言うまでもなく、社会保障関係費の伸びを毎年二千二百億円削減するという目標は既に破綻を来しております。社会保障の現実を無視し、机上のつじつま合わせのためだけに掲げられた削減目標を速やかに廃棄し、子育て支援の充実や子供の貧困への対応を始め、医療、介護、障害者支援など、必要な社会保障の充実を図るべきであります。
 反対の第二の理由は、極めて深刻な景気後退への対応が不十分だからであります。
 平成二十年十月から十二月期のGDP成長率は、これまで我が国経済を牽引してきた輸出の大幅減少を主因として、年率マイナス一二・一%と石油危機以来最悪の落ち込みを示しました。輸出の急激な減少は、生産活動の低下、企業倒産の増加、雇用の悪化など、我が国経済の様々な分野に深刻な打撃を与えています。
 これまで、政府・与党は国民に負担を押し付ける政策ばかり進めてきましたが、これで個人消費を中心とする内需が回復するはずもなく、我が国の成長率の落ち込みが先進国で最も大きいのは当然の帰結であります。
 元々、本予算は、平成二十一年度の実質成長率がマイナスではなくゼロ%という非現実的な前提に基づき編成をされるものであります。本予算審議中にもかかわらず、与党において次期補正予算の編成が公然と検討されていることは政府の無能さを自ら示すものであります。恥じるお気持ちはないのでしょうか。
 反対の第三の理由は、道路特定財源の一般財源化の方針が完全に骨抜きにされていることです。
 道路特定財源は形式的に一般財源化されるものの、社会保障に回ったのはわずか六百億円という有様です。道路特定財源に関する昨年の国会審議における指摘は何ら反映されていないだけでなく、福田前総理の方針からも大きく逸脱している羊頭狗肉の一般財源化は断じて受け入れることができません。
 反対の第四の理由は、財政規律及び財政民主主義の形骸化を招く予算だからであります。
 本予算は、歳出の無駄を徹底的に排除した上で編成されたものと説明されておりますが、この中には地方道路整備臨時交付金の廃止による削減額六千八百億円が含まれております。しかしながら、同交付金は、道路特定財源の一般財源化に伴い当然に廃止される一方で、地域活力基盤創造交付金と名を変え存続するものであり、政府による無駄の削減努力とは何ら関係ありません。また、無駄の削減による反映額は全体で三兆円弱と説明されておりますが、政府はその具体的な根拠について最後まで説明することができませんでした。与謝野大臣は、打ち出の小づちは振れないともう無駄の削減はできない旨の答弁をされていましたが、無駄の削減を標榜する政府の誇大広告の撤回を約束せざるを得ませんでした。
 言うまでもなく、国の財政を処理する権限は国会の事前の議決に基づいて行使されることが憲法上の大原則であり、予備費の計上は必要最小限にとどめることが求められております。一兆円もの支出を政府に白紙委任することは、安易な歳出拡大につながりかねません。それどころか、与謝野大臣は、国会開会中の予備費の使用は原則として行わないとする閣議決定すらほごにしようとしており、かかる財政民主主義への重大な挑戦は到底看過することができません。
 反対の理由は余りにも多過ぎて到底言い尽くせませんが、このような欠陥予算を国会の責任において断じて容認することはできません。
 麻生内閣においては、重要な国際会議の記者会見において、当時の財務大臣が前代未聞の大失態を演じ、我が国の国際的名誉を著しくおとしめただけでなく、官僚機構のトップの地位にある内閣官房副長官が特定の捜査事件について言及するなどの不祥事が相次いで発生しました。さらに、昨日、六億円を超える巨額の株式売却を行ったことにより財務副大臣が辞任するに至りました。これら当然罷免すべき不適格な人物たちを起用し続けた麻生総理の任命責任は極めて重大であります。もはや我が国のかじ取りを麻生内閣にゆだねることはできません。即刻退陣を求めます。
 最後に、小沢代表秘書の起訴について一言申し上げたい。
 今回の起訴の唯一の理由とされた政治資金規正法における収支報告書の虚偽記載の容疑について、この法律を理解している議員であれば、強い戦慄を覚えたのではないかと思います。自民党長崎県連事件の捜査を陣頭指揮した元東京地検特捜部検事郷原信郎桐蔭横浜大学法科大学院教授が指摘するように、たとえ小沢代表のように法にのっとって資金の流れをすべてオープンにしていても、実体のない政治団体についての検察の解釈いかんでは政治資金規正法によって検察が摘発し得る範囲は無限に広がる。そのような団体から献金を受けた政治家は、いつ何どき検察の摘発を受けるか分からない。実際に摘発されなくても、それは検察にお目こぼしをしてもらっているだけであり、まさに検察が政治に対して圧倒的に優位に立つことにほかならないのであります。
 もとより、今回のことを奇貨として国民が納得できるような法改正に取り組まなければならないのは言うまでもありません。しかしながら、既に受け取った献金について、その多寡にかかわらず、善意の支援であるとの説明を受け、その使途については報告している内容のとおりの政治活動に使ったというそれ以上の説明を求められても、私なら途方に暮れてしまいます。

発言情報

speech_id: 117115254X01320090327_008

発言者: 森ゆうこ

speaker_id: 4105

日付: 2009-03-27

院: 参議院

会議名: 本会議