小林正夫の発言 (本会議)

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○小林正夫君 民主党・新緑風会・国民新・日本の小林正夫です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました平成二十一年度補正予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。
 麻生総理は、総額十三兆九千二百億円にも上る史上最大規模の補正予算案について、自ら四段ロケットと称し、冬の時代に仕込んできた経済政策が花開いてくるのはこれからだと胸を張ってみせました。ところが、どうでしょうか。国民の皆様の補正予算に対する評価は非常に厳しいものでありました。その証拠に、麻生総理や政府・与党が期待したほど内閣の支持率は上がらず、むしろ失望感の方が広がりました。
 有識者の方々がいみじくも理念なきばらまきの補正予算と指摘しましたように、追加景気対策と銘打った補正予算の中身は、場当たり的で、ばらまき、そして無駄遣いが余りにも多いからです。しかも、将来の増税を予定していることが、私たち民主党を始め野党の追及で明るみに出ました。
 今回の補正予算案が象徴しますように、麻生内閣の経済政策は既に破綻しております。麻生総理、もはや民意はあなたから去っており、速やかに退陣するほかありません。
 以下、補正予算案に対する反対の理由を明確にいたします。
 反対の第一の理由は、四十六もの基金を乱造して、多年度にわたって予算を支出しようとしていることであります。
 我が国憲法は、予算は会計年度ごと国会の審議を受け、決議を経なければならないとする単年度主義を大原則にしております。ところが、本補正予算では、一度造成されれば国会の議決を経ることなく多年度にわたった支出をすることが可能となる基金を乱造し、そこに多額の予算を計上することとしており、その総額は四十六基金に対して実に四兆三千億円にも上ります。このような巨額の予算を国会の監視の目が届かない公益法人等の基金に繰り入れ、多年度にわたって支出することは、憲法の趣旨にもとるものであります。
 さらに、基金の造成先には多数の官僚が天下っていることも看過できません。現下の危機的財政の状況下で、血税が官僚の天下り先確保のために使われることは何としても阻止しなければなりません。
 麻生総理は先日、私は公務員の優秀さを疑ったことはない、問題は使いこなせない政治家にあると述べましたが、公務員を使いこなせない政治家とは、まさに天下り先への多額の予算計上を容認する麻生総理御自身であるということを強く指摘しておきたいと思います。
 反対の第二の理由は、国や独立行政法人の施設整備費、いわゆる箱物に多額の予算が計上されているなど、焼け太りの予算としていることでございます。
 本補正予算では、経済危機対策関係費として十四兆七千億円の歳出が計上されておりますが、その約二割に当たる二兆九千億円が国や独立法人の施設整備費として計上されております。
 当初予算で六千五百億円にすぎなかった施設整備費を補正でその四倍以上に膨らませるなど、まさに前代未聞の事態と言わざるを得ません。しかも、文部科学省の地域産学官共同研究拠点整備に至っては、説明ペーパー一枚で七百億円もの予算が付いたことが我々の追及によって明らかになっております。
 そのほかにも、国営漫画喫茶とも言われるメディア芸術総合センター設立に場所すら決まっていないにもかかわらず百十七億円もの予算が計上されるなど、何でもいいから金を使えという麻生内閣のばらまき体質の下でつくられた補正予算は、霞が関の官僚も驚くほどの無節操ぶりで、まさに開いた口がふさがらないとはこのことであります。
 また、施設整備費の中には基金の造成や、当初予算の五倍に上る二千七百億円もの独立行政法人に対する支出が含まれており、まさに何でもありの予算になっております。国民の中には職を失い、あしたの生活のめどすら立たずに苦しんでいる人も多い中で、何でもありのお手盛りに満ちたこのような予算を認めることは断じてできません。
 反対の第三の理由は、今回の対策がその場しのぎでばらまきに終始し、国民生活の向上や経済構造の転換に結び付かないことであります。
 その最たるものが子育て応援特別手当であります。経済危機によって、子育て世代の多くは失業や収入の減少など生活に大きな不安を抱えています。それにもかかわらず、本補正予算で千三百億円を計上している子育て応援特別手当は、わざわざ臨時異例の措置と前置きまでした上で、三歳から五歳までの子供一人に対し、わずか三万六千円を一度だけ配るものにすぎません。これでは、将来にわたる不安の解消には全くならず、子育て支援として極めて不十分であります。また、雇用対策にしても、求職者支援や緊急雇用創出事業など、ほとんどが期間限定の措置となっております。
 これはまさに場当たり的ばらまき施策の乱発で、将来の国民生活より目先の支持率という麻生内閣の本質を如実に表しており、このような予算には断固反対いたします。
 反対の第四の理由は、国債の大量発行により、先進国で最悪の水準にある我が国の財政状況を更に悪化させていることであります。
 既に我が国の国債発行残高は五百八十兆円を超え、GDP比一一〇%以上という危機的状況にあるにもかかわらず、本補正予算では更に十兆八千億円を超す新規国債を発行することとされております。歳出のうちどれだけ税収で賄ったかを示す税収比率は約四五%と過去最低となり、最終的に本年度は国債収入が税収を上回るという異常事態になる可能性が高くなっており、まさに借金漬けの予算にほかなりません。
 しかも、政府は、財政赤字を将来の消費税の大増税で賄おうとしており、かかる予算のばらまき、大盤振る舞いのツケを将来世代に回すやり方は絶対に認められません。
 以上、補正予算に対する主な反対理由を申し述べました。
 現在の経済危機を乗り切るには我が国の経済社会構造を抜本的に見直す必要があり、場当たり的な政策対応で時間稼ぎを図る麻生内閣にこれ以上政権を任せては国民生活は不幸になる一方です。豊かな社会を将来世代に残すという政治の最も大切な仕事を放棄し、反対に将来世代の財産を使って政権を維持しようとする麻生内閣の態度にはあきれ返るばかりであります。
 また、昨日の予算委員会で同僚の鈴木寛議員が、喫緊の課題である新型インフルエンザ対策に予算を張り付ける必要があり、補正予算を組み替えるべきと強く指摘しましたが、麻生総理は、修正や第二次補正は考えないと答弁され、まさに危機管理ができていないことが露呈されました。こんな政権では国民の生命、安全を守れません。
 私たち民主党は、鳩山由紀夫新代表の下、自民党に取って代わり政権を担う準備を全力で備えつつあります。国民の皆様の民主党に対する期待も上昇しております。これに比べ、もはや落日の状態にある自民党政権は一日も早く退場すべきであります。
 麻生総理、この際、あなたの手で潔く自民党政権の幕引きをするよう強くお勧めして、私の反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 小林正夫

speaker_id: 22058

日付: 2009-05-29

院: 参議院

会議名: 本会議