2009-05-29
両院
森ゆうこ
平成二十一年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会
森ゆうこの発言 (平成二十一年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会)
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○森ゆうこ君 参議院の議決の趣旨説明を行います。
参議院側が平成二十一年度一般会計補正予算外二件を賛成少数で否決した趣旨を申し上げます。
否決の第一の理由は、予算の単年度主義の趣旨に反し、四十六もの基金を通じて多年度にわたって支出を行おうとしている点であります。
我が国の予算は、会計年度ごとに国会の審議を受け、議決を経なければならないことが憲法に定められております。しかるに、本補正予算では、緊急人材育成・就職支援基金や農地集積加速化基金など、四十六の基金に対して四兆三千億円もの予算が配分され、多年度にわたって支出が行われることとなっております。かかる基金からの支出は、毎年度の国会の議決を要しない点で憲法の理念に反するものであり、財政の現状を国民の目から遠ざける許し難い手法であります。特別会計や独立行政法人などの透明性が強く求められているにもかかわらず、基金という新たな隠れみのをつくり出す政府の姿勢を厳しく非難するものであります。
否決の第二の理由は、官庁や独立行政法人などの施設整備費として巨額の予算が計上されている点であります。
本補正には、歳出総額の二割に当たる二兆九千億円もの施設整備費が計上されており、「地域活性化・公共投資臨時交付金」として地方に配分される分を除いても、一兆五千億円もの予算が官庁や独立行政法人などの施設整備に使われることになっております。二十一年度当初予算の成立からわずか一か月の間にこれほどの施設整備を行う理由が生じたとは到底考えられず、景気対策に便乗した役所のお手盛り予算というほかありません。アニメの殿堂と言われる「国立メディア芸術総合センター」に百十七億円もつぎ込むくらいなら、母子加算の復活や子育て支援の拡充に使うべきというのが国民の声であり、これに反して従来型の箱物整備を大々的に推進する政府には、もはや景気対策を作成する資格はないと言わざるを得ないのであります。
否決の第三の理由は、その場しのぎの対策の寄せ集めばかりで、深刻な日本経済や国民生活を改善させる効果が全く期待できない点であります。
所得環境の悪化で厳しい生活を強いられている子育て家庭への支援策は、三万六千円を一回だけ給付するという本来の子育て支援とは程遠いものであるほか、雇用対策にしても、求職者支援や緊急雇用創出事業など、ほとんどが期間限定の措置であり、まさに場当たり的施策の乱発というほかありません。このような施策に国民の生活不安を解消する力は全くなく、我が国経済を内需主導型経済に転換させる効果も到底期待できないことはだれの目にも明らかであります。
否決の第四の理由は、政府経済見通しを改定したにもかかわらず、二十一年度の税収見積りを修正していない点であります。
我々は、当初予算の審議中から、二十一年度の経済成長率がゼロ%という政府経済見通しは楽観的過ぎるとして見直しを求めておりましたが、政府は遅ればせながら補正予算の編成に合わせてマイナス三・三%に下方修正しました。経済危機対策の経済効果はほとんど期待できないことから、この数字もなお非現実的でありますが、更に問題なのは税収見積りを修正していないことであります。マイナス成長になれば税収が減少することは当然であるにもかかわらず、本補正で減額修正を行わなかったのは、国債の新規発行額を税収以下に抑えるという体裁にこだわったからに違いありません。このような小手先のつじつま合わせをしたとしても、今年度中の税収の減額修正と国債の増発は必至であり、財政の姿をゆがめる政府の手法は断固容認できません。
このように、否決の理由は多岐にわたりますが、両院協議会としましては、参議院側が指摘した諸事項を除去することによって平成二十一年度補正予算三案が成立できるよう、御協力、御賛同いただきたくお願い申し上げる次第であります。
以上でございます。