峰崎直樹の発言 (平成二十一年度一般会計予算外二件両院協議会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○峰崎直樹君 参議院側が平成二十一年度一般会計予算外二件を賛成少数で否決した議決の趣旨を申し上げます。
 否決の第一の理由は、本予算が現下の深刻な経済情勢への認識が欠如しており、景気対策としての効果が全く期待できない点であります。
 世界的な金融経済危機のあおりを受け、我が国経済は輸出、生産が急速に落ち込み、昨年十月から十二月期の実質GDPは年率で一二・一%の減少と、戦後二番目の大幅なマイナス成長となりました。急速な景気悪化の影響は特に雇用情勢に現れており、有効求人倍率や失業率の悪化はもとより、非正規雇用者が十五万人も職を失うという非常事態に陥っています。
 しかるに本予算は、深刻な経済情勢を直視することなく、ゼロ成長、すなわち来年度も今年度と同程度の経済状況が続くことを前提に編成されております。IMFなどの国際機関が我が国の大幅なマイナス成長を予測し、日本銀行もマイナス二%という見通しを示す中で、政府は恣意的な経済見通しに基づいた非現実的な予算を成立させようとしています。このような日本経済の現実を無視した予算に、雇用の回復や国民生活を守る効果は期待すべくもなく、二十兆円に達するGDPギャップを埋めるにも到底力不足であり、日本経済を再びデフレスパイラルに陥れる予算と言わざるを得ません。
 さらに、本予算に対する真摯な議論が続けられているさなかに、与党において補正予算の編成が検討され始めたことは、本予算が欠陥予算であることの証左であり、このような予算は到底認めることはできません。
 否決の第二の理由は、基礎年金の国庫負担引上げの財源を埋蔵金に求めるという安易な対応を取っている点であります。
 二十一年度までに国庫負担を引き上げるに当たっては、税制の抜本的改革を行った上で安定財源を確保することが前提であったはずです。しかし、政府・与党は、選挙を前にして無責任にも税制改革論議を先送りし、存在しないと明言していた特別会計の埋蔵金を当てにするという場当たり的な措置で取り繕いました。財政投融資特別会計の積立金は一度使えばそれきりのものであり、到底安定財源とは言えません。年金制度を維持するためには、まず負担と給付の率直な見通しを国民の前に示し、説明責任を果たすことこそが政治の基本姿勢であるにもかかわらず、議論を棚上げしたまま、何らの責任も果たそうとしておりません。このような政府の態度を厳しく非難するものであります。
 否決の第三の理由は、財政民主主義に反する多額の予備費が計上されている点であります。
 予備費は、その使途については事前に国会の承認を受けないことから、例外的かつ制限的に計上されるべきものですが、本予算には、三千五百億円の予備費に加え、一兆円もの経済緊急対応予備費が計上されております。予期せざる事態により新たな支出が必要となった場合は、補正予算を編成することでその使途を国会の事前議決に付すのが原則であり、予備費の計上は必要最小限にとどめるべきであります。予備費の上限を定める規定はないとはいえ、一兆三千五百億円という巨額の裁量的予算を政府が保有することは、国会の事前議決の原則を定めた憲法の趣旨を逸脱するもので、断固容認できません。
 否決の第四の理由は、政府自ら決定した財政改革路線が完全に頓挫している点であります。
 無駄遣いの根源となっていた道路特定財源制度については、福田前総理が廃止の方針を打ち出し、昨年五月には一般財源化することを閣議決定したはずです。しかし、本予算では一般財源化は名ばかりのものとなり、地域活力基盤創造交付金を創設することなどにより、揮発油税等の財源のほとんどが引き続き道路整備に回され、社会保障の財源として一般財源化されたのはわずか六百億円という有様です。
 また、社会保障費を毎年度二千二百億円削減する目標についても、特別保健福祉事業資金の清算などによる新たな財源によりつじつまを合わせただけであり、実質的な削減はごくわずかな額にとどまっております。これにより、削減目標は二十年度、二十一年度と二年連続して達成されないこととなり、社会保障費の削減目標は既に絵にかいたもちとなっております。このような実現不可能な目標は速やかに撤回し、社会保障の充実に方針転換すべきであります。
 さらに、政府は無駄の徹底した排除によって重複を含め約三兆円の削減を行ったと説明しておりますが、どの経費を幾ら削減したのか、その詳細を全く示しておらず、誇大宣伝のそしりを免れません。
 このように、否決の理由は多岐にわたりますが、両院協議会としましては、参議院側が指摘した諸事項を除去することによって平成二十一年度予算が成立できるよう、御協力、御賛同いただきたくお願い申し上げる次第であります。
 以上でございます。

発言情報

speech_id: 117125150X00120090327_004

発言者: 峰崎直樹

speaker_id: 8106

日付: 2009-03-27

院: 両院

会議名: 平成二十一年度一般会計予算外二件両院協議会