岡田克也の発言 (外務委員会)
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○岡田国務大臣 まず、岩屋委員おっしゃった、国民はわかっているというお話でありますが、そういう部分もあると思います。そして、私は、今回の密約調査の一つの目的として、なぜ当時、こういう判断を下さざるを得なかったのかということについて国民の皆さんに考えていただく、そういう材料も提供できたというふうに考えているわけであります。
私は、この国会の場でもたびたび申し上げておりますけれども、例えば、当時の岸総理が、改定安保条約を結ぶに当たって事前協議制度を入れた、そのことを高く評価しております。しかし、それに、結果的には、朝鮮半島有事ということに関しては、いわば穴をあけざるを得なかったということ。そのことを一方的に批判することは簡単ですが、当時の日米の力の差、そして旧安保というのは全く一方的な、いわばGHQの時代を引きずるような安保、朝鮮戦争については、一九五三年に終わってまだ七年しかたっていなかった、そういったことを全体に考えたときに、果たして私が岸総理の立場であったとして、では、朝鮮半島有事についての例外ということを認めずに事前協議制度を入れることができただろうかというふうに考えると、それはかなり困難だったというふうに私は率直に思います。そういうことについて、国民の皆さんによく理解していただく、そういう材料を提供したことにもなった。
あるいは、ちょっと長くなってしまいますが、佐藤総理が、その朝鮮半島有事についての密約をみずからの記者会見における言葉で置きかえようとした。つまり、事前協議はあるんだということに置きかえようとした、沖縄返還のときの話でありますが。そういうふうに努力されたというようなことも、この密約の報告書を読むと伝わってくるわけで、そういう意味では非常に意味があった。
ただし、やはり、委員はどう思われるかわかりませんが、例えば九〇年以降の歴代総理あるいは歴代外務大臣、密約はありません、そういうふうに断言した方が多いわけです。幸いにして国会でそういう機会がなかった方は別にして、聞かれればみんなそう答えた。国民の多くが、アメリカの外交文書の公開などによって、そういうものは多分あっただろうというふうに思っているときに、いや、絶対ありませんということを総理が言う、外務大臣が言う。それが果たして政治に対する信頼につながっただろうか。私は、国民の政治や外交に対する信頼感を損なったというふうに思っております。ですから、そういう事態を早く打ち切らなければいけない。
委員は、いや、そういったいろいろな苦渋の決断があったと。それはそのとおりですが、その苦渋の決断をした当事者じゃなくて、それから二十年も三十年も、あるいはそれ以上、四十年もたっているそういう状況において、しかも、国際環境が冷戦も終わって変わったときに、ずっと同じことを言い続ける、それが果たして民主主義にとって健全な姿かどうかということについて、もし委員の御異論があれば聞かせていただきたいと思います。