山崎誠の発言 (本会議)

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○山崎誠君 民主党の山崎誠です。
 私は、ただいま議題となりました環境影響評価法の一部を改正する法律案につきまして、民主党・無所属クラブを代表して質問いたします。(拍手)
 まず、環境に対する基本的な考え方についてお伺いいたします。
 私は、さきの連休を利用して、山口県上関町長島に行ってまいりました。瀬戸内海に残された、生き物の宝庫であり、瀬戸内の原風景を今に伝える。対岸には、自然との共生が息づく祝島。何物にもかえがたいはずの、かけがえのない豊かな自然が、そして人々の美しい暮らしが、今、原子力発電所建設に伴う埋立工事により壊されようとしています。
 豊かな自然はなぜ大切か。人間は、絶妙なバランスで成り立ち支え合っている生態系の一部であり一員です。健全な生態系の維持なくしては、人類の生存はあり得ません。自然へのノスタルジーや郷愁で言っているのではありません。科学的な事実として理解していただきたいのです。豊かな自然が人類の生存には欠くべからざる基盤です。
 経済成長を前提とした幸福追求に邁進してきた我々は、今、その成長の限界に到達しつつあります。それとともに、地球温暖化、生物多様性・生態系の破壊、地球レベルの環境危機に直面しています。
 人類の生存を確かなものにするために、経済優位の価値基準を修正して、環境重視の社会へとかじを切らなければなりません。国づくり、物づくり、人づくり、あらゆる場面で自然環境との調和を実現する、新しい自然共生社会の創造が求められていると考えます。
 経済が不可欠なものであることは、もちろん言うまでもありません。しかしながら、鳩山総理もその所信表明演説で述べられたとおり、人のための経済でなければ意味がありません。経済そのものの成長や、経済によりもたらされる利便性や物質的な価値が優先され過ぎていないか。経済優先で、環境が破壊され、人類の生存そのものが脅かされていないか。それでは本末転倒です。環境の世紀にあって、私たちは、環境と経済の調和を真の意味で実現しなければなりません。
 まず、小沢環境大臣、そして直嶋経済産業大臣、前原国土交通大臣に伺います。
 経済と環境の調和という考え方について、環境の価値をどのようにとらえておられるか、御所見をお聞きいたします。
 議題になっております環境影響評価法は、まさに環境と経済の調和を図り、環境の悪化を未然に防止し、持続可能な社会を構築するための法律、制度です。環境基本法、生物多様性基本法の基本原理を具体的に担保する制度として極めて重要と考えます。
 そこで、改めて、環境影響評価法の意義について小沢環境大臣に伺います。
 本制度は施行十年を迎えますが、平成二十年度末時点で、本法の手続を完了した案件は百二十五件となっており、一定の役割を果たしてきたと言えます。
 そこで、これまでの環境アセスメントの実績をどのように評価しているのか、また、環境と経済の調和という観点からすると、環境保全の観点からの課題と事業者からの課題も挙がっているものと考えますが、どのような課題が挙がっているのか、小沢環境大臣にお伺いいたします。
 次に、改正内容について伺ってまいります。
 本改正のうち最も重要と思われる戦略的環境アセスメントの導入について伺います。
 現在の環境アセスメントにおいては、事業実施段階で行われるため、事業の枠組みがおおむね決定されており、環境保全のための柔軟な事業の見直しが難しい側面がございます。このために、せっかく行われる調査であっても、その評価、分析の段階で事業の推進に都合のよい解釈がなされる、いわゆるアワセメントとの批判を受けているところでございます。この点で、より上位の事業検討段階で環境影響評価を取り入れる戦略的環境アセスメントの実施に大いに期待するところであります。
 そこで、戦略的環境アセスメントの意義について小沢環境大臣に伺います。
 環境省としては、戦略的環境アセスメントについて、平成十九年からガイドラインを公表し取り組みを進めているところですが、これまで、例えば経済産業省の所管する発電所が対象になっていないなどの課題がございました。また、国土交通省に関連しては、リニア中央新幹線の計画など、事業主体は民間であっても、その環境影響の大きさからいって戦略的環境アセスメントを確実に実施すべき事業も控えております。
 こういった事業を所管する直嶋経済産業大臣、前原国土交通大臣に、戦略的環境アセスメントに取り組む決意をお伺いいたします。
 これまでの事業遂行過程を見ると、事業者は、環境アセスメントも一つの手続であり、クリアさえすればいいととらえるような傾向にあるのではないか。また、環境への悪影響の緩和にどれだけ実質的な効果を上げているのか、残念ながら疑問を感じる場面がございました。この点で、今回の改正で実現する環境大臣意見の範囲の拡大、電子縦覧の義務化、事後調査等に係る手続の具体化により、納得性が高く効果的な環境アセスメントに近づくものと期待しています。
 今回の法改正にあって、より納得性の高い効果的な環境アセスメントを実現するために工夫された点はどこか、小沢環境大臣にお伺いいたします。
 環境アセスメントは、これまでも、国の制度と地方自治体の制度が補完し合って実施されてまいりました。地方自治体にあっては、独自の基準で対象事業を幅広くカバーできるようにしたり、公聴会の開催や第三者機関による審査手続を設けるなど、先進的な特徴ある環境アセスメントを実施してきた実績がございます。
 地方主権に基づく国と地方自治体の新しい関係構築が進む中で、環境アセスメントの分野でも、これまで以上に地方自治体の自主性の尊重と連携が重要であると言えます。地方自治体の環境アセスメントとの連携の意義について小沢環境大臣にお伺いいたします。
 次に、環境アセスメントのあるべき姿について触れたいと思います。
 例えば地球温暖化対策を例にとります。
 地球温暖化対策において、指標の一つとしてCO2排出量を基準にする考え方がございます。この考え方自体には理解を示すところではございますが、CO2削減がひとり歩きをし、CO2削減が目的化されていないか、一部危惧をするところでございます。地球温暖化が問題なのは、それにより、生命がよって立つ自然環境、生態系が破壊されるところにあります。この原点を忘れてはなりません。
 例えば、さきの上関の例でいえば、温暖化対策として進められている原子力発電所建設のために、本来守るべき目的たる貴重な自然が破壊されようとしているんです。これでは元も子もありません。環境アセスメントは、本来、こうした矛盾にもメスを入れるものでなければなりません。
 また、今回の改正を経ても、事業者が行ういわゆる事業アセスメントという意味で、限界があると考えます。自然環境という社会的資産を守る責任を一民間企業に負わせることにそもそも無理があるのではないでしょうか。国が主導して責任を持つ仕組みが必要です。
 こういった観点から、環境アセスメントのさらなる改善に向けて、次の四項目を提案したいと思います。
 第一に、より上位の政策決定レベル、国の基本構想あるいは基本計画段階から戦略的環境アセスメントを実施すること。事業実施の可否を決定する段階に環境影響評価を取り入れることが必要です。
 第二に、その際、学識経験者等多方面から多角的に意見を聞く仕組み、第三者機関による環境審査制度を創造すること。また、すべての環境アセスメントの実施内容に対して環境省内でランクづけを行い、環境アセスメントに責任のある事業者や事業官庁を評価する仕組みを設けること。
 第三に、複数の施設や事業の影響を複合的、累積的にとらえることができるようにするための科学的な知見を集約する仕組み、特定の事業の範囲にとどまらない、より広範な環境影響をとらえる仕組みを構築すること。
 そして最後に、壊れやすく、一度壊れるともとに戻すことが困難であり、そのメカニズムに未知な領域が多く残る自然環境の特性を踏まえて、予防原則の考え方に基づき環境影響を評価すること。
 以上のような提案に対して、小沢環境大臣の御所見をお伺いいたします。
 自然環境保全の取り組みは、縦割り行政の枠を取り払い、地域との連携の上で地球的な見地から推進しなければなりません。国家戦略の柱と位置づけて、国を挙げて取り組む必要があります。
 また、どんなによい制度をつくっても、運用する人の意識が変わらなければ生きた仕組みにはなりません。目先の利益、利便にとらわれない広い視野と未来を見通す豊かな想像力、そして何よりも、人も地球も本当に大切にする優しさが今私たちに求められています。
 良好な自然環境の中にあって初めて人間は、本来の豊かな暮らし、幸せを実現することができるんです。日本人の原点である里山、里地、そして里海を守り、自然との共生を実現する、世界に誇れる日本を再生しようではありませんか。
 本年開催されるCOP10、生物多様性条約第十回締約国会議、これを自然再生の出発点と位置づけ、この地球上に、そして私たちのこの日本に残された貴重な自然を未来へと受け継ごうではありませんか。
 最後に、小沢環境大臣に、生物多様性条約第十回締約国会議議長としての決意をお伺いし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣小沢鋭仁君登壇〕

発言情報

speech_id: 117405254X02720100511_005

発言者: 山崎誠

speaker_id: 23675

日付: 2010-05-11

院: 衆議院

会議名: 本会議