福井照の発言 (本会議)
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○福井照君 自由民主党の福井照でございます。
自由民主党・無所属の会を代表いたしまして、ただいま議題となりました環境影響評価法の一部を改正する法律案について御質問をさせていただきます。(拍手)
まず冒頭、与党の強引かつ稚拙な国会運営に厳重に抗議を申し上げる次第でございます。
本日のこの会議は、昨日の議院運営委員会におきまして、委員長職権で立てられたわけでございます。もはやお決まりのパターンになりました数による強硬な運営、民主党の政権運営能力の限界を示していると思います。
このような無責任きわまりない国会運営を助長しておりますのは、政権のトップでいらっしゃいます鳩山総理の言葉の軽さにございます。鳩山総理は、予算委員会や党首討論というこの国会審議の場でみずから約束した資料の提出、四月二十一日の党首討論では、基本的には資料の提出は必要ないとみずから打ち消しました。そして、現在国民が最も関心を寄せております普天間問題につきましても、沖縄県民や徳之島の島民の気持ちをもてあそび、ぶれぶれの発言を垂れ流し続けているわけでございます。もはや鳩山政権は政権末期でございます。
耳を覆いたくなるような日本のトップの発言に、国民はあきれ果てております。政治家の命とも言える言葉を極めて軽いものにおとしめたこの罪は極めて重大と言わざるを得ません。鳩山総理は、みずからの責任を自覚して、進退の決断をすべきであると思います。それがあなたに残された、得意な、最後の政治主導であると提言をさせていただきたいと思います。
鳩山一郎総理は、日ソ国交回復で歴史に名を残しました。鳩山由紀夫総理は、さしずめ事業仕分けでしょう、事業仕分けで耳目を集め、そしてみずから仕分けされ退陣した総理として歴史に名を残すと思います。
川端康成は、「美しい日本の私」として、人間は自然と一体であるという東洋の思想、哲学、これを昇華させて日本人は生き抜いていることを世界に示しました。大江健三郎は、「あいまいな日本の私」として、西洋と東洋の相克に悩みながら、東洋にも西洋にも軸足を置いて、国全体としては大きく発展している姿を世界に示しました。ことし、もしだれかがノーベル文学賞を受賞したら、今の日本を何と表現するでしょうか。迷走する日本の私でしょうか。ルーピーな首相を抱く日本の私でしょうか。期待だけさせて実行力のない政府を抱く日本の私でしょうか。
先ほど、環境影響評価、この法律の趣旨が説明されました。アセスメントは、行政行為、経済行為が及ぼすありとあらゆる影響について、目線を高くして、広範囲、長期にわたってコントロールすることが目的です。しかし、国民の心のアセスメントもできない、そんな総理を抱く政府に、この法律を提出する資格はないというふうに考えております。
普天間基地の代替施設建設事業については、現在、アセス法に基づく評価書手続に係る所要の手続が進められてきております。
ちなみに、これまで手続に要した時間は約二年と八カ月、費用は、平成十八年度から二十年度までの支出ベースで四十六億円、そして平成二十一年度の予算ベースで二十八億円、合計七十四億円とされております。今後、仮に移設先が現在アセス手続中の場所と異なるような事態になった場合には、当然のことながら、別途、新たな労力、時間、費用が必要となるわけでございます。
そこで、まず、これまで普天間基地の代替施設建設事業に係る環境影響評価手続に費やしてきた時間、労力、財政的負担の観点から、混迷の度を深める現下の移設先問題を環境大臣としてどのように受けとめておられるのか、小沢大臣の認識をお伺いしたいと思います。
戦略的環境アセスメントの適用除外についてもお伺いします。
本改正案では、第五十二条第三項におきまして、戦略的環境アセスメント、SEAの適用除外規定が設けられております。そして、本規定に基づく適用除外は、政令で定められることになっております。
本規定は、普天間基地の新たな移設先を念頭に設けられたのではないか、そう勘ぐれないわけではありません。仮に、この規定が恣意的に運用されるようであれば、せっかくのこのSEA導入の法的位置づけも有名無実化するわけでございます。そうした懸念に対して、小沢環境大臣はどのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。
経済と環境の両立、成長戦略についてもお伺いします。
アセスメントの制度が、経済活動に過度の悪影響を及ぼしたり、低炭素社会づくりを推進する上での足かせとなっているようであれば、それは本末転倒と言わざるを得ません。
しかも、鳩山内閣で行われようとしている個別的、具体的な政策は、全体としての脈略や整合性もない上に、戦略性のかけらもない、場当たり的なものと言わざるを得ません。このことは、地球温暖化対策における二五%削減の中期目標がきちんとした裏づけもないまま公表されたこと一つをとっても明らかでございます。
鳩山政権がやろうとしているのは、コンクリートから人へといった耳ざわりのよい美名のもとに、公共事業というだけでやみくもに予算を削るだけのパフォーマンスにすぎません。そのパフォーマンスのツケは、やがては、地域経済を疲弊させ、そして民間活力をそぐ結果を招くことになります。経済と環境の両立はおろか、言っていることとやっていることが真逆の政策ばかり、残念ながら、それが政権発足八カ月の鳩山政権の実態でございます。そうじゃないとおっしゃるなら、環境、経済産業両大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
SEAの柔軟な制度設計の必要性についても御質問させていただきます。
まず、今回の改正案につきまして、戦略的環境アセスメント、いわゆるSEAが導入され、法的に位置づけられることになってございます。EU初め諸外国においてもSEAの導入が進んでおります。そうした流れに歩調を合わせていくことは、日本が環境面において国際社会で対等であるばかりか、それ以上に、リーダーシップを発揮していく上で極めて大切なことであると考えております。
しかしながら、SEAや、今回同時に追加される事後調査の結果の公表の創設といった環境配慮の規定につきまして、小沢環境大臣は、参議院環境委員会で、事業の特性に応じた柔軟な制度とするという旨の答弁をされておりますけれども、柔軟な制度とは具体的にどのようなことなのか、この際、明確に御説明をしていただきたいと思います。
諸外国におけるSEAの導入状況についても御質問させていただきます。
本改正案によって導入されるSEAについては、さきの参議院での議論の中で繰り返し確認されております。参議院では、民間事業の取り組みに対していわゆるSEAが導入されたことは先進国でも例がないといった答弁がなされております。
そこで、諸外国においてSEAを民間事業者に対して導入している例があるのかないのか、改めてその有無についてお答えをいただきたいと思います。
民間事業者に対するSEA導入の背景と必要性についてもお伺いいたします。
今回の改正案では、環境面からの要請というだけで、事業の実施位置や事業の規模等の構想段階におきまして、民間事業者に対して事業の情報の公開を義務づけるというものになってございます。
そこで、本改正案で民間事業者に対してもSEAを導入することとした背景とその必要性について、小沢環境大臣に御説明を求めたいと思います。また、民間事業者に対してもSEAを導入することとした点について、直嶋経済産業大臣の御所見もあわせてお伺いしたいと思います。
SEA導入による効果を定量的に評価、そして提示する必要性があるのではないか。民間事業者のその負担増に見合う効果がどれくらいあるのか、それをある程度定量的に評価できる仕組みがどうしても必要であると考えますけれども、小沢環境大臣の見解をお伺いいたします。
そして、SEAと民間事業者、特に電力事業者との関係についてお伺いいたします。
小沢環境大臣が三月末に示しました中長期ロードマップ試案では、具体的に二〇二〇年までに八基の原子力発電所を新増設するというふうにされております。
そこで、確認いたしますけれども、本改正案のSEAの導入は、民間事業者に過度の負担を強いたり、企業の活力を奪うような制度ではないと環境大臣は果たして断言できるのかどうか。過度の負担とならないような制度設計を行うというのであれば、法改正後ではなく、本案審査中に具体的な制度の方針を示していただきたい。
また、民間事業者である発電所に対してSEAを導入する理由は何か。現行法における制度の不備を補うためにSEAを導入するというのであれば、現行法上での問題を個別具体的な事例を示しながらお答えをいただきたいと思います。
SEA手続を迅速に進める必要性についてもお伺いをいたします。
今回導入されることになりましたSEA、政府答弁によれば、おおむね半年程度の期間が余計にかかるというふうに想定されるとしておりますけれども、事業者にとっては、現在でも二年半から三年をアセス手続に費やしている、さらに半年間も手続に費やすということになります。
このようなコストを負担するのは個々の事業者でございます。日本企業の中には環境配慮に熱心な事業者が数多く存在しますけれども、昨今の経営環境の変化のスピードにはすさまじいものがございます。企業間競争においては、他に先んじて一刻でも早い事業展開が求められますけれども、SEA導入による時間的ロスについて、直嶋経済産業大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
風力発電についてもお伺いをいたします。
小沢環境大臣が三月三十一日に示されました中長期ロードマップ試案におきましては、風力発電は二〇〇五年の導入量に比べて二〇二〇年にその十倍の量を目標にしておりますけれども、SEA導入後の平均的な手続期間だけで三年を要すると言われている中で、この目標を本当に達成できるのか、小沢環境大臣の見解と道筋をお示しいただきたいと思います。
設備更新に対する環境アセスのあり方についてもお伺いをいたします。
現行のアセス手続においては、同じ場所における設備更新、いわゆるリプレースに対して通常のアセス手続と同様の手続が求められております。むしろ、このような事業にこそアセス法の手続を簡略化させるなど、低炭素社会の構築に向け、民間事業者の投資を促進していけるような制度を構築すべきと考えます。
このリプレース事業におけるアセス手続の簡略化の必要性について、小沢環境大臣及び直嶋経済産業大臣の御所見をお伺いして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣小沢鋭仁君登壇〕