赤澤亮正の発言 (本会議)
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○赤澤亮正君 私は、自由民主党・無所属の会の赤澤亮正です。
私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました菅内閣不信任決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。(拍手)
この不信任案は、政権担当の資格と遂行能力を著しく欠いているにもかかわらず、国民の脱小沢の期待感だけで選挙に臨もうとする破廉恥な国民愚弄内閣である菅内閣のみに向けた不信任案ではなく、選挙優先の無責任な政策を反省することなく、党利党略むき出しの国会運営を繰り返す、民主党の政権与党としての資質そのものも問うものでございます。今の政権与党の存在が長引けば長引くほど、我が国が最大不幸社会になることは目に見えております。
まず、決議案を朗読します。
本院は、菅内閣を信任せず。
右決議する。
以下、提案理由の説明をいたします。
正統性なき内閣ということでございます。菅内閣を信任しない第一の理由がこれでございます。
総理の首をすげかえたら衆議院の解散・総選挙により国民の信を問えというのが、今の政府・与党が野党時代に一貫して主張してきたことです。民主党は、過去、政権のたらい回しという言葉で、選挙を経ていない新内閣を攻撃してきました。菅新内閣は、政権のたらい回しにより誕生した、国民の信を得ていない正統性なき内閣ということになります。
菅総理が、衆参同日選を実施しない、参議院選挙で国民の信を問うという考えを明らかにされている以上、菅新内閣は、過去の民主党の主張に照らしても、正統性なき内閣であることは当然であります。
これが菅内閣を信任しない第一の理由です。
本来は、この一事だけをとっても菅内閣不信任案の理由として十分だと考えますが、これ以外にも、主要なものだけに限り、少なく見積もってもなお合計で十の理由があります。
以下、順次御説明いたします。
菅内閣を信任しない第二の理由は、前内閣から引き続く言葉の軽さであります。
政治の世界に生きる我々にとって最も大切な箴言は、論語の信なくば立たずでしょう。改めて説明するまでもなく、政治にとって何より大切なものは、国民との信頼関係だということであります。我々は、このことを肝に銘じて、有言実行、国民への説明責任をしっかりと果たしながら、国民との約束は確実に実行する、みずからの言葉をたがえずに、言ったことはきちんとなし遂げなければなりません。政治家の言葉は重い、綸言汗のごとしとも言われますが、有言実行を通してのみ国民は政治家を信頼し、政治家の言葉も重くなる、そういうものだと思います。
言葉の軽さは、政治家個人にとっても、政党にとっても、政権にとっても致命的なものであり、国民との信頼関係を築き、維持することを不可能にし、確実に政権の崩壊をもたらすという意味で、最大級の菅内閣を信任しない理由となります。言葉の軽さについては、特に丁寧に御説明をさせていただきたいというふうに思います。
昨年夏に政権交代して以降の二人の総理の言葉に、全く重みはありません。
まず、鳩山前総理について申し上げますが、就任演説の「命を守りたい」は、国民に鮮烈な印象を残しました。声も裏返りました。しかしながら、その後の八カ月半で、鳩山前総理に命を守ってもらったと思う国民はどれだけおられるでしょうか。命を守ってもらえないどころか、鳩山前総理の言葉の軽さのために大きな被害をこうむったのは、日本国民だけではありません。トラスト・ミーと言われてうっかり信じた同盟国の国家元首は、手痛い目に遭われました。
オバマ大統領以外にも、鳩山前総理が安全保障の基礎中の基礎である抑止力について一生懸命お勉強している間に、普天間基地移設問題の迷走で傷つけられた関係者は膨大な数に上りました。鳩山前総理が抑止力についてのお勉強の成果を発表されると、約束をほごにされた連立を組む社民党の福島党首は閣僚を辞任するとともに、社民党は連立を離脱されました。
そして、鳩山前総理は、何よりも大切な沖縄県民の理解などと言いながら、我が国のために米軍基地の負担に耐え、戦後の日本の発展を支えてこられた沖縄県民の気持ちを踏みにじり、徳之島関係者の皆様に突然の不安の一撃を見舞ったわけであります。沖縄県民の怒りが臨界点に達するまで直接言葉をかけることもしなかった鳩山前総理は、その後、普天間基地移設問題に命をかけて取り組むと唐突に発言し、沖縄県民は、命をかけて抵抗すると応じられました。どちらの言葉に重みがあるかは歴然としています。
命をかけて取り組むはずだった鳩山前総理は、沖縄県民や徳之島島民の声は全く聞かなかったにもかかわらず、ムクドリならぬヒヨドリに呼ばれると、その声に従い、あっさりと政権を投げ出して去っていきました。
政治と金の問題についての鳩山前総理の言葉の軽さも尋常ではありませんでした。
一体私の知らないところで何が起こっていたのかという発言も、国民にはそらぞらしさのきわみと響きました。きわめつけは、母上からいただいた毎月一千五百万円の子ども手当の使い道などについて、さんざん言を左右にしたあげくに、勝場秘書の裁判が終わり次第すべての資料を整えて説明すると、一たび国会で約束したにもかかわらず、個人のプライバシーにかかわるなどという理由で、この約束もほごにされました。
鳩山前総理から、大切な問題について、トラスト・ミー、信じて待てと言われた人間は裏切られ続けてきました。これでは、政権を維持できなくなることは当然であります。最後はだれからも信頼されず、当然のごとく退場を余儀なくされたわけですが、去り際も、みずからの不徳を恥じることなく、国民が聞く耳を持たなくなったという信じられない暴言を吐いて、政権崩壊の責任を被害者の国民に押しつけました。
最後の最後まで、自分がうそをつき続けたために、政権発足当初、高支持率で信頼を寄せてくださった国民が愛想を尽かした事実さえ認識しない、このような人物をリーダーに選んだ民主党の体質、責任も問われなければなりません。一年で政権がかわるのはけしからぬと他人を批判しながら、自分たちの政権は八カ月半で崩壊した事実、これをしっかりとかみしめるべきであります。
菅総理の言葉の軽さも、前任と何ら変わるところがありません。
政治と金や普天間問題など八カ月半の失政の結果、鳩山政権が崩壊したことについて責任を痛感すると所信を表明しながら、何らの責任もとらないまま総理の座におさまっておられます。副総理や財務大臣として支えるはずの鳩山政権を崩壊させた菅総理の責任を一切問わず、選挙に勝てそうならそれでよしとして流してしまう民主党の体質も異様と言わざるを得ません。今後、国政の重要課題について、責任を痛感するという発言を連発しながら一切責任をとらない菅総理の姿が今から目に浮かびます。
菅新政権発足直後の国民新党との連立合意の中で、郵政法案の国会中の成立を約束したにもかかわらず、わずか数日で約束をほごにして亀井大臣の辞任を招いたことは、まるでデジャブのようであります。公党同士の約束をいとも軽く扱い、政治的破綻を招く言葉の軽さは、先月末に社民党との約束をほごにして、福島党首の辞任を招いた鳩山前総理と一体何が違うのでしょうか。
十年の歴史を誇る自公連立政権当時、自民党と公明党は公党同士の信義を守り、約束違反に抗議しての党代表の辞任などは一切ありませんでした。選挙目当ての野合ではなく、しっかりと政策をすり合わせてから連立を組み、公党同士が言葉を大切にしてきたからこそ、自公連立政権は安定していたわけであります。我々はそのことを誇らしく思います。
昨年夏の政権交代後、総理はかわっても、約束違反による党代表の辞任が繰り返される言葉の軽い今の連立与党とは際立った違いがあることは、あえて申し上げておきます。
菅総理は、過去の自分の発言に苦しめられるという、いわゆるブーメラン効果も鳩山前総理からしっかりと引き継いでいます。
秘書が罪を犯したら政治家本人が辞任するのは、我が党、すなわち民主党では当たり前のことですという趣旨の国会発言や街頭演説を野党時代にさんざん繰り返しておきながら、自分の秘書の罪については、私、鳩山は私利私欲は追求していませんなどという、理由にならない理由でほおかむりを決め込んだ鳩山前総理をやゆする、鳩山バーサス鳩山という動画がインターネット上を駆けめぐったのは記憶に新しいところであります。
菅総理、あなたは、「大臣」という著書の中で、内閣の任期は衆議院議員の任期と連動すべきで、不信任が可決されたときと総理が交代したとき以外、衆議院の解散はやたらとするべきではない、国政の重要な問題点について、主権者たる国民の判断を仰ぐという意味での解散は認められる、したがって、政策的に行き詰まったり、スキャンダルによって総理が内閣総辞職を決めた場合は、与党内で政権をたらい回しにするのではなく、与党は次の総理候補を決めた上で衆議院を解散し、野党も総理候補を決めた上で総選挙に挑むべきだと書いています。
鳩山前総理が、普天間問題という政策的な行き詰まり、そして政治と金のスキャンダルによって交代し、政権の枠組みも変わっているのだから、菅総理の持論に従えば、解散・総選挙を断行するのが当然ではありませんか。
口約束ですらきちんと守るのが政治家に求められるモラルであると思います。ましてや、書き言葉で明言し、それに基づき自公連立政権を批判し続けたあなたが、持論のとおり解散・総選挙を行えないのは、昨年夏の衆議院総選挙ほどには勝てないことがわかっているからでしょう。
菅総理、要するに、あなたにとっては選挙が最優先で、日ごろ語り、したためる主義主張は単なるきれいごとで、都合が悪くなればいつでも破るという体質を露呈しているわけです。国民はあなたの言葉を信じられません。もし参院選で信を問うとおっしゃるとおりであるのならば、もし参院選に負けた場合には潔く退陣されますね。
菅総理、あなたの言葉に少しでも重みがあるのなら、それが当然の帰結であることは覚悟しておいていただきたい。
過去二日間の代表質問に対し、再三にわたり、国会のことは国会がお考えになると答弁した菅総理は、同じ著書の中でこうも書いています。
例えば、与党の代議士に金銭的な疑惑が持ち上がるとする。野党は証人喚問を要求し、国会は委員会審議がストップする。コメントを求められた総理は、国会のことは国会に聞いてくれ、私は政府の人間で、あれこれ言う立場にないと言うであろう。しかし、総理は国会議員でもあり、同時に与党の党首である。自分の党の議員が疑惑を持たれているのであれば、党首として何らかの措置をとるべきだ。三権分立だから、総理は国会に口を出せないと決め込んでいる。しかし、総理は議員の一人であるのだから、国会に対する発言権はある。
まさしく、菅総理、あなたが書いているとおりであります。
野党が長らく要求し続けて、かつ政府・与党から無視され続けている、鳩山前総理、小沢前幹事長、石川、小林両代議士の証人喚問や参考人招致について、菅総理、あなたは、過去に書かれたとおり、党首として何らかの措置をとるべきであり、政治家の言葉の重さを自覚しておられるのであれば、国会のことは国会がお考えになるなどとほおかむりは決してできないはずです。
あなたの言葉は、解散や政治と金という重大な問題についても、余りに軽いのです。
野党時代に主張して、当時の与党を追い詰め、名声を博したきれいごとは、それこそきれいさっぱり忘れ果てて、過去の発言を百八十度転換して保身を図ろうとする、菅総理、あなたの今の姿は見るにたえないという言葉で形容する以外にありません。
現在の菅総理の国会答弁は、野党の質問者を挑発するときだけは身ぶり手ぶりも加えて突然興奮し、それ以外のときはひたすら官僚の作文を棒読みして顔を上げることもほとんどないという、大変情けないものです。鳩山前総理と比べても格段にひどい内容である上、総理の品格などみじんも感じられません。
なるほど、これでは野党が要求している予算委員会の開会に応じたくない菅総理の気持ちもわかると思いましたが、同情の余地はありません。言葉の軽い総理には退陣いただく以外ありません。
以上が、菅内閣を信任しない第二の理由です。
菅内閣を信任しない第三の理由は、七月十一日の参議院選挙の実施最優先の、国民不在、党利党略のみの国会運営です。
菅新政権は、通常国会会期中に民主党の都合で政権が突然交代したにもかかわらず、現在、予算委員会も一切開会しないで国会を閉じようとしています。
これまで会期中に首相が交代したときは、必ず予算委員会を衆議院、参議院、それぞれ三日ずつ開いて、新内閣の考え方を国会で国民に対し明らかにしてきました。
今回は、当初、民主党側から衆参各一日ずつの予算委の開会を提案しておきながら、野党側が慣例に従い衆参三日ずつを逆提案したところ、与党側は一方的に予算委を開会しないとの通告を行ってきたものです。
あげくの果てに、菅総理は、衆議院における代表質問の答弁の冒頭、野党が予算委の開会の提案を断ったから予算委を開かずに国会を閉じるのだという趣旨の信じられないうそをつきました。野党側は、衆参一日ずつの予算委では足りないから三日ずつにしてほしいと対案を申し入れたのであって、これを受けて与党側が、当初衆参一日ずつの予算委を提案しておきながら、野党側が衆参三日ずつという対案を出すなら衆参ともゼロ日にする、すなわち予算委を開会しないというのは、常軌を逸した不誠実な対応です。
そこには、少しでも国会審議を充実させて国民への説明責任を果たそう、参院選前に政府・与党の考え方を少しでも明らかにして国民の審判を仰ごうという姿勢は全く見られません。
菅総理は、代表質問への答弁の中で、衆議院を解散しない理由として、参議院選挙で国民の審判を問えば足るという趣旨の答弁を繰り返しています。
しかしながら、予算委員会も開会せず、今や詐欺の代名詞となったマニフェストのどこを撤回するのかなどの重大な政府・与党の政策の選択について、ほとんど、全くと言っていいほど判断材料を与えられずに、国民は一体どうやって審判を下せるのでしょうか。国民に無理を強い、事実上の白紙委任を求める、このような政治姿勢は、民主主義社会において決して許されることのない、言語道断なものであり、極めて遺憾なことです。
選挙目当ての国会運営により、強行採決までして一院を通過させながら成立しなかった法案も枚挙にいとまがありません。いわゆる国家公務員制度改革法案、放送法等改正法案、郵政民営化見直し法案、地球温暖化対策基本法案、国会法改正法案、政治主導確立法案、地域主権関連三法案、高速道路無料化法案、インターネット利用選挙解禁法案などなどです。鳩山前総理が政権を投げ出すことがなければ政治空白は生じず、成立していただろう法案の数々であります。
多くの国民の期待を無視した、選挙優先、政策無視の暴挙と言わざるを得ません。政策よりも選挙、国益よりも党利党略の無責任は、責任放棄の国会運営を行う今の政府・与党を信任できるはずがありません。
以上が、菅内閣を信任しない第三の理由です。
菅内閣を信任しない第四の理由は、脱小沢の欺瞞にあります。
小沢前幹事長が辞任し、菅総理は、小沢幹事長はしばらく静かにと発言をし、脱小沢の立場を鮮明にしたとして一時的に国民の支持を集めていますが、長続きしないでしょう。というのも、小沢氏にかわって、その側近中の側近である民主党の輿石東参院議員会長が実権を譲り受けただけだからであります。
現在、輿石会長を七月の参院選で勝たせることを最優先にして、与党のすべての国会運営が行われています。鳩山前政権当時、敗北必至と報道されていた山梨選挙区の民主党公認候補輿石会長は、鳩山退陣で息を吹き返しました。現時点では、輿石有利とする報道機関の予想が出ています。これが、民主党が特に菅政権誕生後に政治と金の疑惑などから逃げ回り、逃げ切るために予算委も開かないまま国会を会期延長せずに閉じようとする事実上の最大の理由であります。
落選を覚悟し、瀕死の状態にあった輿石会長は、現在、降ってわいた有利な状況を少しでも変えないよう、変わる前に参院選に突入できるようということしか考えていません。菅新政権誕生後の御祝儀相場のうちに参院選に突入したいという発想と、政治と金の問題などを追及されると御祝儀相場が一瞬で冷めてしまうので逃げ回るという行動原理です。国益や政策に一切思いをいたさず、強行採決までした法案を多数廃案にし、今や党利党略以前の自分の延命、私利私略に血道を上げているのが現在の輿石会長であります。
恐るべきことに、現在、菅総理は、この輿石会長の言いなりなのです。
既に言葉の軽さの例として挙げましたが、菅総理は、就任直後、国民新党との連立合意で、今国会中の郵政法案の成立を約束したにもかかわらず、輿石会長の了解が得られないとあっさり数日後に撤回し、同法案は廃案となりました。これを受けて、国民新党代表の亀井大臣は辞任しました。今国会で郵政法案を成立させるためにはどうしても国会の会期延長が必要ですが、この選択肢は、輿石会長の私利私略に反するということであっさりと葬り去られたということであります。
たとえ、強行採決してまで衆議院を通過させた郵政法案であっても、同法案を今国会で成立させると菅新総理が高らかに宣言したとしても、輿石会長の一言でつぶれてしまうということであります。これでは、鳩山前総理を小沢前幹事長が操縦していたように、菅新総理を輿石会長が操縦しているだけのことであります。そして、輿石会長は小沢氏の側近中の側近であることに思いをいたせば、菅新政権の一体どこが脱小沢なのでしょうか。我々は、菅新総理と輿石会長がそろって身を引いていただくことが国家国民のためになると確信をしております。
以上が、菅内閣を信任しない第四の理由であります。
菅内閣を信任しない第五の理由は、政治と金の問題についての不適切な対応、身内への甘さであります。
民主党は、政権交代後一貫して、政治と金について、自民党よりも身内に甘い体質を露呈しています。菅新政権後に、荒井大臣、蓮舫大臣、川端大臣の事務所費の疑惑が大きくクローズアップされました。同様の問題は自民党政権当時にもあったわけですが、事務所費の疑惑を指摘されながら、領収書を公開しなかった大臣は、いずれも閣僚を辞任するなど、その職にとどまることはできませんでした。指摘を受けて、実際に一円以上の領収書をすべて公開した自民党の大臣もおります。
これらの対応と比べて、民主党の身内に対する甘さは際立っております。
特に、荒井聰大臣の事務所費について、民主党は、過去三年分の領収書を公開したと強弁するとともに、党の細野豪志幹事長代理が、架空、違法な支出はないと断言しました。しかしながら、まことに驚くべきことに、この領収書には漫画、衣服、下着、マッサージ治療費など、政治活動とは関係のない多くの支出が含まれていました。
細野幹事長代理が、領収書を見てもらえば支出実態があったことが確認できると説明する一方で、荒井聰大臣は、多忙をきわめる女性秘書が息抜きのため自費で漫画を購入し、そのレシートが混入していたと発言しており、公開した領収書が実際の支出と違うことを認めています。
そもそも、身内の調査の信憑性を国民が認めるはずもありませんし、会計書類の提出や説明を逃げながら、民主党の大臣のケースは自民党の大臣のケースと違うから問題ないなどと言い逃れようとすることこそが、身内に大甘な体質を如実に示しています。案の定、民主党の内部調査は全く信用できないものであることが白日のもとにさらされたわけです。大醜態であります。
大臣本人でもないのに、大臣は就任したばかりで政務で多忙だからというとんでもない理由で、根拠もなく身内をかばい、国民の目を欺こうとした細野幹事長代理の責任も、そのような対応を許した民主党の責任も当然問われなければなりません。もし、政治と金の疑惑を指摘されながら、政務多忙を理由に国民への説明ができない大臣がいたとすれば、直ちに辞任すべきです。国民をばかにするにもほどがあります。
そして、何よりも、事務所費の疑惑を指摘された閣僚は、直ちに二つのこと、すなわち、領収書の公開と、本人による誠意ある説明を行わなければならないことを、現閣僚一人一人が、そして閣僚の任命責任を負っている菅総理は肝に銘じるべきです。
民主党が公開と強弁するところの、一部のマスコミ関係者だけに対する、コピーも認められないわずか二時間の領収書の閲覧では、一般国民の疑いは一切晴れないばかりか、すべての領収書の合計額も算出しようがなく、支出された事務所費の金額と比べて、領収書が大幅に足りないのではないか、それこそ何百万円分も欠けているのではないかという合理的な疑いがいまだに全く払拭されていません。
荒井大臣が、女性の下着を買っていたことを国民にわびたから済むような単純な問題では全くないのです。領収書を公開しなかった自民党の大臣は、いずれも職にとどまることができなかったと、繰り返しはっきり申し上げておきます。今のままでは、政府・与党の政治と金の対応は、自民党政権当時よりもはるかに劣るということを明言しておきます。もし、閣僚が領収書の公開を拒むのであれば、菅総理は直ちに罷免すべきであります。
荒井大臣の後援会には、国民の税金が原資である政党交付金が、民主党本部から政党支部を通じて流入しています。菅総理が、そして民主党が政治と金に関してクリーンな政治を掲げるのであれば、荒井大臣は、速やかに会計帳簿、領収書など一切の会計資料を公開し、事務所費の使途などの諸問題について誠意ある説明を行うべきであり、それができないのであれば、直ちに辞職すべきです。
なお、荒井大臣は、代表質問に対する答弁の中で、繰り返し、現在、監査法人や弁護士による領収書などの精査中と説明していますが、それにより、直ちに会計資料を公開し、誠意ある説明を行う閣僚の責務を免れられるはずもありません。同様の説明を行いつつ疑惑の追及から逃げ回った鳩山前総理が、結局、何の資料も提出せず、何の説明もしないまま国民への説明責任を果たさずに逃げ切ろうとしている例は記憶に新しいところです。荒井大臣は、この例に倣って疑惑から逃げ切ろうとしている疑いが極めて濃厚と言わざるを得ません。
荒井大臣は、国民に対する政治と金の疑惑に関する説明責任を果たさず、また、民主党は、政治と金の真相究明に全く後ろ向きで、野党が求める予算委員会での審議、証人喚問等に一切応じようとしないまま国会を閉じようとしています。
政治腐敗根絶と政治倫理向上のため、このようなことは断じて許されません。
思えば、民主党の政治と金の問題に関する身内への甘さは、そもそも鈴木宗男外務委員長就任当時から明らかでありました。
野党側が、賄賂に関する罪で一審、二審とも有罪の判決を受けて上告中の刑事被告人なので、委員会を代表して円滑かつ公平な運営に携わる役職にふさわしくないと反発したにもかかわらず、与党側は、推定無罪の原則を盾に譲りませんでした。仮に禁錮以上の有罪が最高裁で確定すれば失職することとなる同委員長の就任は、やはりガバナンス上、大きな問題があると言わざるを得ません。
民主党には、そして今の政府・与党には、法令的にも、道義的にも、政治が越えてはならない一線を守るという意識が余りにも希薄であります。自民党政権当時は、起訴されなくても、逮捕された時点で議員を辞職するのが例であり、あえて言わせていただけば、その当時の野党の民主党もそのような対応をしていました。起訴されて有罪判決が出てもなお自民党の議員の職にとどまっている例はないものと私は承知をしております。自民党内の自浄作用が働いていた結果です。たとえ推定無罪の原則があっても、道義的に、法令的に政治が越えてはならない一線を自民党は自覚していたと思います。政権交代後、このような慣例が真っ向から破られたことは極めて遺憾であります。
その後、国民の約七割、八割の声を受けて、野党が一貫して、鳩山前総理、小沢前幹事長、石川、小林両代議士の証人喚問や参考人招致を求め、石川、小林両代議士の議員辞職勧告決議案の採決を申し入れてきたにもかかわらず、与党は、この国民の七割から八割の声を完全に無視しました。松本議院運営委員長が、議員辞職勧告決議案は適時適切な時期に採決をすると確約したにもかかわらずの暴挙であります。民主党は、政治と金の問題を国民の目の届かないところでこそこそと封じ込めてしまおうという意図がありありとしております。ここにも民主党の身内に甘い体質が露呈しています。
脱小沢と言いながら、小沢前幹事長とその秘書であった石川議員が特別扱いを受けているのも大きな問題です。小林議員は、鳩山前総理の辞任表明時に、名指しで議員辞職を求められ、鳩山前総理も次の衆院選には出ないと明言されていますが、小沢前幹事長とその秘書であった石川議員は、辞職を求められていないと承知をしております。なぜ小沢グループには復権の余地を残すのですか。ひょっとして、党代表に選ばれた際の小沢幹事長はしばらく静かにという発言は、この特別扱いと符合しているのですか。
菅総理、まだ業績もないあなたを国民が支持しているのは、脱小沢の期待の一点であります。あなたは国民のこの期待にこたえなければなりません。党の代表として、あなたが堂々と小沢前幹事長及び小沢グループの石川代議士にも議員辞職を求め、かつ証人喚問を受けるよう強く勧めてこそ、国民は菅総理の脱小沢の決意を確信するはずであります。
にもかかわらず、あなたは、この点でも一定のけじめはついたと言って、小沢前幹事長の復権の余地を残すことに固執をされておられます。これでは、国民は、あなたの政治と金の問題を一掃するという決意も、小沢前幹事長と完全にたもとを分かつという決意も感じることができません。
繰り返しになりますが、菅総理、あなたが小沢前幹事長の証人喚問と議員辞職を求めることこそが、脱小沢の試金石であります。国民の脱小沢の期待にかんがみれば、このテストにたえない菅総理、あなたを信任することは到底できません。
以上が、菅内閣を信任しない第五の理由であります。
菅内閣を信任しない第六の理由は、民主党の政権担当能力の欠如であります。
これまで、国政上の重要課題について、自民党政権や自公連立政権の到達点を無視して、民主党の能力を過信し、無謀にもゼロからスタートして破綻することの繰り返しであります。
国政の重要課題といえば、外交・安全保障、経済財政、危機管理などが思い浮かびますが、そのいずれの分野でも、今の政府・与党が当初打つ政策よりも自民党政権当時の政策の方が正しいことが次々に証明されています。
まず、外交・安全保障分野の目下の最大懸案である普天間問題については、改めて申し上げるまでもないでしょう。
八カ月の迷走により、沖縄県民、徳之島島民、社民党、日米関係に多大な不義理を働きながら最終的に到達した地点は、自民党案そのものでした。今の政府・与党としては何とかして自民党案と違うと強弁したいでしょうが、ただただ見苦しいだけです。
次に、経済財政分野の目下の最大懸案は財源問題です。
政権交代までの間、民主党は、無駄を省けば財源は何十兆円でもすぐに出てくるから消費税を上げる必要はないと主張しました。この主張は、国民にとって大変魅力的に映り、政権交代実現の大きな要因の一つになりました。
一方、自民党は、政権交代前から愚直に消費税率の引き上げの必要性を主張し続けて選挙に大敗しましたが、今から思えば、選挙にとって不利になるとわかっていながら、自民党は勇気と真心で国民に真実を語っていたのだなと理解してくださる国民も多いはずです。結果は自民党の正しさが証明されたからです。
言葉の軽い菅総理は、所信表明演説において、超党派で消費税率引き上げを含む税制抜本改革の話し合いをすることを野党に呼びかけました。さも自分の提案であるかのように話す菅総理の姿を目の当たりにして、私は怒りを通り越して半ば笑ってしまいました。与野党で消費税率引き上げなどの話し合いを行うことは、既に二月の党首討論で谷垣総裁から鳩山前総理に申し入れて断られたものであります。
鳩山前総理が退陣し、その後を継いだ菅総理が、来年の予算編成もおぼつかない状況の中で、やむにやまれず超党派の取り組みを野党に呼びかけたい気持ちはわからないではないですが、それであれば、公党間の仁義としても、政治家個人の信義則としても、これまでの政策の誤りを潔く認めた上で、既に自民党が提出している財政健全化法案の内容の検討から着手するのが筋でしょう。幾ら何でも言葉が軽過ぎます。
以上のとおり、外交・安全保障と経済財政という国政の二大分野の、それぞれ目下最大の懸案である普天間問題と財政再建問題について、民主党は、これまでの主張を捨てざるを得ず、自民党案を丸のみせざるを得ない状況に追い込まれております。
さらに、国政のもう一つの分野においても同様の事態が起きております。それは、危機管理分野であり、口蹄疫への対応の問題であります。
四月二十日に第一例目の疑似患畜が確認されてから、自民党は、直ちに対応を開始し、幾度にもわたり政府・与党に提言を行いました。
口蹄疫の恐ろしさを知り尽くしている自民党は、十年前に発生した口蹄疫を七百四十頭の殺処分で封じ込めて世界的に絶賛されたそのノウハウを余すことなく政府・与党に伝えようと全力を挙げました。しかしながら、今の政府・与党の反応は、口蹄疫の恐ろしさも十分に認識しておらず、そして何よりも、自民党の提言は聞きたくないという態度がありありでした。そうでなければ、自民党の提言を直ちに実施したはずであります。
自民党の提言の具体的内容には、予防的全頭殺処分を行うこと、現地対策本部を設置すること、直ちに自衛隊の出動を求めること、一般車両の消毒も行うこと、被害に遭われた農家の補償や再生産開始のための財政支援を行うための十分な予算の確保などが含まれておりましたが、いずれも即日行われることはありませんでした。
特に重要な予防的全頭殺処分と現地対策本部の設置に至っては、実現したのは、自民党が提言してから約一カ月後のことでした。そのころには、初期に口蹄疫を封じ込めることは手おくれ、不可能となっており、その後、自民党政権の殺処分頭数である七百四十頭の数百倍の家畜の殺処分を余儀なくされました。まさに人災であります。
菅総理、あなたは、自分が手塩にかけて育てた家畜が殺処分をされ埋却されるときに、自分も一緒に埋めてくれと言う畜産農家の気持ちがわかりますか。
さらに、その後、自民党の案を丸のみして口蹄疫対策特措法を制定しましたが、いまだにその法案が求める予算措置はできていません。ここにおいても政権の責任は明らかであります。今の政府・与党に危機管理の能力は全くないということであります。現地対策本部長として責任を果たせなかった山田当時の副大臣が幾ら大臣に昇格しても、全く危機管理に期待はできません。
民主党の皆様、菅内閣の閣僚の皆様は、事実から虚心坦懐に学んでいただきたいと思います。外交・安全保障の目下の最大懸案である普天間問題、経済財政分野の目下の最大懸案である財政再建、危機管理の目下の最大懸案である口蹄疫対策についても、皆様が取り組みを進めると、最後はすべて自民党案に収束するではありませんか。
皆様の重要な業績は、公務員の税金の無駄遣いを指摘する事業仕分け以外、本当に何もないのではありませんか。これこそ、今の政府・与党の政権担当能力のなさを如実に示しているものはないと思います。
以上が、菅内閣を信任しない第六の理由であります。
菅内閣を信任しない第七の理由は、法令的にも道義的にも政治が越えてはならない一線を守るという意識が決定的に欠如していることであります。
習近平国家副主席が中国から来日した際に、天皇陛下の三十日ルールを破りました。
また、政治と金の問題についての捜査に関して、検察批判をするグループが民主党内に次々と立ち上がりました。
選挙目当ての外国人地方参政権付与法案についても、いまだに将来の不安は消えません。在日外国人の皆様に子ども手当を差し上げて、地方参政権も付与すれば選挙に勝てるだろうという、選挙目当てのとんでもない政治行動であります。
菅内閣が、そして民主党が、法令的にも、道義的にも、政治が越えてはならない一線を守るという意識が決定的に欠如した体質をしていることは明らかであります。
以上が、菅内閣を信任しない第七の理由です。
菅内閣を信任しない第八の理由は、マニフェスト違反と政務三役が説明しない事業仕分けの欺瞞です。
マニフェストは、もはやだれも信じていません。本来、マニフェストは、しっかりとした財源の裏づけのある政策しか書いてはならないというのが本国イギリスでのルールであります。サッチャー当時の首相は、何度も、マニフェストの命は財源であると話されております。財源の裏づけのあるものしか記入できないマニフェストだからこそ、財政規律を守る大事な政治ツールとして機能できるわけであります。そして、マニフェストに書いてある政策しか言ってはならない選挙に意味が生じるわけであります。
しかしながら、今や、本来財政規律を守るためのマニフェストが、財源の裏づけのないばらまき政策を選挙目当てで行うための免罪符と化し、財政規律にとっての最大の脅威となっています。
全く制度の当初の目的とは正反対の事態を招いているのは、民主党の責任であります。直ちにマニフェストを撤回して、国民に謝罪の上、政策上の選択肢を再度示してから、衆議院を解散して国民に信を問うべきであります。
また、政治主導が本当ならば、事業仕分けに政務三役に出てきていただきたいと思います。現在は、ごくたまに大臣政務官が参加しているだけです。その数はどんどん減っていっております。政治主導と言いながら、国民への最も大切な説明責任、税金を使う必要性の説明について官僚任せなのは本当におかしいではないですか。
本当に政治主導を実行するというのであれば、もはや聖域でも何でもなくなったマニフェストの目玉施策の実施に反対する国民の代表も仕分け人に加えて、民主党の誇るスター閣僚が実施の必要性を説く真の政治主導と呼べる事業仕分けを見せてほしいと思います。例えば、国民の反対の多い子ども手当の必要性について、ぜひとも長妻大臣に説明していただきたい。そのようなイメージの、国民が本当に求める、国民の期待する事業仕分けをどうかやっていただけないでしょうか。これこそ、国民の期待するところだと思います。
菅総理は、このような事業仕分けの政治主導とはかけ離れた実態を放置しつつ、かつ、政治家と官僚は役割分担が大事だとおっしゃいますが、事業仕分けにおいては、都合により自分たち政治家の役割を官僚に押しつけているだけのことではないですか。このような政治主導のかけ声倒れの内閣を信任することは到底できません。
以上が、菅内閣を信任しない第八の理由であります。
菅内閣を信任しない第九の理由は、最小不幸社会という考え方が、国民の一部の利益しか代表しないものであり、かつ、今の日本株式会社は、取締役である閣僚に労働組合の意向を受けて動く者が多過ぎるからであります。
最小不幸社会という考え方は、非常に後ろ向きで、国のリーダーとして採用すべきものではない上、野党時代からおつき合いしてきた国民の一部を念頭に置いていることが明らかであります。そこには、大企業や公務員、さらには自民党関係者など、今の政府・与党から幸せという烙印を押された国民のグループとは没交渉で、これらの幸せと烙印を押されたグループは基本的に無視するという今の政府・与党の姿勢が浮かび上がってまいります。
最小不幸社会という発想には欠けるところがあります。そこには、不幸な人ももちろん幸せにするが、幸せな人ももっと幸せにするという最大多数の最大幸福、ただし最大多数に漏れた国民へも最大の配慮をするという、国民全体の利益の実現を目指す政治にあるべき意識がうかがえません。このことは、今の政府・与党がいわゆるお友達ばかりを優遇してきたことからも明らかであります。
さらに、今の内閣には労働組合の影響下にある閣僚が多過ぎるため、日本株式会社の取締役である閣僚が、取締役会に相当する閣議において、日本株式会社の成長や売り上げの増加を論じるよりも、手当の話ばかりするという事態に陥っております。取締役会に労働組合代表を多く参加させ過ぎれば当然起こるであろうことが起きているだけであります。
労働組合代表の議員を多く抱え、労働組合から経済的支援を受けている民主党が政権与党である限り、この体質を変えることは不可能と思えます。
以上が、菅内閣を信任しない第九の理由であります。
菅内閣を信任しない第十の理由は、菅総理に国家国民を守る気概を期待できないということであります。
拉致問題の実行犯である辛光洙の助命嘆願書に署名した菅首相に、国家国民を守る気概など一切期待できません。菅総理、あなたは拉致被害者とその家族の皆様の気持ちを考えたことがあるのですか。このことは一切多言を要しないと思います。
以上が、菅内閣を信任しない第十の理由であります。(発言する者あり)