菅直人の発言 (財政金融委員会)
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○国務大臣(菅直人君) じゃ、私が。実は四十年前に私が最初に取り組んだ市民運動がよりよい住まいを求める市民の会という、実はこの市街化、いわゆる農地の宅地並み課税を、当時、自民党から共産党まで全部反対する中で、市民運動の立場ですが、やっぱり住宅を安くサラリーマンが入手するにはしっかりやった方がいいんじゃないかという運動をやったものですから、実はもう古い話まで全部頭の中に思い出しております。それを全部言うと三時間ぐらい掛かりますので、二、三分にとどめたいと思いますが。
つまりは、日本の土地政策の大失敗が私は根底にあると思います。ドイツなどでは、ここは畑とか緑というのは完全に守られます。その代わりここは住宅を造っていい。それは都市計画が非常にしっかりしていますから、自治体のいわゆる地区詳細計画で決められるわけです。しかし、日本の場合は、基本的には土地所有者が自分の土地をどう使ってもいいというのが原則でありまして、例外的にこれはこうしちゃいけない、あれはああしちゃいけないと。
そこで、一九七〇年代の初めに、今言われたように市街化区域という制度を導入して、ある意味では、農業に使うところと、それから都市的利用するところをちゃんと区分しようと。これは下水道など、私の選挙区の三多摩は典型的ですが、下水道などを引く上で、スプロールが広がると下水道を一キロ引いても、家が極端に言うと十軒しかないと。これじゃ困るので、やっぱり駅前のある範囲内はもう十年以内に道路や下水道を全部整備する、そこは市街化区域という形で位置付けよう、それから外は市街化調整区域なり一般農地で保全しようと、そういう建前でやったわけですが、御存じのように、最初のうちは農業をするためには市街化区域内に入らないという動きもあったんですが、市街化区域内に入らないと宅地転用がしにくいということで、猛烈に市街化区域内に入ってしまったんですね。ですから、その辺りからして、実は非常に根源的な矛盾が起きてしまって、約四十年が経過してしまいました。
私も、原理的にはドイツのようなしっかりした都市計画の下でやるべきだと思っていますが、四十年たった今日の段階で今からどうするかというときには、今もう人口増も止まりましたし、あるいは都市への流入も止まりつつありますので、これからはいろんな経緯の中で残った農地はしっかりと守っていかなきゃいけない、このように考えております。これは考え方を変えたというよりも、四十年前の失敗が、あれこれ言うともう長くなり過ぎますからほどほどにしますが、実は土地バブルを招いたのもこういう、一般的に保有税をめちゃくちゃ安くして、そのために地価税なども導入したんですけれども、間に合わなかったんですけれども、日本の土地バブルが起きたのはそういう背景があります。
それから、今、大門さん御存じだと思いますが、農地については収益還元価格で固定資産税も相続税も評価していました。だから、三多摩で坪十万、五十万するところが収益還元価格だと相続税で一反でたしか八百円ぐらいじゃなかったでしょうか、相続税で言って。ですから、そういうふうに収益還元で見るのか、いわゆる売買価格で見るのかで、元々何百倍という差が特に大都市においてはあったということも御存じだと思います。
余り長くなってはいけませんので、今の状況の中で私が考えますと、やはりその農地というものをいかにして緑地として、あるいは防災的な観点も含め、さらには都市に新鮮な野菜を供給する、そういう意味を含めてどのように位置付け直すかということが今改めて問われている段階だと思います。
そういう意味では、市街化区域に入りますと、もう今は、建設省、つまり国土交通省の管轄に入って農水省の管轄から事実上外れておりますけれども、もう一度、今日は農水省も国土交通省も来られていますから、そういう皆さんがいろいろ協議をされて、そういう都市に住む人たちと、そして都市で農地を耕している人たちとの合意ができる新しい形を見出す中で、そういう中では、場合によっては財務省という立場といいましょうか、税制という立場でもそれに見合った税制の在り方を考え直さなきゃいけないのかなと、こんなふうに思っております。