中村寿美子の発言 (少子高齢化・共生社会に関する調査会)

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○参考人(中村寿美子君) 中村寿美子でございます。
 説明に入る前に少しお時間、自己紹介をさせていただきたいと思います。
 私は、現在は三菱商事の子会社で山手線田町の駅前で介護情報館、どういう方が相談に見えるのかというと、有料老人ホームを探している方、あるいは御家族が介護が始まってどうしたらいいか分からないという方に来ていただいて、いろいろ御相談をしております。
 私は、専門は有料老人ホームでございますが、実は十三年前に有料老人ホームを経営する四人の社長さんに頼まれまして、相談するところがないからやってくれないかと。そして、東銀座、歌舞伎座のすぐ横の小さな事務所で一人で始めたんですね。
 十三年前に一人で始めたのが、相談者がどんどんどんどん増えまして、そして今現在は五名の相談員で相談を受けております。一年間で大体、まあいろいろ波はございますが、八百名ぐらいの方が御相談に来ています。実は十三年前に始めたときと今はちょっと組織が変わりまして、現在の田町に来て五年目になるんですが、今、御相談者の累計が三千六百名ということになっています。
 本当に日本は高齢者が相談に行くところがないんですね。そこがまず一番の問題点かなと思って、後で提案事項の中に入れさせていただいております。
 それでは、レジュメを基に説明をさせていただきます。
 一ページ目の介護サービスの種類。今日御出席の先生方はもう介護保険のことは多分御存じだと思いますけれども、念のためにお話をさせていただきます。
 このページに書いてあるのが、実は介護保険で現在行われているサービスの種類、一番から六番までを区分ごとにまとめたものでございます。今、全国ではこの事業者数が三十二万四千九百六十一件ございます。ここに一から六まであるうち、一と二は五年前の一回目の法律改正でできたサービスでございます。ですから、十年前に介護保険の制度が始まったときにできたのは三、四、五、六なんですね。
 介護保険、大別しますと施設サービスと在宅サービスですね。多くの方が施設サービスを望むので、御存じのように特養待機者四十二万人というのが絶えず新聞報道でなされているところでございます。
 その施設サービスは、このページでいきますと五番でございます。特養、老健、介護療養型病床群。そして、この三番目のいわゆる老人病院でございますけれども、こちらが、自民党のときは二年後で介護保険のベッドは廃止となっておりましたが、今度民主党さんになってそれは撤回するということでございますが、じゃ、どういうふうになるのかという具体的な案はまだ見えていません。そういう状況でございます。
 六番のその他。福祉用具のレンタル、これは福祉用具を借りても一割で借りられるよと。それから住宅改修、手すりを付けたり、改修が一回だけ二十万円まで使えるよというのがございます。
 その次に特定施設と書いてあります。これは多分御存じない先生方がたくさんいらっしゃると思いますが、介護保険の法律の中に特定施設という項目がございまして、種類は五種類、一般型特定とか予防型特定とか外部サービス利用型特定とか五種類あるんですが、要は介護保険の事業所指定を受けているものでございます。ほとんどが有料老人ホーム、介護付有料老人ホームのことを言います。次がケアハウス。そして、最近出てきたのが、高齢者賃貸住宅の適合高専賃というのもこの特定施設に入るんですね。
 次のページで二ページにわたって、じゃ、現在の高齢者の住まいってどうなっているのというのをアウトラインだけお話しさせていただきます。
 まず、これを全部理解している方というのは、日本の高齢者、ほとんどいないんですね。実は私は、今高齢者の住まいって十三種類もあるのよ、多くの方が十年後、介護が始まったらどこかでお世話になるんだから、十三種類あるということだけでも知っておいてねということで、毎月、消費者センターあるいは行政あるいは民間の金融さんのセミナーで講師をしてまいります。多くの方が参加したいといってキャンセル待ちという状況でございます。
 簡単に御説明しますと、一番が私の専門の有料老人ホームでございます。この有料老人ホーム、厚生労働省の管轄で、老人福祉法二十九条できちっと法律に定義付けられておりますんですが、いろいろやはりクレームが多かったりするわけなんですね。
 じゃ、何でクレームがあるのというのは、実は有料老人ホームというのは利用権で一時金というのがあるんですね。その一時金が本当に玉石混交で、百万円から五億二千九百万と物すごく幅がございます。その一時金の返ってくるはずのお金が返ってこないよ、あるいは全然返ってこないよ、あるいは思ったより少ないよというクレームがほとんどなわけですね。
 それは、調べると間違ってはいないんですね。なぜかというと、一時金、例えば一千万なら一千万に対して償却内容というのが各ホーム違うんですね。その償却は二つございまして、一つが初期償却というのがあります。二つ目が償却年数というのがございます。その初期償却も償却年数も、老人福祉法でも介護保険法でも決まっていないので、民主主義の世の中ですから経営者が決めるわけです。そこに問題がございまして、私は理想的には一五%から二〇%、まあ民間がやるんだから三〇%までは無理ないなと思うんですが、何と七〇%というところもあるんですね。
 その初期償却って、じゃ、どういう性格のものかというと、入居したその日にホームの収入になる割合でございます。それを初期償却といって、二〇%、三〇%、五〇%としているんですね。そういうことがまず知られていない。
 実は、二〇〇八年、アエラのムック版「選ぶ介護」、これは私が監修しているんですが、このとき初めて、ここで八百四十のホームの償却内容を情報開示したんですね。要は、本当に情報開示ができていない業界でございます。
 ちょっとレジュメに戻っていただいて、次の二、三、四、これは国土交通省なんですね。特にこの二番の高齢者専用賃貸住宅、これがこれから増えてまいります。これもまた消費者が、ああ、だまされたと思ってクレームが出てくるだろうなという心配があるわけです。これは後でちょっと御説明します。
 そして、五番、生活支援ハウス。これはもう福祉の方で、福祉事務所です。
 六、七、八が三つ合わせて軽費老人ホーム。こちらも厚生労働省ですが、もう国はお金がないので増えません。
 次のページに行って、養護老人ホーム。これは年齢も介護保険も関係なく、昔からあるいわゆる老人ホームでございます。
 それから十番、認知症グループホーム。これも今全国でもう一万二百五十件、増えてはおりますが、厚生労働省が総量規制を掛けている関係でなかなか思うように増えない、そして入りたくても入れない人が待っているという状態です。
 次の十一、十二、十三、これがさっき申し上げた施設サービスになるわけでございますね。
 ということで、こんなに、十三種類もホームがあるんだよ、仕組みはあるんだよということはほとんどの方が御存じない。
 その次の四ページに行っていただいて、じゃ、これから増えてくる高専賃、高齢者専用賃貸住宅と今まである介護付有料老人ホーム、どう違うのと。同じ特定施設でありながら、こんなに違うわけでございます。
 まず、権利が違う。それから、管轄しているお役所が違う。認可が必要なものと全く必要ないもの。サービスの中身も違う。手続も違う。保証人が要る要らない。もう本当に違うんですね。
 実は、今年の二月一日に、浅草の浅草寺の横にも大手さんがこの高専賃を造りました。一時金がないから気軽に皆さん御利用にはなりますけれども、外廊下なんですね。ですから、雪が降ったら寒い。それから、有料老人ホームにはリズムセンサーというのがあるので、十二時間水を使わない、あるいはトイレに行かないと自動的に職員が駆け付けてくれるというシステムがあるんですが、高専賃はそれが付いていないので、結局普通のマンション、ただ賃貸だよ、断られないよというだけであって、結局孤独死の心配もあるわけですね。
 ところが、有料老人ホームも高専賃も両方ともそうなんですけれども、どうしても営業マンはいいことしか言わない、説明が十分でないので、それでクレームが多い。そこをきちっと説明している人は、じゃ、一体いるのというと、現在はいない状況なんですね。
 それで、その次のページに行きまして、有料老人ホームに入居する高齢者の背景、じゃ、どんな人が有料老人ホームに行っているのと。
 そもそも今、有料老人ホームってどのぐらいあるのということなんですが、実はもう現在、全国で四千六百二十三件も有料老人ホームございます。これが、介護保険が始まった年、二〇〇〇年ですよね、二〇〇〇年はたった二百七十八件です。そして、一年ごとに百件、二百件、三百件と増えていって、二〇一〇年で四千六百二十三件。
 これはますます増えます。なぜかというと、在宅サービスの中のサービスなんですね。施設サービスじゃないんですね。在宅サービスはこれからも厚生労働省がどんどん増やしますので、有料老人ホームはどんどん増えていくわけです。
 ここで、自立の人はちょっとおいておいて、介護専用型、真ん中ですね、に入居する高齢者の背景というところで、在宅介護に限界を感じて入居。結局もうせっぱ詰まって、家族が入院しちゃう、あるいは認知症の進行が進んでしまって問題行動、包丁を振り回して、一緒に暮らしていられないといって家族が逃げてきたとか、もう本当に悲惨な状況でございます。
 それから、長期入院ができないので退院を迫られて、もう独り暮らしだから自宅には帰れないという方。
 それから、介護だけじゃなくて医療的ケアが必要だけど、もう病院は置いてくれない。例えば病院に行きますと、すぐに足が弱って歩けなくなる、それから筋肉が衰えますから嚥下力というのがなくなって飲み込めなくなると、すぐに病院では胃瘻というのをつくります。胃に穴を空けて直接流動食を流すんですね。病院では、その手術をして、そして退院ですよと。もう本当に、退院と言われたって、じゃ、どこに行ったらいいのといってみんな泣き付いてくるわけですね。
 それから、妻に先立たれた男性で家事能力がない高齢者、その方たちはやっぱり介護専用型でないと家事ができないので困るということですね。それと、特別養護老人ホームに申込み順番を待つ高齢者、もうこれは本当にたくさんいらっしゃいます。
 それから、自宅で見てましょうといって御自宅で見ていたんだけどやっぱり無理よというのが、次の在宅から施設へ移る理由。自宅のおふろに入れなくなったとき、それからかぎの管理ができなくなった。
 これは不思議に思われるかもしれませんが、認知症というのは、家族が一番分からないんですね。一人でお母さんが暮らしていて、お嬢さん、息子さんと電話で話している、その電話だけでは認知症は気が付かない。
 でも、ある日お嬢さんが自宅に行ってみたらホームレスが住み込んでいたという、実際にそういう問題がございました。お母さんは既にもう認知症になっていて、かぎの管理ができないんですね。ですから、開けっ放し。大きなお屋敷で独り暮らしで開けっ放しですから、ホームレスがすきを縫って住み込んでいたんですね。お母さんが昼間いるときは寝ている、お母さんが寝ると起き出してきて、冷蔵庫のもので御飯も作って、おふろも入って住んでいたと。もう本当に不思議なような本当の話がございます。
 それから、ぼや騒ぎを出したとき、これはもう御近所に迷惑で、また自宅には帰れなくなっちゃうんですね。
 そういうことで、現在、老老介護、認認介護が本当に深刻な問題になって、それで皆さん有料老人ホームを御利用になっているということです。
 老人ホームだけではなくて、高齢化が物すごく進んでいるということで、次のページでちょっとすばらしい取組を御紹介したいと思います。
 地域コミュニティーが果たし得る役割ということで、二つの事例。
 一つが、武蔵野市が始めているテンミリオンハウス。実は武蔵野市というのはとても福祉が進んでおりまして、いわゆるリバースモーゲージ、それを福祉公社でやっていました。何名かの方が利用されて、その親御さんが亡くなったときに、その自宅を担保にして福祉公社のサービスを受けていたので、自宅は武蔵野市のものになったわけですね。その武蔵野市になった自宅を利用して、一年間テンミリオン、一千万補助金を出して、そしてそこがミニデイになっているんです。
 普通のデイサービスですと、今全国で六万件以上あるんですが、やはり介護保険の制度の中なので、できないこととかいっぱいあるわけです。制約があるわけですね。その制約を全部取っ払ったミニデイなので、とてもすばらしい活動でございます。こういうものがやはり全国にあると、高齢者が生き生き暮らせるんではないかなと思います。
 それから二つ目、八王子の介護サービス訪問ふれあい相談員。これはボランティアの一つではあるんですけれども、やはり専門家の研修を受けて、そして登録をして、いわゆる介護事業所を利用している認知症の方あるいは介護が必要な高齢者のお話し相手として出向くという制度でございます。
 私は今、東京都の第三者評価で、毎年、グループホーム、特別養護老人ホームの評価で歩いていますので、この制度は是非どの行政も早速まねしていただきたいと思うんですね。
 なぜかというと、どうしても密室介護になるんですね。そこに第三者が入るだけでとても風通しが良くなるということと、それから認知症あるいは介護が必要な高齢者もとてもお喜びになります。確かになじみの職員ではあるけれども、やっぱり社会性が欲しいわけですね。そこが幼児と高齢者の大きな違いでございます。
 そこで最後に、提案事項のページに行きますが、実は私がいろいろ仕事をしている中で、十三年この相談を受けている中でつくづく感じることでございます。
 一番が介護保険制度の講習会。私は今、実は大手企業に出張サービスにも行っているんですね。そして、予約を取って出張して、まず何の相談、いろんな相談ある中で、えっと思うのが、母親をデイサービスに行かせたい、日中独居だから行かせたいんだけど、どうやったらデイサービス利用できるんですかと。そんな簡単なことまで予約を取って相談されるんですね。
 というのは、なぜそうなってしまうかというと、市区町村で「介護保険のしおり」というのは確かに出しています。出していますけれども、それを読んだだけでは利用方法が分からない。
 ということで、ここで提案しているのは、まず六十五歳になると認定が空欄の介護保険証が送られてきます。送られてきただけで、そしてそのしおりを読むだけでは駄目なんですね。ですから、是非、これから六十五歳になった方たちに五年に一回講習会に出ていただきたい。
 読むだけでは分からないので、一ページ目で私が皆様にお示ししたサービス、一番から六番までいろんなサービスがありました。どうやったらサービスが利用できるのか、また内容はどういうサービスなのかというのを、是非その講習会で実例、それからロールプレイを入れて受けていただきたい。法律改正五年ごとにありますから、それも五年に一度必ず受けていただくということを提案したいと思います。
 二番目、高齢者住宅に関する相談員を育成し、役所に常駐する。これが本当に、私の仕事ではあるんですが、本来は公的なところでする仕事だと思うんですね。それがないから私がしているんであって、ですから、是非、最低今日のものです。介護保険の利用の仕方、サービス内容。それから、同じ訪問介護でも身体介護と生活援助では料金が半額なんですね。身体介護が四千四十円だとしたら、生活援助は二千二百円です。そういうことも知らないわけです。
 ですから、そういう具体的なことを相談できる、しかも構造的に、制度も具体的なことを盛り込んで、一人ずつ相談したら相談を受けてくれる、そういう相談員をこれから育成して、そして、市役所、区役所、都庁、要は行政の窓口に必ず置いていただきたいと思うんですね。消費者センターは、あそこは苦情受付だけなので、また役割が違います。
 そして、現在は厚生労働省の独立行政法人福祉医療機構が運営しているサイトにWAMNETというのがあるんですね。そのWAMNETに全国の介護事業所が入ってはいるんですが、普通の方がそれを利用して探そうと思ってもできないんですね。というのは、エンドユーザーの人が利用するようにできていないんです。
 ですから、まず相談窓口で相談できる職員の育成ですが、その次に、そのWAMNETをもうちょっと利用しやすく変えていただきたい。これは、今までの高齢者はほとんどがインターネットを使っていません。子供や孫に頼んで調べている。でも、これからは高齢者その人がインターネットで探す時代にもうなります。ですから、WAMNETを、十年たちましたので、是非エンドユーザーが利用できるWAMNETに直していただきたいと思うんですね。これはすぐ予算さえ取れればできることです。
 三つ目が、デイサービスの二次利用です。ここにも書きましたように、一月二十九日に、子ども・子育てビジョンがまとまりまして、その中に放課後児童クラブの増設というのがありましたが、具体策は何にもまだないわけです。
 そこで、デイサービスの二次利用でございます。今全国でデイサービスが六万以上あるわけです。それを全部利用するとは言いませんけれども、その中で利用可能なところであれば、高齢者は十時—四時でいなくなるんです。送迎車が九時に迎えに行って、そしてまた四時にまた送迎車で送りますので、デイサービスは九時—五時なんですね。
 ですから、その五時から八時、さっき、前半の御説明は保育の問題でしたが、私は学童でございます。小学生、みんなこれからはお母さんも働く時代ですから、お母さんがもう残業ができないんですね。ですから、少しでも充実してお仕事をしていただくために、残業ができるように、それにはこのデイサービスの二次利用はとっても、私は、すぐもう、デイサービスがある、車もある、そうすると子供を送ることもできるということで、このデイサービスの二次利用は是非検討していただきたいと思います。
 その辺に関しての内容は余り規制を強くなさらないで、その運営主体が好きなようにやった方が、やはり子供にとっても魅力的なものができるんじゃないかなと思います。
 どうもありがとうございました。

発言情報

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発言者: 中村寿美子

speaker_id: 3503

日付: 2010-02-24

院: 参議院

会議名: 少子高齢化・共生社会に関する調査会