中村寿美子の発言 (少子高齢化・共生社会に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(中村寿美子君) 高齢者の貧困についてお答えしたいと思います。
 実は、もう既に介護のこの有料老人ホームの事業でも貧困ビジネスということがうたわれております。そして、介護保険が始まったときからこの問題は出てきているわけですけれども、日本の今格差と言われているいろんな分野で、私はこの高齢者の世界が一番格差が大きいと思っています。それから、団塊の世代で男性の一二%がシングルというデータを見たことあるんですが、その方たちが介護になったとき、これが一番問題じゃないかなというふうに思います。
 そして、そこにもう早くも目を付けた企業さんが、お医者さんがありまして、有料老人ホームではあるんだけど、一時金がなくて月額払い方式で、今もう全国に百五十以上の有料老人ホームを展開している企業さんがあります。その百五十のホームに入居している方の二割から三割は生活保護の方なんですね。要は、生活保護を利用していただいて、介護保険と両方で成り立つ、そういう事業を行っている。その方が成功されているものですから、それをまねしてこれからもそういう事業所さんが増えてくるだろうなというふうに私は見ています。
 それから一方で、昨年、無届けホームたまゆらが火災を起こして問題になりましたが、ここで厚生労働省に再度お願いしたいことは、実は、今、特別養護老人ホームは全国で六千二百五十件ぐらいで、有料老人ホームが四千六百二十三件、これは五年後、十年後、多分逆転します。そうしたら多くの人が有料老人ホームを利用するようになるのに、厚生労働省はほったらかしなわけですよね。
 老人福祉法の中に法律的な定義は作ってはあるけど、介護保険もそうです、制度をつくったけど運営は民間に全部投げて、そして問題が起きたときだけ、例えば私が関係することでは、コムスンさんが三年前廃業になったとき、そういうときだけ問題を大きくして、ふだんはもうほったらかしというのが実は有料老人ホームの業界でございます。
 ですから、そこをもう少し、国としてもどういうふうに今後、十年、二十年後、三十年後の介護のグランドデザインをどうかくのかと。実は、平成元年にゴールドプランができまして、その後、新ゴールドプランができまして、その次にゴールドプラン21というのができて終わっちゃっているんですね。その次のプランが何もないんです。今年は法律改正二回目ですけど、自民党から民主党に替わったということもあって、ほとんど見えてきていないわけなんですね。だから、その貧困ビジネスだけを考えるんじゃなくて、やっぱりグランドデザインをもう一度描き直さないと私は大変なことになると思います。
 それから、人材の問題も、人材がいないいない、そして、人材がいないがためにフロアを開けられないというホームも実際にあるんですね。何てもったいないことかと思うんですけれども。その辺も、ですから、国としてどうするという政策がないのでなかなか充実してこない。貧困ビジネスを含めて、私は、もう一度ここでやり直さないと、介護保険も医療保険と同じことになるんじゃないかという気がしています。
 それから、多くの相談を受けていて感じることですけれども、現在シングルでそんなにたくさんの年金がない方たちに私がどういう答えを出しているかというと、じゃ、もう都落ちしてくださいと言うしかないんですね。どうしても、東京、神奈川、要は首都圏に暮らしていると人件費も高い、食費も高い、家賃も高い。
 だから、例えばそれが四国とか九州とか行っていただくと、もう家賃は三分の一、四分の一、人件費も半分ぐらいということで、一か月に掛かる生活費そのものがもう半分で済むわけですね。これが多分極端にいくと、じゃ、もう外国に行ってくださいということになってしまうんじゃないかと。そうならないように、やっぱり国としてもう一度デザインを考え直さなきゃいけないんじゃないかなというふうに感じております。

発言情報

speech_id: 117414533X00320100224_020

発言者: 中村寿美子

speaker_id: 3503

日付: 2010-02-24

院: 参議院

会議名: 少子高齢化・共生社会に関する調査会