沖藤典子の発言 (少子高齢化・共生社会に関する調査会)

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○参考人(沖藤典子君) 御質問ありがとうございます。
 私は、介護保険制度というのは本当にできてよかった制度だと思っています。この制度に助けられたという人が私の周囲にも非常に多くて、本当に有り難いと思っておりますが、しかしながら、制度の中をよく見てみますと、改善しなければならない点が多々あるかと思います。
 大きく五つに絞ってお答えしたいと思います。
 まず一つには、制度をシンプルにしていただきたい。特に〇九年報酬改定におきましては、加算が四十項目ぐらい付きまして、もう加算がどこにどれだけ付いているのか理解するだけでも容易ではない。その制度がますます複雑になっていくということによって、利用者は幾ら説明されても分からない。非常にケアマネ依存度が高くなっております。
 私なんかが取材に行きましても、家族が五十代ぐらいの介護家族の方ですら、私よく分からないから、ケアマネジャーさんと同席でないと取材に応じられないと。ケアマネさんが病気して寝込んじゃったので取材拒否みたいな、そういうことが現実に起こるぐらい、家族も利用者も介護保険制度をよく理解できないでいるということで、今の加算方式のやり方がいいのか、もう少し制度がシンプルにならないかということを第一点申し上げたいと思います。
 それから第二点は、これは非常に大きな問題なんですが、認定が果たしてこれでいいのかという問題です。
 特に〇九年の改訂版テキスト、御存じだと思いますけど、大混乱を招きまして、すったもんだの迷走がありました。そのことで私は非常に思ったことは、認定に一体幾らぐらいのコストが掛かっているのかが明朗になっていない、これがブラックボックスになっているんですね。
 審査会において、要介護認定に一人当たり今一万円ぐらい掛かっているんじゃないかという、そういうデータはあるんですが、全国的に見て一体どのぐらい掛かっているのか。区分変更もありますので、まず認定の費用が分からない、ブラックボックスになっているということは大きな問題だと思うし、そもそもこの非該当も含めて八段階必要なのかということが今関係者の中から言われ始めております。私なども大ざっぱに四段階ぐらい、非該当も含めてですね、軽度、中度、重度ぐらいの四段階ぐらいでいいのではないか。
 それから、区分支給限度額、これがまた非常に悩ましい問題で、これをどうするのかということは今後の大きな議論の課題だと思います。私は、個人としては支給限度額は設けなくていいのではないかと考えております。
 説明すると長くなりますので、三点目に行きますと、これは制度そのものであると同時に運営の問題になるわけですけれども、先ほど来ちょっと話しておりますように、同居家族がいる場合の生活援助の給付制限というのは、これは見直す必要があると思います。
 先ほど、運営基準に入れてほしいと、日中独居、老老介護、それから家族の疾病、障害、そういう場合に生活援助を出すということは運営基準に入れてほしい、課長通知だけでは浸透しないのではないかと申し上げましたが、ここも是非とも考慮していただきたいところです。
 特に、生活援助が二時間から九十分に〇三年改定で削減されまして、それで困っている家族が非常に多いということも、この家族同居の問題と同時にお含みおきいただければ幸いです。
 それから四番目に、やっぱり散歩とかそれから院内介助の問題、つまり外出支援をどうするのか。
 一種の、今の状況ではもう閉じこもり状態になっていて、散歩とか院内介助をケアプランに入れるのにはケアマネジャーは非常に勇気が要ると言われております。そういうわけで、いわゆる閉じこもりをどうやって防ぐのかということが四番目の課題として大きい問題だと思います。
 五つ目として、先ほども待遇の問題、友近先生から御質問いただきまして、やはり介護人材を今後どのような形で守り育てていくのかということは非常に大きな問題だと思います。
 先ほどちょっと言い落としましたが、厚生労働省の調査で、前年度から今年度八千九百円給料が上がったという資料が発表されておりますが、それは平均値で八千九百円であって、分布で見ますと一番多いところが五千円です。そのように、待遇問題も含めて、介護人材をどのような形でフォローアップしていくのかということが介護保険制度を考える上での大きな問題だと思います。
 以上、五点申し上げました。

発言情報

speech_id: 117414533X00420100407_023

発言者: 沖藤典子

speaker_id: 29608

日付: 2010-04-07

院: 参議院

会議名: 少子高齢化・共生社会に関する調査会