鳩山由紀夫の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 公明党の山口代表の御質問にお答えをいたします。
 まず、政治と金の問題について御質問がございました。
 政治と金の問題につきましては、国会の冒頭から発言を申し上げ、行政の長として、また時には民主党の代表として、国会でも、また記者会見でも常に御説明を申し上げてきたところでございます。また、国民に何の説明もなくとのお話でございますけれども、私は、検察捜査によって解明された事実に基づいて記者会見でもできる限り説明を申し上げ、資料を添えて国民の皆様にでき得る限りの情報公開を行って、これまでの国会答弁でも説明を尽くしてまいったところでございます。
 そして、国民への裏切りではないかと、そのお言葉でございますが、国民の皆様の政権交代に懸けた大変な大きな期待を考えるときに、身を粉にして国民の皆様方の御期待にこたえることこそ使命であると、そのように決意をいたしているところでございます。
 母から提供された資金の使途についての御質問がございましたが、秘書任せとの御指摘でございますが、母からの資金提供については検察の捜査によって初めて解明されたことであり、私自身は何も承知していなかったことも捜査によって明らかになったことだと、そのように考えております。
 また、私は、他の人からの金品の詐取とか、あるいは不正な手段による富の獲得とか、あるいは法令に違反をして人倫にもとる利得の取得を行ったものでもありません。そして私は、私の知らないところで使われたお金について、その責任を果たすために贈与税をさかのぼって申告を申し上げ、納付をいたしたところでございます。
 資金の使い道については、私自身のお金、母からのお金を含めて一括をして、政治団体にも私の議員活動にもまたプライベートな支出にも使われていたということは、これも検察の捜査によって明らかになったわけでありますが、私自身は全く認識しておらず、具体的にも承知しておりませんでした。したがいまして、検察から違法な支出があったという指摘はありませんでしたけれども、今後、裁判によって事実認定が最終に確定をしたその後、検察に提出をいたしました書類の返還を待ちまして、使途の分析、検証を行うように弁護士の調査チームに依頼をしているところでございます。
 国民の皆様方にすべて御理解をいただくにはまだやや時間が掛かると、そのようには考えておりますけれども、繰り返し真実は真実として正直に述べてまいりたい、そのように考えております。
 現職議員の逮捕、小沢幹事長についての説明でございますが、現職の国会議員が逮捕されてしまったということに関しては大変遺憾でございます。現在、捜査中であり、いまだ検察による事実の解明も処分も定まっているわけではありません。さらに、小沢幹事長に関して申し上げれば、報道の域を出ておらず事実関係はまだ明らかではありません。
 自浄能力についてのお尋ねがありましたけれども、いまだ検察捜査による解明も処分も定まらぬ段階でありますので、捜査による事実の解明を待つことが肝要だと、そのように考えております。
 また、何を根拠に小沢幹事長を信じるのかというお尋ねがございましたけれども、共に苦労を分かち合いながら政権交代を成し遂げた民主党の同志の、自分は潔白であると、そういう言葉をまず信じることは当然ではないでしょうか。そして、報じられているような法に触れる事実があったか否かということは捜査によって解明されるものだと、そのように考えております。
 政治資金規正法の改正についてのお尋ねがありました。
 政治家の監督責任の強化については、御党から御質問のたびに御提案をいただいているところでございます。政党や政治家のこれは政治活動にかかわる問題であり、企業・団体献金の禁止などと併せて、各党各会派で十分に御審議をいただいて成案を得ていただくことを期待をしています。
 したがいまして、私、個人的に申し上げれば、政治資金規正法改正については、国民の皆様の声に謙虚に耳を傾ける、これは大事であって、不断に見直す姿勢が必要だと考えておりますので、前向きに検討すべきだと、そのように私からは申し上げております。
 二十二年度の予算の評価に関するお尋ねでありますが、二十二年度の予算においては、子ども手当などのマニフェスト関連の政策に必要な財源、約三兆円でありますが、これは国債発行によらないで、歳出の削減あるいは公益法人などの基金の返納など、これ事業仕分などを通じて行ったところでございます。
 新規国債の発行額については、目標としておりました約四十四兆円以下という水準をおおむね達成をいたしましたけれども、これは税収が大幅に落ち込むという状況の中で、財政の果たす役割に配慮をして、財政規律はやはり守らねばならぬと、その思いの下で国債市場の信認を確保できるぎりぎりの水準だと、そのように考えておりまして、見通しが甘かったなどという批判は当たらない、そのように考えております。
 切れ目のない景気対策の認識についての御質問でございますが、この内閣は、昨年の九月の発足直後から第一次補正予算の見直しに取り組む一方、昨年の十月、新たな予算措置を要せずに既存の施策、予算を活用した緊急雇用対策を取りまとめたところでございまして、また、十二月には、第一次補正予算の見直しで捻出した財源を活用しながら、経済雇用情勢大変厳しい状況の中で、果断な対応を図る緊急経済対策を取りまとめてきたところでございます。これに伴って、十二月十五日に閣議決定をいたしました第二次補正予算は一月二十八日に成立をいたしました。この二次補正予算を二十二年度の予算と一体となって切れ目なく執行することが今一番重要なことだと、そのように考えておりまして、さらに新成長戦略の基本方針によって我が国の中長期的な成長の姿をお示しをしたところでもございます。
 歳出歳入の在り方に関する御質問でございます。
 新成長戦略の基本方針については、今後、目標、施策の具体化、さらに追加を行った上で、成長戦略実行計画、これは工程表でありますが、これを策定をして確実に実行してまいります。また、社会保障制度を信頼できる持続可能なものにしていくために、財源を確保して、連立政権の合意あるいはマニフェストで示しました政策を着実に実行してまいりますとともに、貧困問題にも真摯に取り組んでまいりたい。
 財政の将来像については、本年の前半に複数年度を視野に入れた中期財政フレームを策定いたしますし、さらに中長期的な財政規律の在り方を含む財政運営戦略を策定をして、そこで財政の健全化に向けた長く大きな道筋を示してまいります。
 介護ビジョンについてのお尋ねでございます。
 大変、山口代表始め皆さん御熱心に介護の問題取り組んでおられる、何よりでございます。高齢化率が三〇%を超える二〇二五年に向けて、施設と在宅のバランスを取って計画的に介護基盤の整備を進めていくことが大変大事だと、そのように認識しておりまして、今後、介護基盤整備の目標を示すことにしております。整備を行う自治体においては、この目標を念頭にしてそれぞれの整備計画を定めていただきたい、そのように考えているところでございます。
 介護の三施設などの介護基盤の整備についてのお尋ねがございましたが、高齢者の方々ができるだけ住み慣れた地域でお暮らしできるような施設サービスあるいは在宅サービスについて、過去の三年分に比べて倍の整備量に当たる約十六万床の整備というものを、まず介護基盤の整備を推進していくに当たって決めたところでございますが、さらにあわせて、これも御案内のとおりだと思いますが、医療サービスや介護サービスだけでなくて、様々な生活支援サービスなど多様なサービスを包括して提供できる地域包括ケアシステムというものを構築をしてまいりたい、そのように考えているところでございます。
 また、公明党さんが大変御熱心になさっております小規模の多機能型居宅介護の普及についての御質問がございました。
 これは、平成十八年の創設以来、年々利用者が増加してまいりまして、現在約四万人の方に御利用いただいていると思っております。これをさらに、平成二十一年度四月の介護報酬改定において新たな加算の創設、また平成二十一年度の第一次補正予算において事業所の開設の際の補助を拡充するなどの支援策を講じたところでありまして、さらに新政権としても、今後ともこういった施策を更に活用、普及を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 雇用のセーフティーネットについての御質問がございました。
 非正規雇用者に対する雇用保険が適用される雇用見込み期間を六か月以上から御案内の三十一日以上に緩和する法案というものを、もう既に今国会に出したところでございます。また、雇用保険を必ずしも受給できない方々に対して緊急人材育成支援事業を創設をする、これは旧政権のところでございますが、昨年の七月以降、無料の職業訓練を実施するとともに、訓練中に月額十万円を給付するということにいたしているわけでございますが、さらにこれを恒久化する必要があるということでございまして、私どもとしても平成二十三年度から訓練期間中に手当を支給できるよう、求職者支援制度というものを創設したい、そのように考えております。
 年金問題についてのお尋ねでございますが、無年金、低年金の対策について実態把握を行って、運用面、さらには制度面の両面にわたって対応を引き続いて検討してまいりたいと思っております。今後、公平でさらに透明な、さらには新しい時代に合った新制度をつくらなければならないと思っておりまして、平成二十五年度の法案成立を目指して検討を進めてまいりたいと思っておりますが、その中で受給資格期間の短縮あるいは低所得者への加算といった、先ほど御提案いただいた内容についても新制度との整合性あるいは財源の確保、こういった問題がありますが、こういった問題を考慮しながら真剣に議論の中で検討を進めていくことにしております。
 一人親に対する保育サービスあるいは独居高齢者向けサービスについての御質問でございます。
 母子及び寡婦福祉法に基づいて、各市町村では一人親家庭の子供の保育所への優先入所について配慮するということになっております。さらに、先週決定をいたしました子ども・子育てビジョンに基づいて保育サービスの定員を毎年五万人増やすという目標をつくらせていただいて、一人親を含むすべての働いておられる親御さん方が安心して子供を預けられるような、そういう環境を整備していきたいと思っております。
 また、独り暮らしの御高齢の方々が安心して地域でお暮らしできるような、介護サービスだけではなくて、見守りあるいは緊急時対応という多様なサービスを包括をして提供できる地域包括ケアシステム、先ほど申し上げましたが、これを構築してまいりたいと思っておりますが、こういう分野はまさに新しい公共という視点も大変重要なのではないか、そのように思っておりまして、そういった方々をうまく政府としても支援申し上げたいと思っております。
 教育環境の整備と教育における地域主権についての御質問がございました。
 まさにおっしゃるとおりでありまして、社会全体として教育に大きな資源を振り向けるべく、学校の耐震化あるいはICT環境の整備、社会人の活用など、御指摘のような教育環境整備に必要な経費を来年度予算に盛り込んでいるところでございます。こういったことで教育内容の充実を図ってまいりたいと思っております。
 また、この地域主権という話、まさに教育、そうだと思っておりまして、国と地方との適切な役割分担を行っていく中で、子供一人一人が充実した教育を受けることができるように教育における地域主権の確立を図るため、諸方策をこれは積極的に検討してまいりたいと考えております。
 学校施設の耐震化についてのお尋ねがございましたが、まさに平成二十二年度の予算では、公立学校の施設の耐震化関連予算、これは当初予算ということに比べれば増えたということでございますが、必ずしも自慢ができる話じゃないなと、そのようにも考えているところでございまして、今後、この予算の効果的、効率的な執行に努めていくことはもとよりでありますが、その執行状況を踏まえながら、二兆円の景気対策枠というものがございますので、その活用なども視野に入れて学校の耐震化はやはりこれは早急に進めていきたい、そのように考えているところでございます。
 子供の読書活動についてのお尋ねでございますが、確かに衆参両院で二〇一〇年を国民読書年ということにいたしました。そして、政官民が協力をして、国を挙げてあらゆる努力を重ねることを全会一致で決めたところでございます。これを契機といたしまして、さらに引き続いて学校、家庭、地域など現場を通じた読書活動を推進してまいりたいと思っております。
 なお、この子どもゆめ基金に関して申し上げれば、百億円の国庫分は返納をいたしたところでございます。基金は存続をさせる、所要の経費はむしろ運営交付金で賄って確保したいと、そのように考えております。これもある意味で教育の地域主権という方向からも考える必要があろうかな、そのようにも考えております。
 それから、核兵器の使用を禁止する条約に関するお尋ねでございますが、我が国は唯一の被爆国でありますので、核廃絶に向けてやはり先頭を切って走らなきゃいけません、そういう思いではあります。
 しかし、核兵器の使用禁止条約ということになりますと、現時点においては、残念ながら核兵器国を含む多くの国が受け入れていないというのが実情でございます。そういった状況を踏まえながら、しかし、核廃絶に向けて大胆に進んでいかなきゃなりませんので、現実的な措置を着実に積み重ねていくことが大変重要だと、そのように認識をいたしているところでございます。
 消極的な安全保障というお尋ねでございますが、おっしゃるとおりでありまして、非核兵器国に対して核兵器国が核を使用しないという消極的な安全保障の考え方は基本的に支持できると、そのように思っておりまして、これは岡田外務大臣も答弁申し上げているところでもございます。川口・エバンズ委員会の報告書も、こういった法的拘束力のある形での消極的安全保障の供与を提案しておりますし、本年五月に、お尋ねがありましたNPT運用検討会議におきまして消極的安全保障が議題となると、そのように伺っておりまして、我が国としてこの問題について関係国としっかりと連携をしながらリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。
 CTBTやカットオフ条約についての御質問でございますが、CTBTの早期発効、カットオフ条約の早期交渉開始、妥結の達成は大変重要で、これは私が昨年九月の安保理の首脳会合などによって、二国間の首脳会談などでもこの点を強く訴えてきたところでございまして、本年五月の先ほど申し上げたNPT運用検討会議においても、こういった措置の実現に向けてリーダーシップを発揮していかなければいけない、そのように考えております。
 気候変動における外交方針についてのお尋ねでございます。
 我が国は、削減目標を条約事務局に提出をいたしました。コペンハーゲン合意への賛同国を増やしていかなければなりませんし、削減目標・行動の提出に向けて各国にこのことを働きかけてまいりたいと思っております。COP16の議長国のメキシコとの連携は大変重要だと思っておりまして、一昨日、メキシコのカルデロン大統領が来られたときに私の方から、この問題に対してもCOP16の成功に向けて協力をするということを確認をしたところでありまして、連携強化を行ってまいりたいと思っております。今後ともリーダーシップをしっかりと発揮してまいりたいと思います。
 温室効果ガスの国内削減目標と排出実態、削減の道筋に対する御質問がございました。
 私は、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築や、意欲的な目標の提示、合意が必要だということを申し上げながら二五%の削減を提示したところでございますが、これは日本だけが高い目標を掲げてもほかの主要な国々が嫌だと言ったら仕方ない話であると、それではいけないわけでありまして、背中をしっかりと押すということが大事だという思いでございまして、主要な国々の意欲的な取組を促すためにも前提条件はやはり必要なものだ、そのように考えております。
 そして、具体的な施策ということ、当然大変重要だと思っておりますし、これは旧政権のときから行われておりましたエコカーなどの導入支援というもの、あるいはエコ住宅もありますが、必要なことは、私は国民の皆さんの意識というものに訴えかけることだと思っております。加えて、先ほど山口代表からお話がありました国内排出量取引制度、再生可能エネルギーの固定価格買取り制度、あるいは税制、こういったあらゆる政策を総動員をしていくことが必要だと、そのように考えております。
 それから、地域主権と道州制についての御質問をいただきました。
 私どもは、国の権限というものを道州に移譲するという道州制のむしろ先を行きたい、そのように考えておりまして、補完性の原理に基づいて地域でできることは基本的に全部地域で行うと、そのような世の中に変えていきたいと、そのように考えておりまして、むしろ基礎自治体というものを中心に置いた地域主権国家というものをつくり上げていきたい、そのように考えているところでございます。
 そういう目標に基づきまして地域主権戦略の工程表を作り上げておりまして、まずは地方に対する不必要な義務付け、枠付け、こういったものを全面的に廃止しようということ、あるいはひも付き補助金を一括交付金化をすると、あるいは出先機関の抜本的な改革をする、こういったことを行って地域主権戦略大綱を策定をして、政治主導でこれを行わなければ決してできない話でございますので、政治主導で集中的かつ迅速に地域主権国家をつくり上げていきたいと、そのように思っております。
 雇用対策に対する認識と取組方針でございますが、御指摘の三つの柱、大変重要だと思っておりまして、こういった考え方に基づいて雇用調整助成金の支給要件の緩和と、あるいは雇用保険制度の機能強化、あるいは貧困・困窮者支援の強化、体験雇用の場の提供など新卒者支援の強化、あるいは介護、医療というような重点分野を含めて雇用創出というものに取り組んでいきたい。雇用に関しては積極的に取り組んでいかなければならないと思います。
 最後の御質問でありますが、普天間の飛行場の移設問題についての御質問でございますが、普天間の飛行場の危険性あるいは騒音というものを考えたときに、一刻も早く移設先を見出していかなければなりません。
 この問題については、まずは負担軽減を長い間願ってこられた沖縄の県民の皆様方のお気持ちというものを大事にするという立場、これを基本姿勢にしながら安保の観点も踏まえてしっかりと検討してまいります。現在、平野官房長官の下で沖縄基地問題検討委員会で精力的な議論が進められておるところでございまして、地元の理解、さらにはアメリカの理解というものも求めて、最終的には、当然国が責任を持って、私が責任を持ちながら五月末までに必ず結論を出します。そのことを申し上げておきます。
 以上です。(拍手)
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発言情報

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発言者: 鳩山由紀夫

speaker_id: 11584

日付: 2010-02-03

院: 参議院

会議名: 本会議