長妻昭の発言 (本会議)

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○国務大臣(長妻昭君) 松岡議員におかれましては、日ごろ雇用、貧困問題にお取り組みをいただき、敬意を表するものでございます。
 私には七問の御質問をいただきました。
 まずは、平成二十二年度予算で実施する雇用対策についてのお尋ねがございました。
 現下の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にあると認識しております。このため、平成二十一年度第二次補正予算に引き続き、平成二十二年度予算案に各種の雇用対策を盛り込んでいるところであります。
 主なものを五つ申し上げますと、第一に、現在の厳しい経済情勢の中で企業を支援するため、休業者の休業手当等の一部を補助する雇用調整助成金について、生産量要件を緩和することにより、従来であれば助成金の支給対象から外れることになる約八十万人の方が引き続き助成金の対象者となるようにいたします。全体で二百万人を超える方の休業時の手当等を補助し、失業を防ぎます。
 第二に、今後成長が見込まれる介護、福祉、医療、情報通信等の分野への就業を促進するため、これらの分野における職業訓練の充実や雇用創出に取り組んでまいります。緊急人材育成支援事業を含め、平成二十二年度は合計で三十万人を超す訓練の定員を確保をいたします。
 第三に、仕事を探すには住まいが安定していなければできません。全国の主要なハローワークに住居・生活支援アドバイザーを配置して、総合相談と実施機関への的確な誘導を行います。住居が不安定な方に支給する住宅手当についても、補正予算での措置により、引き続き一定の条件下で、支給期間をこれまで六か月だったものを九か月に延長して実施をしてまいります。
 第四に、厳しい雇用情勢の中、特に新卒者の就職難が憂慮をされることから、企業や学校を訪問して新卒者の就職を支援する高卒・大卒就職ジョブサポーターをハローワークに倍増、千人近くに倍増して配備をいたします。また、新卒者を体験雇用する事業主を支援する新卒者体験雇用事業を活用することなどにより就職を促進します。
 第五に、今後、雇用保険法の御審議をいただきますが、非正規労働者に対するセーフティーネットを強化するため、雇用保険の適用範囲を雇用見込み六か月以上から三十一日以上に拡大することとしております。この措置により、新たに二百五十五万人の方が雇用保険の対象者となる見込みであります。
 鳩山内閣が目指す人間のための経済においては、国民が安心して働き、能力を発揮する雇用の場を得られることが何よりも重要なことと考えております。切れ目のない支援を行うためにも、本予算の速やかな成立をお願いを申し上げます。
 次に、ニート等の若者の自立支援についてのお尋ねがございました。
 厳しい雇用環境の下、ニート等の若者の自立は一層困難となっており、こうした若者が職業的に自立し、安定した職業に就けるようにするため支援を充実してまいります。
 議員御指摘のとおり、これまでの若者自立塾事業は廃止をして、平成二十二年度は新たに緊急人材育成支援事業の訓練メニューの一つとして合宿型自立支援プログラムを位置付け、まずは従来を超す六百人以上の規模を目指して切れ目のない支援を行うこととしております。その際、内容面でも、企業実習を盛り込み、ハローワークともより密接に連携するなど、これまで以上に就職に結び付きやすいものとする拡充を行います。
 また、地域の専門機関のネットワークにより、ニート等の若者に面接の仕方などについてのきめ細かい相談から情報提供まで幅広く支援を行う地域若者サポートステーション事業、これがございます。平成二十二年度は若者サポートステーションを全国百か所に拡大するとともに、ニート状態に陥るおそれの特に大きい高校中退者等の御自宅に訪問する支援、すなわちアウトリーチ支援の本格的な実施等の拡充を図るということとしております。これら施策を総合的に展開し、ニート等の若者に対する自立支援策の拡充を図ってまいります。
 次に、ホームレスの方の実態調査の手法についてお尋ねがございました。
 ホームレスの実態に関する全国調査については、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法に基づき、毎年一月、各自治体に対して人数と居場所の調査をお願いしているところであります。しかし、ホームレスの方の実態把握については、私は不十分と考えております。従来のように屋外で生活されている方ばかりではなく、例えばネットカフェなどを転々とし寝泊まりしている方をできるだけ把握することや夜間の調査など、自治体の協力を得つつ、より良い調査手法等について検討を進めていく所存でございます。
 次に、ホームレスの方の自立支援法の失効後の対応方針についてお尋ねがございました。
 ホームレスの方の自立を促進していくためには、雇用支援はもとより、住宅、保健、福祉等の総合的な自立支援策を講ずることが重要です。この考え方に立ち、現在、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法に基づき施策を進めているところです。
 さきの第二次補正予算においても、第一に、簡易宿泊施設等の借り上げ方式による緊急一時宿泊施設を五千人分追加確保し、第二に、ホームレスの方への相談を行う巡回相談員を百八十人増員するなどの施策を講じたところであります。
 ただし、ホームレスの方の自立支援については、行政の対応だけでなく、市民やNPOとの協力の下、地域全体で推進されていくことが重要です。この法律は議員立法であり、平成二十四年の期限後の在り方についてはまず関係者で御議論いただきたいと考えております。ただ、私としては、いのちを守る鳩山内閣の方針の下、新しい公共、地域のきずなといった観点も踏まえ、ホームレス自立支援対策をしっかり推進してまいります。その一つとして、新たに民間の効果が著しい活動に一部助成していくことも検討してまいります。
 次に、国民の生活、貧困の状況の認識についてのお尋ねがありました。
 昨年、我が国の抱える貧困の問題を直視するため、厚生労働省において初めて相対的貧困率を公表したところであり、先進国であるOECD諸国の中では高いグループにあると認識をしております。いのちを守る政策を実施する中で、結果として貧困率が低下するよう取り組んでまいります。
 また、一昨年には、帰る家すらない貧困・困窮者の方のために、民間人による派遣村が開設されました。このことに象徴されるように、貧困率の数字だけではなく、貧困は大きな社会問題になっていると実感をしております。
 私も、鳩山総理と御一緒して、今年の元旦に八百人を超える方が入所されている年越しの一時宿泊所にお邪魔しました。職や住まいを失った方々の窮状を直接お伺いし、年末年始のみならず、日常的な取組の必要性を感じているところでございます。
 そこで、貧困・困窮者の方への緊急支援として、第一に、利用者が雇用や生活支援など必要な支援サービスの相談、手続を一つの窓口でできるようにするワンストップサービスデーの実施をいたしました。第二に、失業して住宅を失った方等を対象として、家賃に充てるための住宅手当を現在支給をしております。手続は自治体がしております。第三に、雇用保険を受給できない方等を対象として、無料の職業訓練を行うとともに、一定の要件の下、訓練期間中に、単身者は月額十万円、養う御家族のいらっしゃる方は月額十二万円の生活費を給付をするというような支援もしております。今後とも、貧困の実態を把握し、対策に生かしてまいりたいと考えております。
 次に、ナショナルミニマム研究会の検討を踏まえた今後の対応についてのお尋ねがございました。
 貧困の問題については、貧困の連鎖を断ち切るべきとの御指摘もあり、平成二十二年度予算案においては子供の貧困に着目し、第一に昨年復活させた生活保護の母子加算の継続、第二にこれまで支給対象ではなかった父子家庭への児童扶養手当の支給などの対策を盛り込んだところであります。加えて、中学校終了までの子供一人当たり月額一万三千円の子ども手当の創設についても、結果として子供の貧困問題にも資するものと考えております。
 また、憲法二十五条では国が国民の最低限の生活を保障することをうたっていますが、具体的な最低限度の生活とは何かというナショナルミニマムをきちんとまだ定められていないと認識をしておりまして、それを国家として定める必要があるというふうに考えております。このため、有識者や現場に詳しい方から成るナショナルミニマム研究会を設置したところであり、現状を検証した上で、最低限度の生活の基準、ナショナルミニマムを決める作成に取り組んでまいります。引き続き様々な施策に取り組み、貧困の問題に真摯に対応をしてまいります。
 最後に、身寄りのない子供たちへの子ども手当の支給について御質問がございました。
 子ども手当は、すべての子供の育ちを社会全体で支援することを趣旨としております。したがって、本来、施設内の親のいない子供等に対しても子ども手当の恩恵が行き渡るべきであると考えております。
 しかしながら、平成二十二年度においては、施行までの期間や市町村の事務負担を考慮すれば、子供を保護し、見守る、監護する方に手当を支給するという現在の支給要件を法律上変更することは困難であることから、別途、例えば安心こども基金の活用により、施設内の親がいない子等について、施設に対し子ども手当相当額が行き渡るような措置について現在検討をしております。
 平成二十三年度以降の取扱いについては、制度の在り方を検討する中で、子ども手当の恩恵が行き渡るよう検討を続けてまいります。
 今後とも、雇用、貧困問題に全力で取り組んでまいります。(拍手)
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発言情報

speech_id: 117415254X00620100203_016

発言者: 長妻昭

speaker_id: 4645

日付: 2010-02-03

院: 参議院

会議名: 本会議