仙谷由人の発言 (本会議)
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○国務大臣(仙谷由人君) 岩城議員から八つ御質問をいただいたというふうに存じております。
まず、麻生内閣提出の公務員法改正案との比較についての御質問でございました。
今回の法案は、公務員制度改革の第一歩であり、新たに設置する内閣人事局におきまして、政治主導により引き続き労働基本権の在り方や定年まで勤務できる環境整備など、公務員制度の全般的かつ抜本的な改革を強力に進めたいと考えております。なお、総務省、人事院等からの機能移管についても、この抜本的な改革の中で検討することが適当というふうに考えております。
もう少し具体的に申し上げれば、今回は言わば幹部人事でございますので、約三十万人の国家公務員の中である意味で対象となるのは、幹部と言われていらっしゃる方、あるいは幹部の一歩手前の方を含めて、六百人、八百人、千人という範囲でしょうか。さらに、その方々を含む課長級といいましょうか管理職、この方々に間接的に影響の出る、その範囲が三千人でございます。そうすると、二十九万七千人ぐらいの公務員の方々を対象とする公務員制度改革というものがまさにこれからの抜本的な改革として進められなければならない。
その方々を対象とするこの公務員制度改革というのは、当然のことながら、人事院の代償措置をどう扱うのか、反対からいえば労働基本権を付与するのかしないのか、付与するとすればどのように付与するのか。そして、その労働組合との交渉の中で勤務条件を決めていくという本来の在り方について、我々がそういう労務人事管理機能を政府の中にちゃんと設定することができるのかどうなのかというまさに問題だというふうに御理解をいただきたいと思っております。
第二問目、内閣人事局における人事情報の管理などについてのお尋ねがございました。
人事評価や職務履歴等の人事情報については、事務の効率化に留意しつつ、内閣人事局において適切に管理してまいります。また、内閣人事局が管理する人事に関する情報を基に、内閣総理大臣、内閣官房長官及び各任命権者が協議の上、適材適所の幹部職員人事を行ってまいるということになっております。
続きまして、今回の法案で事務次官を廃止しなかった経緯と、事務次官の在り方についていつまでに結論を得るのかという御質問がございました。
まず、この法案で事務次官を廃止しなかったのは、同法案による幹部職員の任用に関する新たな制度の創設の趣旨を踏まえて、各省のガバナンス及びマネジメントの在り方と併せて、事務次官の在り方、つまり事務次官がどのような職能でどのような機能を持ってどのような役割を果たすかということについて抜本的に検討していくことが必要であると考えているためであります。
事務次官の在り方について結論を得る時期につきましては、幹部職員の任用に関する新たな制度の施行後の状況等も踏まえつつ、幅広く検討した上で結論を得てまいりたいと考えております。
続きまして、幹部職員人事の弾力化についてお尋ねがございました。
今回の法案におきましては、適材適所の幹部職員人事を柔軟に行えるようにするために、事務次官級、局長級、部長級の官職は同一の職制上の段階に属するとみなして、これらの官職の間の異動を転任とみなしているところでございます。転任された結果、給与の減額を伴う場合もあり得ますが、一般職給与法六条の二の規定に基づき、転任後の官職に応じて定められる号俸に給与が決定される結果でありまして、同一の職制上の段階に属するとみなすことが合理性を欠くものとは考えておりません。
続きまして、透明性のある具体的な昇格や降格の評価基準を設けるべきではないかとのお尋ねがございました。
幹部職員の適格性審査の基本的な進め方は、民間有識者等の意見も伺って、客観的かつ公正な実施の確保に努めてまいります。また、個々の官職への任用に当たりましては、幹部候補者名簿に記載されている者の中から、人事評価等に基づいて、任命しようとする官職についての適性を判断して行うこととされておりまして、この適性の判断に当たっては、個々の官職ごとに求められる専門的な知識、技術、経験等の有無を考慮して行われる必要があり、これに反する恣意的な人事はもとより許されないところでございます。
さらに、幹部職員の任免につきましては、内閣総理大臣及び内閣官房長官との協議が必要となっておりまして、複数の視点によるチェックが働く仕組みとしているところでございます。これらによりまして、人事の公正性は確保されるものと考えます。
今回の法案は民主党のこれまでの主張と矛盾しているのではないかとのお尋ねが、官民人材交流センター等々についてございました。
野党時代には、退職勧奨者も含めた退職者すべてを支援対象とする官民人材交流センターに対して、つまり、あっせんを伴う退職勧奨、退職勧奨といえば再就職あっせんと裏表、同一であるというふうな退職勧奨、このことについて公務員を特別扱いするものとして批判を行っていたものでございます。
私どもが今回のセンターで行おうと、限定的に行ってもいいというふうに考えておりますのは、民間企業におきましても、整理解雇を行う場合には整理解雇の前に解雇回避努力義務があるというふうにされていることは判例上もほぼ確立されていると言ってもいいのではないでしょうか。民間人材登用・再就職適正化センターが再就職支援を行うのは、民間の整理解雇に当たる国家公務員法第七十八条第四号に掲げる組織の改廃等による分限免職を余儀なくされる場合のみでありまして、分限免職回避の努力の一環としてセンターが再就職支援を行うことは、国家公務員を特別扱いしているものではございません。これまでの主張と矛盾するものではないと考えているところでございます。
続きまして、民間人材登用・再就職適正化センターのあっせん規定についてのお尋ねもございました。
民間企業においては、先ほどから申し上げておりますように、整理解雇を行う場合には解雇回避努力義務があるとされております。民間の整理解雇に当たる組織の改廃等による分限免職の場合には、政府も分限免職を回避する努力を行う必要があると考えております。
改廃される組織の職員を配置転換し行政部内で活用することは分限免職回避のための必要な方策と考えておりますが、本人の能力の有効活用や人件費の削減という観点からは、職員を行政の中に抱え込むのではなく、民間において能力、経験を活用することが可能な者には離職し再就職してもらう場合もあり得ると考えております。このため、組織の改廃等に伴う離職者に対して、民間人材登用・再就職適正化センターが再就職支援を行うこととしているものであります。
さらに、今回、政府提出法案における労働基本権の付与に向けた検討条項等、労働基本権付与に関する法案についてのお尋ねがございました。
基本法に規定された国民に開かれた自律的労使関係制度を措置する際には、本法案により設置される内閣人事局その他の関係行政機関の事務の在り方についての検討が当然必要となります。そのため、本法案の附則においてこれを明確にしたところでございます。
また、労働基本権の在り方につきましては、今後、本法案により設置される内閣人事局におきまして、政治主導の下、更に具体的な検討を進め、その付与に関する法案を、基本法第四条の規定を踏まえ、施行後三年以内、つまり平成二十三年六月までに提出できるよう努力してまいる所存でございます。
なお、争議権の付与につきましては、現業、非現業の別や職種別によってどう考えるのか、労働争議の解決の在り方を制度としてどのように仕組んでいくのかという点につきましても検討が必要と考えております。いずれにしても、争議権を付与することによって国民の利益に多大な影響を及ぼす可能性もあり得ることから、慎重の上にも慎重に、しかしながら議論はしっかり行うべきだと考えております。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣平野博文君登壇、拍手〕