山下栄一の発言 (本会議)

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○山下栄一君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました法律案について、政府並びに法案発議者に質問いたします。
 平成二十年に成立した国家公務員制度改革基本法第五条で、政府は、議院内閣制の下、政治主導を強化しと規定されております。今回の法改正はこの政治主導による人事行政を具体化する法案と考えますが、いかがでしょうか。
 官僚主導人事も問題ですが、政治主導人事も危ういねとの疑念が非常に高まっております。国会議員を含み、すべて公務員は国民の全体の奉仕者であり、公共の利益のためにのみ働かなければならないと。しかし、政治主導の行き過ぎはこれに反する結果を招くことになります。例えば与野党の合意なきいわゆる国会改革関連法案の提出は、政治主導という名の国会破壊の暴挙です。
 そもそも政治主導人事とは何か。政治主導とは、内閣主導なのか総理主導なのか、それとも党主導なのか、お答えください。政治主導の名の下に、政権政党の党利党略優先人事にならないのか。一般職公務員が、国民奉仕ではなく政権政党奉仕にならないのか、この疑念を払拭できるのか。以上、官房長官の答弁を求めます。
 次に、現行の国家公務員法の基本認識についてお聞きいたします。
 行政の人事は権力の発動そのものであり、公務組織の人事のいかんは国民生活に多大な影響を与えます。昭和二十二年に成立したこの法律は、公正な人事行政を担保するための人事行政基本法の性格を有すると考えますが、官房長官の御認識を伺いたい。
 この観点から、国家公務員法では、第一章総則に続き、第二章中央人事行政機関という構成になっております。中央人事行政機関は人事院と内閣府の長たる総理大臣と考えますが、今回の法改正でこの位置付けに変化はあるのか、いかがでしょうか。
 現政権は人事院の役割をどのように認識しておられるのか、お聞きしたい。
 平成十八年の内閣法制局の阪田長官及び当時の安倍官房長官の答弁、すなわち人事院制度は憲法の要請であるとの見解を現政権は変えるのか変えないのか。以上、官房長官の答弁を求めます。
 再就職、いわゆる天下り規制について仙谷大臣に質問いたします。
 天下りという言葉は明治憲法下の天皇の官吏の発想の名残であり、国民主権の理念に反するものであります。今回の改正案は、民主党が野党時代に国会提出したいわゆる天下り根絶法案に反する内容となっております。早期退職勧奨禁止規定をなぜ導入しなかったのか。早期退職勧奨こそ天下りの温床であると考えますが、明快な答弁を求めます。
 いわゆる事前規制が天下り根絶のポイントではなかったのか。なぜ与党になって事前規制の復活強化規定を撤回したのか。規制の対象を、いわゆる営利企業だけではなく独立行政法人や行政委託型公益法人に拡大することが必要ではないか。御答弁ください。
 再就職、天下りあっせんは、総理陣頭指揮の再就職援助を含め、丸ごと必要がないのではないか。職員によるあっせん行為の罰則規定こそ導入すべきではないですか。そもそも行政府だけ再就職支援を丁寧に行って立法府や司法府の職員にしないのは、法の下の平等に反するのではないか。以上、御答弁ください。
 行為規制の実効性は、監視委員会をつくってできるようなものではありません。アメリカのように、公務員の内部告発を機能させること、情報公開を促進することの方が実効性があると考えますが、お答えいただきたい。
 以上の観点から、公明党は、国民が求める天下り根絶のために衆議院に修正案を提出いたしましたが、野党時代の民主党案とその思いを共有するものであります。公明党案に政府・民主党は賛成すべきと考えますが、仙谷大臣の御所見を伺いたい。あわせて、自民党案で天下り根絶ができるのか、発議者にお伺いいたします。
 官房長官にお聞きいたします。
 日本郵政の社長、副社長人事を含め、内閣任命による再就職人事は、天下りあっせんそのものであります。内閣任命人事であれば天下り人事は許されると考えておられるのか、伺いたい。
 公務員の人件費の抑制は大きな政治課題であります。総人件費抑制を図りつつ、定年制の完全実施及び定年制延長を実現するため、給与構造の見直しを行うべきと考えます。
 人件費関連四法、すなわち職員給与法、退職手当法、共済組合法そして定員法をセットで見直すことが必要であると考えますが、お答えいただきたい。
 役職定年制導入、指定職俸給表の見直し、専門スタッフ職俸給表の見直し及び対象を事務次官まで拡大する必要性についてどう考えておられるか、御答弁ください。
 財務省でまとめている公務員人件費総額約五兆円の中には、非常勤職員約十四万人の人件費が入っておりません。また、人件費ではなく物件費の中に入り込んでいる実質人件費もある。全く不透明であります。公務員の人件費の定義並びに人にかかわるコストの総額を国民に分かりやすく示すべきと考えます。官房長官並びに財務大臣の明快な答弁を求めます。
 自民党にもお伺いいたします。人件費の抑制策について発議者にお伺いいたします。
 幹部職員の人事の一元化について、仙谷大臣に質問いたします。
 人事の弾力化措置として、事務次官、局長、部長を同格とするみなし規定を削除すべきであります。なぜなら、同格としながら給与は歴然と差があり、指揮命令はそのままでは、法律の諸規定を誠実に執行することは到底不可能であります。組織破壊であり、大臣におもねる風土を醸成することになるのではないか、答弁を求めます。
 次に、政治主導の名の下に、情実人事等、不公正な人事をいかに排するかの観点が改正案にはありません。最も大事な公正性を担保するための制度を提案したい。大事なのは、幹部職員の適格性審査の手続や、幹部候補者名簿作成にかかわる政令制定、審査過程への第三者機関の関与の制度化であります。仙谷大臣、いかがでしょうか。
 統治機構は国民の血税によって支えられております。しかし、公金管理の重みと責任の自覚が、我々国会議員を含め、公務員全般に弱いように考えます。我が党は自民党とともに、この公務員の公金管理の根本意識の転換と責任追及のため、公務員等の不正経理防止法案の三度目の国会提出、さらに公明党独自に会計法の改正を準備しております。
 前者は、虚偽の請求書、領収書等を作成することによる裏金づくりを処罰する刑法の特別法であります。会計検査院は毎年のように公的セクターの裏金の不正経理を指摘しており、この犯罪的行為はとどまるところを知りません。会計法は、不正経理防止法にも関連いたしますが、公的機関による公金管理の根本法ともいうべき会計法が訓示的規定の認識しかなく、違反しても法律違反の自覚が役所にはありません。法律そのもののコンプライアンスを育てるよう改正したい。この二つの立法提案に対する財務大臣の見解を伺いたい。
 最後に、国家公務員法の魂の規定ともいうべき同法第一条の目的規定の見直しを提案したい。
 行政の現場では、非民主的人事慣行であるキャリアシステムや天下り等、戦前からの官イコール公イコール国家という体質が蔓延しており、結果として第一条の目的の達成が妨げられております。しかし、マスコミを含む国民の多くは、この自覚、認識が弱いように私は思います。
 そこで、公務員法第一条の目的規定、そして第九十六条、公務員の服務の根本基準の規定に国民主権の理念を高らかにうたうことを提案したい。そもそも、官僚内閣制を克服できなかったことが政権交代を促した最大の要因であったわけであります。そして、政権交代とはまさに国民主権の爆発ともいうべきものでありますから、その魂を明確にしておくことは何よりも重要であると考えます。
 仙谷大臣の御見解をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣仙谷由人君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 117415254X02220100519_017

発言者: 山下栄一

speaker_id: 16465

日付: 2010-05-19

院: 参議院

会議名: 本会議