仙谷由人の発言 (本会議)
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○国務大臣(仙谷由人君) 山下議員から九つの御質問をいただきました。
まずは、早期退職勧奨についてのお尋ねでございます。
鳩山内閣におきましては、天下り、わたりのあっせんを根絶することといたしておりまして、あっせんを伴う退職勧奨は、組織の改廃等に伴い離職せざるを得ない場合を除いて既に禁止しているところでございます。その他の退職勧奨については、現在、退職管理基本方針の中でその取扱いについて検討が進められているところでございます。
次に、今回の法案に事前規制が含まれていない、再就職についての事前規制が含まれてないということについてのお尋ねがございました。
平成十九年の国家公務員法改正により、再就職の規制は事前規制から行為規制に転換が図られたものと承知しております。また、事前規制は退職後の一定期間の再就職を規制するものでありますけれども、規制期間を過ぎた再就職でも、例えば公務員OBのわたりなど、国民の疑念を抱かせる再就職があります。
このようなことから、現内閣においては、府省庁によるあっせんの禁止、水面下で府省庁職員による情報提供等の疑いがあるような再就職事案につきましては、新設する再就職等監視・適正化委員会において厳正に対処する、閣議決定に基づいて、国家公務員出身者が役員等に在籍する公益法人の徹底的な見直し並びに独立行政法人の役員ポストの公募及び独立行政法人自体の抜本的な見直し等の措置を総合的に講ずることによりまして、天下り問題に対処することといたしております。
続きまして、再就職支援の必要性及び行政府の職員だけに再就職支援を行うことに関してのお尋ねがございました。
改正後の国家公務員法では、内閣総理大臣は、組織の改廃等によって離職を余儀なくされることとなる職員に限り再就職支援を行うこととしているところであります。民間企業において整理解雇を行う場合には、解雇を回避する努力義務があるとされているところであります。組織の改廃等による分限免職は民間の整理解雇に当たることから、分限免職回避の努力の一環として再就職支援に関する規定を設けることは必要と考えております。
また、国会職員につきましては、再就職あっせんを含め、再就職規制に関する規制が一切現在ございません。ということは、法律的には自由であるということでありましょう。裁判所職員については、基本的に国家公務員法の再就職規制を準用をいたしています。このように、それぞれの人事制度全体の中で再就職支援について定められているところでございまして、行政府が国会の職員について、裁判所の職員について介入するということはむしろ問題があるのではないかというふうに考えておりまして、法の下の平等に反するという御指摘は少々当たらないんではないかと私は考えております。
あっせん行為に対する罰則規定についてのお尋ねがございました。
過去におきまして再就職のあっせんが組織的に行われていたことを踏まえると、個人に対する刑事罰を拡大することが問題の解決のために不可欠で適切な措置なのかは疑問がございます。刑事罰については、罰則以外の手段をもって本当に対応することができないのか、問題となるあっせんの抑止に真に不可欠で適切なのかといった点を規制の運用状況も踏まえて十分に検討し、慎重に対応する必要があると考えておるところでございます。
五つ目でございますが、内部通報による行為規制の実効性の確保についてのお尋ねがございました。
再就職に関する行為規制の実効性を確保するためには、御指摘のように、監視機関の設立のみで足りるものではありません。内部通報を含め、広く違反等の疑いのある事案に関する情報提供を求めることが重要であると考えています。規制の実効性を高めるために実際の運用の中で適切に対処し、その際、内部通報者の保護について十分留意してまいりたいと考えております。
現に今、行政刷新会議の中には、国民の声、職員の声という、ある種の政策提言そして不正行為の告発、これを受け付ける機能を持っておりますけれども、その問題提起をされた方の人権といいましょうか処遇を守りながら、有効にその情報を生かしていることを申し添えたいと思います。
それから次に、天下り根絶に関しまして、公明党さんが衆議院に提出された修正案を採用すべきとの考えについてお尋ねをいただいております。
現内閣は、一般的な離職者に対する再就職の援助は一切行わないことにしております。これによって、問題とされる退職公務員の再就職あっせんをめぐる状況は大幅に現時点でも変化をしております。また、平成十九年の国公法改正によりまして、再就職規制は事前規制から行為規制に転換が図られたと、こう考えております。
こうしたことを踏まえて、現在施行されているあっせん規制等に関する違反行為又は脱法的行為を厳格に監視し、規制の実効性を高めるという考え方に立って、今回の法案を提出しているものでございます。天下り問題への対応としては、私ども政府提出法案が適切と考えております。どうか御理解をいただきたいと考えております。
次に、幹部職員人事の弾力化についてのお尋ねがございました。
今回の法案におきましては、官邸主導で適材適所の人事を柔軟に行えるようにするため、事務次官級、局長級、部長級の官職を同一の職制上の段階に属するとみなして、これらの官職の間の異動を転任とする幹部職員人事の弾力化の仕組みを導入しているところでございます。
今回の法案におきまして、幹部職員人事の弾力化のほか、幹部職員人事の一元管理の仕組みを規定し、内閣総理大臣、内閣官房長官及び任命権者が幹部職員の人事について責任を負う体制を確立するとともに、適正に人事が行われるよう配慮しているところでございます。
こうした仕組みによりまして、人事の公正を確保しつつ、官邸主導で適材適所の人事を柔軟に行えることができると考えておりまして、御提案のような規定を盛り込む必要はないと考えているところでございます。
続きまして、適格性審査等への第三者機関の関与の制度化についてのお尋ねがございました。
適格性審査は、部長級以上の幹部職が職務を遂行する上で共通に必要とされる能力の有無を判断するものでございます。この適格性審査は客観的かつ公正に行われることが必要と考えておりまして、基本的な進め方につきましては民間有識者等の意見も聴くことといたしております。具体的な審査については、例えば人事評価、職務履歴等に関する情報あるいは書類や面接の結果を基に、必要に応じて民間有識者等から意見も伺いながら審査を行うことを想定いたしております。
また、幹部候補者名簿は適格性審査の合格者について作成することとされておりまして、名簿の作成段階で別途の判断がなされることはないということでありますから、特段、公正性の確保についての問題は生じないと考えております。したがって、御提案のような第三者機関を関与させる必要はないと考えているところでございます。
さらに、国民主権の理念を国家公務員法に明記すべきというお尋ねがございました。
日本国憲法の国民主権の理念は、御存じのとおり憲法第十五条第二項で、すべての公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないと具体化されているところであります。これを受けまして、国家公務員法は、第一条一項で、国民に対し、公務の民主的かつ能率的な運営を保障することを目的とすると規定するとともに、第九十六条一項で、服務の根本基準として、すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、かつ、職務の遂行に当たっては、全力を挙げてこれに専念しなければならないと規定しているところであります。
国民主権の理念は既に国家公務員法の中に含まれているものと考えておりますが、先生の御議論のように、より鮮明に国民主権の理念を国家公務員法上の中に規定する、あるいは国家公務員の本質的な存在が国民に感謝され喜ばれるように公務を遂行するというふうな観点での御議論を委員会でさせていただけたらと考えております。
以上であります。(拍手)
〔国務大臣平野博文君登壇、拍手〕