山口那津男の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○山口那津男君 私は、公明党を代表し、菅総理の所信表明演説に対し質問を行います。
 総理、私はあなたの演説を聞いてあきれてしまいました。あなたの言葉を借りれば、政治と金の問題、普天間問題に対する責任を率直に認め、辞任というけじめを付けた前総理の勇断を受けて政権を引き継いだという政権なのですか。
 それでは伺います。普天間問題にどうけじめが付いたのですか。鳩山前総理と小沢前幹事長の政治と金の問題にどうけじめが付いたのですか。はっきり説明してください。
 総理は、民主党の代表選挙に当たって、小沢氏はしばらく静かにしてもらった方が本人にとっても民主党にとっても日本の政治のためにとってもいいのではないかと述べたと伺いました。特に、日本の政治のためにもというのは、前二者と異なり客観的な意味で使われている。静かにしていないとすると、なぜ日本の政治のために悪いのですか。昨日の我が党の井上幹事長の質問にも答えていなかったので、きちんと答弁してください。それほど大事な問題であるのなら、静かにしていた方がいいのではなく、徹底した解明が必要ではないですか。それとも臭い物にふたをするということですか。これで、あなたが青春の思い出として演説の中で誇らしく触れられた市川房枝さんに顔を向けられないのではありませんか。前内閣の一員として責任を痛感するというのであれば、その責任をもっと具体的な言動で示すべく、明確に御答弁ください。
 次に、荒井国家戦略担当大臣の事務所費問題について伺います。
 あなたは、昨日の答弁で、法律事務所や監査法人等に調査してもらっていると人ごとのように述べていましたが、公表された領収書によれば、パチンコ店で流れる音楽を集めたCD、キャミソール、漫画本、マッサージ料金など、明らかに不適切な支出ではありませんか。私も弁護士ですが、調査するまでもなく、だれが見ても不適切ですよ。荒井大臣自身の認識をはっきりと御答弁ください。
 新内閣がスタートしたばかりなのに、またしても政治と金の問題ですか。私は、三月三十一日の党首討論で鳩山前総理大臣に、いまだに政治と金の問題で議論しなければならないのはざんきの念に堪えませんと厳しく指摘したにもかかわらず、二か月半たっても民主党は自発的に問題解決ができず、また新たな問題をさらけ出している。政治と金の問題は政治家が起こしたものであり、国民生活とは直接関係のない障害物なのであります。
 国民からすれば、景気対策を始め、口蹄疫問題への対応など国民生活に直結するあらゆる問題を議論したいのに、次から次と起きては解決が放置される政治と金の問題が邪魔になって、肝心な議論ができないではないですか。総理、この問題について、国民に納得いく責任ある答弁をしてください。
 以下、具体的な課題について質問します。
 まず、改めて明確にしておきたいのは、鳩山氏も小沢氏も政治と金の問題について、総理や幹事長辞任では免責されず、何の決着も付いていないこと、その解明をなすべきことであります。その上で、国民のための議論の障害物である政治と金の問題を二度と起こさせないために、しっかりとした再発防止策を講じる必要があります。
 私は、二月十七日の党首討論で当時の鳩山総理に、政治資金規正法改正に向けた与野党の協議機関に参加するよう提案しました。当時、鳩山総理は、民主党としても与野党の協議機関の設置に賛成をしたい、大いにこれは各党で協議を進めていこうではありませんかと答弁されました。
 しかし、実態はどうでしょうか。民主党は鳩山氏や小沢氏の参考人招致、証人喚問を嫌がり、与野党の協議機関に参加しようともしない。他党に事寄せて自発的に解決する姿勢がない。前回衆議院選挙で民主党がマニフェストに掲げた企業・団体献金の禁止も、当時の鳩山総理の答弁も単なるパフォーマンスだったと言われても仕方ありません。
 菅総理自身、政治と金にまつわる問題にけじめを付けることが必要と発言しました。その上クリーンな政治と言うのなら、公明党が提出した政治家の監督責任を強化する政治資金規正法改正案を丸のみしたらどうですか。各党各会派で相談しろではなく、あなた自身のお考えはどうなのですか。賛成なら、今国会で、政治家の監督責任を強化する政治資金規正法の改正に協力すべきです。
 鳩山氏と小沢氏、両氏の異なる検察審査会においても共通して指摘されていることは、会社の上司が責任を取らされている世間一般の常識に合致しない、秘書に任せていたと言えば政治家本人の責任は問われなくてよいのか、市民目線からは許し難いとして、監督責任強化の法改正の必要性が提起されているところであります。
 また、小沢氏の企業献金、小林千代美氏の団体献金事件の再発防止のために企業・団体献金の全面禁止も制度化しようではありませんか。総理は所信の中で企業献金にしか触れなかったのは腰が引けているとしか言いようがありません。さらに、予算委員会の議論まで逃げようとリーダーシップを発揮できないのですか。総理の責任ある答弁を求めます。
 さて、あなたの演説を聞いていて、その無責任ぶりとともに目立ったのが空疎な言葉の羅列でした。第三の道、強い経済、強い財政、強い社会保障などなど。ところが、一つ一つ聞いてみると、言葉は躍っても、どれも具体策がありません。
 そこで、私は、具体的に提案を含めて総理に伺います。
 まずは、財政再建についてです。
 菅総理は、財政再建のための与野党協議機関の設置を呼びかけられました。私たちも財政の危機的状況に目をそらすべきではなく、与野党が一定の責任を持ってその打開に努力すべきであると考えます。しかしながら、総理の提案は、余りにも虫が良過ぎる話であると言わざるを得ません。
 そもそも、民主党は、無駄を削ればマニフェストに必要な財源は簡単に出てくると豪語してきました。その結果、財政再建の絵姿もないまま平成二十二年度予算を編成し、結果、フローで四十四・三兆円にまで借金を膨らませてきました。さらには、消費税は四年間上げないと公言してきた。にもかかわらず、今般、増税を含めた財政再建へと大きくかじを切ろうとするならば、まずは民主党のマニフェストは間違いであったことを明確にすることがすべての大前提ではありませんか。総理、いかがですか。
 成長戦略もない、社会保障も、年金改革はおろか医療や介護などの具体的方向性も示されていません。また、所信表明演説では、財政再建、税制改革を進める上での重要テーマであるべき消費税については、その言葉すら出てきませんでした。要するに、今般の協議機関の提案の前提というべき政府の方針なるものは全くのゼロ提案ではありませんか。財政に赤信号をつけた自らの責任を棚に上げる一方で、増税が見え隠れする財政健全化の議論だけは与野党を超えてみんなで渡ろうというのは、まさに責任転嫁、責任逃れであり、消費税隠しなのではありませんか。
 私はむしろ、年金、医療、介護、子育て支援などの社会保障のあるべき姿について、その財源の在り方と併せて国民的コンセンサスを得ていくことが正しい議論の筋道であると思います。政府の借金を返すために消費税を増税しようという論議は言語道断であり、反対です。
 そこで、私は、財政再建の前に、社会保障のあるべき姿、社会保障の機能強化の在り方を検討する与野党の協議機関を設置すべきと逆提案いたします。総理の見解を求めます。
 公明党は、行政の無駄を省くためにこれまで先頭に立って取り組んできました。例えば、事業仕分については、二〇〇五年の衆院選のマニフェストで提唱し、翌年の行政改革推進法に事業仕分という言葉と考え方を盛り込んだのも公明党です。また、政策ごとに予算と決算を結び付け、予算とその成果を評価できるように予算書、決算書の見直しなども行いました。
 私は、これから財政健全化を本気で進めていくためには、例えば事業仕分に関しても、公会計制度を含めたインフラを整備し、その上で、客観性、透明性のあるデータに基づいた歳出改革を行うことが重要であると考えます。
 そうした観点から一点提案申し上げたい。東京都では、既に複式簿記、発生主義会計が導入されたことにより、お金の流れ、資産の状況がより透明化され、財政再建に一定の成果を上げております。私は、企業や自治体とはその性質が違うことも承知の上で、財政再建を本気で進めるのであれば、自治体などの実績、成果を踏まえて、公会計制度の見直しを真正面から議論してはどうかと考えます。総理の見解を求めます。
 関連して、平成二十三年度予算について伺います。
 もはや、歳出の見直しや事業仕分だけでは十兆円、二十兆円の財源が生み出せないことが明白になりました。この点は総理も認められますね。まず、答弁を求めます。そうであれば、平成二十三年度予算編成に関しては、財政再建が喫緊の課題とするならば、極論すれば、マニフェストを思い切って見直すか、それとも財政規律に目をつぶってでもマニフェストを実現するかしかありません。二兎は追えません。総理はどちらの道を選ぶのか、明確にお答えください。
 平成二十二年度予算では、いわゆるシーリングがなく、結果として大型予算につながってしまいました。私は、財政規律、要求省庁の自己査定機能の発揮との観点からシーリングが必要と考えますが、総理はどう認識されていますか。
 また、来年度予算は新規国債発行を四十四・三兆円以内に抑制する旨の発言があります。これは公約と受け取ってよろしいですか。さらに、一般会計総額九十二兆円はどうするのですか。マニフェスト達成のために膨らむのでしょうか。併せて方針をお聞かせください。
 次に、成長戦略についてであります。
 年内にGDPが中国に抜かれる、日本の世界競争力は二十七位、日本は先進国ならぬ老大国になってしまったなど、残念ながら日本の相対的地位や影響力は弱くなり、このまま衰退してしまうのではないかという声が聞こえてきます。しかし、私は、ピンチをチャンスに変える、これこそが成長戦略のポイントであると訴えたいと思います。
 第一には、地球環境、気候変動への対応についてです。
 私は、省エネ・環境技術では世界に誇れる優位性を保っており、また国際貢献も十分に可能です。環境・エネルギーの分野への研究投資を拡大しながら、いかに競争力を確保していくか。あわせて、農業を含めたグリーン産業革命を起こすなど戦略的な取組が重要であります。
 第二には、魅力ある日本の構築と産業構造の転換についてです。
 日本に投資する魅力をいかに確保するか。日本に来れば良い仕事ができると海外の企業や投資家の方たちが思えるようなインフラ整備を早急に進めていく必要があります。税制もさることながら、物流、立地環境の整備、高度人材の呼び込み、金融の見直しなどを含めた総合的な拠点化を目指すべきです。産業構造の転換、中でも環境・エネルギー、農業、医療・介護、教育、文化などの分野に重点投資して雇用も生み出していく。また、アジアを始めとする新興国の成長を取り込み、中でも、政府が先頭に立って新幹線、上下水道などのインフラ輸出を積極的に推し進めていくべきです。
 第三には、人口減少、少子高齢化への対応です。
 公明党は、雇用の安定確保を基軸とした安心の社会保障、福祉の確立こそが日本の経済成長の基盤であると認識しており、介護、医療の分野を中心に雇用を拡大し、さらには学校教育、職業教育、職業訓練などの人的投資を拡大していくことが重要と考えます。さらには、日本の中小企業の製造業などが持つ物づくりの技術力、たくみの技をもっと生活現場あるいは社会保障、福祉の分野などで積極的に生かしていくべきです。そのことは結果として産業構造の転換にもつながるものであります。
 以上申し述べた諸点について、総理の見解を伺います。
 次に、地球温暖化問題です。
 総理は、成長戦略の第一にグリーンイノベーションを挙げ、温室効果ガス二五%削減目標を掲げた地球温暖化対策に言及しました。しかし、具体策のない成長戦略は夢物語です。温暖化対策では、何よりも二五%削減という意欲的な目標が出発点となります。日本がいち早くグリーン産業革命を遂行し、世界経済における競争優位を獲得していくには二五%削減への速やかな着手が必要です。
 ところが、政府の温暖化対策基本法案では、二五%削減目標に国際合意の実現という前提条件を付け、凍結してしまっています。肝心の削減目標がないのでは法律は機能せず、本格的な温暖化対策も始動しません。総理の言う国際交渉の主導にもマイナスになります。
 公明党は、国際法上の義務にかかわる外交交渉はともかく、国内法における自主的目標に前提条件は全く不要であると考えます。温暖化対策の画竜点睛は、政府案の二五%削減目標から前提条件を外すことです。総理のリーダーシップで、及び腰が透けて見える前提条件を外す考えはないか、伺います。
 一方、公明党は必ずしも二五%のすべてを国内で削減しなければならないとは考えていません。もちろん、低炭素社会への移行、省エネルギーやグリーン産業の育成などの政策効果を考えると、なるべく国内で削減した方がよいことは間違いありません。
 しかし、目標の二〇二〇年は十年後に迫っており、国内だけでは無理が生じるおそれがあります。ゆえに、海外クレジットの取得についても途上国での具体的な削減と結び付く形で前向きに考えてよいと思います。その上で、国内での適切な削減量を早急に検討すべきです。それが決まらなければ、排出量取引などの制度設計や企業の方針決定のための前提がいつまでも明確になりません。例えば、国内で最小限この程度は削減するとの目標を示してはどうか、総理の考えを伺います。
 公務員制度について伺います。
 鳩山前政権は、発足当初、天下りあっせんの全面禁止を打ち出したにもかかわらず、舌の根も乾かぬ昨年十月、官僚の中の官僚OBと言われる元大蔵事務次官の齋藤次郎氏を日本郵政の社長に据え、自らが天下りあっせんの道を開きました。
 こんな政権が天下りを禁止できるはずがありません。案の定、国家公務員法改正案には、天下りの温床となっている早期退職勧奨の禁止や退職後の再就職を一定期間禁止する事前規制など、重要な規定が盛り込まれていませんでした。口では天下り根絶と言いながら、やっていることは天下り自由化そのものではありませんか。
 公明党は、早期退職勧奨の禁止、在職中に密接な関係にあった営利企業、独法、公益法人への再就職を五年間禁止する事前規制の復活、強化、さらに、事後規制として、あっせん禁止違反に対する刑事罰の新設などを盛り込んだ修正案を提案しましたが、民主党は自らの非を隠すように強行採決を行いました。
 世論の厳しい批判に耐え切れず退陣した前政権の轍を二度と踏まないためにも、総理、公務員制度改革担当大臣を新設したことでもありますので、この際、国家公務員法改正案については、私の指摘したとおり、抜本的に見直し、出直すべきです。答弁を求めます。
 次に、公務員等による税金の不正使用について伺います。
 国あるいは地方公務員が取引先業者などと結託し、虚偽の請求書を作成して裏金づくりを行うなどの不正は今も後を絶ちません。しかも、不正に預けた裏金を使い込まれて返還を求めるなどという、クリーンハンドの原則に反するようなみっともない事件まで起きる始末です。
 行政に対する国民の不信を払拭するため、公明党は、本年四月、いわゆる不正経理防止法案と会計検査院の事務権限の強化を目的とした会計検査院法改正案を自民党と共同で提出しました。この不正経理防止法案は、公務員にとどまらず、独立行政法人や公益法人等も対象に含め、不適切な会計処理を行った場合、三年以下の懲役刑又は百万円以下の罰金刑を定めた画期的な内容となっております。速やかなる法律の制定を行うべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 国会議員の歳費について伺います。
 国会議員の歳費は月額で支給されており、昨年八月三十日の衆議院選挙後には、二日間だけで八月分が満額支給されたことに国民から疑問の声が上がりました。間もなく実施される参議院議員選挙後にも同様の問題が起こり、新人で当選した場合には任期開始となる七月二十六日から三十一日の六日間だけで七月分の歳費が満額支給されることになります。こうした庶民感覚から考えられない仕組みは改めるべきです。
 公明党は、既に一部自治体で臨時職員などに日割りで給与が支給されているように、国会議員の当選月の歳費を日割り支給にするべきだと考えますが、いかがですか。
 総理は演説の中で、新たな年金制度に関する基本原則を提示する、介護についても安心して利用できるサービスの確立に努めますとおっしゃいました。民主党は一体いつまで検討を続けているんですか。民主党が年金制度の抜本改革を言い出したのは二〇〇三年、既に七年が経過しています。今ごろ基本原則などと言っている場合ではありません。早く具体策を出してください。それができないのなら、抜本改革など撤回していただきたい。総理の答弁を求めます。
 公明党は、新しい福祉について具体的に提案いたします。
 まず、うつ病などの心の病、深刻化するDVや児童虐待、高齢者の孤独死、貧困や不安定雇用など、国民は新たなリスクに直面しています。公明党は、これまで年金、医療、介護など社会保障制度や子育て支援の充実に全力を挙げてきました。しかし、これらの新たなリスクは今までの社会保障、福祉の枠では対応できない課題であります。
 公明党は、福祉の党として、これらの二十一世紀の新たな社会問題に対応するため、新しい福祉を提案しています。社会保障制度の抜本的な充実を図る新しい生活保障、生活の安定に直結する雇用保障の確立に向けた新しい雇用保障、そしてうつ病など現代の社会問題に対応する新しいヒューマンケアの三本柱であります。
 二十一世紀の新しい福祉政策について、特に喫緊の課題であるうつ病対策と介護に絞って伺いたい。
 うつ病は、だれもが身近に接する疾病となっています。うつ病患者は約二百五十万人、不安障害などの気分障害全体では実に一千万人を超えています。もちろん日本だけの現象ではなく、WHOの将来予測では二〇二〇年には総疾病の第二位とまで言われています。
 しかし、患者のうち四分の三は医療機関での治療を受けていません。まず、入口となる職場のメンタルヘルス対策の推進、かかりつけ医の研修事業の拡充など、早期発見の体制整備を図るべきであります。
 また、治療法では、公明党が推進してきた認知行動療法が本年四月の診療報酬改定で健康保険が適用されましたが、まだまだ圧倒的に専門家が足りません。先進的に行ってきた沖縄県精神保健センターでは、実に九二%の方が改善したとの成果が出ている治療法です。認知行動療法の更なる推進、早期発見から治療体制への充実、社会復帰までの支援体制の充実について、総理はどう取り組まれるか、答弁を求めます。
 次に、介護について伺います。
 公明党は昨年十一月、全国三千人の議員が介護現場に飛び込み、全国四十七都道府県で介護総点検運動を実施しました。介護現場では、高齢者や介護家族、介護従事者など、五つの分野で実態調査を行い、十万件を超える介護現場の切実な声を聞き取りました。特に、介護施設、在宅支援、介護労働力という三つの不足に対する不安の声が数多く寄せられました。
 本年二月、公明党独自の新・介護公明ビジョンを発表し、介護と医療の連携の強化、高齢者住宅の整備など、地域の暮らしを支える地域包括ケアの実現を提案しました。
 特に重要課題として十二項目の政策提言を行い、特養ホームなど介護施設の倍増、二十四時間訪問介護サービスの拡充、家族に休息を取ってもらうレスパイトケアの充実などを主張し、その提言に対し鳩山前総理は、大いに政府として参考にする、具体的な内容については厚生労働省などに検討を促すと述べました。
 そこで、総理に伺います。公明党の介護ビジョンを検討した結果はどうなったのか、お答えください。
 また、介護を必要とする高齢者が年々増加する中で、自宅で暮らし続けられるためには、二十四時間三百六十五日の在宅サービスの充実が不可欠であります。ところが、施設介護は定額払なのに対して、在宅介護は出来高払。在宅介護において、施設と同様に定額で提供され、何度でも訪問できる小規模多機能型居宅介護のサービスが普及しなければ、地域包括ケアの実現は難しい状況です。
 総理、小規模の在宅支援事業は全く足りていません。せめて小学校区に一か所以上展開する必要があります。明確な答弁を求めます。
 次に、子育て支援策について伺います。
 初めにお聞きします。総理、来年度以降の子ども手当はマニフェストどおり二万六千円に拡充するのですか。その際、財源はどうするのですか。一部閣僚より見直すとの発言が見受けられますが、ぱらぱらと無責任な発言をせずに、明快に国民に対し来年度以降の姿を示していただきたい。子ども手当は民主党マニフェストの一丁目一番地でした。もし変えるのならば、きちんと説明すべきです。総理、お答えください。
 本年度の月額一万三千円を中学生まで支給する子ども手当は、実質児童手当の拡充であり、公明党が目指してきたものであるところから賛成をいたしました。
 しかし、来年度以降の話は別です。私は、子育て支援は、経済的負担の軽減と保育サービスの一層の充実など、あえて法案を修正して明記させたように、総合的な子育て支援が重要と考えています。
 これからは、待機児童ゼロに向けた保育所の緊急整備や幼児教育と公立小学校の給食費の無償化など、子育て環境の整備にこそ力を入れるべきです。総理の見解を伺います。
 最後に、外交問題について菅首相の基本的姿勢、立場を伺います。
 普天間移設問題をめぐる鳩山前総理の失政により、沖縄県民の期待は怒りへと変わり、日米関係も悪化、普天間問題解決の道のりはかつてなく困難なものとなりました。日米合意では代替施設の位置、配置及び工法に関する検討を八月末までに完了させるとしていますが、本当にできるのですか。
 総理はかつて、沖縄に駐留するアメリカ海兵隊について、沖縄にいなくても極東の安全は維持できる、日本から移転を考えている、一方で普天間の辺野古移転について、不可能だ、県外、国外へ移転すべきだと述べられました。したがって、政権交代当初は、アメリカ海兵隊の抑止力について鳩山総理と同様の認識だったのですか。まず、お答えください。
 日本周辺では、今年三月の韓国海軍哨戒艦の天安沈没事件、昨年のミサイル発射事案、核実験など北朝鮮による挑発的な行動が相次ぎ、地域の平和と安定を損なっています。このような冷徹な事実を前に、鳩山前総理と同様、菅総理は抑止力に対する認識を変えたのですか。変えたのであれば、いつの時点で、どのような理由で改めたのか、お答えください。あわせて、日米安保体制に対する総理の基本的な見解を伺います。
 五月三日から二十八日までニューヨークの国連本部で開かれた核拡散防止条約、いわゆるNPT再検討会議では、初めて核兵器禁止条約に言及した最終文書が全会一致で採択されました。昨年四月五日、オバマ・アメリカ大統領がプラハで核のない世界に向けて行動すると演説して以来、世界の核廃絶への機運は着実に高まっています。
 今月二十六日よりカナダでG8サミットが開催され、総理は初めて参加されます。その場で、今回のNPTで言及された核兵器禁止条約について議論を始めるよう各国のリーダーに提起すべきだと考えますが、総理の所感を伺います。
 質問の最後に一言申し上げます。
 総理は演説の最後に、国民の皆様が私を信頼してくださるかどうかで、リーダーシップを持つことができるかどうかが決まるとの趣旨の発言に、私は耳を疑いました。まずあなたがリーダーシップを発揮することによって、国民の信頼が得られるのではないですか。あなたの主張は本末転倒です。このことを厳しく指摘し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 117415254X02820100615_009

発言者: 山口那津男

speaker_id: 1759

日付: 2010-06-15

院: 参議院

会議名: 本会議