菅直人の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(菅直人君) 佐藤正久議員の大変熱のこもった御質問にできるだけしっかり答えてまいりたいと思います。
まず、私の過去の言動等についていろいろと御指摘をいただきました。
辛光洙工作員の助命、釈放要望という問題でありますが、この問題、何度かNHK討論や衆議院などでも指摘をされ、その都度お答えをいたしておりますが、重なりますが、若干御説明をしたいと思います。
たしか全斗煥大統領当時でありますが、大統領が訪日されるに当たって、日本生まれの在日韓国人の学生が韓国で民主化運動を行って逮捕され、死刑判決などを受けた方があったと。当時、社会党を中心に、その人たちに対するそうした釈放要求をしたいということで、公明党からも署名が集められ、当時私は社民連という小さな政党におりましたが、田英夫さんが党首で土井たか子さんとも近かったものですから、こういう趣旨だということでこの協力要請がありましたのでサインをいたしました。しかし、その要望書の釈放要求の中に辛光洙という名前が入っていたということは私は全く知っておりませんでした。しかし、そうした名前を細かくきちっと確かめないで署名したということは政治家として不用意なことであり、反省をいたしているところであります。
普天間基地に関係した経費について、国庫に返納すべきではないかということであります。
確かに、この普天間基地をめぐる問題でいろいろとある意味での迷走状態があったということを鳩山総理自ら認めて、その政治と金の問題も含めて辞任を自らされたわけであります。佐藤議員とはこのことで何かお金を返す返さないということになるというふうな見方を私は必ずしもいたしておりません。普天間基地の基地の除去と沖縄の負担軽減に向けた様々な検討と努力がなされたわけでありまして、それがすべて無駄遣いであったというふうには思っておりません。
鳩山前内閣により失った国益と得られたものについてという御質問がありました。
鳩山前総理は率直に普天間問題についての政治責任を認められて、退陣という総理として最も重い決断をされたわけで、政治的に一つのけじめを付けられたものと、このように理解をいたしております。もちろん、それによって普天間問題が解決したわけではありません。新内閣においても、日米合意を踏まえつつ、普天間基地の危険性の除去と沖縄の負担軽減に向けて全力を挙げてまいる覚悟であります。
さきの総選挙における沖縄の与党議員の主張について御指摘がありました。
さきの総選挙における民主党のマニフェストは、米軍再編や在日米軍の在り方について見直しの方向で臨むと記しておりました。沖縄選出の民主党議員も基本的にはこのマニフェストに沿った主張をしたものと認識をいたしております。いずれにしても、佐藤議員の御主張はいささか乱暴な議論ではないかと、このように考えております。
普天間基地問題を担当した関係閣僚を再任した理由についてでありますけれども、私は、それぞれこの九か月間、この問題を含めて真摯に取り組んでいただいたと見ておりましたし、また、今後のこの内閣としていろいろな役目を担う上で最も適材適所の人たちを選んだ結果、外務、防衛大臣を含め留任をお願いしたところであります。
普天間基地問題の関係閣僚の責任感と重なる御質問ですが、普天間基地問題の関係閣僚はそれぞれに責任感を持って仕事をしておられたということで、今申し上げたように、再任をお願いしたところであります。
普天間飛行場の移設に係る地元合意についての御質問がありました。
今月の二十三日、沖縄全戦没者追悼式に参加をいたしまして、沖縄を襲った悲惨な過去に思いを致すとともに、長年の過重な負担に対する感謝の念も深めてまいりたいと思っております。
普天間飛行場の移設については、先般の日米合意を踏まえつつ、同時に、閣議決定でも強調されたように沖縄の負担軽減に全力を挙げるつもりであります。沖縄において、これらの日米合意や閣議決定に対して厳しい声があることは十分理解をいたしております。今後、移設計画や負担軽減の具体策について、沖縄を始め地元の方々に誠心誠意理解を求めてまいりたい、このように思っております。
今日の午前中、二十三日に私が沖縄を訪問するということをお伝えしていたこともあって、仲井眞知事が官邸においでになりまして、この二十三日のことを含めていろいろと意見交換をいたしました。私自身、知事とはそうした形でお話をするのは初めての機会でありましたので、これをある意味でスタートとして、しっかりと沖縄の皆さんとも話を続けてまいりたい、このように考えているところであります。
鳩山前総理を同行されたらどうかということもたしか質問の中にありましたけれども、こういった問題はやはり御本人が自分で判断されることでありまして、私がどうこうということでやるべきことではないと、こう思っております。
二〇一四年までの移設完了と県知事権限を取り上げる特措法の可能性についての御質問をいただきました。
普天間飛行場の移設については、先般の日米合意を踏まえつつ、同時に、閣議決定でも強調されたように沖縄の負担軽減に尽力をする覚悟であります。沖縄の負担軽減及び普天間の飛行場の危険性除去に最大限努力していること等について、沖縄県を始め地元の方々に誠心誠意説明し、理解を求めてまいる所存です。
なお、埋立許可等の県知事の権限を取り上げるような特別措置法については念頭に全くありません。
在沖米海兵隊のグアム移転と嘉手納以南の施設・区域の返還の前倒しについての御質問をいただきました。
先般の日米合意では、在沖米海兵隊のグアム移転と嘉手納以南の施設・区域の返還の着実な実施についても改めて確認いたしたところであります。これらの取組は沖縄の負担軽減に直結するものであり、普天間飛行場の移設と併せて着実に進めてまいる所存であります。
今後、グアムの米軍基地に対して在日米軍駐留経費負担を検討することについての御質問がありました。
先般の日米合意では、環境面の措置として、日本国内とグアムで整備中の米軍基地に再生可能エネルギーの技術を導入する方法について、在日米軍駐留経費負担、HNSの一構成要素とすることを含め検討することとされております。このような技術の導入については、国内における在日米軍駐留経費負担の効率化に資するものと考えております。
東アジア共同体構想と日米同盟についての御質問をいただきました。
我が国は、日米同盟を外交の基軸とし、アジア諸国との間で様々な面での連携を強化し、将来的にはアジア共同体を構想していく。既存の枠組みを活用し、開放的で透明性の高い地域協力をこのアジア地域においても一歩一歩着実に進めることが重要であると思っておりまして、特に期限は設けて考えてはおりません。具体的取組においては、関係国と協力しながら、日本の技術を生かし、インフラ整備、環境、気候変動等の地域共通の課題解決に貢献してまいりたいと考えます。
日米同盟については、日米安保条約五十周年に当たる本年、二十一世紀にふさわしい形で着実に深化、発展をさせるために日米の協力を進めてまいりたいと考えます。具体的には、東アジアにおける安全保障環境の共通認識の確認を始め、ミサイル防衛、拡大抑止、情報保全、宇宙、サイバーといった個別分野における協力に加え、グローバルな課題についても緊密に協力をしてまいりたいと考えております。
米国の打撃力、核抑止力について御質問をいただきました。
国際社会には、核戦力を含む大規模な軍事力が存在し、また核兵器を始めとする大量破壊兵器等の拡散といった危機が増大するなど、引き続き不透明、不確実な要素が存在をいたしております。
我が国は、自らの防衛力を整備しつつ、日米安保体制の下、米軍のプレゼンスを確保し、その抑止力をもって我が国の安全を確保することが必要と考えております。同時に、米軍のプレゼンスは地域の平和と安定の維持に寄与するものと認識をいたしております。このような抑止力は、あらゆる種類の米国の軍事力、核、非核の双方の打撃力、防衛能力などによるものと理解をいたしております。今般の米国の核態勢の見直し、NRPによって決定された巡航ミサイル、トマホークの退役がなされても、米国の抑止力は信頼でき、効果的なものと認識をいたしております。
打撃力の米国への依存と在沖海兵隊の県外、国外移転に関する考え方について御質問をいただきました。
我が国周辺の東アジアの安全保障環境には、最近の朝鮮半島情勢などに見られるとおり、不安定性、不確実性が強く残っております。したがって、海兵隊を含む在日米軍の抑止力は、安全保障上の観点から極めて重要だと認識をいたしております。
普天間飛行場の移設については、先般の日米合意を踏まえつつ、同時に、閣議決定でも強調されたように、沖縄の負担軽減に尽力する覚悟であります。
在沖米軍と在沖海兵隊の抑止力の意義等について御質問をいただきました。
我が国周辺の東アジアの安全保障環境には、最近の朝鮮半島情勢等に見られるとおり、不安定性、不確実性が強く残っております。したがって、海兵隊を含む在日米軍の抑止力は、安全保障上の観点から極めて重要だと認識をいたしております。
在日米軍の抑止力は、我が国の安全の確保のみならず、地域における不透明、不確実な要素に起因する不測の事態の発生等の抑止にも寄与するものと考えております。そういった意味で、この地域について、日本の領土だけではなくて、この地域全体に対して不測の事態の発生の抑止にも役立っていると、このように認識をいたしております。
安全保障政策及び防衛力整備の基本方針について御質問をいただきました。
私の政権においても、日米安全保障体制を堅持し、適切な防衛力の整備に努めるとともに、我が国を取り巻く国際環境の安定を確保するための外交努力や国際平和協力等の政策を推進していく考えであります。
また、我が国の安全保障、防衛力の在り方の指針を示す防衛計画の大綱については、国際的な安全保障環境に対応する観点から、有識者による新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会の報告や、国会等での議論も参考にしつつ、本年中に見直す予定といたしております。
自衛官の削減と自衛隊に対する見識に関する御質問をいただきました。
防衛力は、安全保障の最終的担保として、他の手段では代替できないものであると認識をいたしております。自衛隊がその任務を十分に果たし今後とも国民の安全、安心を確保できるよう、自衛官の人員数も含め、防衛計画の大綱の見直しの中でしっかりと検討してまいりたいと考えております。
靖国神社参拝についての御質問をいただきました。
私は、これまで個人的には何度も靖国神社を参拝をいたしたことはあります。しかし、靖国神社は、A級戦犯が合祀されているといった問題などから、総理や閣僚が公式参拝をすることには問題があると考えておりまして、総理在任中に参拝するつもりはありません。
永住外国人への地方参政権付与についての質問をいただきました。
民主党においては、従来から外国人の地方参政権の実現に努力をしてまいりました。その姿勢に変更はありません。しかしながら、この問題は、様々な意見があり、各党各会派においてしっかり議論していただくことが必要であります。そのような議論の中でその取扱いも決めていくことになると考えているところであります。
選択的夫婦別氏制度についての御質問をいただきました。
選択的夫婦別氏制度の導入については、平成八年に法制審議会において、民法改正案の要綱を決定し、法務大臣への答申が行われたところであります。導入については、いろいろな意見があることは承知しており、この答申を踏まえ、引き続き与党内において調整をしてまいりたいと考えております。
自衛隊の最高司令官としての覚悟についてという御質問をいただきました。
一九九九年当時の民主党は国旗のみを法制化する修正案を提出いたしましたが、否決され、国旗・国歌法案の原案には、内心、心のうちですね、思想にかかわるという認識から、党としては自主投票に臨んだところであります。
私は、国旗は、この日の丸というすばらしい国旗だと思っておりまして、国歌についてはもう少し元気のいいものであってもいいんではないかというような認識も少し持っておりましたので、そうした意味で私は反対したことは事実であります。しかし、日の丸・君が代は国民の間に定着し、私の内閣においても尊重すべきと考えております。
私も、あらゆる場所でということまでは申しませんが、できるだけ日の丸の掲示してあるところではきちんと敬意を表し、また、君が代が歌われるところでは皆さんとともに歌っているということは申し上げておきたいと思います。
当然のことでありますけれども、自衛隊の最高指揮官としてこの日本という国を守り抜く覚悟がなければ総理に就任することはできないと、こういう覚悟で臨んでまいりたいと、このように思っております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣仙谷由人君登壇、拍手〕