西田昌司の発言 (本会議)

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○西田昌司君 自由民主党の西田昌司です。私は、菅総理の所信表明演説に関しまして、特に政治と金の問題を中心に、菅総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 なお、あらかじめ申し上げておきますが、不十分な答弁で納得のいかない場合には再質問をさせていただくことをあらかじめ宣言しておきます。
 最初に、蓮舫大臣にお聞きします。今朝の新聞報道によりますと、あなたの公設秘書が痴漢で任意聴取を受けたとありました。事実関係についてお伺いいたします。
 また、先日の「はやぶさ」帰還の快挙は国民の大喝采を浴びました。しかし、後継機の開発費は、麻生政権の概算要求の十七億円から鳩山政権で五千万円に、さらに事業仕分で三千万円にまで削られたのであります。菅総理は、日本の技術水準の高さを世界にアピールしたと称賛していますが、全くもって不見識です。その技術力の開発を、なぜ一番ですか、二番ではいけないんですかと言って切り捨てたのは、あなた方民主党政権ではないですか。
 こうしたケースは「はやぶさ」に限らず、ほかにも多々あります。パフォーマンスだけの事業仕分を事業仕分すべきと考えますが、菅総理、蓮舫大臣に認識をお伺いいたします。
 昨日の衆議院でも取り上げられましたが、鳩山前総理の突然の辞任、政権の投げ出しは国民を愚弄し、政治不信を招く大変大きな問題です。それを継いだ菅政権は、ほとんどの大臣が残留をし、まさに鳩山政権そのものであるというのが実態であります。
 鳩山前総理は、政治と金の問題、普天間基地の移転という二大問題で何の解決も示さず行き詰まり、政権を放棄せざるを得なかったのであります。にもかかわらず、菅政権はこれらの問題についていかに対応するのか、方針は明確に示されず未解決のままであります。つまり、鳩山内閣と何の変わりもないということです。
 政治と金の問題で民主党の鳩山、小沢の両氏はその役職を辞職されましたが、二人からは何の説明もありません。辞任するということで責任を取ったと国民に了承してほしいということでありましょうか。思い違いも甚だしい、国民を愚弄するのもいいかげんにしろ、私はそう言いたいのであります。
 民主党はクリーンな政党に生まれ変わるというのであるならば、我々が求めているように、予算委員会で鳩山、小沢両氏の証人喚問に応じるべきであります。
 まず、菅総理は、二人が説明責任を果たしたとの認識なのでしょうか。そもそも鳩山、小沢両氏が言うように、知らなかったや秘書がやったことという説明で菅総理は納得をしているのでしょうか。あるいは、今後どのような形で説明責任を果たすべきとお考えなのでしょうか。また、民主党として、二人の政治と金にまつわる深い疑惑に関して、党として調査チームを設けるなど実態調査を進める考えはないのか、御認識をお伺いいたします。
 私は、国会の場で鳩山前総理の偽装献金、脱税疑惑に対して本人を厳しく追及をしてまいりました。しかしながら、鳩山前総理は、私は全く知らなかった、公判中であるので答えられない、資料は検察にあるので説明できないと逃げ回り、最後は裁判が終われば説明すると答弁をされたのであります。
 そして、その裁判ですが、四月に有罪判決が鳩山前総理の元秘書に下されたことは御承知のことと思います。にもかかわらず、いまだ鳩山前総理からは何の説明も資料提供もありません。
 菅総理、あなたは、私が参議院予算委員会の場でこの問題を取り上げ、鳩山前総理から裁判が終われば国民にちゃんと説明するとの答弁を確かに聞いておられたはずです。ならば、鳩山前総理に、偽装献金、脱税疑惑が明確に晴れるよう国民に説明することを強く求めるべきではありませんか。見解を求めます。
 脱税に関して言えば、先般、スーパー、ダイエーの創業者の次男の方が逮捕されました。生前贈与された五億五千万円を申告せず、二億七千万円を免れたという相続税法違反の容疑からであります。鳩山前総理と同じ脱税容疑での逮捕なのです。しかしながら、鳩山前総理は何の取調べも受けていないようです。おかしいではありませんか。
 そもそも総理が捜査を受けられなかったのは、国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されないという憲法七十五条の規定により守られていたからなのであります。総理を退任された今こそ、脱税の調査を国税庁に命ずるべきではありませんか。総理の御決断を伺います。
 小沢前幹事長も、幹事長の職を辞せば一件落着ということではありません。陸山会の政治資金報告書に関する虚偽、不記載の疑惑で、確かに小沢さんは不起訴処分となりました。しかしながら、小沢さんの右腕とも言われた元秘書の石川議員は逮捕されています。しかも、検察審査会は全会一致で起訴相当を議決しているのです。これは、国民の目から見れば間違いなく小沢さんの犯罪だということなんです。
 そもそも、菅総理、あなた自身も小沢さんについて問題ありと考えてこられたのでしょう。だからこそ、今回の人事で小沢さんを外されたのでしょう。それならなおさらのこと、小沢さんに、証人喚問の場に出て、国民が納得するよう説明すべきと勧告すべきではありませんか。御認識をお伺いいたします。
 さて、日教組と民主党の選挙協力の実態について伺います。
 先日、鳩山前総理は、小林千代美衆議院議員に対して議員辞職を迫られました。自分の辞意を表明した民主党の両院議員総会において、小林千代美議員もその責めを是非負うていただきたいと、異例とも言える言及をなされました。当然のことでありますが、むしろ遅過ぎたとのそしりは免れません。
 しかも、先日、札幌地裁は小林議員の選挙陣営の会計担当者に対して、政治資金規正法の罪で有罪の判決を言い渡しました。これは、日教組傘下の北海道教職員組合、北教組から一千六百万円もの裏金を受け取り、さきの衆議院選挙の費用に充てていた事件であります。昨日は、北教組の委員長代理に対しても改めて有罪判決が出ました。
 これは北海道だけのことではありません。こうした日教組の関係した違法な選挙活動は、民主党候補者のいる全国各地で展開されているのではありませんか。現に、山梨県では民主党の輿石参議院議員会長が今回の参議院選挙に立候補されていますが、これまでも黒いうわさが絶えません。前回の自分の選挙では、教職員から組織的に選挙資金を集め、有権者への電話作戦に教職員を動員し、略式起訴されたことも明らかになっています。
 菅総理は、全国各地で展開する、こうした日教組丸抱えの民主党の選挙実態に関して、調査し、再発を防止することが必要だとお考えになりませんか。また、輿石議員会長は、かつて教育の政治的中立はあり得ないといったとんでもない発言をされています。菅総理も教育の中立はないとお考えですか。このような人物は、たとえ民主党といえども参議院会長に置くべきではないでしょう。御認識をお伺いします。
 このように見てくると、少なくとも鳩山前総理、小沢前幹事長、石川知裕衆議院議員、小林千代美衆議院議員の四人は、本来ならばもっと早い時期に議員を辞職するべきでありました。小林議員は国会閉会後に辞職すると伝えられていますが、遅過ぎます。議員辞職の判断も、国会開会中の辞任だと参議院選挙と同時に補欠選挙が実施されるために、それを避けたいという党利党略ではありませんか。全くこそくです。
 四人は、自ら政治家として道義的責任を自覚し、国民に政治不信を招いたことをおわびし、議員の職を辞することが当然取るべき選択肢であると考えます。菅総理は、この四人の身の処し方に関して、どのように判断され、それぞれ議員辞職を含めて具体的にどのような勧告をするお考えなのか、お伺いをいたします。
 次に、民主党と企業・団体献金の在り方に関してお伺いをいたします。
 民主党の枝野幹事長は、就任会見において次のように述べています。今日を機に、私自身は、政治団体は別として、企業・団体献金については一切受け取らないと明言されました。
 国民をだますのもいいかげんにしていただきたい。あなた方民主党議員は、確かにマニフェストなどで企業・団体献金の廃止を主張されています。しかしその一方で、労働組合などが結成した政治団体からの献金は対象外にされているではありませんか。あなた方が提案されてきた法案は、実質的には、組合献金や企業献金を偽装するだけのもので、透明性が著しく損なわれる悪法なんです。
 ここにその具体的例を挙げましょう。その一つが小沢さんの西松建設事件です。西松建設のダミーの政治団体未来産業研究会というこの団体を通じて、小沢さんの資金管理団体である陸山会に全体で二億円と言われる多額の寄附が行われてきたのです。そして、この問題に対しては、それが実質企業献金ではないかと司直の手が入っているんです。
 菅総理、あなたは小沢さんの西松事件を何と考えているんですか。まさにあなた方が言う企業・団体献金の禁止が虚構であることを証明しているではありませんか。御所見をお伺いいたします。
 さらに、読売新聞の調査によると、民主党の閣僚と党幹部二十二名のうち、企業・団体献金を受けていた者が十九人と、ほとんどを占めているではありませんか。特に、献金総額に占める企業、団体や労働組合、業界が結成した政治団体からの献金の割合が五割以上の者が十一人にも上り、とりわけ直嶋経済産業大臣は九九・六%、さらに川端文部科学大臣は九七・一%と、極めて高い比率を占めています。まさに労働組合依存内閣と言って過言ではありません。菅総理、これは異常だと思いませんか。
 菅総理は、民主党政権の労組資金依存、団体資金依存体質をどのように認識されていますか。そのことの是非についてどのような問題意識をお持ちなのか、お伺いをいたします。
 さらに、労働組合から民主党の幹部議員に対して不透明な政治資金の流れがあることも指摘しておきます。これは私が予算委員会で指摘したところでありますが、原口総務大臣の例を典型例として取り上げさせていただきます。
 大臣は、野党時代のことと言われますが、アピール21というNTT労組の政治団体から政治献金を受けられています。後で訂正されたということですが、当初は政治資金収支報告書にアピール21の記載が漏れていました。しかも、アピール21というだけでは、一体何の団体か国民には全く分かりません。これは、政治資金の透明性が著しく損なわれるゆゆしき問題です。
 総務省の管轄下にある情報通信産業の労働組合がつくった政治団体が、野党のときとはいえ大臣に献金し、直接陳情し、現実に政策に口を出していく、しかも、こういう疑いがある資金の流れが不透明になっているということは大きな問題です。
 このように、民主党が言う企業・団体献金の禁止は、表面的なクリーンさを装うためのものであり、現実は、政治団体を利用することにより、事実上、企業献金や労働組合からの献金を確保しようとする、こそくで大変ずるいものなんです。
 菅総理、あなたは、こんなずるい法案を考える前に、もっと先にすべきことがあるでしょう。それは、企業・団体献金の規制を叫ぶ前に、その透明性を確保することです。そしてまた、どうしても企業・団体献金を禁止するなら、企業、団体が設立した政治団体からの寄附も規制すべきではありませんか。御所見を伺います。
 さて、菅内閣発足直後、菅総理の側近と言われる荒井国家戦略大臣の事務所費の問題がクローズアップされました。これは、荒井大臣の政治団体が、平成十四年から七年間、都内の知人宅を主たる事務所として届け出、この間、四千二百万円の事務所費を計上していた問題です。
 そもそも荒井大臣の選挙区は北海道であり、なぜ東京の、しかも都心から離れた府中という場所に事務所を置かねばならなかったのか、全く疑問です。府中といえば菅総理の地元です。菅総理、あなたがまさか関与したのではありませんね。菅総理と荒井大臣に事務所開設の事実関係をお伺いいたします。なぜ府中なのか、明確にお答えください。
 府中の事務所、これはURのいわゆる公団住宅です。これは規約により、他人への転貸や企業や団体の事務所の使用を禁止しているはずです。荒井大臣、あなたはこの規則に違反しているのではありませんか。この事実関係をお聞かせください。
 また、荒井大臣は、事務所費問題が報じられると早速領収書を公開されましたが、それは過去三年間だけです。疑問が持たれているのは七年間、すべてをなぜ公開しないのですか、領収書がないのではないですか。その理由をお答えください。
 事務所費の中には、少女漫画やキャミソール、背広の代金の領収書も含まれていると報道にありました。ところが、翌日には少女漫画の領収書は秘書のものが混入したと弁明されています。では、キャミソールは、背広は一体どなたのものだったんですか。これらは政治活動に必要な経費ではなくて、生活費そのものではないですか。一体だれの生活費なんですか。そもそも、あなたの事務所の問題をなぜ党の幹事長代理が説明しなければならないんですか。しかも、わずか二時間では領収書の照合のしようもありません。党を挙げて臭い物にふたをしようとするつもりなんですか。菅総理、荒井大臣、お答えください。
 こうした事実を総合して勘案すれば、東京に事務所の実態はなく、事務所費の中身も極めて不自然かつ不透明であると言わざるを得ません。しかも、この時期は、松岡農水大臣などの事務所費問題について、野党であった民主党が国会においてさんざんやり玉に上げていた時期です。菅総理、あなたは与党議員に厳しい攻撃を加える一方で、自らの側近が同じ時期に同様の行為をしていることを許すつもりなんですか。即刻大臣を罷免すべきと考えます。そして、あなた自身にも任命責任があると考えますが、御認識をお伺いいたします。
 なお、民主党の議員の皆さんが違法ではないということを繰り返し発言されていますが、松岡農水大臣なども事務所費などにおいて、当時の法律からすれば領収書添付などの違法はなかったはずなんです。それを説明できないなら辞任すべきだと追及してきたのは、菅総理、あなた自身なんですよ。よもやお忘れではないでしょうね。
 荒井大臣は、平成十九年に北海道知事選挙に出馬するために衆議院議員を辞職されましたが、その後も江田五月参議院議長の議員会館に東京事務所の電話を置いていたとの報道がありました。これが事実なら、割り当てられた議員の職務遂行のためのみに使用するという会館運営規程に明確に違反します。荒井大臣に事実関係をお聞きいたします。
 江田議長、あなたは会館の不正使用に加担していたのですか。もし事実なら、公平公正を旨とすべき議長が不正な政治的便宜供与を行ったことになり、議長職を汚し、あなたは即刻辞任をすべきと考えます。議長自ら御説明願います。
 さて、荒井大臣に関する疑惑はこれだけではありません。荒井大臣は、当時落選中だった阿久津総理補佐官を政策秘書として、御自身が知事選挙に出るまでの間、採用されています。阿久津議員も菅総理の側近と言われている方ですが、阿久津補佐官はその後、小川敏夫参議院議員の政策秘書に渡られ、昨年の選挙で衆議院議員に返り咲かれました。
 問題は、阿久津補佐官が本当にお二人の秘書をしていた実態があるのかということなんです。阿久津補佐官は、浪人中は選挙区の民主党の支部長として次の選挙に備えての活動をしてきたと自らのホームページで示されていますが、お二人の政策秘書になっていたことは一切触れられていません。政策秘書の実態がないなら、明らかに違法な採用ではありませんか。荒井大臣、お答えください。
 十年前、菅総理の秘書をしていた衆議院議員が秘書給与の詐取という問題を起こして服役されたことは皆さん方も覚えておられると思います。阿久津議員の問題はまさにこれとそっくりではありませんか。いずれも菅総理、あなたの側近で起きている問題なんです。菅総理、これはまさしくあなた自身の政治と金の問題ではありませんか。国民の納得のいく説明を求めます。
 以上述べてまいりましたように、菅内閣は、鳩山内閣が総辞職を余儀なくされた原因である政治と金の問題について、反省の気持ちが全くないばかりか、国会で説明責任を果たすという最低限のモラルさえ感じられません。
 菅総理、あなたの頭の中には参議院選挙のことしかないのではありませんか。看板の付け替え効果で支持率の高いうちに選挙をしたい、そのためには一日も早く国会を閉会したい、それがあなたの本音でしょう。予算委員会を開くという約束さえもほごにされました。この暴挙に強く抗議します。
 考えてみれば、昨年の衆議院選挙も同じ手が使われました。西松事件で小沢氏の秘書が逮捕され、支持率が低下した際、小沢氏は衆議院選挙対策のために代表を辞し、鳩山代表が誕生しました。その看板差し替えが功を奏し、民主党は圧勝しました。今回も二匹目のドジョウを捕まえようとしているのでしょう。国民を愚弄するのもいいかげんにしてほしい。
 菅内閣の実態が鳩山内閣と何にも変わっていないことが国民に知れるのは時間の問題です。そのときこそ、菅内閣、いや、民主党に厳しい国民の審判が下されることを断言して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 西田昌司

speaker_id: 19213

日付: 2010-06-15

院: 参議院

会議名: 本会議