柳田稔の発言 (法務委員会)

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○柳田国務大臣 おはようございます。法務大臣に就任いたしました柳田稔でございます。私の持てる力の限りを尽くして、この重責を果たしていく覚悟でございます。
 まず冒頭に、厚生労働省の村木元局長の無罪事件に関連して申し上げます。
 この事件を起訴した現職の検察官が証拠隠滅罪で逮捕、公判請求され、さらに、その当時の上司に当たる特捜部長らまでも犯人隠避罪で逮捕されるという事態になりました。国民の皆様の検察に対する信頼を地に落とす前代未聞の事態であり、まことに遺憾でございます。現在、最高検察庁においては、これら事件の捜査を尽くすとともに、年内を目途に、徹底した検証を行っているものと承知いたしております。私は、その検証が十分なものとなるよう、最終的な検証結果の取りまとめに当たり、外部の第三者の御意見を伺うよう指示をしたところでございます。
 さらに、私は、より高い視点から、検察のあり方について検討するため、外部の有識者による会議を立ち上げることといたしました。今後、この会議からの提言をもいただいた上で、検察に対する国民の皆様の信頼を取り戻すため、必要な方策を講じてまいりたいと思います。
 さて、国民が安心して暮らせる社会とするためには、人権が十分に尊重されなければなりません。このような観点から、現在、法務省においては、新たな人権救済機関の創設、そして、いわゆる個人通報制度の導入のための体制整備について検討を行っています。これらの課題は、いずれも制度の策定に当たり、関係省庁との協議、検討が不可欠な課題でございますので、それを前進させてまいります。また、現実に日々発生する人権侵害に対しては、人権侵犯事件の調査・救済活動を適正に行いながら、国民一般に対する一層効果的な人権啓発活動を行ってまいります。
 録音、録画による被疑者取り調べの可視化の実現も重要な課題でございます。既に政務三役を中心とする省内の勉強会等を設けて検討を進め、本年六月には、それまでの検討状況や今後の調査等に関する中間的な取りまとめを行ったところであります。今後、国家公安委員会との協議なども行いながら、平成二十三年六月以降のできる限り早い時期に、勉強会としての取りまとめを行うこととしております。既に国内外の幅広い調査を開始しているところであり、着実に実現に向けた取り組みを進めてまいります。
 国民の安全、安心を確保するための犯罪対策として、刑務所から出所した者などが再び犯罪を犯さないようにするための施策が重要でございます。その中心となるのは、政府の新成長戦略にも掲げている刑務所出所者等に対する社会復帰支援事業でございます。
 具体的には、まず、刑務所等での改善指導や職業訓練等、保護観察中のプログラム等をより効果的なものとするなど、処遇を充実させてまいります。また、そのための体制整備として、刑務所等の施設整備、保護司の方々に対する支援、刑の一部の執行猶予制度の導入などを内容とする法整備を進めてまいります。
 そして、特に重要なのは、刑務所出所者等の就労先や帰住先などの生活基盤を確保することでございます。今後、民間や地域社会との連携を強化しながら、これを積極的に推進してまいります。
 再犯防止に向けた取り組みは、まだ緒についたばかりでございます。今後、内閣官房に設置された関係省庁連絡会議をも活用し、政府一体となって、さらに効果的な施策を策定してまいりたいと思います。
 国際テロにつきましては、調査を充実することにより、その未然防止に努めてまいります。オウム真理教については、団体規制法に基づく観察処分を適正かつ厳格に実施することにより、公共の安全の確保に努めてまいります。
 また、私は、拉致担当大臣をも拝命いたしましたが、北朝鮮関係については、日本人拉致問題等の重大な問題の解決にも資するよう、関連情報の収集、分析等を積極的に行ってまいります。
 国民が紛争解決の最後のよりどころとする司法は、国民にとって、より身近で、より利用しやすいものでなければなりません。これを目指した司法制度改革は、現在、各制度の実施段階に入っております。
 法曹養成制度のあり方については、さまざまな御意見があるところですので、文部科学省などの関係機関とともに問題点を検証しつつ、必要な改善策を検討してまいります。裁判員制度については、裁判員の皆様に誠実かつ熱心に審理に取り組んでいただき、国民の間に定着しつつあると考えています。今後とも、この制度が円滑に実施されるよう尽力いたします。また、我が国の未来を担う若者が、法や司法に対する理解を深めることができるよう、子供たちへの法教育を推進いたします。
 日本司法支援センター、愛称法テラスの業務は、民事法律扶助、国選弁護人確保などさまざまでございます。その業務に対する需要は、近年の経済雇用情勢の悪化等により増加していますので、法テラスが社会のセーフティーネットとしての役割を十分果たせるよう、その業務体制の拡充に努めます。
 民事基本法についても、国民の意識や社会情勢の変化等に対応し、必要な見直しを進めてまいります。現在、法制審議会においては、民法の親権に関する規定について、児童虐待の防止等の観点から審議がなされています。さらに、非訟事件手続法、家事審判法のほか、民法の債権関係、会社法制についても、それぞれ見直しに向けた審議がなされているところでございます。今後、それらの審議結果を踏まえて、必要な法整備等を行ってまいります。
 登記事務に関しては、国民の皆様の利便を高めるため、登記のオンライン申請システムの使い勝手を向上します。また、全国の登記所備えつけ地図の整備を可能な限り加速してまいりたいと思います。
 多くの外国人の皆様に日本を訪問していただくことは、我が国の経済成長や地域活性化はもとより、幅広い文化交流や友好関係の土台を築くためにも重要でございます。新成長戦略に掲げている観光立国の推進に向け、より円滑な出入国審査の実現に取り組みます。また、優秀な海外人材を積極的に招致するため、出入国管理上の優遇措置を講ずるポイント制の導入などを進めてまいります。
 他方、違法行為をもくろむ外国人の入国を水際で確実に阻止するため、バイオメトリクスを活用した厳正な入国審査を引き続き実施します。それとともに、非正規に滞在を続ける者をさらに減少させるため、摘発活動の推進と自発的な出頭の促進を行ってまいります。
 近年急増している難民認定申請については、より迅速に、かつ申請者の置かれた立場等に十分に配慮した対応を行います。本年九月には、第三国定住のパイロットケースとして難民の方々を受け入れたところでございますが、今後とも円滑な受け入れの実施に配意いたします。
 国際貢献に関しては、現在、国際連合に協力し、我が国と関係の深いアジアの国々等の刑事司法実務家を対象として、国際研修等を行っています。また、それらの国々の基本法令の起草や法律家の人材育成等を柱とする法制度整備の支援も行っているところでございます。関係諸国からの期待は高まっていますので、これにこたえるため、より一層積極的に取り組んでまいります。
 最後に、本臨時国会においては、民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案を改めて提出いたしました。また、一般の政府職員の給与改定に伴い、裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正する法律案を提出する予定でございます。十分に御審議の上、速やかに成立させていただくようお願い申し上げます。
 委員長初め委員の皆様方には、平素から法務行政の運営に格別の御尽力を賜っています。私は、これまで述べたような諸課題に対し、委員長初め委員の皆様の一層の御理解と御協力を賜りながら、法務大臣として、小川副大臣、黒岩大臣政務官とともに全力を尽くして取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 柳田稔

speaker_id: 29413

日付: 2010-10-19

院: 衆議院

会議名: 法務委員会