菅直人の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(菅直人君)(続) そこで、私たちは、雇用の創造に基づく消費や需要の創出を進めていくことが重要と考えて進めてまいりました。
具体的には、雇用の創造によりまず失業率が低下をしますと、ある意味では賃金に対して引き上げの圧力になって、それそのものがデフレからの脱却の一つの要素になります。加えて、雇用が増大することは、当然、新たに仕事についた人によって消費が刺激され、そうした人の所得がふえ、そしてさらなる需要が回復をしていく。つまりは、雇用が創造されるというところからスタートをして、そうした経済の好循環を生み出したいというのが基本的な私たちの考え方であります。
政府としては、こうした雇用の創造を起点とした経済の好循環を確かなものとするために今回の経済対策を着実に実施していきたいと考えております。その意味で、潜在需要の多い医療、介護、子育て、環境など新たな雇用を生み出して、新しい需要の創造を目指しているわけです。
何か、家計への直接給付についていろいろ御質問もありましたけれども、子ども手当そのものは、基本的には少子化対策、子育て支援を目的としており、もちろん、その経済効果としてもプラスの要素になるとは思っておりますけれども、基本的には、今の福祉がややもすれば子供に余りにも手が薄い、これに対して対応しようというのが子ども手当の基本的な考え方であるということは、改めて申し上げておきたいと思います。
社会保障の財源を消費税に求めることについての御質問をいただきました。
社会保障制度がしっかりしなければ国民の将来不安はぬぐえず、改革を急ぐ必要があると考えております。
一般論としては、私はいつも申し上げますが、二つの考え方があると思います。多少国民の皆さんに負担をしていただいても安心な社会をつくることを重視するのか、それとも、負担はできるだけ少なくして個人の責任に多くを任せるのか。私は、前者の、ある程度の負担をしても安心な社会をつくることが必要だ、このように考えております。
こういった基本的な考え方に立って、社会保障改革の全体像について、必要とされるサービスの水準、内容を含め、国民にわかりやすい選択肢を提示した上で、その財源をどう確保するか、それに、消費税を含む税制全体の議論を一体的に行っていきたいと考えております。このため、先月二十八日には政府・与党社会保障制度検討本部を立ち上げたところであります。
今後は、ぜひとも党派を超えた社会保障改革の検討を進めたいと考えており、野党の皆さんとも意見交換をし、御提案があればぜひそれも受けとめながら、建設的な議論を行ってまいりたいと考えております。
次に、自民党財政健全化法案質疑に関して御質問をいただきました。
先般、自民党が本院に提出された財政健全化責任法案は、その方向性や財政健全化の目標などについて、私たち政府が決定した財政運営戦略と基本的には同じ方向にある、このように認識をいたしております。
また、我が国の財政の状況や今後の財政健全化に向けて道筋を国民の前でオープンに議論することは、各党各会派が問題意識として共有すべきものが生まれてくる機会になると思っております。
このような重要な課題について国会で十分な議論を行うためには与野党を超えた広い合意が必要であり、もちろん国会という場での御議論ですけれども、我が党を含め各党各会派の熱心な議論を期待いたしているところであります。
次に、マニフェストの工程表に関する御質問をいただきました。
昨年の総選挙マニフェストに掲げたものの中で、暫定税率など見送りをいたしましたけれども、しかし、子ども手当、高校無償化、農業の戸別補償など、マニフェストに盛り込んだ多くは実現ないしは着手をいたしていることは、いろいろな機会にも申し上げてまいりました。
それに加えて、昨年の予算編成では、過去二十年間の自民党を中心とした政権ではやれなかったことを思い切ってやりました。まずは、公共事業を一八%減らす一方で、社会保障を九・八%増加させ、教育費を五・二%増加するなど、予算編成が非常に硬直化していたものを大きく変えることができたことは、私は改革の大きな第一歩だったと確信をいたしております。
今後もマニフェストについてはできるだけ誠実にその実現を図ってまいりますけれども、もちろん、財政上の制約などでどうしてもできないものについては、しっかり国民の皆さんに説明をして御理解をいただきたい、このように思っているところであります。
最後に、解散・総選挙に関する御質問をいただきました。
伊吹先生からは、参議院選挙に負けたのは消費税の発言ではないと、ある意味では、私にとっては何とお答えしていいのかわからないような御質問でありましたが、少なくとも私自身の反省は、まだまだ無駄の削減など徹底的にやるということを前提に、社会保障と一体でこうした議論を行わなければならないということも含めて申し上げたつもりであったわけですけれども、残念ながら、私の表現の不十分さで、何か即時に消費税を引き上げるかのような誤解を招いたことが大きな敗因であったと思っております。
逆に言えば、国民の皆さんが参議院選挙で示された一つの意思は、もっと原点に戻って頑張れ、そういう叱咤激励であったと私は受けとめているところであります。
私の内閣としては、マニフェストについて、先ほど申し上げたように最大限の実現のための努力を行うと同時に、この国会冒頭で御説明をいたしました、二十年にわたって先送りされてきた五つの重要課題を先送りしないよう全力を挙げて取り組んでいく、そのことがこの内閣の仕事であって、総選挙については全く念頭にないことを申し上げて、答弁とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
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