菅直人の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(菅直人君) 大串博志議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、日本経済の見通しと方向性のビジョンについての御質問をいただきました。
 日本経済の短期の見通しについては、基本的に、現在、消費、投資を中心とした自律的な経済成長が期待をされておりますけれども、残念ながら、まだそこまでは回復せず、下振れのリスクが増大している状況であります。
 また、中長期的に見ると、内需、外需の環境について慎重な前提を置いた慎重シナリオのもとで、二〇二〇年度までの平均名目、実質ともに一%台半ばの成長という見通しもありますが、もう少し積極的なシナリオのもとでは、二〇二〇年度までに平均名目三%、実質二%を上回る成長が試算されているところであり、これが私たちの新成長戦略の一つの目標となっていることは、御承知のとおりであります。
 その中で、日本経済を引っ張るビジョンについてでありますが、私は、この日本経済の立て直しのかぎとして、雇用ということを言っております。
 これは、単に失業者に対する対策としての雇用ということではなくて、新たな雇用を創造して失業率を低下させることが、賃金全体を押し上げる力にもなり、デフレ脱却の道につながると同時に、新たに雇用についた人が消費をすることで消費が刺激され、そういった形で需要が回復し、経済が活性化する、そういう好循環を生む上でのキーがこの雇用にあると考えているからであります。
 こういった分野は、言うまでもなく、医療、介護、子育て、環境など需要が見込める分野でありまして、こういったところに重点的に、場合によっては財政配分も含めて行っていくことが必要だと考えております。
 また、あわせて、新成長戦略にも盛り込みましたが、アジアの目覚ましい発展を我が国の成長につなげていくということが重要であります。
 せんだって、日本とインドのEPAが実質合意をし、また、先日、私が出かけたベトナムとの間で、日本にとっては史上初の原子力施設の受注が決まり、レアアースの採掘権が確保されるといった、そういったアジアの国々の成長を日本の成長につなげていくということが一歩一歩今進みつつある、このように申し上げても決して言い過ぎではないと思っております。
 短期的なカンフル剤の投与ではなく、このような、雇用から始まる中長期的な成長経路の軌道に日本経済を乗せることが大切と考えておりまして、今から来年度に向けて、ステップワンはもう既にスタートしておりますが、ステップツー、ステップスリー、そういった形で成長軌道に乗せていきたい、このように考えているところであります。
 第二点として、経済対策と補正予算案の考え方について御質問をいただきました。
 これは、大串さん御自身も話がありましたように、やはり、スピード感、時間軸というものが大変重要だと考えております。
 先ほど御指摘もいただきましたように、本年度予算が成立した後、日本経済の二番底などを避けるためにいかにするか。
 そこで、まずステップワンとしては、即座に活用できる経済活性化予備費を使ってそうした活性化のつなぎ役をお願いし、それと並行して、現在お願いしている補正予算の立案を始め、提出をさせていただき、そしてステップスリーとしては、言うまでもなく、来年度予算にそれをつなげていって、こういった形で、それこそ、車のギアをだんだんとチェンジしながら加速していくような、そういう日本経済の運転によって成長軌道に乗せていきたい、このように考えているところであります。
 第二に、新成長戦略の実現による自律的な回復という大方針のもとに、先ほども申し上げましたように、雇用というものを一つの軸として、政策に一貫性、整合性を持たせて推し進めていくという考え方であります。
 第三は、予算、税制といった財政だけでなく、お金を使わないけれども効果のある規制・制度改革にも力を入れているところであります。「日本を元気にする規制改革一〇〇」として、都市再生、住宅投資の加速化、介護・医療分野での雇用創出など、規制・制度改革も政策手段として強力に進めてまいりたいと思います。
 こうした政策を総合的、一体的に発動していくことにより、需要と雇用に立脚した経済成長をぜひとも実現してまいりたい、このように考えております。(拍手)
    〔国務大臣野田佳彦君登壇〕

発言情報

speech_id: 117605254X00620101104_013

発言者: 菅直人

speaker_id: 33543

日付: 2010-11-04

院: 衆議院

会議名: 本会議