菅直人の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(菅直人君)(続) 私は、もちろん、できる限り個人献金が望ましいということを考え、できるだけの努力はいたしております。この企業・団体献金についても、究極的には個人献金が取ってかわるべきだと考えておりますけれども、我が党のマニフェストは、ごらんをいただければわかりますように、そうした企業・団体献金を全面禁止するという法律が制定された三年間の経過措置を経て、その間に個人献金を拡大するという時間を経てそれを実行していくという形になっておりまして、そういう意味で、これまで申し上げてきたマニフェストそのものに矛盾するものではないということを申し上げたところであります。
 最大限個人献金に移していくよう、ぜひ野党の皆さんにも一緒に御努力をお願いいたしたい、このように思っております。
 次に、経済認識と対策についての御質問をいただきました。
 我が国の景気は、リーマン・ショックで大きく落ち込んで以降、一定の持ち直しをしてきておりますけれども、このところ足踏み状態になっているというのは御指摘のとおりであります。また、円高の傾向が進んでいることも御指摘のとおりであります。この点について、先ほど野田財務大臣からも、いろいろな形で、やるべきときにはしっかりやるとありました。
 と同時に、御承知のように、円高のこの傾向は、一方ではアメリカがとっているドル安政策によって、必ずしも円ばかりでなく、新興国の通貨が軒並み上昇していることもあります。また、その中で、我が国が、企業がたくさんの金を持ちながら必ずしも投資をしていない、そういう構造もあります。そして、内需が必ずしも伸びていないという構造もあります。そういうマクロ経済的な観点からすると、これらのお金を思い切って海外で有効に使うということも必要であります。
 今回、ベトナムでレアアースについての採掘権を我が国にパートナーとして認めていただきましたけれども、海外におけるそうした資源などに思い切って投資をしていくことが円高を抑制する一つの手段にもなり得るわけでありまして、そういったことも含めた総合的な対策といいましょうか、対応が必要だ、このように考えております。
 また、現下の経済情勢についてはスピード感を持って対応していかなければならない、このように考えておりまして、ステップワン、ステップツー、ステップスリーという形で、切れ目のない対策を順次打ってきているところであります。
 そういった形での対応をしっかりしていきたいというのが、経済に対する認識と対策についての私からの答弁であります。
 次に、補正予算の位置づけについての御質問をいただきました。
 今般の補正予算を含む経済対策は、新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策のステップツーとして行うものであり、その場しのぎの対策ではなく、新成長戦略に基づいて、医療、介護、子育て、環境など、中長期的な需要の強化に資する施策、事業を大胆に推進するものであります。
 また、その財源としては、税増収や、既定経費の削減等により、新たな国債の発行を行わないこととしており、財政規律にも配慮を行っているところであります。
 補正予算の提出時期についての御質問をいただきました。
 政府としては、現下の円高や海外経済の減速懸念等の厳しい経済情勢、先行き悪化の懸念を踏まえ、早い段階から切れ目のない対策を講じてきているところであります。
 八月末には経済対策の基本方針を決定し、これに基づき、九月十日に新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策を決定いたしました。その上で、まずステップワンとして、二十二年度予算の予備費を活用して、第一の、経済危機対応・地域活性化予備費の九千二百億円を使った緊急的対応をいたしました。
 先ほども他の党から話がありましたが、補正予算を同時に出せばいいのではないかという指摘もいただきましたけれども、補正予算の審議には一定の期間がかかりますので、二十二年度予算で既に積んである予備費を使って即刻実行することがまずステップワンとしては必要だという考えで行ったところであります。
 その後、間を置かないで、九月二十七日に、経済対策ステップツーについて与野党と意見交換を進めるよう政調会長に指示をし、野党の皆さんからの申し入れも十分取り入れ、十月八日に対策を閣議決定し、その後、これも御承知のように、実際の予算案をつくるには三週間程度は作業がかかりますので、それを急いで実行して、十月二十九日に提出をいたしたところであります。
 このように、今回の補正予算は、ステップワン、ステップツー、さらにはステップスリー、そういう切れ目のない中で、タイミングを逸したという指摘は全く当たらない、このように考えております。
 補正予算の規模について、予算の粉飾がなされているのではないかという御指摘をいただきました。
 今般の補正予算を含む経済対策は、従来のように、必ずしも、規模がこれだけ大きいからとかこれだけ小さいからということではなくて、雇用を起点として経済を回復軌道に乗せていくという、しかも、切れ目のない政策の一つのステップツーとして位置づけられたところであります。
 そういった意味で、御指摘の地方交付税交付金一・三兆円の追加については、おっしゃるように税収増に伴う措置でありまして、同時に、そのうち三千億円を二十二年度中に交付し、また一兆円についても、このことがめどがつきますので、さまざまなものに対して契約等については活用できるという意味で、そういう意味での活用は可能だと考えております。
 公共事業の前倒しについては、お金の支払いは二十三年度でも、今申し上げたように、今年中の契約ができることとなります。
 このような考え方に立てば、今回の経済対策の規模は、合わせますと五・一兆円となるという意味であります。
 さらに申し上げれば、今回の経済対策は三段構えで、第一弾の予備費が〇・九兆円、続いて今回、第二段階の五・一兆円、そして第三段階が来年度の予算という形で切れ目なく講じていきますので、これで本格的な成長路線に乗せていきたいと考えています。
 地域医療再生基金の拡充についての御質問をいただきました。
 今回の地域医療再生基金の拡充は、昨年執行を停止したものとは発想と仕組みが根本的に異なっております。今回は、対象とする医療圏を、市町村よりやや大きい二次医療圏から都道府県単位の三次医療圏に拡大し、広域的な事業を対象とすることとし、また、各地域のニーズに応じた、めり張りのある柔軟性の高い仕組みとしております。
 このように、地域における医療課題の解決や医療機関の機能強化を図ったものであり、場当たり的に対応したものではないと考えております。
 政府の雇用対策についての御質問をいただきました。
 今回のジョブカード関連事業の仕分け結果は、ジョブカード制度の政策目的自体は極めて重要であると認めた上で現行の関連事業の問題点を指摘されたものと理解しており、そうした問題を含めて今後のあり方を、行政刷新会議の本会議、私が議長でありますけれども、そこで検討してまいりたいと考えております。
 また、政府の雇用対策としては、環境、健康、観光分野といった潜在的に需要が大きい分野をターゲットに雇用創出に取り組むこととしており、三段構えで成長と雇用に重点を置いた経済対策を推進してまいります。
 この雇用対策については、新たな雇用をつくる分野、それから、外国に企業が出るようなものを何とかとどめて雇用を守る分野、そして、特に中小企業は、今なお新規卒業生に対する求人倍率は四倍程度になっているけれども、残念ながらそれが、ミスマッチといいましょうか、マッチングが十分にできていない。つくる分野、守る分野、つなぐ分野、この三つの分野をしっかりと念頭に入れて対策に当たっているところであります。
 卒業後三年以内の者を採用する企業への支援の拡充や、今申し上げた中小企業を中心とするミスマッチ解消の強化、特に雇用情勢が厳しい新卒者や若年者の支援を強化していく。さらには、雇用調整助成金の要件緩和、派遣労働者の直接雇用を促進するための奨励金の拡充など、雇用の下支えと生活支援をしていきます。医療、介護、環境など成長分野における人材育成の強化など、施策を盛り込んでいるところであります。
 さらに、今回の経済対策においては、重点分野雇用創造事業の拡充やGDP押し上げに伴う雇用創出を二十万人程度、雇用調整助成金の要件緩和による雇用の下支えを二十五万から三十万人程度、合計で四十五万から五十万人程度を創出、下支えの人数と見込んでおります。
 今後とも、新成長戦略を着実に実施することにより、新たな成長分野を支える質の高い雇用を創出し、所得がふえ、消費がふえ、経済が活性化するという好循環を生み出していきたい、このように考えております。
 中小企業対策についての質問をいただきました。
 今回の補正予算では、円高やデフレといった厳しい経営環境下にある中小企業への効果的な対策を講じるよう努力をいたしました。具体的には、十五兆円規模の融資、信用保証枠を用意し、まず、中小企業の資金繰りに支障が生じないよう万全を期すこととしております。加えて、物づくり中小企業の技術開発や海外展開の支援、農商工連携を初めとする新事業の展開支援など重点的に実施することにより、我が国経済を支える中小企業の活性化や投資の促進を図ることといたしております。
 最後に、景気回復への責任について御質問をいただきました。
 これまで述べてまいりましたように、政府としては、厳しい経済情勢や先行き悪化懸念を踏まえて、来年度に向けて、三段構えで成長と雇用に重点を置いた経済対策を切れ目なく実行してまいります。
 六月には五・三%でありました失業率は、直近の統計で、九月は五・〇%まで下がってきております。今般の補正予算をぜひ早期に成立させていただきステップツーの経済対策を切れ目なく実施するとともに、次にはステップスリーとして、来年度予算や税制等、平成二十三年度における新成長戦略の本格実施につなげ、デフレ脱却と景気の自律的回復に向けて万全を期してまいりたいと考えます。
 どうか皆様の御理解と御支援をあわせてお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 117605254X00620101104_019

発言者: 菅直人

speaker_id: 33543

日付: 2010-11-04

院: 衆議院

会議名: 本会議