菅直人の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(菅直人君) 佐々木議員にお答えをいたします。
 まずは、国民の暮らしを支援する有効な手だてを講じていないのではないかという御指摘であります。
 日本経済を本格的な成長軌道に乗せ、豊かな暮らしを実現するには、安定した需要や雇用を創出するとともに、産業競争力の強化とあわせて、富が広く循環する経済構造を築く必要があります。こうした認識のもと、新成長戦略を策定し、現在、その実施の段階に入っております。
 具体的には、新成長戦略を実現し、経済の先行き悪化懸念に対応するため、来年度に向けて、三段構えで成長と雇用に重点を置いた経済対策を切れ目なく推進しているところであります。
 既に、ステップワンとして、予備費を活用した緊急的な対応を実施し、ステップツーとして、補正予算の編成を含む緊急総合経済対策を決定し、現在、それに基づく補正予算の審議をお願いしているところであります。こうした政策を通じて、雇用と需要を創出し、国民の生活を守っていく考えであります。
 なお、大企業の内部留保が二百兆円以上積み上がっているという御指摘がありました。
 私も、企業が多くの内部留保を抱えて投資を余りしていない状況に対しては、もっと投資をするように、場合によってはもっと賃金に振り当てるように、そういうことは機会があるごとに経団連初め経営団体にも申し上げております。
 ただ、実際の数字を調べてみますと、二百兆円と言われるものの中で、資本金一億円未満の中小企業に留保されているものが百二十六兆円でありまして、一億円以上のものは、その差額ですから、七十数兆円というのが事務方が調べてきている数字でありまして、そうでないというのであれば、また予算委員会でもどうぞ御質疑をいただきたいと思います。
 TPPと日米関係についての御質問をいただきました。
 私は、いつも申し上げていますように、日本の農業の活性化及び再生というものと貿易の自由化というものをいかにして両立させるかということが重要だと考えております。
 我が国農業従事者の平均年齢は六十五・八歳であり、このままでは経済の自由化とかいう問題を抜きにしてもなかなか立ち行かなくなるわけで、若い人が農業に参画できるようにして農業を活性化していかなければならないと考えております。そのことと私の内閣が掲げている国を開くということとの両立の道筋をつけていかなければならないと考えております。
 国民に理解していただくための中身が必要であり、現在、党、内閣、さらには国民の皆さんと議論しながら、一定の方向性を出していきたいと考えております。
 新成長戦略で決定したとおり、十一月の、横浜で私が議長を務めるAPECまでに、包括的経済連携に関する基本方針を策定することといたしております。その関連で、関係閣僚間で、日本を取り巻く国際経済情勢や国内産業の現状及び見通しなどを踏まえ、しっかりと議論をしていただいております。
 普天間飛行場の移設問題については、本年五月の日米合意を踏まえて取り組むとともに、沖縄の負担軽減策も着実に進めていかなければならないと考えております。
 今後とも、日米両国は、基本的価値と戦略的利益を共有する同盟国として、それぞれの責任と役割を分担しながら、二国間のみならず、アジア太平洋地域情勢及びグローバルな課題について、緊密な連携のもとで、ともに役割を果たしていく覚悟であります。
 次に、企業・団体献金と小沢氏の説明に関する質問をいただきました。
 民主党としては、企業・団体献金によって政策が左右される、もしくは、そのような疑いを招くことがあれば問題であり、そのようなことがないよう、企業・団体献金を減らし、個人献金の促進ということを求めてきております。
 そういった中で、総選挙マニフェストにおいては、三年の経過措置を経て企業・団体献金を全面的に禁止することを掲げ、あわせて、それまでの間の暫定措置として、国や自治体と一件一億円以上の契約関係にある企業などの献金を禁止するという制度改正を提案いたしております。
 このたびの党の方針は、制度改正以前における暫定措置であり、企業・団体献金の禁止を制度化する方針そのものには変更はありません。内容においても、今申し上げたような意味で、マニフェストに矛盾するものではありません。
 また、小沢議員の国会での説明についてお尋ねがありましたが、小沢議員御自身が、国会で決めた決定に私はいつでも従うと表明されております。
 いずれにしても、政治家の説明責任については、まず本人の意思が第一であり、現在、幹事長を中心として、本人の意向確認を含む環境整備について努力を行っていただいているところでありまして、その努力を見守りたい、このように思っております。
 大企業の金余りと空洞化についての御質問をいただきました。
 先ほど申し上げましたように、企業の内部留保がかなりある段階で、もっと投資やあるいは賃金に引き当てるという方向性は、私自身も、そうあるべきだという立場で臨んでいるところであります。
 その中で、例えば設備投資に関しても、一九七〇年代の初頭は、大体、設備の平均の年齢といいますか、七年程度であったのに対して、現在は十三年間と、設備の老朽化が進んでいて、思い切った投資が進んでいない。一方で、生産性の低下にも懸念が持たれております。
 将来、我が国の産業競争力強化を図るためには、これらの資金を国内投資や国内競争力の強化に資するような海外の資源確保などに誘導する必要があると思っております。
 このため、日本国内投資促進プログラムの策定を経済産業大臣に指示し、国内投資の促進に向けて官民の行動計画を取りまとめることといたしております。現在、幅広く産業界などに参加をいただいて、国内投資促進円卓会議での議論を重ねているところであります。
 次に、労働法制の抜本改正と最低賃金引き上げについての御質問をいただきました。
 非正規労働者のうち、派遣労働者については、行き過ぎた規制緩和を適正化し、派遣労働者を保護するための抜本的改正を行う法案を提出いたしているところであります。
 有期契約労働者についても、その雇用の安定や公正な待遇が図られるよう、必要な施策について検討を開始したところであります。
 最低賃金の引き上げについては、最も影響を受ける中小企業に対して適切な支援策を講じていかなければなりません。今後とも、雇用、経済への影響には配慮し、労使関係者との調整を丁寧に行いながら、最低賃金の引き上げに取り組んでまいりたいと考えます。
 こうした対策に加えて、そもそも、雇用をふやすことを通じて賃金水準が上がるよう、経済構造を変える必要があります。政府が先頭に立って雇用をふやすべく、三段構えの経済対策を推進しているところであります。
 なお、残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣野田佳彦君登壇〕

発言情報

speech_id: 117605254X00620101104_022

発言者: 菅直人

speaker_id: 33543

日付: 2010-11-04

院: 衆議院

会議名: 本会議