菅直人の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(菅直人君) 阿部知子議員にお答えを申し上げます。
地球温暖化対策について、施策の速やかな実施に関する御質問をまずいただきました。
御指摘のとおり、地球温暖化に対する取り組みは待ったなしの課題であると認識をいたしております。このため、今国会に、我が国の地球温暖化対策の基本的方向性を示した地球温暖化対策基本法を提出しており、御審議の上、速やかな成立をお願いいたしたいと思います。
また、地球温暖化対策のための税については、平成二十三年度の実施に向けた成案を得るべく、しっかりと検討をしていく予定にいたしております。
政府が最も力を入れた対策についての御質問をいただきました。
我が国経済の現状を見ると、需要が不足し、供給側が幾らコスト削減に努めても、値下げ競争になるばかりで、ますますデフレが進む状況にあります。消費も投資も力強さを欠く中、経済を活性化していくには、雇用を起点とした成長が必要であると考えております。
こうした考え方のもと、現下の経済情勢にスピード感を持って対応するため、来年度に向けて、三段構えで成長と雇用に重点を置いた経済対策を作成し、切れ目なく政策対応を実行しているところであります。
今般の補正予算はその第二弾に当たるわけで、その編成に当たり最も力を入れたのは、成長と雇用の創出につながるような施策の充実であります。
具体的には、「雇用・人材育成」、「新成長戦略の推進・加速」、「子育て、医療・介護・福祉等」、さらには「地域活性化、社会資本整備、中小企業対策等」、「規制・制度改革」の五つの柱のもと、経済の活性化や国民生活の安定、安心に真に役立つ施策を盛り込みました。
これらの施策により、成長分野における雇用創出が家計の所得や支出の増加につながるという、経済の好循環を確かなものとしていきたいと考えております。
児童虐待について御質問いただきました。
政府としては、本年七月、私を本部長とする、全閣僚により構成される子ども・若者育成支援推進本部において、子ども・若者ビジョンを決定いたしました。本ビジョンにおいては、児童虐待の発生予防のための支援の充実や、早期発見、早期対応等に取り組んでいくことといたしております。
本ビジョンの内容を踏まえ、政府全体で児童虐待防止対策に取り組んでまいりたいと考えます。
今月十一月は児童虐待防止推進月間であり、私も、きょうはそのオレンジリボンを胸につけております。政府としても、さまざまな広報啓発活動などを実施しております。家庭、学校、地域など、社会全体で関心と理解を深めていただきたいと考えております。
次に、労働者派遣法改正案についての御質問をいただきました。
現在提案しております労働者派遣法改正案は、登録型派遣や製造業務派遣の原則禁止などを内容とし、行き過ぎた規制緩和を適正化して派遣労働者の保護を行うための抜本的な改正を進めるものであり、今臨時国会で、速やかに御審議をいただき、早期の成立をお願いいたしたいと考えております。
次に、諸外国との信頼関係及び外交姿勢に関する質問をいただきました。
私の内閣が発足して以来、例えば日米関係については、オバマ大統領との間で二度の首脳会談を通じ、二十一世紀にふさわしい形で日米同盟を深化させる三本の柱ということで、安全保障、経済、そして文化・人材の交流、こういうことで進めようということで一致をし、信頼関係を深めてまいりました。
また、先般、私はベトナムを公式訪問し、史上初めて、原子力発電所の受注やレアアースの採掘権の確保といった、そうした成果を上げることができました。
また、世界第二の人口を擁するインドとの間では、EPA交渉に大筋合意し、先般訪日されたシン首相とともに、これを歓迎し、関係の書面にサインをいたしました。
そのほか、韓国の李明博大統領との間でも、二度の会談を通じ、日韓の連携強化を図ってきております。
このように、政権交代以降、国益を増進させるとの戦略的観点から、私や各閣僚が積極的に外国要人と会談を行い、諸外国との信頼関係を構築してきております。
私は、所信表明でも述べたとおり、国際社会が今や歴史の分水嶺とも呼ぶべき大きな変化に直面している中、主体的で能動的な外交を推進していくことが必要と考えております。その際、国を開き、世界の活力を積極的に取り込むとともに、国際社会が直面する課題の解決に向け、先頭に立って貢献する決意であります。
次に、環太平洋パートナーシップ、TPP協定及び東アジア政策についての御質問をいただきました。
日本の農業の活性化及び再生と、貿易の自由化をいかにして両立させるかが重要であります。我が国の農業従事者の平均年齢が六十六歳近くになっており、このままでは将来の日本の農業は立ち行かなくなります。若い人が農業に参画できるように、農業を活性化していかなければならないと考えております。
そのことと、私の内閣が掲げている、国を開くこととの両立の道筋をつけていかなければなりません。国民に理解していただくための中身が重要であり、党、内閣、国民との議論を通して一定の方向性を出していきたいと考えております。
EPA、FTAは、アジア太平洋諸国と成長、繁栄を共有するためのかけ橋として重要であります。ASEANプラス6を初めとする東アジア諸国との経済連携についても着実に実施をいたしてまいります。
先日、ASEANとの間で、ASEANプラス6、ASEANプラス3、さらにはアメリカとロシアを含めた東アジア首脳会議なども行われました。やはり、アジア太平洋という地域は、一つのこれからの大きな、日本にとってのより重要な地域になっていると考えておりまして、そういう意味では、アジアと同時に、太平洋地域との関連も深めていくことが必要だと思っております。
B型肝炎訴訟への対応についての御質問をいただきました。
B型肝炎訴訟の問題については、国会はもとより、広く社会の各界各層において、国民お一人お一人の問題として、さまざまな御議論をいただくことが必要だと考えております。
政府としては、原告の皆様のお気持ちに思いをいたしつつ、今後とも、誠意を持って和解協議を進めるとともに、広く国民の納得を得ながら解決が図られるよう、最大限努力してまいりたいと思います。
阿部議員はこの道の専門家でもありますので、このB型肝炎の持っているいろいろな背景はよく御存じだと思います。そういった中で、もちろん、患者さんといいますか感染された皆さんのことと同時に、幅広い国民の皆さんの理解もあわせて得ることの必要性も御理解がいただけると思っております。
原告の方々にお会いすることについては、和解協議が進んでいることでもありますが、今後、しかるべきときに適切に対応してまいりたいと考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣松本龍君登壇〕